Mihata
AI活用2026.08.15

生成AI研修のカリキュラム内容|全12回の設計を公開【2026】

「生成AI研修のカリキュラム内容」を調べている方の多くは、提案書に並ぶ「プロンプト基礎」「業務活用」という見出しだけでは、自社の何が変わるのかを判断できずにいます。目次は立派でも、中身が空のテンプレートである可能性を見抜けないからです。

結論から言うと、成果が出るカリキュラムは「前半で道具を覚え、後半で自社の業務に効かせる」という順序で組まれています。Mihata が中小企業向けに提供している「AI・IT/DX導入支援」は月1回・全12回で、前半6回を生成AIツールの習熟に、後半6回を業務への適用と自動化に充てています。この記事では、その12回分の設計をそのまま表で公開し、なぜ毎回同じ型で進めるのか、会社ごとの違いをどこで吸収するのかまで開示します。

前提として、総務省の令和7年版 情報通信白書によれば、生成AIの活用方針を策定している日本企業の割合は2024年度調査で49.7%にとどまります。方針が定まらないまま研修だけを実施しても、受講後に使う場所がないため定着しません。カリキュラムの第1回が「ツールの使い方」から始まる提案は、この点で危ういと考えています。

生成AI研修のカリキュラム内容は「道具6回+業務6回」で決まる

1日完結の集合研修と、12ヶ月かけて伴走するプログラムでは、カリキュラムの設計思想がまったく違います。1日研修は「知っている状態」を作るのが限界ですが、12回のプログラムは「業務が変わった状態」までを射程に入れられます。

そのために Mihata が採っているのが、縦軸に成熟度、横軸に業務を置いた設計です。前半6回(第1〜6回)で生成AIとGoogle Workspace の道具を全員が触れるようにし、後半6回(第7〜12回)でデータの置き場所を整え、定型作業を自動化し、社内専用AIを作って全社に展開します。順序を入れ替えないのは、土台が散らかったままでは自動化も社内AIも効かないからです。散らかった資料を読ませたAIは、散らかった答えしか返しません。

12回を終えたときに目指す状態は、次の4つです。

  1. 全社員が、毎日の文章仕事・調べ物・会議記録でAIを普通に使っている
  2. 社内資料をAIに聞けば、出典付きで答えが返ってくる
  3. ファイルとデータの置き場所が揃い、探す時間と転記する時間が減っている
  4. 定型作業が人手ゼロで回り、削減時間と金額を数字で示せる

全12回カリキュラムの内容一覧

実際に使っている標準カリキュラムの回別一覧です。各回は「解決する困りごと」から逆算して道具を選んでいます。道具名から入っていない点に注目してください。

テーマ

この回で解決すること

使う主な道具

1

現状の確認とAIの全体感

何から手をつけるか分からない/使ってよい範囲が不明

ヒアリング、AI3種の比較

2

Gemini × Google Workspace

議事録が残らない/メール返信に時間がかかる

Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・Meet

3

Claude 基礎編

長い資料を読む時間がない/毎回前提を説明している

Claude、Projects

4

ChatGPT 基礎編

調べ物が終わらない/使い方が個人止まり

ChatGPT、GPTs

5

NotebookLM と議事録AI

マニュアルが読まれない/同じ質問に何度も答える

NotebookLM、議事録AI

6

資料・画像・動画の生成AI

資料作成に丸1日/素材がなく外注が高い

Gamma・Canva、画像/動画生成

7

Google Workspace の土台整備

最新版が分からない/ファイルが個人PCに散在

共有ドライブ、権限設計

8

スプレッドシート × AI

同じ数字を何度も転記/Excelが属人化

スプレッドシート、フォーム

9

GAS で定型作業を自動化

毎月同じ作業/担当が休むと止まる

GAS(AIに書かせる)

10

Dify / n8n / Google Workflows

仕分けや書類の読み取りを人がやっている

Dify、n8n、Workflows

11

社内専用AIをつくる

毎回前提説明/ベテランの知識が継がれない

GPTs・Gem・Projects・Dify

12

全社展開と1年の成果

使う人と使わない人の差/効果が説明できない

ダッシュボード、成果報告

この一覧を公開している理由は単純で、カリキュラムの中身は、比較検討の段階で見えていないと判断できないと考えているからです。研修会社を比べる基準そのものについては、AI研修の会社を比較する5基準で別途整理しています。

なぜ毎回同じ型で進めるのか

12回すべてで、スライドの骨格を固定しています。表紙、今日のゴール、前回の宿題ふりかえり、進捗ダッシュボード、よくある課題、今日の道具、本編、デモ、Before/After、効果試算、よくある失敗、貴社への当てはめ、今月の宿題、次回予告。差し替わるのは本編とデモだけです。

毎回同じ型にする理由は3つあります。

1. 前回からの連続性が切れないから

研修が単発の点として並ぶと、参加者は毎回ゼロから聞く姿勢になります。冒頭に「前回の宿題ふりかえり」と「進捗ダッシュボード」を必ず置くことで、12回が1本の線としてつながります。ダッシュボードは毎回同じ図で、累計の削減時間・利用率・自動化本数の3つだけを追います。指標を増やさないのは、増やすと誰も見なくなるからです。

2. 宿題が実行される設計になるから

宿題は毎回3つ以内に固定しています。実務では、4つ以上出した月は高い確率でどれも終わりません。さらに「誰が・いつまでに」を部署名ではなく個人名で埋め、3つのうち1つは必ず5分で終わる粒度にします。できなかった宿題を責めても意味はなく、時間・権限・スキルのどこが詰まっているかを構造として特定するほうが早い、というのが現場での実感です。

3. 毎回、金額まで出す欄が強制されるから

各回に効果試算のスライドを固定で入れています。式は「対象人数 × 1回あたり削減時間 × 頻度 × 時間単価」です。たとえば事務5名が月80件の処理を20分から8分に短縮できれば、月間16時間・時間単価3,000円で年間約57.6万円という形で置きます。

数字は仮で構いません。目的は前提を明示することにあります。むしろ控えめな前提で出したほうが信用されるため、効果が薄い業務については正直にそう伝えます。研修の提案書に効果金額の欄すらない場合、その研修は導入後に社内で説明できません。

私たちはこうしたAI・IT導入の伴走支援も行っております。記事の途中で恐縮ですが、カリキュラムをここまで開示しているところは多くないと思いますので、よろしければサービスの内容も合わせてご覧いただけたら嬉しいです。

会社差はどこで吸収するか

骨格(前半=道具、後半=業務)は変えません。会社ごとの違いは、各回の中身を差し替えモジュールで入れ替えることで吸収します。第1回のヒアリング結果をもとに、次の8つの軸で組み替えを決めます。

差し替えの軸

選べる候補

影響する回

グループウェア

Google Workspace/Microsoft 365/サイボウズ・kintone/未導入

2・5・7・8・9

生成AI

Gemini/Claude/ChatGPT/Copilot/併用

1〜4・11

議事録

Meet の自動メモ/Notta/tl;dv/Teams

5

資料・素材

Gamma/Canva/画像編集AI/動画生成AI

6

自動化

GAS/Dify/n8n/Google Workflows/AppSheet/Power Automate

9・10・11

業種の事例

製造/建設/士業/小売/医療介護/農業/不動産/運輸

全回のデモと宿題

業務テーマ

採用/経理/在庫/営業/勤怠/集客/品質/教育

4・6・8・9・10

参加者

経営層/現場リーダー/事務部門/全社集合

全回の重み付け

具体的な差し替えの判断はこうなります。Microsoft 365 のみの会社なら、第2回は Copilot × Outlook・Word・Excel・Teams に、第7回は SharePoint・OneDrive に、第9回は Power Automate に置き換えます。グループウェアが未導入なら、第7回を第2回の直後まで前倒しし、第2回を導入判断の回に変えます。契約中のAIが1つだけなら、第3回・第4回を「主軸AIの基礎編・応用編」に組み替えます。

製造・建設など現場中心の会社では第9回を AppSheet(スマホ入力アプリ)に寄せ、第10回のOCRを厚くします。士業・専門サービスなら第3回を契約書と法令チェック中心に。個人情報やカルテを扱う場合は、第1回の情報の線引きを厳格版に差し替えます。ITに強い人が社内にいない場合は、宿題を各回2つに減らし、こちらの作業代行枠を明示します。

逆に言えば、この差し替え表がない研修は、どの会社にも同じ内容が出ていきます。「貴社に合わせてカスタマイズします」という一文だけで、何をどう入れ替えるのかが書かれていない提案は、確認する価値があります。

座学だけの研修と何が違うか

最大の違いは、デモを貴社の実物素材で行う点です。サンプルデータのデモは記憶に残りません。開催の1週間前に、実際の会議の録音・長い資料・商品写真・Excel台帳などをお預かりし、当日はそれを画面上で動かします。

観点

座学中心の研修

12回の伴走プログラム

教材

汎用のサンプルデータ

貴社の実データ・実資料

ゴール

知っている状態

業務の手順が変わった状態

受講後

各自の裁量に任される

宿題3つ+翌月の冒頭で必ず振り返り

効果測定

受講満足度アンケート

削減時間・利用率・自動化本数の3指標

残るもの

研修資料

ガイドライン・台帳・自動化・社内AI

12回を通じて会社に残るのは、AI利用ガイドライン(社内規程として使える形)、社内プロンプト集と用途別アシスタント、部署別ノートブック、会社スライドテンプレート、フォルダ設計図と命名規則・権限方針、業務台帳と入力フォーム、自動化スクリプトと社内専用AI、動画マニュアルと年次成果報告書です。研修資料ではなく、業務の部品が残ります。

なお「まず社内研修から小さく始めたい」という段階であれば、生成AIの社内研修を何から始めるかの定着ステップのほうが実態に近いはずです。

カリキュラムを比較するときの確認点

他社の提案書を読むときに、次の4点を確認すると中身の有無が見分けやすくなります。

  1. 各回に「解決する困りごと」が書かれているか。テーマ名と道具名しかない場合、業務からの逆算ができていない可能性があります。
  2. 差し替えの候補が具体的に列挙されているか。「カスタマイズ可」だけでは検証できません。
  3. デモに自社の素材を使うと明記されているか。事前に何を預けるのかまで書いてあれば信頼できます。
  4. 成果物と効果の測り方が決まっているか。研修後に何が残るのかが、契約前に一覧で示せるかどうかです。

継続的な支援契約として発注する場合は、範囲や解約条件も含めて、AI導入支援の顧問契約で契約前に確認する9項目を先に押さえておくと、認識のずれが起きにくくなります。Mihata の支援内容と料金の考え方はAI導入支援サービスのページにまとめています。

まとめ

生成AI研修のカリキュラム内容を見極める鍵は、目次の華やかさではなく、「前半=道具/後半=業務」の順序があるか会社差を吸収する差し替えの仕組みがあるか毎回同じ型で進捗と効果を測るかの3点にあります。この3つが揃っていれば、12ヶ月後に業務の手順が変わっている確度が上がります。

もし現時点で「自社の場合どの回をどう差し替えるべきか」がはっきりしなければ、現状のツール構成と困っている業務を伺えれば、その場で組み替え案をお出しできます。

よくある質問

生成AI研修のカリキュラムは全部で何回必要ですか?

目的によります。知っている状態を作るだけなら1日完結でも可能ですが、業務の手順が変わった状態まで目指す場合、Mihataでは月1回・全12回を標準としています。前半6回で道具を覚え、後半6回で業務適用と自動化に進む構成です。

自社はMicrosoft 365ですが、カリキュラムは合いますか?

合わせられます。骨格は変えずに中身を差し替えます。第2回をCopilot×Outlook・Word・Excel・Teamsに、第7回をSharePoint・OneDriveに、第9回をPower Automateに置き換える形です。

研修が終わったあと、社内に何が残りますか?

AI利用ガイドライン、社内プロンプト集と用途別アシスタント、部署別ノートブック、会社スライドテンプレート、フォルダ設計図と権限方針、業務台帳と入力フォーム、自動化スクリプトと社内専用AI、動画マニュアルと年次成果報告書が残ります。

効果はどう測りますか?

削減時間・利用率・自動化本数の3指標だけを毎回同じ図で追います。加えて各回で「対象人数×1回あたり削減時間×頻度×時間単価」の式で年間効果額を試算し、前提を明示します。

ITに詳しい社員がいなくても進められますか?

進められます。その場合は宿題を各回3つから2つに減らし、テンプレート作成や簡単な自動化などの作り込みを支援側の作業枠で巻き取る形に調整します。

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