Chromeで許可したはずの通知が出ない。原因は3階層のどこかで止まっているだけで、上から順に見れば必ず特定できます。
- OS側:Windowsの「応答不可」/macOSの集中モード・通知設定でChrome自体が抑えられている
- Chrome側:サイト設定で通知がブロック、またはChromeの安全チェックが権限を自動で外している
- サイト側:そのサイトの中で通知がオフになっている、あるいは通知を出す条件を満たしていない
見分け方は「他のアプリの通知は出るか」から始めるのが速いです。他のアプリも出ないならOS側(①)、Chromeだけ出ないならChrome側(②)、あるサイトだけ出ないならサイト側(③)です。順に手順を示します。
Windows 11:設定→システム→通知を上から見る
Windows 11 の通知は[スタート]→[設定]→[システム]→[通知]に集約されています。かつての「フォーカス アシスト」という名前は使われておらず、現在は「応答不可」と「フォーカス」に整理されています(Microsoft サポート)。確認するのは次の3点です。
- いちばん上の[通知]のスイッチがオンになっているか
- [アプリやその他の送信者からの通知]で Google Chrome を開き、「通知バナーを表示する」「通知センターに通知を表示する」「サウンドを再生する」がすべてオンか
- [応答不可]がオフか。通知センター(Windows キー + N、またはタスクバーの時計をクリック)を開き、zZ が付いたベルのアイコンが有効になっていないかを見る
実務でいちばん多い引っかかりは「バナーはオフだが通知センターには入っている」状態です。届いてはいるのにポップアップしないため「来ていない」と誤認されます。まず Windows キー + N で通知センターを開き、過去の通知が積まれていないかを見ると切り分けが一発で終わります。
「応答不可」が勝手にオンになる5つの条件
設定を触った覚えがないのに通知が消える場合は、自動でオンになる条件に当たっています。[設定]→[システム]→[通知]→[自動的に応答しない]を開くと、次の条件が並んでいます。
自動オンの条件 | ありがちな場面 |
|---|---|
一日の特定の時間帯 | 「毎日同じ時間だけ来ない」の正体 |
ディスプレイを複製する場合 | 会議室のモニターやプロジェクターに投影中 |
ゲームをプレイする場合 | ゲーム判定されたアプリの起動中 |
全画面表示モードでアプリを使用する場合 | 動画やスライドを全画面で見ている間 |
Windows 機能更新後の最初の1時間 | 大型アップデートの直後だけ出ない |
「投影を始めた日から通知が来なくなった」なら、ほぼ『ディスプレイを複製する場合』です。応答不可を切らずに特定の通知だけ通したいときは、同じ画面の[通話とアラーム][アプリ]から優先通知として Chrome を追加できます。あわせて、アプリ別設定の[通知の優先度]を「高」または「最上位」にすると、通知センターの上部に固定されて埋もれにくくなります(最上位に設定できるアプリは1つだけです)。
Mac:システム設定「通知」で見るべき3項目
macOS ではアップルメニュー→[システム設定]→サイドバーの[通知]を開きます。ここは上下2ブロックに分かれていて、上が全体(通知センター)、下が[アプリケーションの通知]です。Google Chrome は下のリストから選びます(Apple サポート「Macの『通知』設定」)。
- [通知を許可]がオンか。オフだと Chrome 側でいくら許可してもポップアップは出ません
- [通知スタイル]が「一時的」か「持続的」か。「一時的」はしばらくすると勝手に消えます。席を外している間の通知に気づけないのはこれが理由で、確実に拾いたいなら「持続的」にします
- [通知を表示:ディスプレイをミラーリング中または共有中]。既定で通知を止める設定にしていると、プレゼン中・画面共有中だけ通知が出ません。Windows の「ディスプレイを複製する場合」と同じ罠です
上のブロックには[通知を表示:ディスプレイがスリープ中のとき]と[画面がロックされているとき]もあります。離席中の通知を後から通知センターで拾いたいなら、この2つを「許可」にしておきます。
あわせて[システム設定]→[集中モード]も確認してください。「おやすみ」「仕事」などがスケジュールで自動オンになっていると、その時間帯だけ通知が消えます。「毎日決まった時間だけ通知が来ない」という症状なら、ほぼこれです。オンライン会議のあとに通知が来なくなったという場合も、集中モードが残っていないかを疑ってください。
Chrome側:サイト設定と、権限が自動で外れる仕組み
Chrome公式ヘルプの手順は次のとおりです。Chromeの右上[その他]→[設定]→[プライバシーとセキュリティ]→[サイトの設定]→[通知]を開き、「通知の送信を許可するサイト」「通知の送信を許可しないサイト」のリストを確認します。目的のサイトが後者に入っていれば、そこから外して許可側に追加します。
個別のサイトで直したいときは、そのページを開いてアドレスバー横の[サイト情報を表示]をクリックし、「通知」をオンに切り替えるのが最短です。
Chromeは「自分で」通知権限を外すことがある
「以前は出ていたのに、いつの間にか出なくなった」という症状の多くは、設定ミスではなく Chrome の安全チェックです。安全チェックはバックグラウンドで自動的に走り、通知に関して次の3つを行うとGoogleが明記しています(Chrome ヘルプ「安全チェック」)。
- 望ましくない可能性のある通知:許可済みの通知権限を見直すよう定期的に知らせてくる
- 使用されていないサイトの権限:最近使っていないサイトから権限そのものを削除する
- 不正な通知:セーフ ブラウジングが「だまして許可させた」と判断したサイトの通知権限を削除する
2つ目が曲者で、しばらく開いていなかった社内システムや業務ツールは、使っていなかったというだけで通知権限を失っていることがあります。設定を触った覚えがなくてもブロック側に落ちている前提で、[設定]→[プライバシーとセキュリティ]→[安全チェック]→[安全チェックに移動]を一度開いて、削除された権限が並んでいないか確認してください。
あわせて確認したいのが次の3点です。
- 「静かな方法で通知する」になっていないか。この設定だと、サイトは許可を求められる一方でポップアップは出ず、アドレスバーにベルのアイコンが出るだけになります。「許可ダイアログが出ない」の答えがここにあることは多いです
- シークレット モードで開いていないか。Chrome公式は「シークレット モードで閲覧している場合、通知は表示されません」と明記しています。仕様なので設定では直りません
- タブのミュート。通知は出るが音だけしない場合は、タブを右クリックして「サイトのミュートを解除」を選びます
音や視覚で気づきやすくしたいときは、Chrome の[ユーザー補助]→[設定]→[音声、字幕]→[点滅による通知]をオンにすると、通知の着信時に画面全体を指定色で点滅させられます。会議中でヘッドホンを外している時間が長い人には有効です。
「故障ではなく仕様」で止まっている3パターン
問い合わせを受けたとき、設定をいくら触っても直らないケースは、だいたい次の3つに当てはまります。先にここを潰すと無駄な調査が減ります。
状況 | 起きていること | 打ち手 |
|---|---|---|
プレゼン・画面共有の最中だけ出ない | Windowsは「ディスプレイを複製する場合」、macOSは「ミラーリング中または共有中」で自動的に止まる | OSの通知設定で該当項目を解除する。共有中に見せたくないなら、むしろそのままにする |
シークレット ウインドウで検証している | シークレット モードでは通知そのものが表示されない仕様 | 通常のウインドウで再テストする |
久しぶりに開いた社内ツールだけ出ない | 安全チェックが「使用されていないサイトの権限」として削除済み | サイトを開き直して通知を許可し直す |
逆に、PCを再起動したら直ったという報告が多いのも事実です。これは OS 側の通知サービスが詰まっていた場合で、上の3つに当てはまらないときは、設定をいじる前に一度再起動して切り分けるほうが早いことがあります。
タイマー・アラームの通知が来ないとき
Webのタイマーやアラームで「時間になっても知らせが来ない」場合、通知設定と別の原因が重なっていることがよくあります。切り分けの順序はこうです。
症状 | 疑うところ | 対処 |
|---|---|---|
他アプリの通知も出ない | OSの応答不可・集中モード | 通知センターの zZ ベル/macOSの集中モードをオフにする |
Chromeだけ通知が出ない | OSのアプリ別通知設定 | Google Chromeの通知を許可+バナー表示をオン |
特定サイトだけ出ない | サイト設定/安全チェックによる削除 | アドレスバー横の[サイト情報を表示]から通知をオン |
通知は出るが無音・音が小さい | タブのミュート/OS側の通知音 | ミュート解除し、ページ内で一度音を再生する |
出た瞬間に消えて気づけない | 通知スタイルが「一時的」 | macOSは「持続的」に変更。Windowsは通知の優先度を上げる |
時間そのものがずれている | タイマーの間引き | 裏タブの間引き。終了時刻を保持する方式のツールを選ぶ |
最後の行は通知設定では直りません。Chromeは非表示のページのタイマーをまとめて間引くため、経過を毎秒数える作りのツールは裏に回るとずれます。仕組みと回避策はブラウザのタイマーが裏タブでずれる原因に、鳴らない全般の切り分けはタイマーが鳴らない5大原因と対処にまとめています。検索窓から使う Google のタイマーが動かないときはGoogleタイマーが出ない・使えないときの直し方、音量そのものが足りないときはタイマーの音が小さいときの端末別の対処が近い話です。
そもそも通知に頼らないのも有効な解です。残り時間と現在時刻が画面に大きく出ていれば、通知が1回飛んでも目で気づけます。Mihata が公開している集中時計は、ブラウザで開くだけで全画面の時計とタイマーが出せる無料ツールです(登録不要・インストール不要)。通知が不安定な環境の保険として、サブモニターや隅のウインドウに開いておく使い方に向いています。
3分で終わる確認手順
- 通知センター(Windows キー + N / macOS は画面右上の日時)を開き、過去の通知が積まれていないか見る。積まれていればバナー・通知スタイルの問題
- Windows は通知センターの zZ ベルで応答不可を解除、macOS は集中モードをオフにする
- OSのアプリ別設定で Google Chrome の通知を許可し、バナー表示(macOSは「持続的」)もオンにする
- Chromeの[設定]→[プライバシーとセキュリティ]→[安全チェック]を開き、通知権限が削除されていないか見る
- [サイトの設定]→[通知]で、対象サイトがブロック側にいないか確認する
- 対象ページでアドレスバー横の[サイト情報を表示]から通知をオンにして、テスト通知を出す(シークレット ウインドウでは出ません)
- 音が出ないならタブのミュートを解除し、ページ内で一度音を再生しておく
社内の複数台で同じ症状が出る、業務システムの通知が届かないといったケースは、端末設定ではなく配信側の設計を見たほうが早いことがあります。お困りでしたらご相談ください。
よくある質問
許可したはずのサイトの通知が急に出なくなりました。
Chromeの安全チェックが、最近使っていないサイトの権限を自動的に削除することがあります。セーフ ブラウジングが不正と判断したサイトの通知権限も削除されます。設定→プライバシーとセキュリティ→安全チェックを開いて、削除された権限がないか確認してください。
毎日決まった時間だけ通知が来ません。
OSの応答不可・集中モードがスケジュールで自動オンになっている可能性が高いです。Windows 11は設定→システム→通知→「自動的に応答しない」、macOSはシステム設定→集中モードで時間帯のルールを確認してください。
プロジェクターに投影している間だけ通知が出ません。
仕様です。Windows 11は「ディスプレイを複製する場合」に応答不可が自動でオンになり、macOSは「通知を表示:ディスプレイをミラーリング中または共有中」で止まります。それぞれの項目を解除すれば投影中も通知が出ます。
シークレットモードで通知のテストをしても出ません。
Chrome公式が、シークレット モードでの閲覧中は通知が表示されないと明記しています。設定では変えられないので、通常のウインドウで再テストしてください。
新しいサイトで通知の許可ダイアログが出ません。
Chromeの通知設定が「静かな方法で通知する」になっていると、ポップアップは出ずアドレスバーにベルのアイコンが表示されるだけになります。そのベルを選ぶと許可できます。設定→プライバシーとセキュリティ→サイトの設定→通知で切り替えられます。
通知が直ってもタイマーの時間がずれます。
通知設定では直りません。Chromeは非表示のページのタイマーを間引くため、経過を毎秒数える作りのツールは裏に回るとずれます。終了時刻を保持する方式のツールを選んでください。