Mihata
仕事効率化(DX)2026.05.06

『集中時計』を作った理由|頑張る人たちへ、私たちと皆さんで考える最高の作業時計を

ブラウザで開くだけで使える無料の作業用時計、集中時計(Pomo Clock)を公開してから、少し時間が経ちました。ありがたいことに、今では毎日たくさんの方に開いていただいています。

集中時計(Free)— ログイン不要・完全無料。iPad に集中時計が表示されているプロモーション画像。
画像をクリックすると、別タブで集中時計が開きます。ログイン不要・完全無料、まずはぜひ触ってみてください。

このコラムは、なぜこれを作ったのかという、正直あまりかっこよくない話から始まります。すでに使ってくださっている方にも、これから触ってみようかなという方にも、気軽に読んでいただけたら嬉しいです。

正直に書くと、自分はかなり怠惰な人間です

やりたいことはたくさんあります。やる気もあります。ただ、基本的に怠惰です。

すぐめんどくさがるし、机に向かっても気がついたらスマホを触っている。「ちょっとだけ」のつもりで開いた画面を、30分後にまだ見ている。そういうことを、何度も何度も繰り返してきました。

意志の力でどうにかするのは、私にはもう無理だと諦めました。なので今は、仕事中は自分のメインスマホは玄関に放置するようにしています。(瀬戸弘司さんというYoutuberが大好きなのですが、参考にさせていただきました。)そこまでしないと、私は自分を信用できませんでした。

ただ、時間がパッと分からない。時間管理ができない。

ではどうするか——と考えたときに目に入ったのが、机の隅で埃をかぶっていた機種変更前の古い iPhoneと、すっかり使わなくなった iPad でした。

「これを、作業用の時計にできないかな」。集中時計の出発点は、本当にそれだけです。

「ずっと表示しておける時計」が、意外とない

やってみると、これが思ったよりうまくいきませんでした。

  • iPad には、そもそも常時表示の Standby(スタンバイ)機能がない
  • 手持ちの古い iPhone には、Standby 機能自体が搭載されていなかった
  • 新しめの iPhone でも、多くの機種で Standby をつけっぱなしにはできない

「ずっと表示しておきたいだけなのに、ちゃんと表示し続ける手段が意外と無いんだな」。ここが、作り始める一番のきっかけになりました。

欲しかったのは、こういう時計です。

  • 古い iPad でも iPhone でも PC でも、ブラウザで開きっぱなしにしておくだけで表示し続けてくれる
  • 視界の片隅に置いておけて、作業の邪魔をしない
  • 置いてあるだけで少し気分が上がって、自然とやる気を引き出してくれる

どうせ自分で作るなら、これまで作業用 BGM やポモドーロタイマーをあれこれ試してきた中で溜まっていた「こうだったら嬉しいのに」も、全部入れてしまおう。そう考えて組み立てたのが、今の集中時計です。

自分が欲しかった機能を、全部のせました

方針だけは最初に決めていました。とにかくシンプルに。 時刻と日付。この2つを揺るがないベースに据えて、そこから必要なものだけを重ねていく。

1. 時刻と日付が、きれいに並ぶこと

集中時計のデフォルト表示。中央に大きな時刻、下に日付と気温が並ぶ。
もっともシンプルな状態。書体・サイズ・配色は自由にカスタマイズできます。

開いてまず目に入るのは、時刻と日付だけ。装飾は最小限です。そのうえで書体(Google Fonts から厳選)、太さ、サイズ、色、秒表示の有無、12 / 24 時間表記まで、自分の趣味に合わせて細かく調整できます。日付の右には、その場所の天気アイコンと気温が小さく寄り添います。

設定パネルを開いた集中時計。書体・文字サイズ・フォントの太さなどを細かくカスタマイズできる。
設定パネルから書体・文字サイズ・フォントの太さなどを細かく調整できます。

2. ポモドーロタイマー — 集中と休憩のリズムを作る

ポモドーロタイマー実行中の集中時計。左に円形タイマー、右に時刻。
ポモドーロ実行中は、左にタイマー、右に時刻というレイアウトに自動で切り替わります。

25分集中・5分休憩を4セット、そのあと15分の長休憩。いわゆるポモドーロ・テクニックを、ブラウザの中だけで完結させます。作業時間も休憩時間もサイクル数も通知音も自由。タブを別の作業に切り替えていてもタイマーは動き続け、完了時にはブラウザ通知と音で呼び戻してくれます。

3. 背景 — 配色 / 写真 / 動画 / 自分の好きな画像

背景パネルから写真背景を選んでいる集中時計の画面。
背景パネル。配色プリセット、写真・動画プリセット、自分のアップロード画像を切り替えながら使えます。

「集中できる景色」は人それぞれです。だから3色の配色(背景・文字・アクセント)を基本に、毎時0分で自動的に切り替わる「ランダム配色」をデフォルトにしました。気分が変わったら写真や動画のプリセットに切り替えてもいいし、自分のお気に入りの画像をアップロードして背景にすることもできます。画面の前にいる時間を、自分の好きな景色にする。それだけで、向き合う気持ちは少し変わります。

4. 作業用 BGM・環境音 — プリセットも、自分の YouTube も

BGM パネルでプリセット音源を選んでいる集中時計の画面。
BGM パネル。「音楽に合わせて背景も変える」をオンにすると、BGM とアートワーク背景がセットで切り替わります。

作業音楽はこだわりのある方が多いところだと思ったので、集中向きのプリセット音源を用意しつつ、自分の好きな YouTube の動画やプレイリストの URL を貼るだけで、そのまま BGM として使えるようにしました。再生は YouTube 公式の IFrame Player API 経由で、規約にきちんと準拠した形です。

5. 動画を見ながら、集中を切らさない

YouTube 動画を中央プレイヤーで再生している集中時計の画面。
YouTube 動画を再生すると、画面中央に小さく動画が表示され、右に時刻が並びます。

「作業用に動画を流したい」——でも YouTube を開くと、おすすめやコメント欄にすぐ意識を持っていかれる。私だけではないと思います。集中時計で再生すると、中央のプレイヤーで動画が流れるだけで、サジェストもサイドバーも出てきません。動画を流しながら、視界には時計と日付しかない。その状態を作りたかったのです。

6. 天気予報・世界時計・カレンダー・書体・言語

天気予報パネルを開いた集中時計。現在地の気温・湿度・週間予報まで一画面で確認できる。
天気パネルを開いた状態。現在地の気温・湿度・週間予報まで、画面遷移なしでチェックできます。

作っている途中で、唯一「他のアプリに切り替えたい」と感じた瞬間がありました。天気予報を見たいときです。なので、それも中に置きました。気象庁や無料の API を使って、一週間分の予報をパネル内で確認できます。ほかにも世界時計(タイムゾーン切替)、日本の祝日が色分けされたカレンダー、日本語 / 英語の切替まで。「ここから出ずに済む」を、地味に意識して詰め込んでいます。

ログインも会員登録も不要、データはあなたのブラウザの中だけ

集中時計にはログインも会員登録もありません。設定もアップロード画像も勉強記録も、すべてあなたのブラウザの中だけに保存されます。こちらのサーバーには一切送られません。だからこそ、気軽に開いて、気軽に閉じていただけます。

PC の Chrome や Edge ならアドレスバー右の「アプリをインストール」、iPhone / iPad なら Safari の共有ボタンから「ホーム画面に追加」を選ぶだけで、独立した「集中時計アプリ」として起動できます。使わなくなった iPad や古い iPhone を、充電スタンドの上でおしゃれな置き時計として再利用する——私がいちばんやりたかった使い方も、これで実現できます。

AI が当たり前になる時代に、人間側へ残るもの

これから AI が、人間の仕事をどんどん代わりにやってくれる時代になります。しかも AI は、私のように作業中にスマホで遊んだりしません。怠けないし、文句も言わないし、集中力も切れない。冷静に考えると、けっこうかないません。

だからこそ、これからは私たち自身の人間力、学び続ける力、集中する力、そしてアイデアが、今まで以上に問われるのだと思っています。AI に任せられることが増えるほど、「その人が何を考え、何を積み上げてきたか」の差だけが残るからです。

集中時計は、そんな時代に自分を磨くための、ささやかな道具のつもりで作っています。AI に負けないために、まず今日の1時間をちゃんと自分のものにする。そのための1画面です。

今、たくさんの方に使っていただいています

公開した当初は、正直なところ「自分が毎日使えればそれでいい」くらいの気持ちでした。

それが今では、月におよそ5万人の方が集中時計を利用してくださっています。1日だけでおよそ1,500人。数字は今も右肩上がりで伸び続けています。自分のほしいものから始まったものが、こんなに多くの方の机の上に置かれているというのは、いまだに少し不思議な気持ちです。

また最近改善要望フォームというものをつけました。実に毎日5件ほど、いろいろな声が届くようになったことです。

いただいた声に、毎日励まされています

機能の要望として本当にありがたいのはもちろんなのですが、それ以上に、一つひとつの文章に、その人の努力が見えます。

受験生の方から、社会人の方、海外の方まで。こんなにも多くの人が、集中して、自分自身を磨くために頑張っている。それを毎日読んでいると、正直、こちらが感化されます。

元気玉みたいに、みんなで最強の時計にしたい

このアプリはもともと、「私が欲しいものを全部のせした時計」として始まりました。でも今は、少し違うものになりつつあります。

私ひとりの視点には、当然ながら限界があります。一方で、いただく要望には、自分では絶対に思いつかなかった使い方や願いが詰まっています。だったら、私の「欲しい」と、みなさんの「欲しい」を全部集めて、少しずつ形にしていけばいい。元気玉みたいに、みんなで一緒に最強の時計アプリを作れたら、こんなに楽しいことはありません。

正直に書いておくと、すべてにお応えできるとは限りません。外部サービスの規約上どうしても難しいもの、技術的に重すぎるもの、単純に私たちの手が足りず時間がかかってしまうものもあります。それでも、いただいた声はひとつ残らず読んでいますし、判断の材料として必ず使っています。

「ここが使いにくい」「こんな機能が欲しい」「こういう不具合に出会った」——どんな細かいことでも歓迎です。集中時計の「?」アイコンから開く「このアプリについて」パネル、または下のフォームから、ぜひ聞かせてください。

集中時計の改善要望・ご意見はこちらから(30秒で送れます)

これからの集中時計

いただいた声と、自分がやりたいことを踏まえて、これから進めたいことを書いておきます。

  • App Store・Google Play での正式なアプリ配信(今の「ホーム画面に追加」より、迷わない導線で)
  • 音楽まわりの拡張(プレイリストの連続再生、対応サービスの追加など、規約の範囲で)
  • 勉強記録の強化(内容ごとの色分け、計画表、振り返り)
  • 通知の作り込み(休憩終了前の予告音、毎時のお知らせの見え方)
  • Google カレンダー連携などのビジネス向け機能、仕事や学習のツールをまとめるハブとしての機能

(正直な話、使ってくださる方が増えるにあたってサーバー代が膨らんできており、今後のサービスの継続のために一部機能の有料化も考えております。)

ただし大前提として、「無料のままでも十分に使えるサービス」であり続けることは、絶対に守ります。受験生の方が費用を気にして使えなくなる、というのが一番あってはならないことだと思っています。仮に有料プランを作るとしても、「有料でも使い続けたい」と思っていただけるだけの中身を用意してから、という順番で進めます。応援していただけるようなサービスレベルを目指します。

これからも、もっと便利に、もっと高機能に。みなさんの毎日の役に立つアプリを目指して、磨き続けていきます。

最後に:Mihata について

最後に少しだけ、集中時計を運営している Mihata の話をさせてください。

Mihata は普段、Web 制作と AI 開発を組み合わせて、お客様の「やりたいこと」を実際に動く形に翻訳する仕事をしています。

  • ホームページ・Web アプリ制作(ヒアリング起点で、デザインから実装まで)
  • お客様専用の独自 AI 開発(社内ナレッジ AI・接客 AI・LLM チャットボット)
  • AI 導入支援(社内オペレーションへの組み込み・運用設計)
  • AI ブログ生成・運用代行(コンテンツマーケティングを AI で半自動化)

お客様のプロダクトを作ることが多いので、たまには自社のプロダクトを1本、本気で作ってみたかった——というのも、集中時計を始めた理由のひとつです。そしてこれは、私たちにとって2つのことを証明するためのものでもありました。

  1. AI のある新時代では、自分が描いた夢やアプリは、基本的に実現できるということ。
  2. それでも、デザインと技術の専門家が AI を武器として使うからこそ、ずっと洗練されたサービスになるということ。

AI は魔法ではなく、電卓やエクセル、PC に続く新しい道具だと思っています。だから私たちは、この新時代の AI の専門家であると同時に、デザインと技術の専門家であり続けることを目指しています。自分たちの足でちゃんと立った上に AI という武器を置く。そうやって出てくるものには、AI 任せでは出せない解像度がある、と信じています。

集中時計は、Mihata がこういうものを作れる、という一番分かりやすいサンプルでもあります。もし「これって AI で実現できるの?」という夢レベルのご相談でも、ぜひお声がけください。その業界の細かいニーズは、お客様にしか分かりません。まずは一度、お話を聞かせていただけたら嬉しいです。

長くなりましたが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。集中時計は、これからも代表の私自身が一番のヘビーユーザーとして、毎日使いながら磨き続けます。みなさんの1日のうちのほんの一部分でも、このアプリが「集中の友」になれていたら、これ以上うれしいことはありません。

ポモドーロ以外の切り口もあわせて試したい方は、集中力を高める方法の実践テクニックもあわせてどうぞ。

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