結論から言うと、外注とAIのどちらが安いかは「月に何本出すか」ではなく「1本あたり何時間編集にかけるか」で決まります。安いツールを使う場合、1本あたりおよそ3.5時間を超えて編集に手をかけた時点で、外注に出したほうが安くなります。逆に月額3万円クラスのツールを月2本しか出さないなら、編集時間がゼロでもツール代だけで外注の記事単価を超えます。この記事では、外注側とAI側の費用を同じ土俵に分解し、自社がどちらに倒れるかを計算できる形にしました。
この記事で扱うこと:外注とAI生成の費用の内訳と損益分岐の計算だけを扱います。金額そのものの相場やツールの良し悪しは別記事に集約しています。
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費用の内訳:外注とAIで「何にお金が乗るか」が違う
この比較でいちばん間違えやすいのは、外注は「記事単価」だけ、AIは「ツール月額」だけを見て並べてしまうことです。実際にはどちらにも社内の人がかける時間が乗ります。ここを内訳に入れないと、計算は必ずAI側に有利に歪みます。
外注側の内訳:記事単価+発注側の工数
外注で発生するのは支払額だけではありません。ターゲットと狙うキーワードを決め、構成を指示し、上がってきた原稿を読んで修正を戻し、検収する——この一連の作業は発注側に残ります。実務では1本あたり30分前後を見ておくのが現実的で、丸投げにするとむしろこの時間が増えます。記事単価の相場は記事単価5,000〜15,000円、専門記事で1万〜5万円とされています。
AI+編集側の内訳:ツール月額(固定)+編集工数(本数に比例)
AI側の費用は性格が2つに分かれます。ツール月額は本数によらず固定なので、出す本数が増えるほど1本あたりに乗るツール代は下がります。一方で編集工数は本数に比例して積み上がります。事実確認、自社の数字や事例の追記、トーンの調整は本数分そのまま発生し、ここは自動化できません。AIの安さは「固定費のほう」にしかない、と理解するのが正確です。
費目 | 外注 | AI+人の編集 |
|---|---|---|
本数によらず固定 | なし | ツール月額 |
本数に比例(社外への支払い) | 記事単価 | なし |
本数に比例(社内の時間) | 構成指示・修正・検収(約0.5時間/本) | 事実確認・加筆・調整(自社次第) |
本数を増やしたときの効き方 | まっすぐ増える | 1本あたりのツール代は下がる/編集分は増える |
損益分岐:分かれ目は本数ではなく「1本あたりの編集時間」
内訳が分かれば、損益分岐は式にできます。ここでは次の前提を置きます。いずれも自社の実態に合わせて差し替えてください。
- 社内担当者の人件費:時給3,000円(社会保険料等を含めた人件費を時間換算した目安)
- 外注の記事単価:10,000円/本(相場5,000〜15,000円の中央値)
- 外注でも社内に残る工数:0.5時間/本(=1,500円)
この前提だと、外注の実質コストは1本あたり11,500円です。AI側は「ツール月額 ÷ 月の本数 + 編集時間 × 3,000円」なので、両者が等しくなる編集時間が損益分岐点になります。計算すると次のとおりです。
ツール月額 | 月2本 | 月4本 | 月8本 |
|---|---|---|---|
3,000円 | 3.3時間/本 | 3.6時間/本 | 3.7時間/本 |
10,000円 | 2.2時間/本 | 3.0時間/本 | 3.4時間/本 |
30,000円 | —(常に外注が安い) | 1.3時間/本 | 2.6時間/本 |
表の数字は「これを超えて編集に時間をかけるなら外注のほうが安い」という境界です。読み取れることは3つあります。
- 安いツールなら、ほぼ何をしてもAIが安い。月額3,000円なら境界は3.3〜3.7時間で、1本に半日かける運用でもしない限り超えません。悩む必要がない領域です。
- 効いてくるのは「ツール月額 ÷ 本数」。同じツールでも、月8本出せば1本あたりのツール代は4分の1になります。高いツールを少ない本数で使うのが、いちばん損な組み合わせです。
- 月額3万円のツールで月2本は、編集時間ゼロでも成立しません。ツール代だけで1本15,000円になり、外注の11,500円を上回ります。この場合は本数を増やすか、ツールを下げるかの二択です。
私たちはAIブログの運用サービスも行っております。記事の途中で恐縮ですが、上の表でいう「編集時間が読めない」「本数を増やしたいが社内に時間がない」に当てはまる場合の選択肢のひとつとして、よろしければあわせてご覧いただけたら嬉しいです。
損益分岐がひっくり返る3つの条件
上の計算は「AIの下書きが編集で使いものになる」ことを前提にしています。次の3つに当てはまると、編集時間が想定より膨らんで境界を越えます。
- 取材・体験談・専門家の一次情報が必要な記事:AIは持っていない情報なので、下書きを直すのではなく人が取りに行く時間が丸ごと乗ります。編集ではなく執筆になり、境界は簡単に超えます。
- 事実の誤りが致命傷になる分野:価格・法令・数値を扱う記事は、1本あたりの確認工数が跳ね上がります。AI記事のファクトチェックの手順を工程として組み込んだうえで、その時間を編集時間に足して計算してください。
- 編集担当が決まっていない:誰がやるか決まっていない工程は、実際には「やらない」か「遅れる」かのどちらかになります。無編集のまま量産するのは、Googleが検索順位の操作を目的とした低品質コンテンツの大量生成はスパムポリシー違反になりうると明言している領域です。安さの計算以前の問題になります(詳しくはAIブログ自動生成とGoogleペナルティの関係)。
まとめ:計算すべきは単価ではなく「1本あたりの編集時間」
「外注とAI、どっちが安いか」に一般解はありません。決めているのはツール月額 ÷ 本数と1本あたりの編集時間の2つだけです。自社の時給・本数・ツール月額を上の式に入れれば、境界は数分で出せます。多くの中小企業では境界が3時間前後に落ち着くため、1本に3時間以上かけている実感があるなら外注、それ未満ならAI+編集が目安になります。まずは直近の数本で編集に実際どれだけ時間を使ったかを測るところから始めてください。
外注に倒す判断をした場合の依頼先の選び方はAIブログ記事作成の外注先の比較と選び方、検収の基準は記事制作の検収の品質基準と受け入れチェック12項目にまとめています。AI側に倒す場合のツール月額の比較はSEO記事生成AIの月額プランと無料版の制限をご覧ください。
よくある質問
ブログ記事は外注とAI生成のどちらが安いですか?
条件によって逆転します。決めているのは「ツール月額を月の本数で割った額」と「1本あたりの編集時間」の2つです。記事単価1万円・社内時給3,000円という前提だと、境界はおおむね1本3時間前後になります。それより短い編集で済むならAI、超えるなら外注のほうが安くなります。
損益分岐はどうやって計算すればいいですか?
外注側は「記事単価+社内に残る工数×時給」、AI側は「ツール月額÷月の本数+編集時間×時給」で出します。両者が等しくなる編集時間が損益分岐点です。記事本文の表に、ツール月額と月の本数の組み合わせごとの境界をまとめています。
本数を増やせばAIのほうが有利になりますか?
ツール代の部分だけは有利になります。ツール月額は固定なので、月8本出せば1本あたりのツール代は月2本のときの4分の1です。ただし編集時間は本数に比例して積み上がるため、編集体制が伴わないまま本数だけ増やしても総額は下がりません。
高機能なツールを契約したほうが結局安く済みませんか?
出す本数次第です。月額3万円のツールを月2本で使うと1本あたりのツール代が15,000円になり、編集時間がゼロでも外注の実質コストを上回ります。高いツールは本数を出せる体制とセットでないと成立しません。