watchOS 27 に上げた直後に「バッテリーが妙に減る」「常時表示が変」「iPhone と同期しない」と感じて検索された方が多いと思います。先に結論を書きます。2026年10月6日時点で、Apple が公式に「既知の問題」として認めている watchOS 27 の不具合は、Siri 周りの3件だけです。そして修正版 watchOS 27.0.1 はすでに配信されています(9月23日に Series 12 / Ultra 4 へ、9月28日に Series 9 以降へ)。本記事は9月22日まで「未配信」と書いていたので、次の章で訂正します。
つまり、ネット上で「watchOS 27 の不具合」と語られている症状の大半は、更新直後の一時的な処理(再インデックスや初回同期)か、もともとの仕様か、iPhone 側の問題のどれかです。本記事では、公式に確認できたものと、確認できていないものを分けて書きます。そのうえで、症状別にどこから疑えばいいかを手順にしました。
【2026年10月6日 訂正】watchOS 27.0.1 は配信済み(二段構えで出ていた)
この記事は2026年9月22日まで「修正版(watchOS 27.0.1 / 27.1)は未配信」と書いていましたが、それは誤りになりました。その翌日から二段構えで配信が始まっていました。Apple セキュリティリリース一覧(英語版)を2026年10月6日に取り直した結果が次のとおりです。
版 | 対象 | 公開日 | CVE |
|---|---|---|---|
watchOS 27.0.1(第1波) | Apple Watch Series 12 と Apple Watch Ultra 4 の2機種だけ | 2026年9月23日 | 公開エントリなし |
watchOS 27.0.1(第2波) | Apple Watch Series 9 以降(全対象機種) | 2026年9月28日 | 公開エントリなし |
同じ「27.0.1」が、対象機種を変えて2回出ているのがこの版の特徴です。第1波のリリースノートは「Apple Watch が予期せず再起動することがある問題を修正」で、Series 12 / Ultra 4 に限った不具合の修正でした。第2波で Series 9 以降へ広がっています。手元の Apple Watch がまだ 27.0 なら、iPhone の Watch アプリ →「一般」→「ソフトウェア・アップデート」から当ててください。
一方 watchOS 27.1 は、2026年10月14日時点でも配信されていません。そして「そもそも作られない」可能性が高いことが分かりました。10月5日に公開された Xcode 27.1 RC のリリースノートには「SDKs for iOS 27.1, iPadOS 27, tvOS 27, watchOS 27, macOS 27, and visionOS 27」と書かれており、27.1 の SDK が入っているのは iOS だけで watchOS は 27 のままです。対して Xcode 27.2 betaは6つ全部が 27.2 です。Apple Watch で次に来る一般向けの版は 27.1 ではなく 27.2と見ておくのが現実的です(10月5日に watchOS 27.2 beta 3 が配信されています)。詳しくはwatchOS の更新時期をまとめた記事をご覧ください。
前提:配信日・対応機種・修正版の有無
まず事実関係を揃えます。Apple のセキュリティリリース一覧には、watchOS 27 が 2026年9月14日リリース/対象は Apple Watch Series 9 以降と記載されています(日本時間では9月15日の配信)。同じ日に iOS 27、iPadOS 27、macOS Golden Gate 27、tvOS 27、visionOS 27、Safari 27 が並んで出ています。
項目 | 公式に確認できること(2026-10-06 時点) |
|---|---|
配信日 | 2026年9月14日(日本時間9月15日) |
対応機種 | Apple Watch Series 9 以降 |
修正版 | watchOS 27.0.1 は配信済み(9月23日=Series 12 / Ultra 4、9月28日=Series 9 以降)。27.1 は未配信で、Xcode 27.1 RC の SDK にも watchOS 27.1 は含まれない |
ダウングレード | 不可(Apple が一覧の冒頭に明記) |
公式の既知の問題 | Siri 関連3件(開発者向けリリースノート) |
ここで大事なのは対応機種です。Series 8 以前は watchOS 27 の対象外なので、そもそも更新できません。「アップデートが出てこない=不具合」ではなく、対象外だった、というケースがかなりあります。自分の機種が対象かどうかはApple Watch が watchOS 27 対応機種かの調べ方で確認できますし、対象なのに出てこない場合はwatchOS 27 のアップデートが出てこない・進まないときの対処のほうが近い話です。
Apple が公式に出している既知の問題(Siri 周り3件)
Apple のwatchOS 27 リリースノートの Known Issues に載っているのは、一般の利用者に関係するものとしては次の3件です(他は開発者のテスト環境専用のため割愛)。すべて Siri 関連で、バッテリー・画面・ワークアウトに関する既知の問題は1件も載っていません。
症状 | Apple の位置づけ | 公式の対処 |
|---|---|---|
長い沈黙のあと、Siri の画面が出たままで「聞いている」ように見えることがある | 既知の問題(180434572) | 回避策の記載なし |
Siri の AI 会話がペアリング済み Apple Watch に同期されず「No iCloud is configured」エラーになることがある | 既知の問題(183040889) | Apple Watch で「設定」→「Apple アカウント」を開き、アカウントを更新させる |
以前のベータから更新した Apple Watch で、Siri の会話履歴が iPhone と同期しない状態が残ることがある | 既知の問題(183958361)。多くは自然に復旧する | 復旧しなければ同じく「設定」→「Apple アカウント」を開く |
3件中2件が「Siri の会話が同期しない」系で、回避策も同じです。Siri まわりで困っている場合、まず Apple Watch 側の「設定」→「Apple アカウント」を開くだけで直る可能性があります。ここは公式が明示している唯一の手順なので、先に試す価値があります。
ベータで報告され、27.0 で直っている分
同じリリースノートには「Resolved Issues(解決済み)」も並んでいます。これらはベータ期間中の不具合で、製品版の watchOS 27.0 では修正済みです。ベータ時代の記事やSNS投稿を読んで不安になっている場合、この一覧を見ると落ち着くはずです。一般の利用者に関係するものを抜き出します。
- ファミリー共有用に設定した Apple Watch からの FaceTime オーディオ発信が失敗することがある(178187431)
- Verizon 回線でモバイル通信の発着信が失敗する/Text-to-911 が失敗することがある(180062521・米国向け)
- Apple Watch App の文字盤ギャラリーで一部のコンプリケーションが表示されない(177840928)
- 常時表示(Always On)の状態で、ステータスバーの時刻が更新されないことがある(178633015)
- 再起動やアップデートの後、ロックを解除するまで睡眠フォーカスが自動でオン/オフに切り替わらない(179960164)
- スマートスタックの再生中「おすすめ」ウィジェットをタップしても再生が始まらない(178464737)
4つ目の「常時表示で時刻が更新されない」は、いま検索されている症状とかなり近いところにあります。ベータでは実在した不具合で、製品版では修正済みという扱いです。製品版で同じ症状が出ている場合は、別の原因(後述の設定・省電力モード)を疑うのが筋になります。
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「不具合」ではなく一時現象・仕様の分
ここからは、公式に既知の問題として載っていないけれど、更新直後によく報告される症状です。原因が分かっているものは「不具合ではない」と正直に書きます。
- 更新直後のバッテリー消費増:大型アップデートの後は、写真・ヘルスケアデータ・アプリの再インデックスや iPhone との初回再同期がバックグラウンドで走ります。Apple もApple Watch のバッテリーの減りが早い場合で、アップデート直後の一時的な消費増に触れています。数日様子を見るのが定石です。
- サードパーティの心拍計を使っている間、バックグラウンドの心拍計測が止まる:watchOS 27 のリリースノートに「サードパーティの心拍モニタが有効な間、Apple Watch はバックグラウンドの心拍計測と、不規則な心拍・高心拍・低心拍の通知をそのセッション中は一時停止する」と明記されています(162788761)。これは仕様です。「通知が来なくなった」と感じたらここを疑ってください。
- 常時表示が薄い・時計が固まって見える:常時表示は手首を下ろすと更新頻度が落ちる設計です。Apple Watch で「常にオン」機能を使うに挙動と設定が書かれています。
- 会社・学校の Apple Watch だけ更新に失敗する:watchOS 27 のリリースノートには、27.0 系 OS から MDM・構成プロファイルのインストール・App のインストール・ソフトウェアアップデートに関わる一部のシステムプロセスで TLS の要件が厳しくなったと書かれています(176055825)。サーバー側が要件を満たしていないと接続が失敗します。管理された端末で更新が通らない場合、端末ではなく管理サーバー側の話です。
「不具合かどうか」をいきなり判断せず、更新直後か・管理端末か・仕様かで切り分けたほうが早い、というのが実務での感覚です。そもそも上げるかどうかで迷っている段階なら、今 watchOS 27 に上げるべきかの判断材料を先に読んでおくほうが安全です。
症状別の切り分け手順
ここからは症状ごとの順番です。上から順に試して、直った時点でやめてください。いきなりペアリング解除まで進むと、復元に長時間かかります。
バッテリーの減りが早い
- 更新から 2〜3日は様子を見る(再インデックスが終わるまで消費が増える)
- Apple Watch を再起動する(サイドボタン長押し→電源オフ→再度長押し)
- 「設定」→「バッテリー」でバッテリー残量の推移と、消費している App を確認する
- それでも異常なら Apple のバッテリー消費が早い場合のガイドとバッテリーとパフォーマンスで最大容量を確認する
Apple Watch のバッテリーは、iPhone と違って本体が小さいぶん、常時表示・ワークアウト計測・通知の量で体感が大きく変わります。watchOS 27 を疑う前に、更新のタイミングで通知や文字盤を変えていないかを思い出すほうが当たることが多いです。
常時表示が出ない・時刻が止まって見える
- 「設定」→「画面表示と明るさ」→「常にオン」がオンになっているか確認する
- 低電力モードがオンになっていないか確認する(低電力モード中は常時表示が切れる)
- 劇場モードや睡眠フォーカスがオンのままになっていないか確認する
- 再起動する
ベータ期間中に「常時表示で時刻が更新されない」不具合が実在し、製品版で修正されている以上、製品版でまだ出ているなら設定側を疑うのが先です。症状が続く場合は Apple Watch の常時表示が効かないときの確認手順にまとめた順番が使えます。
iPhone とペアリング・同期しない
- iPhone の Bluetooth と Wi-Fi が両方オンか確認する(機内モードも確認)
- 両方を再起動する(iPhone → Apple Watch の順)
- Siri の会話が同期しない場合は、Apple Watch の「設定」→「Apple アカウント」を開く(公式の回避策)
- それでも直らなければ Apple Watch が iPhone に接続またはペアリングされない場合の手順へ進む
- 最終手段としてペアリングを解除して消去し、バックアップから復元する
5番は最後の手段です。ペアリング解除時に自動でバックアップが作られますが、復元には時間がかかります。1〜4で直るケースがほとんどなので、順番を飛ばさないでください。
モバイル通信(セルラー)がつながらない
- コントロールセンターでモバイル通信のアイコンが緑になっているか確認する
- iPhone を遠ざけた状態で通話を試す(近くにあると Bluetooth 経由になる)
- 「設定」→「モバイル通信」でプランが有効か確認する
- Apple Watch でモバイル通信サービスを設定して使用するの手順で、キャリア設定を確認する
リリースノートで修正済みとされたセルラーの不具合は、いずれも米国 Verizon 回線が対象でした。国内キャリアの発着信不良について、Apple は既知の問題として何も出していません。キャリア側の障害情報も併せて確認するのが確実です。
文字盤・コンプリケーションが消えた
- iPhone の Apple Watch App →「文字盤ギャラリー」を開き直す
- 該当の App を Apple Watch 側で開き、一度起動してからコンプリケーションを設定し直す
- 両方を再起動する
- Apple Watch の文字盤にコンプリケーションを追加するの手順でやり直す
「文字盤ギャラリーに一部のコンプリケーションが出ない」はベータで報告され、27.0 で修正済みとされている項目です。製品版で出ている場合は、App 側が watchOS 27 に未対応というケースが混ざります。App の更新も確認してください。
watchOS 27 は戻せない。それでもできること
Apple はセキュリティリリース一覧の冒頭で、「iOS、iPadOS、tvOS、watchOS、visionOS のソフトウェア・アップデートをインストールした後で、それ以前のバージョンにダウングレードすることはできません」と明記しています。Mac と違い、Apple Watch には復元先の OS を選ぶ手段がありません。watchOS 27 に上げた時点で、watchOS 26 には戻せないと考えてください。
戻せない以上、できることは次の3つです。
- 数日待つ:更新直後のバッテリー消費増と同期の不安定さは、再インデックスが終われば落ち着きます
- 上の切り分け手順を順番に試す:ペアリング解除は最後
- まだ上げていない Apple Watch は、慌てて上げない:修正版が出るまで待つ判断は普通にあります
なお、iPhone 側で同じ日に配信された iOS 27 についても、Apple が公式に出している既知の問題と実際の報告は分けて整理しています。Apple Watch の不調が iPhone 由来に見えるときは、iOS 27 の不具合として確認できた分と対処法のほうが当たることがあります。
まとめ
2026年10月6日時点で、watchOS 27 について Apple が公式に認めている既知の問題は Siri 関連の3件です。修正版の watchOS 27.0.1 は9月23日と9月28日の二段で配信済みで、watchOS 27.1 は2026年10月14日時点でも配信されていません。「watchOS 27 の不具合」として語られる症状の多くは、更新直後の一時現象・仕様・iPhone 側の問題のどれかです。この記事の切り分け手順を上から順に試し、それでも直らない場合だけ Apple サポートに相談してください。
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よくある質問
watchOS 27 の不具合で、Apple が公式に認めているものは何件ですか?
2026年10月6日時点で3件です。いずれも Siri 関連で、Siri の画面が出たままになる、Siri の AI 会話がペアリング済み Apple Watch に同期されない、以前のベータから更新した Apple Watch で会話履歴が iPhone と同期しない、の3つです。バッテリーや画面に関する既知の問題は公開されていません。
watchOS 27.0.1 や 27.1 はもう出ていますか?
出ています。watchOS 27.0.1 が2026年9月23日に Apple Watch Series 12 と Ultra 4 へ、続いて9月28日に Series 9 以降へ配信されました(同じ版が対象機種を変えて二段で出ています)。いずれも Apple の記載は「このアップデートには CVE の公開エントリがありません」です。watchOS 27.1 は2026年10月14日時点で未配信で、Xcode 27.1 RC の SDK 一覧にも watchOS 27.1 は含まれていないため、次の一般向けの版は 27.2 になる見込みです。
watchOS 27 から watchOS 26 に戻せますか?
戻せません。Apple はセキュリティリリース一覧の冒頭で、watchOS を含む OS はアップデート後に以前のバージョンへダウングレードできないと明記しています。
更新後にバッテリーの減りが早いのは不具合ですか?
多くは一時現象です。大型アップデートの後は写真やヘルスケアデータの再インデックス、iPhone との初回再同期がバックグラウンドで走るため消費が増えます。2〜3日様子を見て、それでも異常なら設定アプリのバッテリー画面で消費している App を確認してください。
サードパーティの心拍計を使うと心拍の通知が来ないのですが、不具合ですか?
仕様です。watchOS 27 のリリースノートに、サードパーティの心拍モニタが有効な間は Apple Watch がバックグラウンドの心拍計測と、不規則な心拍・高心拍・低心拍の通知をそのセッション中は一時停止すると明記されています。