Mihata
仕事効率化(DX)2026.06.18

ものづくり補助金2026でAIツールは対象になる?条件と活用例を解説

「ものづくり補助金でAIツールやシステム開発は対象になるのか」。製造業や中小企業のDXを検討する経営者から、Mihataにもこの相談が増えています。結論から言うと、ものづくり補助金でAIを活用した開発・導入は対象になり得ます。ただし「業務効率化のためにAIを入れたい」というだけでは採択は難しく、対象経費の考え方と制度の趣旨を正しく押さえることが欠かせません。

この記事では、ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)の最新の公募情報をもとに、AIツール・システム開発費が対象になる条件、補助率・上限、申請のポイントを整理します。あわせて、AI導入で迷いやすい「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)との使い分け」を表で解説し、製造業のAI活用例も具体的に紹介します。

ものづくり補助金2026の基本:制度の趣旨と最新の公募概要

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が革新的な新製品・新サービスの開発や生産プロセスの改善に取り組む際の設備投資などを支援する制度です。運営は全国中小企業団体中央会などが担い、これまで複数回にわたって公募が繰り返されてきました。

最新の公募である第23次公募の概要は次のとおりです。公募期間は2026年2月6日(金)から5月8日(金)17:00(厳守)までとされ、申請枠は「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2枠で構成されています。なお締切日は回ごとに変わり、新たな公募が継続的に行われるため、申請を検討する際は必ず最新の公募要領で次回の締切と要件を確認してください。

項目

内容(第23次公募時点)

正式名称

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

申請枠

製品・サービス高付加価値化枠/グローバル枠

主な対象

中小企業・小規模事業者など

公募締切(第23次)

2026年5月8日(金)17:00(厳守)

重要なのは、この補助金が「単なる業務のデジタル化」を支援する制度ではないという点です。公募の趣旨は、製品やサービスの高付加価値化、つまり新しい価値を生み出す取り組みにあります。AIの活用も、この趣旨に沿った形で計画を描けるかどうかが採択の分かれ目になります。

対象になる経費とAIの扱い

ものづくり補助金では、対象となる経費が公募要領で定められています。AIツールやシステム開発がどの経費区分に当てはまるのかを理解することが、申請設計の第一歩です。

主な補助対象経費の区分

第23次公募の補助対象経費は、おおむね次のように整理されています。最も中心となるのが「機械装置・システム構築費」で、これは必須経費に位置づけられています。

  • 機械装置・システム構築費(必須):機械・装置の購入や、専用ソフトウェア・情報システムの構築・改修にかかる費用
  • 技術導入費:知的財産権の導入に要する費用
  • 専門家経費:技術指導や助言を受けるための経費
  • 運搬費/原材料費/外注費
  • クラウドサービス利用費
  • 知的財産権等関連経費

注意したいのは、この機械装置・システム構築費には単価50万円以上(税抜)の設備投資が必須とされている点です。少額のソフトウェア購入だけでは要件を満たさない可能性があるため、計画段階で投資規模を確認しておく必要があります。

システム開発費・AIツールは対象か

AIを活用したシステムの開発・構築費は、機械装置・システム構築費やクラウドサービス利用費などの区分に該当し得ます。たとえば、自社の製品やサービスを高付加価値化するためにAIを組み込んだ独自システムを開発するケースは、制度の趣旨に合致しやすい取り組みです。

一方で、汎用的なパソコンやオフィス機器の購入、市販のソフトウェアを導入して既存業務を効率化するだけの取り組みは、補助の対象外となったり採択されにくかったりします。ポイントは、AIの導入そのものではなく、それによって何が革新され、どのような付加価値が生まれるかを説明できるかどうかです。経費区分の最終判断は公募回ごとの要領に従うため、個別の経費が対象になるかは必ず最新版で確認してください。

補助率・上限の早見表

申請枠と企業規模によって、補助率と補助上限額が変わります。第23次公募の「製品・サービス高付加価値化枠」を中心に整理します。

区分

補助率

補助上限額(高付加価値化枠)

中小企業

1/2

従業員1〜5人:750万円
6〜20人:1,000万円
21〜50人:1,500万円
51人以上:2,500万円

小規模企業・再生事業者

2/3

グローバル枠

中小1/2/小規模2/3

3,000万円

補助上限額は従業員規模が大きいほど高く設定されており、賃上げなどの特例によってさらに上限が引き上げられる場合があります。補助率は「補助対象経費のうち、いくらまで国が負担するか」を示すもので、たとえば補助率2/3であれば残りの1/3は自己負担となります。最新の上限額・特例の条件は公募要領でご確認ください。

AIを組み込んだ独自システムの開発は数百万円規模になることも珍しくありません。Mihataでは、企業の課題と予算に合わせて独自AIの開発を伴走支援しています。補助金の活用を前提とした構想段階からご相談いただけます。

他補助金(デジタル化・AI導入補助金)との使い分け

AI導入を検討する際、多くの企業が迷うのが「ものづくり補助金」と「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」のどちらを使うべきか、という点です。両者は趣旨も対象も異なるため、目的に応じて選ぶことが大切です。

2つの補助金の違い

項目

ものづくり補助金

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)

制度の趣旨

革新的な製品・サービス開発、生産プロセス改善

ITツール・AIツールの導入による業務効率化・DX

AIの扱い

高付加価値化につながる開発・システム構築が対象

AI機能を有するツールとして登録・申請されたものが対象

対象経費の例

機械装置・システム構築費(必須・単価50万円以上)、クラウド利用費など

ソフトウェア購入費、クラウド利用料、一部ハードウェアなど

補助上限の目安

高付加価値化枠で750万〜2,500万円、グローバル枠3,000万円

通常枠で最大450万円程度

向いているケース

独自のAIシステムをスクラッチで開発し、製品・サービスを革新したい

既存の市販AIツールを導入して業務を効率化したい

大まかな使い分けの考え方はこうです。市販のAIツールやSaaSを導入したいならデジタル化・AI導入補助金自社専用のAIシステムを開発して製品やサービスを高付加価値化したいならものづくり補助金が候補になります。デジタル化・AI導入補助金では、AI機能を有するツールとして支援事業者が申請したもののみが対象となる点に注意が必要で、どんな生成AIツールでも自動的に対象になるわけではありません。

どちらの制度を使うべきか、自社の取り組みがどちらの趣旨に合うのかの見極めは、専門的な判断を伴います。補助金の種類選びや支援事業者の選定で迷ったときは、IT導入補助金の支援事業者選びのポイントもあわせて参考にしてください。

申請のポイント

ものづくり補助金は人気が高く、すべての申請が採択されるわけではありません。限られた採択枠を勝ち取るには、事業計画書の質が決定的に重要です。

採択されやすい計画の書き方

採択を狙う計画書では、次の要素を一貫したストーリーで示すことが求められます。審査員が読んで「この投資で確かに付加価値が生まれる」と納得できるかどうかが鍵です。

  1. 現状の課題を具体的に示す:何に困っていて、なぜ従来の方法では解決できないのかを数値で説明する
  2. 革新性を明確にする:単なる効率化ではなく、新しい製品・サービスや工程がどう生まれるのかを描く
  3. AI・システム投資の必然性を説明する:その投資がなぜ必要で、どの経費区分に当たるのかを対応づける
  4. 成果を定量目標で示す:付加価値額や生産性の向上目標を、根拠とともに提示する

よくある不採択理由

不採択になる計画には共通点があります。Mihataが相談を受ける中でも、次のようなケースが目立ちます。

  • 「AIで効率化したい」という抽象的な目的にとどまり、付加価値化のストーリーがない
  • 導入する技術の説明はあるが、自社の課題や事業計画と結びついていない
  • 成果目標の根拠が乏しく、実現可能性が伝わらない
  • 制度の趣旨(高付加価値化)と取り組み内容がずれている

逆に言えば、これらを丁寧に詰めれば採択の可能性は大きく高まります。AIの活用構想そのものを言語化する段階から設計しておくと、計画書の説得力が増します。

中小企業・製造業のAI活用例

ものづくり補助金の趣旨に合うAI活用とは、具体的にどのようなものでしょうか。製造業を中心に、高付加価値化につながりやすい例を挙げます。

  • 外観検査の自動化:画像認識AIを組み込んだ検査システムを開発し、不良品の検出精度を高めて品質を向上させる
  • 需要予測による生産最適化:過去の受注データをAIで分析し、生産計画や在庫管理を高度化する
  • 設備の予知保全:センサーデータをAIで解析し、故障の予兆を検知して稼働率を高める
  • 熟練技術のデジタル化:ベテランの判断をAIに学習させ、技能継承と品質の標準化を実現する
  • 独自AIによる新サービス開発:自社の専門知識を組み込んだAIを使い、これまでにない付加価値サービスを提供する

これらに共通するのは、単なる省力化ではなく「新しい価値」や「これまでできなかったこと」を生み出している点です。AIを単独のツールとしてではなく、業務に深く組み込んだエージェントとして活用する発想も広がっています。AIエージェントの基礎を押さえたい方は、AIエージェントの完全ガイドで全体像を確認できます。また、補助金を活用したAI導入の進め方は補助金で実現するAIチャットボット・予約システムの事例も参考になります。

まとめ:制度の趣旨に合ったAI活用を設計しよう

ものづくり補助金2026では、AIツールやシステム開発も、製品・サービスの高付加価値化につながる取り組みであれば対象になり得ます。ただし機械装置・システム構築費に単価50万円以上の設備投資が必須であることや、補助率・上限が枠と企業規模で変わることなど、押さえるべき条件があります。市販ツールの導入が中心ならデジタル化・AI導入補助金との使い分けも検討しましょう。

最も重要なのは、補助金ありきではなく「AIで何を革新し、どんな付加価値を生むか」という事業構想です。Mihataは、独自AIの開発からAI導入支援まで、中小企業のDXを一気通貫で支援しています。補助金の活用を視野に入れたAI導入の構想段階から、お気軽にご相談ください。

まずはお気軽にご相談ください

AI・IT・デザインに関するお悩みやご相談、お見積りのご依頼など、
どんなことでもお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ