Mihata
仕事効率化(DX)2026.09.14更新 2026.10.14

エクセルがOneDriveで競合コピーされる時の対処

OneDrive 上の Excel ファイルが「〜のコピー」「〜-DESKTOP-XXXX」として増えているときは、増えたファイルを消す前に、元ファイルの「バージョン履歴」を開いて中身を突き合わせるのが最短です。OneDrive は競合が起きると片方を黙って捨てず、職場または学校のアカウントでは Office 以外のファイル形式に対して最大 5 つの競合バージョンを作る仕様になっているためです。つまり「増えた」のは事故ではなく、どちらの変更も失わないための動作です。この記事では、競合コピーの見分け方、安全なマージ手順、そして二度と増やさない設定までを順に説明します。

まず切り分ける:2〜3分でできる判定

原因を探る前に、いま手元で何が起きているかを確定させます。ここで紹介する操作はすべて読み取り中心で、ブックの中身を壊しません。増えたファイルの削除は、切り分けが終わるまで絶対に行わないでください。

手順1:ファイル名の末尾を読む

増えたファイルの名前を、拡張子の直前まで正確に読みます。判定はここでほぼ付きます。

  1. エクスプローラーで該当フォルダーを開き、表示を「詳細」にして「更新日時」で並べ替える。
  2. ファイル名の末尾に 端末名(例: 売上管理-DESKTOP-A1B2C3.xlsx)が付いていないか見る。
  3. 「〜のコピー」「〜 (1)」のように連番だけが付いていないか見る。
  4. それぞれの更新日時と、作成者(「詳細」表示の「作成者」列)を控える。

端末名が付いているものは、OneDrive が同期の競合を検出して作った競合コピーです。連番だけのものは、手作業のコピーや、別アプリからの保存が原因であることが多く、別の対処になります。

手順2:同期アイコンの色を見る

タスクバー右下の OneDrive の雲アイコンをクリックします。「同期しています」と出ていれば処理の途中なので、数分待ってから再確認します。「一時停止中」や「同期の問題」が出ている場合は、原因が編集の衝突ではなく同期側にあります(OneDrive の同期に関する問題を解決する)。

手順3:元ファイルを開いて自動保存の表示を見る

元のファイル(端末名が付いていないほう)を Excel で開き、ウィンドウ左上を見ます。ここに「自動保存」のトグルがあり、オンになっていれば共同編集が成立している状態です。トグルが灰色(オフ)のまま切り替えられない、あるいはトグル自体が出ていない場合は、そのファイルは共同編集の条件を満たしていません。これが競合コピーが量産される最大の原因です。開いた直後に黄色い帯が出て入力そのものを受け付けないなら競合以前の話なので、エクセルの保護されたビューで編集できないときの原因の切り分け表を先に見てください。

見えている症状

もっとも疑わしい原因

飛ぶ先

ファイル名に端末名が付いて増える

オフライン中の同時編集

原因1

自動保存のトグルがオフで切り替わらない

保存場所かファイル形式

原因2・原因3

保存時に「競合が検出されました」と出る

サーバー側が先に更新された

原因1・原因4

アイコンが一時停止・警告のまま

同期停止/容量超過

原因5

「他のユーザーが編集中」で読み取り専用

ファイルのロック

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「競合の解決」と表示されたときはどこを見るか

画面に「競合の解決」と出て先に進めない場合も、起きていることはファイルの増殖と同じ「どちらの変更を残すか決まっていない」状態です。ただし表示の出どころが2通りあり、見るべき場所が変わります。ここを間違えると、直したつもりで同じ画面が翌日また出ます。

1つめは、共同編集中に通信が途切れて手元の変更がサーバー側へマージされなかった場合です。このとき Microsoft はこの状態を「マージの競合」と呼び、画面には[変更をマージする]と[結合されていないコピーを開く]の2つ、そして右上に破棄の[×]が出ます(Excel クラウド ファイルで差し込みの競合を管理する方法)。迷ったら[結合されていないコピーを開く]を選んでください。マージされていないコピーが保存されるので、自分の変更を失わずに後から見比べられます。

2つめは、そのブックで旧来の共有ブック機能が有効になっている場合です。共同編集ではなく共有ブックで運用されているブックは、保存のたびに変更箇所の突き合わせを求めてきます。この場合は画面で選び続けても終わらないので、後述の原因3(共同編集できていない)の確認へ進み、共有ブックを解除して共同編集へ切り替えるのが解決です。

競合コピーとは、OneDrive が同期の衝突を検出したときに、どちらの変更も捨てないために自動で作る「もう一方のバージョン」のことです。元のファイル名はオンライン側が保ち、端末側のほうにデバイス名が付きます。つまり競合コピーは不具合の痕跡ではなく、データを守るために残された作業中のファイルなので、中身を確認するまで削除しないでください。

対処の前に1つ。競合コピーは「同じファイルを2人が同時に持った」ときにしか起きません。ファイルを配らず1か所で入力させる形に変えると根本から消えます(スプシ de 社内アプリ)。

原因別の対処

原因1:オフライン中に複数人が同じブックを編集した

もっとも多いのがこれです。誰かが機内モードや社外の圏外環境でブックを編集し、その間に別の人がクラウド側を更新すると、OneDrive は両方の変更を持ったまま再接続することになります。Microsoft の手順では、Office ファイルの競合はまず対象のファイルを開くことで解決を試み、それでも解決しない場合は Office アプリ側の競合解決の画面に進みます。そこでは「コピーの保存」(同期フォルダーの外に自分のバージョンを保存する)と「破棄」(自分の変更を捨ててサーバーの新しいバージョンを取得する)の 2 つが提示されます(職場または学校の OneDrive の同期に関する問題を解決する)。

  1. エクスプローラーで、競合が疑われるファイルをダブルクリックして Excel で開く。
  2. 競合解決の案内が出たら、いきなり「破棄」を選ばない。自分の変更が消えるため、まず「コピーの保存」を選ぶ。
  3. 保存先には、同期フォルダーの外(デスクトップなど)を指定する。
  4. そのうえで、後述のマージ手順で 2 つのブックを突き合わせる。

なお、Office 以外のファイル形式(CSV やテキストなど)で競合が起きた場合は、OneDrive が自動的に両方を残します。オンライン側は元のファイル名のまま、端末側のコピーには「Report-JOHNS-SURFACE.txt」のようにデバイス名が付与されます。この名前の付き方を知っていれば、どちらがクラウドの正本かはファイル名だけで判別できます。

原因2:自動保存がオフのまま編集している

自動保存は、ファイルが OneDrive、OneDrive for Business、SharePoint Online に保存されているときに既定で有効になり、数秒ごとに変更がクラウドへ書き戻されます。逆に、オンプレミスの SharePoint サイト、ファイルサーバー、他社のクラウドストレージ、ローカルパスにあるファイルでは自動保存は無効になります(自動保存とは)。自動保存がオフだと、各自が手元で長時間ためこんだ変更を保存のタイミングでぶつけ合うことになり、競合コピーが生まれやすくなります。

  1. Excel でブックを開き、左上の「自動保存」トグルの状態を確認する。
  2. オフなら、そのまま切り替えられるかを試す。切り替えられない場合は保存場所か形式に原因がある。
  3. 「ファイル」→「名前を付けて保存」で、保存先に OneDrive または SharePoint のライブラリを選ぶ。
  4. 再度ブックを開き直し、自動保存がオンになることを確認する。

注意点として、自動保存は「保存し忘れ」を防ぐ機能であると同時に、誤った編集も即座にクラウドへ反映します。元に戻したいときは Ctrl+Z ではなくバージョン履歴から戻す運用に切り替えてください。

原因3:ファイル形式や機能のせいで共同編集できていない

Excel で共同編集ができるのは、ファイルが .xlsx / .xlsm / .xlsb 形式で、かつ OneDrive、OneDrive for Business、SharePoint Online ライブラリに保存されている場合です。SharePoint のオンプレミス環境は対象外です(Excel ブックの共同編集を使用して同時に共同作業を行う)。古い .xls 形式のままのブックは自動保存の対象外で、共同編集も成立しません。

もう一つの落とし穴が、旧来の「共有ブック」機能です。これは 1 つのブックを複数人で扱うための以前の機能で、Microsoft は後継である共同編集への移行を案内しています。共有ブックでは、表やグラフの作成・変更、ワークシートの削除、条件付き書式、セルの結合、ハイパーリンク、ピボットテーブル、マクロ、スライサーなど多数の機能が使えなくなります(共有ブック機能について)。さらに共有ブック機能がオンのブックでは自動保存が無効になるため、競合コピーが出る条件が揃ってしまいます。

  1. 「ファイル」→「情報」でファイル形式を確認し、.xls なら「名前を付けて保存」で .xlsx として保存し直す。
  2. 共有ブックの解除は、「校閲」タブに「ブックの共有解除」があればそれを実行する。見当たらない場合は「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」または「クイック アクセス ツール バー」から該当コマンドを追加して実行する。
  3. 解除後にブックを閉じ、開き直して自動保存がオンになることを確認する。
  4. 旧ファイルは同期フォルダーの外へ退避し、フォルダー内に新旧が並ばないようにする。

このほか、パスワードによる暗号化、アクセス制限(IRM)、ActiveX コントロールなどが含まれるファイルも共同編集が禁止されます(Office の共同編集のトラブルシューティング)。「社外に出さないから」という理由でブック全体にパスワードをかけている場合は、フォルダー側の共有権限で守る形に切り替えるほうが競合は起きません。

原因4:同じファイルを複数の端末で開いたままにしている

自分ひとりしか触っていないのに競合コピーが出る場合、犯人はたいてい自分の別端末です。会社の PC で開いたまま帰宅し、自宅のノート PC やスマホの Excel アプリで同じブックを開くと、2 人で編集しているのと同じ状態になります。特にノート PC をスリープで閉じている間は、開いたままのブックがロックだけを保持し続けます。

  1. 使っていない端末で Excel を終了する(ウィンドウを閉じるだけでなくアプリを終了する)。
  2. スマホやタブレットの Office アプリで、該当ブックを開いたままにしていないか確認する。
  3. Excel for the web(ブラウザ版)のタブが残っていないか確認して閉じる。
  4. その後、OneDrive のアイコンから同期が「最新の状態」になるまで待つ。

原因5:同期の一時停止・容量超過で止まっている

同期が止まっている間の編集は、再開したときにまとめてぶつかります。OneDrive には手動の一時停止機能があり、従量制課金ネットワークやバッテリー節約モードで自動的に止まることもあります。また、Microsoft のストレージ上限を超えると、新しいファイルのアップロード・編集・同期ができなくなります(OneDrive の同期に関する問題を解決する)。

  1. タスクバーの OneDrive アイコン →「ヘルプと設定」→「同期の再開」を選ぶ。
  2. 同じメニューの「設定」→「アカウント」で、使用中の容量と上限を確認する。
  3. 上限に近い場合は、同期フォルダー内の大きなファイルを整理してから再同期する。
  4. それでも止まる場合は、いったんサインアウトして再度サインインする。

競合コピーを安全にマージする手順

ここが本題です。競合コピーは「どちらが正しいか」を人間が決めるための材料なので、機械的に新しいほうを残すのは危険です。バージョン履歴は Microsoft 365 の OneDrive または SharePoint に保存されているファイルでのみ機能します(以前のバージョンの Office ファイルを表示する)。

  1. 競合コピーを、いったん同期フォルダーの外(デスクトップなど)へ移動する。これ以上の競合の連鎖を止めるためです。
  2. 元ファイルを Excel で開き、Microsoft 365 ではタイトルバーのファイル名をクリックして「バージョン履歴」を選ぶ。Office 2016〜2021 では「ファイル」→「情報」→「バージョン履歴」に進む。
  3. 一覧から、競合が起きた時刻の前後のバージョンを選んで開く。復元ではなくまず開いて中身を見るのが安全です。
  4. 競合コピーと見比べ、どのシート・どの範囲が違うかを特定する。行数が多い場合は、両方を別ウィンドウで開き、集計値(合計・件数)を先に突き合わせると差分の場所が絞れます。
  5. 正しい値を、元ファイル(クラウド側の正本)へ手で反映する。反映方向を一方向に固定するのがコツです。
  6. 反映が終わったら、退避しておいた競合コピーの名前を「_競合_20260914」のように書き換えて別フォルダーへ保管し、1〜2 週間後に削除する。

どうしても元に戻したいだけであれば、バージョン履歴で対象のバージョンを選び「復元」を実行します。ただし復元はその後の変更を上書きします。他の人が同時に作業している時間帯は避けてください。

「変更を保持」はどのボタンか:画面の名前と実際の挙動

競合の画面を前にして手が止まるのは、探している言葉と画面に出ている言葉が違うからです。「変更を保持」という名前のボタンは、Microsoft の公式ドキュメントで案内されているどの画面にも出てきません。自分の変更を保持したいときに押すものは、出ている画面によって名前が変わります。下の表で読み替えてください。

やりたいこと

実際に画面に出る名前

押した結果(公式の説明)

自分の変更を保持したい(同期の競合)

[コピーの保存]

同期されたフォルダーの外部に、自分のバージョンのコピーを保存する

自分の変更を保持したい(共同編集のマージ失敗)

[結合されていないコピーを開く]

マージされていないコピーが残り、後から見比べて手で移せる

サーバー側に合わせたい

[破棄]

変更を破棄し、サーバーから新しいバージョンをフェッチする

両方を残したい(Office 以外のファイル)

ボタンは出ない

OneDrive が両方のバージョンを自動的に保持し、端末側のコピーにデバイス名が付く

つまり「変更を保持」に相当するのは、ほとんどの場合[コピーの保存]です(職場または学校の OneDrive の同期に関する問題を解決する)。保持という言葉から想像するのと違い、保存先は同期フォルダーの外になります。そのため押した直後に OneDrive 上を探しても見つからず、「保持したのに消えた」と誤解しやすいところです。保存ダイアログに出たパスを必ず控えてください。

どちらのバージョンを残すかは自動では決まらない

競合したファイルが2つ並んだ時点で、公式手順は「これらのファイル バージョンを処理する方法を決定する必要があります」として、次の3つを挙げるだけです(職場または学校の OneDrive の同期に関する問題を解決する)。どちらのバージョンが正しいかを判断するのは人間側で、OneDrive は決めてくれません。

  • アプリケーションで開いてファイルのバージョンを比較し、変更を 1 つの統合バージョンにマージしてから、他のバージョンを削除する。
  • ファイル バージョンの名前を変更して区別する。
  • 両方のバージョンのファイルを保持する。

どちらのバージョンを残すか即断できないときは、2つめ(名前を変えて区別する)でいったん止めるのが安全です。期限が迫っている場面で1つめのマージを急ぐと、消したほうに入っていた入力に後から気付くことになります。なお、競合の疑いがあるファイルはエクスプローラーで同期アイコンが付きますが、公式には「このアイコンは、競合が発生するとは限りません。ファイルの同期中にも表示されますが、アクティブに同期されていないファイルに残っている場合は、解決する必要がある競合を示します」とあります。同期が動いていないのにアイコンが残っているかどうかで見分けてください。

Ctrl+S を押す前に決めておく

Excel のキーボード ショートカット一覧で「ブックを保存します」に割り当てられているのが Ctrl+S です(Excel のキーボード ショートカット)。自動保存がオフのブックでは、この Ctrl+S を押したその瞬間が衝突の瞬間になります。押すまでは手元にしか変更が無く、押した時点で初めてサーバー側の新しいバージョンとぶつかるためです。

  1. Ctrl+S の前に、ウィンドウ左上の「自動保存」がオンかオフかを見る。オンなら数秒ごとに反映されているので、保存の押し方で競合は起きません。
  2. オフなら、押す前に他の人が同じブックを開いていないかを確認する。
  3. 長時間ためてから一度に Ctrl+S を押す形をやめ、節目ごとに保存する。ぶつかったときの差分が小さいほど、どちらのバージョンを残すかの判断は軽くなります。
  4. 保存の直後に競合やアップロードの失敗が出たら、ブックを閉じる前に[コピーの保存]で手元へ退避する。閉じてしまうと、退避の選択肢が出ないまま次の起動を待つことになります。

なお、共同編集中にマージできなかった場合に出る画面では、選択肢は[変更をマージする]と[結合されていないコピーを開く]、そして右上の破棄の[×]だけです(Excel クラウド ファイルで差し込みの競合を管理する方法)。ここに Ctrl+S の出番はないので、保存を押し直して直そうとしないでください。

OneDrive をリセットして同期をやり直す

競合コピーが出続けるのに、中身を見比べても衝突した覚えがない場合は、ファイルではなく同期そのものが壊れていることがあります。この順番で最後に来るのが、OneDrive をリセットする操作です。先に公式が案内している軽いものから試してください。

  • キャッシュされたファイルをクリアする:タスク バーの通知領域で Microsoft Office アップロード センターのアイコンを右クリックし、[設定]→[キャッシュされたファイルを削除する]を実行する(職場または学校の OneDrive の同期に関する問題を解決する)。
  • ライブラリの同期を停止して再同期する:同期を切っても、ファイルは以前に同期されたフォルダーとライブラリの両方に残ります。ただし公式に「同期が確立された後は、同期されたフォルダーの名前を変更しないでください。これで同期関係が壊れます」とあるため、フォルダー名は触らないこと。

Windows で OneDrive をリセットする手順

  1. [Windows]キー + [R]で[ファイル名を指定して実行]を開く。
  2. wsreset.exe を貼り付けて実行する。
  3. 同じ手順で %localappdata%\Microsoft\OneDrive\onedrive.exe /reset を実行する。
  4. ファイルが見つからないと表示された場合は、C:\Program Files\Microsoft OneDrive\onedrive.exe /reset、次に C:\Program Files (x86)\Microsoft OneDrive\onedrive.exe /reset を試す。
  5. スタート メニューから OneDrive を手動で起動し直す(OneDrive をリセットする)。

公式には「お使いのコンピューターで OneDrive をリセットしても、ファイルやデータが失われることはありません」と明記されています。リセットで行われるのは DAT ファイルの削除と設定の読み込み直しで、その後に完全な同期が実行されます。したがって同期対象が大きい職場では、終わるまでに時間がかかる点だけ見込んでおいてください。特定のフォルダーだけを同期する設定にしていた場合は、リセット後にもう一度選び直す必要があります。

Mac では手順が別で、トップ トレイの OneDrive アイコンから終了させたうえで、[アプリケーション]の OneDrive を Control キーを押しながら選んでパッケージの内容を表示し、Contents → Resources にある ResetOneDriveApp.command をダブルクリックします(OneDrive をリセットする)。

1つ注意点があります。OneDrive をリセットしても、既にできている競合コピーの中身は変わりません。リセットは同期の経路を作り直す操作なので、先に競合コピーを同期フォルダーの外へ退避してからリセットするのが安全です。退避せずにリセットすると、完全な同期の途中で同じファイル名がもう一度ぶつかり、競合コピーが増えることがあります。

再発させない運用

設定を直しても、運用が「ファイルを配る」ままだと競合は戻ってきます。Excel は、1 つのファイルを 1 か所に置いて複数人で触る前提の道具ではなく、競合解決の仕組みはあくまで事故処理です。再発を止めるには、次の 3 つを決めておくのが現実的です。

  • 同期フォルダーの中でコピーを作らない。「〜_修正版」「〜_田中」を同じフォルダーに置かない。
  • 編集はブラウザ版(Excel for the web)に寄せる。デスクトップ版とオフライン編集の組み合わせが競合の主因なので、常時オンラインで触る形にすると衝突が減ります。
  • 添付ファイルで配らない。メールやチャットに .xlsx を添付した時点で、正本が分岐します。共有はリンクで行います。

やり方

同時編集

競合コピーの発生

変更履歴

ファイルサーバーの Excel を共有

不可(ロック待ち)

手動コピーで発生

残らない

OneDrive + 自動保存オン

可能

オフライン編集時に発生

バージョン履歴

OneDrive + 自動保存オフ

実質不可

起きやすい

バージョン履歴

入力画面とデータを分ける仕組み

可能

構造上起きない

1 行ごとに残せる

一番下の行が、根本的な解き方です。ファイルそのものを共有するのではなく、入力する場所と貯める場所を分ければ、同じセルを取り合う状況が生まれません。Mihata では、この考え方でスプレッドシートを社内アプリのように使う形をご提案しています。いまの Excel 運用のどこを変えれば競合が止まるかだけでも、参考になれば幸いです。

関連する症状として、競合ではなく「他の人が編集中」で開けないケースがあります。ロックの外し方はエクセルが他の人が編集中で開けない時の対処にまとめました。また、同じ数字を複数のブックに入れ直しているのであれば、Excel 二重入力をなくす方法も合わせてご覧ください。

競合コピーが作られる手前で、そもそも同期が進んでいないケースもあります。OneDriveのアイコンが「同期保留中」のまま止まっているなら、競合以前の問題なので同期保留中が直らない時の見方と対処から確認してください。

それでも直らない時の見極め

次のどれかに当てはまる場合、Excel の設定変更では止まりません。仕組みを変える判断に切り替えたほうが早いです。

  • 週に 1 回以上、競合コピーが出ている。同時編集の頻度に対して、ファイル共有という方式が合っていません。
  • マクロや外部参照が絡んでいる。共有ブック機能ではマクロが使えず、参照先が動くと再計算のタイミングで差分が生まれます。
  • 同じブックを 5 人以上が触っている。バージョン履歴での突き合わせが人手で回らなくなります。
  • どのバージョンが正本か、誰も断言できない。この状態まで来ると、どれを残しても後から間違いが見つかります。

正直に申し上げると、仕組みを変えるにはある程度の手間がかかります。ただ、競合コピーの突き合わせに毎週 30 分を使っているなら、半年でその手間は回収できる計算になります。いまの運用を見ていただければ、どこから手を付けるべきかは判断できるかと思います。

競合コピーが毎日できる職場は、たいてい同じ表を複数人が別々に持っています。転記の重複と不整合を一元化する手順を先に読むと、そもそも競合しない形が見えてきます。ファイルを開くだけで待たされる場合はエクセルが重いときの原因の特定手順も合わせて確認してください。

競合したコピーではなく、Excelの中に「競合の解決」という画面が出る場合は、別の機能(従来の共有ブック)が原因です。出る場所ごとの見分け方はExcelの「競合の解決」はどこに出るのかにまとめています。

よくある質問

競合コピーは削除してしまって大丈夫ですか?

すぐには削除しないでください。競合コピーには、まだクラウド側に反映されていない変更が入っている可能性があります。元ファイルのバージョン履歴と見比べ、必要な値を元ファイルへ反映してから、名前を変えて別フォルダーに1〜2週間保管し、そのうえで削除するのが安全です。

ファイル名に「-DESKTOP-A1B2C3」のような端末名が付くのはなぜですか?

OneDrive が同期の競合を検出したときに、どちらの変更も失わないよう両方を残す動作です。オンライン側は元のファイル名を保ち、端末側のコピーにデバイス名が付きます。職場または学校の OneDrive では、Office 以外のファイル形式に対して最大5つの競合バージョンが作られます。

自動保存をオンにできません。何を確認すればよいですか?

保存場所とファイル形式の2つです。自動保存が有効になるのは OneDrive、OneDrive for Business、SharePoint Online に保存されたファイルで、ローカルパスやオンプレミスの SharePoint、ファイルサーバー上では無効になります。また .xls など旧形式、パスワード暗号化、共有ブック機能がオンのブックでも無効です。

マクロ付きのブックは共同編集できませんか?

Excel の共同編集は .xlsx、.xlsm、.xlsb の形式に対応しているため、.xlsm のブック自体は対象です。ただし旧来の「共有ブック」機能をオンにするとマクロが使えなくなり、自動保存も無効になります。共有ブックは解除し、共同編集へ切り替えてください。

バージョン履歴から復元すると、他の人の変更は消えますか?

復元はその後の変更を上書きします。他の人が同時に作業している時間帯の復元は避け、まずは対象バージョンを開いて中身を確認し、必要な値だけを手で反映する方法をおすすめします。

OneDrive をリセットすると、ファイルは消えますか?

公式には「お使いのコンピューターで OneDrive をリセットしても、ファイルやデータが失われることはありません」と明記されています。ただしリセット後は完全な同期が実行されるため時間がかかり、特定のフォルダーだけを同期する設定にしていた場合は選び直しが必要です。既にできている競合コピーの中身は変わらないので、先に同期フォルダーの外へ退避してからリセットしてください。

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