Mihata
AI活用2026.08.06

AIの文章を人間らしく書く方法|AI感が出る7つの症状と直し方

AIに書かせた原稿を読んで「なんかAIっぽいな」と感じるとき、その正体は難しい言葉づかいではありません。AI感のほとんどは語彙ではなく「構造の癖」から出ています。前置きが長い、何でも3つに揃える、段落の入り方が全部同じ——この形の反復が、読者に「人が書いていない」という信号を送ります。

裏づけもあります。生物医学論文のアブストラクト1,500万本超(2010〜2024年)を分析した研究では、LLM登場後に急増した語は専門用語(内容語)ではなく、文体を左右する動詞・形容詞でした(Science Advances 2025 / arXiv:2406.07016)。同研究は2024年のアブストラクトの少なくとも13.5%がLLMで処理されたと推定しています。AI文の指紋は「何を書いたか」ではなく「どう書いたか」に出る、ということです。

この記事では、Mihataが毎日のAIブログ運用で実際に赤入れしている観点から、AI特有の文体の7つの症状 → その原因 → 直し方だけに絞って整理します。プロンプトの入門でもSEOライティング講座でもありません。「出てきた文章のAI感をどう削るか」の話です。

AIっぽい文章に共通する7つの症状と直し方

先に一覧で出します。どれも「言葉が難しい」ではなく「形が同じ」という問題です。

症状

現れ方

直し方(1手)

1. 前置きが長い

結論まで2〜3段落かかる

冒頭2段落を消して意味が通るか試す

2. 三点セット癖

列挙がほぼ必ず3つ

3つ目が本当に要るか疑う

3. 対句の反復

「単なる〜ではなく」「〜だけでなく」

1記事1回までにする

4. 段落の頭が同じ

「まず」「次に」「さらに」「また」

同じ接続語が3回出たら書き換え

5. 主語が消える

「重要とされています」

誰が言っているか書く/書けなければ削る

6. 保険をかける締め

「〜と言えるでしょう」

条件文(「〜の場合は」)に変換

7. 最後が必ず「まとめ」

総括だけで新しい情報がない

「明日やる1つ」を書く

症状1: 結論の前に「近年〜」が挟まる

いちばん多く、いちばん簡単に直る症状です。AIは本題に入る前に、読者がすでに知っている背景を説明したがります。

AI感が出る書き方:「近年、ビジネス環境が急速に変化する中で、多くの企業がDXへの対応を迫られています。特に中小企業においては、限られたリソースの中で効率化を進める必要があり……」

直した書き方:「中小企業のDXは、請求書処理から始めると失敗しにくいです。紙の枚数が多く、削減効果が最初の月に数字で出るからです。」

実務での判定法は単純で、冒頭2段落を消してみて意味が通るなら、その2段落は不要です。AIの原稿では8割方通ります。リード文そのものの設計はAIブログのリード文の書き方で別に扱っています。

症状2: 何でも3つに揃えてしまう

「理由は3つあります」「ポイントは3点です」。AIは列挙をほぼ必ず3点で作ります。ところが現実の要因は2つのことも5つのこともあり、3に揃えた瞬間、3つ目が薄くなります。

直し方は、箇条書きの数を意図的に不揃いにすること。2点で足りるなら2点で止めます。3つ目に「〜も重要です」しか書けていなければ、それは埋めるために生えた項目です。

症状3: 同じ対句が何度も出てくる

「単なる〜ではなく、〜です」「〜だけでなく、〜も欠かせません」「〜が鍵となります」。1回なら効きますが、AIはこれを1記事で5回も6回も使います。読者は意味ではなくリズムで既視感を覚えます。

ルールにしてしまうのが早いです。この種の対句は1記事に1回まで。2回目以降は「AはBです。Cもあります。」という普通の文に戻します。

症状4: 段落の入り方が全部同じ

「まず」「次に」「さらに」「また」「そして」。段落の先頭が接続語で始まり続けると、内容が違っても同じ文章に見えます。人が書いた文章は、いきなり主語から始まったり、質問から始まったり、数字から始まったりします。

チェックは目視で十分です。各段落の最初の3文字だけを縦に読むと、同じ語が並んでいるのがすぐ分かります。3回以上出た語は書き換えます。

症状5: 主語が消えて、誰の話か分からなくなる

「重要とされています」「注目されています」「〜が求められます」。この形は、AI感であると同時に信頼性の問題でもあります。誰がそう言っているのかを書けないなら、その文には根拠がないからです。

直し方は二択です。(a) 主語を入れて出典を付ける(「Googleは公式ドキュメントで〜と説明しています」)か、(b) その文ごと削るか。実務では(b)が多数派です。出典の付け方はAI記事のファクトチェック方法にまとめています。

症状6: 語尾で保険をかける

「〜と言えるでしょう」「〜ではないでしょうか」「一概には言えません」。AIは断定を避けるよう調整されているので、放っておくと語尾が全部ぼやけます。

ただし「全部言い切れ」ではありません。言い切れないものには条件を書くのが正解です。「効果があると言えるでしょう」ではなく「月100枚以上処理している会社なら、初月から差が出ます」。曖昧語を条件文に変換すると、AI感が消えるうえに内容が具体的になります。

症状7: 最後が必ず「まとめ」で、同じ温度で終わる

締めの見出しが毎回「まとめ」で、中身は本文の要約だけ——これは読者にとって新しい情報がゼロの段落です。AIは「網羅」を求められると必ず総括を付けます。

直すなら、最後の見出しに固有の中身を持たせること。要約ではなく「読者が明日やる1つ」「よくある失敗」「筆者の立場」のどれかを書きます。見出しの付け方全般はAIで記事タイトルの付け方も参考になります。

ここまでの7つは、生成のたびに毎回同じ場所に出ます。裏を返せば、チェック項目として固定できるということでもあります。私たちはこの観点をAIブログの運用フローに組み込んで、生成→赤入れ→公開まで回しています。記事の途中で恐縮ですが、同じ仕組みをそのままお使いいただけるサービスもご用意しているので、よろしければ合わせてご覧ください。

なぜAIはこういう文章を書くのか

症状の理由が分かると、直し方の優先順位が決まります。原因は大きく3つです。

理由1: 「最も無難な続き」を選ぶ仕組みだから

LLMは次に来る語として確率の高いものを選びます。無難な語の連続は、定義上「どこかで読んだことのある形」になります。前置き・対句・三点セットは、日本語のビジネス文で最も出現頻度が高い型なので、まっさきに選ばれます。AI感とは、平均に寄った文章の別名だと考えると腑に落ちます。

理由2: 素材がないと一般論に逃げるから

実務で最大の要因はこれです。自社の数字・実例・失敗談を渡さずに「〜について記事を書いて」と頼めば、AIは一般論しか書けません。一般論はどう推敲してもAI感が残ります。文体の問題ではなく、情報の問題だからです。

理由3: 癖そのものが移り変わるから

「この単語が出たらAI」というリストで追いかけるのは無理があります。学術論文の語彙を追跡した研究では、ChatGPTの多用語として2024年初頭に指摘された "delve" は指摘直後から頻度が急落した一方、"significant" のような別の語は増え続けたことが報告されています(arXiv:2502.09606)。書き手がAIの癖を知って避けるようになると、癖は別の場所へ移動するわけです。

だからこそ、単語ではなく構造(前置き・列挙数・段落の入り方・主語の有無)で見るほうが長持ちします。

生成の時点でAI感を減らす指示の当て方

推敲で削る前に、出てくる原稿の質を上げておくと工数が下がります。効果が大きい順に並べます。

  1. 素材を渡す: 自社の数値・実際の案件・言われた言葉。1つでも入ると一般論から抜けます。ここが最も効きます
  2. 読者と場面を固定する: 「従業員20名の建設会社で、経理を1人で回している人が、月末に読む」まで書く
  3. 禁止形を具体的に書く: 「前置きを書かない」「結論から書く」「列挙を3点に揃えない」「『〜と言えるでしょう』を使わない」
  4. 文体サンプルを渡す: 過去に自分が書いた300字程度を貼り、「この文体で」と指定する
  5. 長さを段落単位で指定する: 「1段落3文まで」と縛ると、水増しが減ります

指示の書き方そのものに不安があれば、プロンプトとは?AIへの指示の書き方から押さえると早いです。ただし前提として、プロンプトだけでAI感は消えません。最後は人が削ります。私たちの体感でも、赤入れ作業の8割は「削除」で、追加するのは自社の数字と固有名詞だけです。表記ゆれや誤字の機械的な部分はAIで記事を校正する自動化の手順に寄せて、人は判断だけに集中させると回ります。

「AI検出ツールで判定する」は当てにしない

「AIっぽさ」を数値で管理したくなりますが、検出ツールを基準にするのはおすすめしません。理由は2つあります。

1つ目は精度です。OpenAIは自社のAI Text Classifierを公開しましたが、2023年7月20日に「精度が低い」ことを理由に提供を終了しました(OpenAI公式ページの注記)。公開時に示されていた性能も、AIが書いた文章の26%しか「AIらしい」と判定できず、人間が書いた文章の9%を誤ってAI判定するというものでした。作った本人が畳んだ精度です。

2つ目は偏りです。GPT検出器は非ネイティブ英語話者の文章をAI生成と誤判定しやすく、しかも簡単なプロンプトで検出を回避できてしまうという研究があります(Liang et al. 2023)。検出スコアを下げること自体を目的にすると、わざと不自然な語を混ぜるような本末転倒が起きます。

目的は「検出されないこと」ではなく「読者が読めること」です。判断基準は人の目に戻しましょう。

Googleは「AIが書いたか」を見ていない

そもそも、AI感を消したい理由がSEOなら、前提を確認しておく価値があります。Googleは生成AIの利用そのものを禁止していません。公式ドキュメントが問題視しているのは、ユーザーに価値を加えないままページを大量生成すること(scaled content abuse)であって、書き手が人間かAIかではありません。

同じくGoogleの「有用で信頼性の高い ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」では、Who(誰が作ったか)・How(どうやって作ったか)・Why(なぜ作るのか)で自己評価するよう促しています。Whyの答えは「主に人の役に立つため」であるべきで、検索順位の操作が主目的ならスパムポリシー違反になる、という整理です。Howについては、自動化やAI生成を使った経緯を読者に伝える透明性が推奨されています。

つまりAI感を消す作業は、順位のための偽装ではなく、読者が読める文章に整える作業として位置づけるのが正しい。この線引きはAIブログ自動生成はペナルティ?Google公式見解と安全な使い方で詳しく扱っています。SEOを意識した書き方全般はAIライティングでSEO記事を書く方法を参照してください。さらに、AI検索(ChatGPTやAI Overviews)に引用されることまで狙うなら、文章の自然さだけでなく構造の作り方が要ります。具体的な7手順はLLMOのやり方7手順|AI検索に引用される記事の作り方にまとめています。

公開前の5分チェックリスト

実際に運用で使っている項目です。上から順に見て、引っかかったら直します。全部やっても5分程度で終わります。

  1. 冒頭2段落を消しても意味が通るか(通るなら消す)
  2. 箇条書きが全部3点になっていないか
  3. 段落の先頭に同じ接続語が3回以上出ていないか
  4. 主語のない断定(「重要とされています」)が残っていないか
  5. 本文に固有名詞と数字がいくつあるか(0なら一般論のまま)
  6. 「〜と言えるでしょう」を条件文に変換できないか
  7. 最後の見出しが要約だけになっていないか
  8. 声に出して読んで、息継ぎの位置に困らないか

特に5番目は効きます。固有名詞と数字がゼロの原稿は、文体をいくらいじってもAI感が抜けません。

AI感を消す作業は、書き足す作業ではなく削る作業

ここまで7つの症状を挙げましたが、対処はほぼ全部「消す」です。前置きを消す、3つ目の項目を消す、対句を消す、保険の語尾を消す。加えるのは自社の数字と固有名詞だけ——これが実務で回している形です。

明日から1つだけやるなら、冒頭2段落を消してみるところから始めてください。それだけで、読者が「AIっぽい」と感じる入口の大半が塞がります。

とはいえ、毎日この赤入れを人手で続けるのは負荷が高い作業でもあります。Mihataでは、この観点を組み込んだAIブログの生成・運用をサービスとして提供しています。押し売りするつもりはありませんが、記事の量と質の両方で困っている方には役に立つはずなので、よろしければ覗いてみてください。

よくある質問

AIの文章を人間らしくするには、まず何をすればいいですか?

冒頭2段落を消してみてください。AIは本題の前に読者が既に知っている背景を説明しがちで、消しても意味が通ることがほとんどです。AI感の入口の大半はここで塞がります。

AIっぽい文章の特徴は語彙の問題ですか?

主に構造の問題です。前置きの長さ、列挙が必ず3点になること、段落の入り方が全部同じこと、主語のない断定などの形の反復が原因です。生物医学論文1,500万本超を分析した研究でも、LLM登場後に増えたのは専門用語ではなく文体を左右する動詞・形容詞でした。

AI検出ツールでチェックすれば安心ですか?

おすすめしません。OpenAIは自社のAI Text Classifierを2023年7月20日に精度が低いことを理由に提供終了しています。また、GPT検出器が非ネイティブ英語話者の文章を誤判定しやすく、簡単なプロンプトで回避できるという研究もあります。判断は人の目に戻すのが確実です。

AIで書いた記事はGoogleにペナルティを受けますか?

AIで書いたこと自体は問題視されていません。Google公式ドキュメントが問題としているのは、ユーザーに価値を加えないままページを大量生成することです。作成方法ではなく、誰のために・なぜ作ったかが評価軸になります。

プロンプトを工夫すればAI感は完全に消せますか?

消えません。素材(自社の数値や実例)を渡す・読者と場面を固定する・禁止形を具体的に書くといった指示で減らせますが、最後は人が削る工程が必要です。実務では赤入れの8割が削除、追加するのは自社の数字と固有名詞だけです。

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