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AI活用2026.07.29更新 2026.08.28

AIで用語集を作成する手順|社内の専門用語をまとめて統一【2026】

「クラウド/クラウドサービス」「解約/退会」「お客様/顧客」——同じことを指すのに、書く人によって言葉も表記もバラバラ。社内文書やオウンドメディアの記事が増えるほど、この用語・表記のゆれは読者の混乱やブランド印象のばらつきにつながります。この記事では、こうした社内の専門用語や表記を、生成AIを使って用語集(用語辞書)としてまとめ、統一する手順を、実務目線で解説します。

結論から言うと、AIで用語集を作る作業は3つのステップに分けると迷いません。第一に、既存の文書や記事から用語候補を洗い出す「用語の抽出」。第二に、各用語の定義・読み・言い換えをAIに生成させる工程。第三に、表記ゆれをなくす「表記ルールの決定」です。ここで押さえておきたいのは、用語集づくりは原稿の誤りを直す校正や、既存記事を書き直すリライトとは別の「辞書をつくる」工程だということ。用語集という土台を先に用意しておくと、その後の執筆・校正・記事量産すべての品質が安定します。

この記事は前半と後半で扱うものが分かれています。用語集そのものの作り方(何を載せ、どの語から選び、どう運用し続けるか)は前半——「用語集の作り方|何を載せ、どの順で埋めるか」の章までで、AIを使わなくてもそのまま実行できる形にまとめています。その作業をAIで短縮する方法は後半——「AIで用語集を作成する3ステップ」以降です。AIに任せて効くのは「用語の洗い出し」と「定義の下書き」の2工程で、載せる語を選ぶ判断と最終的な表記の決定は、結局のところ人の仕事です。

AIで用語集を作るとは?校正・リライトとは別の「辞書づくり」工程

まず工程の整理から始めます。「用語集の作成」とは、社内やメディアで使う言葉を集め、それぞれの定義・読み・正しい表記を1つの辞書にまとめる工程です。原稿単位ではなく「言葉」単位で扱うのが特徴で、一度作れば全社・全記事で繰り返し使える資産になります。

これは、似ているようで役割の違う他の工程と混同されがちです。校正は出来上がった原稿の誤字脱字や表記ゆれを直す作業、リライトは既存記事をSEOや読みやすさの観点で書き直す作業、インタビュー記事の作成は取材音声を記事の形にする作業です。いずれも「原稿」を対象にしますが、用語集は原稿の手前にある「辞書」をつくる工程で、他の3つの土台になります。

工程

入力(対象)

成果物

この記事の扱い

用語集の作成

社内文書・既存記事・専門用語

用語辞書(定義・読み・表記ルール)

本記事のテーマ

記事の校正

完成した原稿

誤字脱字・表記ゆれを直した原稿

別工程(後述リンク)

記事のリライト

既存の公開記事

改稿した記事

別工程(後述リンク)

インタビュー記事の作成

取材音声・文字起こし

記事化した原稿

別工程(後述リンク)

用語集で「表記ルール」を先に決めておくと、後工程の校正が一気に楽になります。用語集で決めた表記を基準に、原稿側の誤りを直す流れです。原稿の誤字脱字や表記ゆれをまとめて直す進め方はAIで記事を校正する自動化の手順で、公開済みの記事をSEOを落とさず改稿する方法はAIで既存記事をリライトする方法で扱っています。取材した内容を記事にする工程はAIでインタビュー記事を作成する手順を参照してください。

なぜ用語集が必要か ── 表記ゆれ・専門用語のばらつきが生む損失

用語集は「あれば便利」ではなく、複数人で文章を書く組織ほど効いてきます。理由は、用語と表記が揃っていないと、読者側の理解コストが上がり、書き手側の確認コストも増えるからです。具体的には次のような損失が起きます。

  • 読者が混乱する:同じ機能が記事によって別の名前で呼ばれていると、読者は「同じものなのか別物なのか」を判断できません。
  • ブランド印象がばらつく:「お客様」と「ユーザー」が混在するなど、言葉づかいの一貫性が崩れると、媒体としての信頼感が下がります。
  • 検索・AIに正しく伝わりにくい:表記が割れると、検索エンジンや生成AIがどれを正式名称として扱うか判断しづらくなります。
  • 新メンバーが迷う:社内独自の略語や言い回しの意味が共有されていないと、オンボーディングのたびに口頭で説明する手間が発生します。

専門用語の扱いは、公的な文章づくりでも重視されています。文化庁の建議「公用文作成の考え方」(令和4年)でも、専門用語や外来語をそのまま使うのではなく、言い換えや注記を添えて読み手に配慮する方針が示されています。用語集は、この「どの言葉をどう説明し、どう表記するか」を組織として一度決めておく仕組みだと考えると分かりやすいでしょう。

用語集の作り方|何を載せ、どの順で埋めるか

AIの話に入る前に、そもそも用語集をどう作るのかを整理しておきます。ここが決まっていないと、AIに何を出させればよいかも決まりません。用語集の作り方は、①載せる項目(列)を決める → ②見出し語を選ぶ → ③粒度をそろえる → ④順番に埋める → ⑤承認して確定するの5つに分けると、そのまま手が動きます。AIは、このうち②〜④を速くするための道具だと考えてください。

1. 載せる項目(列)を決める

最初に決めるのは「1つの用語について何を書くか」です。項目が人によって違うと、あとから検索も置換もできない資料になります。定番の列は次の9つです。

何を書くか

なぜこの列が要るか

記入例

見出し語

正式な表記を1つだけ。ここに書いた形が社内の正

これが無いと「どれが正しいのか」を決着させられない

お問い合わせ

読み

ふりがな。並べ替えや読み上げにも使う

「代替(だいたい/だいがえ)」のような口頭でのゆれを止められる

おといあわせ

英語表記

英語での正式な言い方

翻訳・海外向け資料・システムの項目名で訳語がぶれない

inquiry

定義

1文で言い切る。あくまで自社での意味

一般的な意味とのズレを明示でき、誤用をその場で指摘できる

見込み客から寄せられる連絡の総称

使用可否

使ってよい/条件付き/使わない、の3択

「載っている=使ってよい」ではない語を区別できる

使ってよい

NG表記・言い換え

使わない表記、別の言い方

検索・置換の対象そのものになる。点検を機械にやらせられる

「問合せ」「お問合せ」は使わない

使用例

その語を使った短い一文

定義だけでは伝わらない使い方(誰が主語か、どの場面か)が伝わる

お問い合わせフォームからご連絡ください

管理者

その語の意味に責任を持つ人・部署

疑問が出たときの確認先が即決まり、更新が止まりにくい

カスタマーサクセス

更新日

最後に決めた/直した日付

古い定義を見分けられ、棚卸しの対象を絞れる

2026-04-12(表記を確定)

9列すべてを最初から埋める必要はありません。まず「見出し語」「定義」「NG表記」の3列だけで作り始め、運用に乗ってから残りを足すのが現実的です。ただし列だけは最初に9本立てておくこと。あとから列を挿入すると、既存の関数や参照がずれて直すのが面倒になります。英語表記は、海外拠点も英語の資料も無い会社なら当面は空のままで問題ありません(翻訳やシステムの項目名が出てきた時に、その列があるだけで訳語のぶれを防げます)。

ポイントは「使用可否」と「NG表記」の2列を最初から入れておくことです。用語集は「正しい言い方の一覧」であると同時に「使ってはいけない言い方の一覧」でもあります。NG表記を書き残しておかないと、同じ議論が半年後にもう一度起こります。

2. 何を見出し語にするか(載せる語の選び方)

全部載せようとすると終わりません。次の4種類に絞ると、実際に引かれる用語集になります。

  • 社内独自の略語:「PJ管理表」「二次請」など、外の人には通じない語。
  • 表記が割れている語:社内文書を検索して、実際に2通り以上の書き方が見つかった語。想像ではなく実測で選びます。
  • 日常語と意味が違う語:文化庁の建議「公用文作成の考え方」は、「社員」「清潔」「貧血」のように専門分野と日常語で意味が食い違う言葉について、混同を避けるため必ず専門用語としての意味を添えるようにと示しています。この種類は誤解の実害が大きいので最優先で押さえます。
  • 説明なしでは伝わらない専門用語:同建議は専門用語の扱いを「言い換える」「説明を付けて使う」「普及を図るべき用語は工夫してそのまま用いる」の3つに整理しています。用語集の「使用可否」列は、この3分類をそのまま当てはめると判断が速くなります。

3. 粒度をそろえる

いちばん迷うのが、どの単位で切るかです。基準は「読み手がその単位で検索するか」の1つで足ります。「請求」「請求書」「請求書発行フロー」が並んでいると引きにくいので、見出し語は名詞のかたまり1つまでにし、手順や運用ルールは用語集ではなくマニュアル側に書きます(その切り分け方は業務マニュアルの作り方|テンプレート付き実践ガイドで扱っています)。送り仮名違いや活用形(「問い合わせ」「問合せ」)は独立した項目にせず、NG表記の列にまとめます。

4. 埋める順番

50語も100語も一度に完璧にしようとすると止まります。横(1語ずつ全項目)ではなく、縦(全語の同じ列)に埋めるのが早く終わるコツです。まず全語の見出し語と読みだけを通しで埋め、次に全語の定義、最後に使用可否とNG表記、という順で3周します。同じ判断を続けて下せるので、基準がぶれません。

5. 誰が承認するか決める

用語集は、決める人がいないと「候補一覧」のまま止まります。実務では、用語ごとの担当(その業務を一番よく知っている人)と、全体の表記方針を最終決定する1人を分けるとうまく回ります。前者は定義の正しさに責任を持ち、後者は「ユーザー/ユーザ」のような、どちらでも間違いではない選択に決着をつけます。承認した日付を補足列に残しておくと、あとで蒸し返されません。

迷ったときの既定値も決めておくと速くなります。たとえば外来語の長音符号について、「公用文作成の考え方」は長音は原則として長音符号を使って書くとし、英語の語末の -er、-or、-ar に当たるものはア列の長音として長音符号を用いる、-ty や -ry などyで終わる語も長音符号を用いて書くのが原則としています(コンピューター、カレンダー、コミュニティー、カテゴリー)。社内で決め手がない語は、こうした公的な基準を既定にしておくと議論が短く済みます。

どの用語から載せるか|優先順位を決める3つの軸

列が決まったら、次に詰まるのが「どれから載せるか」です。思いついた順に並べると、よく使う語が抜けたまま、めったに出ない語だけが充実した用語集になります。拾う順番は次の3つの軸で決めます。

  • 社外に出るか:提案書・契約書・Webサイト・請求書に載る語を最優先にします。社内だけで使う語と違い、間違えたときの損失が取り返しにくいためです。
  • 誤解が実際に起きたか:問い合わせの取り違え、指示の伝わり違い、社内チャットで「それって○○のことですか?」と聞き返された語。1件でも実害が出た語は、想像で選んだどの語より優先されます。
  • 実際によく出てくるか:社内ドキュメントやサイト内の検索でヒット件数を数えます。感覚で言い合うより、件数で並べたほうが議論が短く済みます。
  • 最優先(その週のうちに確定):社外に出る語で、かつ誤解が起きたことがある語。
  • 次点(月内に登録・定義は暫定でよい):社内で頻出、または表記が2通り以上見つかった語。
  • 後回し(候補行に置くだけ):一部の担当しか使わない語、年に数回しか出ない語。聞かれたら昇格させます。

最初の1枚は30〜50語で十分です。100語を超えたあたりから「探すより人に聞いたほうが早い」状態になり、引かれなくなります。分厚くするより、社外に出る20語の定義と表記が正確なほうが実務では効きます。

スプレッドシート/Excelで作るときの実務

専用ツールは要りません。数百語になるまではスプレッドシートかExcelの1枚で足ります。ただし最初のシートの作り方で後の使い勝手がほぼ決まるので、次の5点は着手時に決めてください。

  • 1行1用語を崩さない:類義語や別表記を1つのセルに「、」で詰め込むと、検索も置換も集計もできなくなります。行が増えるのを嫌がらないでください。
  • NG表記は別シートに縦持ちする:用語集シートのNG表記列は人が読むためのものです。別に「NG表記/正しい表記」の2列だけを縦に並べたシートを作っておくと、そのまま置換リストにも、文章を貼って突合するチェック用シートの参照元にもなります。表記ゆれを機械的に潰せるかどうかは、この持ち方で決まります。
  • 使用可否・管理者は入力規則(プルダウン)にする:自由入力にすると「使用可」「OK」「○」が混在し、フィルタで絞れなくなります。データの入力規則でリストを固定します。
  • 1行目を固定し、フィルタをかける:50語を超えると見出し行が流れ、どの列を見ているか分からなくなります。ウィンドウ枠の固定と列フィルタは最初にかけます。
  • 編集権限は管理者に絞る:全員に編集権限を渡すと、誰がいつ何を変えたか追えなくなります。基本は閲覧のみとし、追加や修正の要望はコメントか別タブの「追加リクエスト」欄で受けます。

複数人で1枚のシートを触るときに起きる事故(同時編集での上書き、権限まわり、参照のズレ)は複数人で使うスプレッドシートが壊れる原因と対策|同時編集・権限事故・参照ズレを防ぐにまとめています。

複数人が同時に見る前提なら、スプレッドシートのほうが続きます。Excelで作る場合は、ファイルを個人のPCではなく共有フォルダの1ファイルに固定してください。メール添付で配った瞬間に版が分裂し、「どれが最新か分からない用語集」が生まれます。

更新が止まらない運用ルール|誰が・いつ・どの契機で足すか

用語集が形骸化する理由はほぼ1つ、足すきっかけが決まっていないことです。「四半期に1回見直す」だけでは、次の見直しまで3か月放置されます。定期の棚卸しと、次の契機ベースのルールを併用してください。

契機

やること

誰が

新しいサービス・機能・部署の名前が決まった

決まったその場で見出し語と正式表記を登録

決めた本人

社内で「それって○○のことですか」と聞き返された

その語を候補行に追加(定義は空のままでよい)

聞かれた人

社外向け文書のレビューで表記を直した

直した表記を「正の表記/NG表記」として登録

レビュー担当

四半期の棚卸し

候補行の定義を埋める・使わなくなった語を退役

用語集の管理者

コツは追加のハードルを「行を1つ足すだけ」まで下げることです。追加のたびに定義まで書かせようとすると誰も足さなくなります。見出し語だけの空行を許し、定義は棚卸しでまとめて埋めます。使わなくなった語は削除せず別タブへ移してください。「なぜ使うのをやめたか」が残らないと、半年後に同じ語が復活します。

用語集づくりでよくある失敗5つ

  • 作って終わる:最多の失敗です。公開前・送付前のどの文書を用語集に照らすのか、1つでいいので決めてください。点検の場が無い用語集は、作った日が価値のピークになります。
  • 定義が長すぎる:3行ある定義は読まれません。定義は1文で言い切り、決めた背景や経緯は補足列かマニュアル側に置きます。
  • 類義語を1行に詰める:「解約/退会/キャンセル」を1行にまとめると、いちばん大事な使い分けが書けなくなります。使い分けが必要な語は必ず別の行に分け、それぞれの定義に「○○とは区別する」と明記します。
  • 置き場所が分からない:探せない用語集は無いのと同じです。社内ポータルのトップやチャットのピン留めなど、1クリックで開ける場所に固定します。
  • 正解が2つある:文書作成ツールの校正設定・CMSの表記ルール・用語集が別々のことを言っていると、現場は一番手近なものに従います。用語集を正とし、他のツール側の設定を合わせてください。

ここまでが、AIを使わなくても成立する用語集の作り方です。この型が決まっていれば、AIに何を頼めばよいかも自然に決まります。次の章では、②〜④をAIで一気に短縮する手順を見ていきます。

AIで用語集を作成する3ステップ

ここからが本題です。生成AIを使えば、ゼロから用語を考えるのではなく、手元の文書からたたき台を一気に作らせることができます。手順は「用語の抽出→定義の生成→表記ルールの決定」の3ステップです。

ステップ1 既存文書から用語候補を洗い出す

最初にやるのは、対象範囲を決めて用語を集めることです。社内マニュアル・過去のブログ記事・サービス説明ページなど、既にある文章をAIに読ませ、「専門用語・社内独自の言い回し・略語」を抽出させるのが早道です。ゼロから思い付きで並べるより、実際に使われている言葉を拾えるので、現場で本当に必要な用語集になります。候補をさらに広げたいときは、AIブレインストーミングで発散・収束を使い分けるプロンプト例を使って、抽出した用語から関連語を広げてから絞り込む進め方も有効です。

依頼のプロンプトは、範囲と観点を具体的に指定します。たとえば「次の文章から、初めて読む人がつまずきそうな専門用語・略語・社内独自の言い回しを抽出し、リスト化してください。一般的すぎる言葉は除いてください」と頼み、対象テキストを貼り付けます。出てきた候補は多めに出しておき、次のステップで取捨選択します。

ステップ2 定義・読み・言い換えをAIで生成する

用語候補が集まったら、各用語に定義・読みがな・言い換え表現を付けていきます。ここはAIが得意な領域で、1語ずつ手で書くより大幅に速くたたき台が作れます。ポイントは、社内で使う意味に合わせて調整することと、社外の一般的な定義とズレる用語は補足を入れることです。

出力を整えると、次のような用語集の形になります。この表をそのままスプレッドシートや社内ドキュメントに落とし込めば、辞書として運用を始められます。

用語

読み/英語

定義(自社での意味)

使う場面・言い換え

オンボーディング

onboarding

新規顧客がサービスを使い始め、定着するまでの支援プロセス

「導入支援」と言い換え可。社外向けは補足を添える

解約

かいやく

有料契約を終了すること(「退会」は無料会員の登録抹消と区別)

有料は「解約」、無料は「退会」で統一

KPI

ケーピーアイ

目標達成度を測る中間指標

初出は「重要業績評価指標(KPI)」と正式名称を併記

定義文は「短く・1文で言い切る」ようAIに指示すると、辞書として使いやすくなります。逆に、AIが自信たっぷりに書いてくる定義ほど、実際の社内の使い方と微妙にズレることがあるため、この段階のチェックは丁寧に行ってください。

ステップ3 表記ルール(表記ゆれ)を決めて統一する

最後に、用語ごとに「正しい表記はどれか」を1つに決めます。表記ゆれとは、同じ言葉の書き方が複数ある状態のこと。「ユーザー/ユーザ」「サーバー/サーバ」「問い合わせ/お問い合わせ」など、どれも間違いではないからこそ、組織として基準を決める必要があります。

AIには「次の用語について、表記ゆれの候補を列挙し、ビジネス文書で一般的な表記を推奨してください」と頼み、その結果を自社の方針で確定します。決めた基準は、用語集に「採用する表記/使わない表記」の形で残しておくと、校正のときにそのまま照合できます。海外拠点や多言語対応がある組織では、この用語集がAI翻訳の訳語統一の基盤にもなります。具体的な進め方は社内文書を多言語化するAI翻訳の業務フローで解説しています。

採用する表記

使わない表記(ゆれ)

メモ

ユーザー

ユーザ

長音符ありに統一

お問い合わせ

問い合わせ/お問合せ

導線・ボタン名は「お問い合わせ」で固定

Webサイト

WEBサイト/ウェブサイト

半角「Web」で統一

私たちMihataは、SEOに強い記事をAIが自動生成するAIブログ運用サービスも提供しています。記事の途中で恐縮ですが、こうして作った用語集を土台にすると、記事を量産しても専門用語の説明や表記がぶれにくくなります。用語集づくりと記事の量産をまとめて仕組み化したい方は、よろしければ合わせてご覧いただけたら嬉しいです。

そのまま使えるプロンプトテンプレ

ここまでの3ステップをまとめた、コピペで使えるプロンプトの雛形です。【 】の部分を自社の内容に置き換えるだけで、抽出・定義・表記ルールの3点を一度に作れます。

あなたは社内の用語集(用語辞書)を整備する編集担当です。次の文章から用語集のたたき台を作ってください。(1)初めて読む人がつまずく専門用語・略語・社内独自の言い回しを抽出(一般的すぎる語は除く)。(2)各用語に「読み/英語表記」「1文で言い切る定義」「言い換え・使う場面」を付与。(3)表記ゆれがある用語は候補を列挙し、ビジネス文書で一般的な表記を1つ推奨。出力は表形式で。定義は自社の使い方と異なる可能性があるため、確認が必要な箇所には「要確認」と付けてください。対象文章:【ここに社内文書やブログ記事を貼り付け】

この雛形を土台に、出てきた用語集は必ず自社の実際の使い方に照らして直してください。特に「要確認」と付いた定義は、担当者が意味を確定させてから公開・共有するのが安全です。

専門用語をチェックする|表記ゆれを検出し続ける運用

用語集は、作った日から少しずつ古くなります。価値が出るのは、公開前の文書を用語集に照らして点検し続ける仕組みとセットにしたときです。ここでは、チェックの対象と頻度、AIに投げるときの入力の作り方、そしてAIが見落とす型を整理します。

何を、どの頻度でチェックするか

すべてを毎回見るのは現実的ではないので、対象ごとに頻度を分けます。

チェック対象

頻度

見るもの

公開前の記事・提案書・メール文面

都度(公開・送付の直前)

NG表記の混入、未登録の新しい専門用語

公開済みのWebページ

四半期に1回

表記の混在、旧サービス名・旧部署名の残り

社内マニュアル・各種テンプレート

半期に1回

定義の変更に追随できているか

用語集そのもの

四半期に1回

新語の追加、使わなくなった語の退役

AIに投げるときの入力の作り方

チェックを頼むときの基本形は、「用語集(正の表記とNG表記)」と「点検対象の本文」を1つのプロンプトに両方入れることです。用語集を渡さずに「表記ゆれを直して」と頼むと、AIは一般的な基準で勝手に統一してしまい、社内で決めた表記と食い違います。入力の作り方で押さえるのは次の3点です。

  • 本文を書き換えさせず、指摘の一覧で返させる:直させると、指摘していない箇所まで静かに書き換わります。出力は「該当箇所(原文の抜粋)/指摘の種類/推奨する表記/理由」の4列に固定します。
  • 長い文書は分割する:3,000〜5,000字程度に切って渡すほうが、後半の見落としが減ります。分割位置は見出し単位にすると文脈が保てます。
  • 用語集は必要な列だけ渡す:見出し語・NG表記・定義の3列で足ります。補足や決定日まで入れると、判断に関係のない情報でぶれます。

あなたは社内の表記ルールに照らして文章を点検する校閲担当です。次の【用語集】を唯一の基準として、【点検対象】の本文をチェックしてください。本文は書き換えず、指摘だけを表で返してください。列は「該当箇所(原文のまま抜粋)/指摘の種類(NG表記・定義と異なる使い方・用語集に未登録)/推奨する表記/理由」。用語集に載っていない語を勝手に直さず、「未登録」として挙げてください。【用語集】(見出し語/NG表記/定義):{ここに貼り付け} 【点検対象】:{ここに貼り付け}

AIが見落としやすい3つの型

AIのチェックは万能ではありません。特に次の3つは、指示なしでは通り抜けます。

  • 固有名詞:社名・製品名・人名は、AIが「一般的にはこう書く」と判断して別の表記に直したり、誤りを見逃したりします。固有名詞は用語集に「変更禁止」と明記したうえで、機械的な完全一致の検索でも二重に確認します。
  • 社内略語:文脈が無いと単なる誤字と見なされて無言で直されるか、逆に社外向け文書でも「間違いではない」と判断されて残ります。略語は「社内可・社外不可」という使用範囲まで用語集に書いておきます。
  • 同義だが用法が違う語:「解約」と「退会」のように、辞書的には近いのに使い分けが決まっている語です。文字面が違うため、表記ゆれとしては検出されません。この型は定義文を渡し、「この定義に照らして使い方が誤っている箇所」を別の指摘項目として挙げさせる必要があります。

機械的に潰せるところは、AIより先に検索で片付けるのが確実です。NG表記の一覧があるなら、まず各NG表記でファイル内検索をかけ、ヒット数がゼロになるまで直します。AIに任せるのは、その検索では捕まらない「定義と食い違う使い方」「未登録の新しい用語」の2つに絞ると、指摘の質が上がり、確認する側の負担も減ります。

記事を継続的に出しているなら、この点検を公開フローに組み込むところまでやって初めて効きます。MihataのAIブログ運用代行(SEO記事の生成から公開・運用まで)は、こうした表記ルールを前提にした記事づくりを仕組みとしてお引き受けするサービスです。

AIで用語集を作るときの注意点

効率化の一方で、AIに任せきりにすると事故につながる部分があります。用語集は「正しさ」がそのまま資産価値になるため、次の3点は必ず人が担保してください。

定義の正確性は必ず人が確認する

生成AIは、それらしい定義を自信を持って出力しますが、内容が事実と異なる(ハルシネーション)ことがあります。用語集は社内の共通言語になるため、誤った定義が広まると影響が大きくなります。東京都デジタルサービス局の「文章生成AI利活用ガイドライン」でも、生成AIが出力したテキストの妥当性を判断する責任は人間側にあることが示されています。AIの出力はあくまでたたき台とし、最終的な定義・表記は人が確認して確定するのが前提です。

社外の生成AIに機密・個人情報を入れない

用語の抽出のために社内文書を貼り付けるとき、その文書に顧客名・取引先情報・個人情報が含まれていないかを確認してください。一般に公開されている生成AIサービスに機密情報や個人情報をそのまま入力するのは避けるべきです。個人情報保護委員会も、個人情報取扱事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合は、特定した利用目的の達成に必要な範囲内であることを十分に確認する必要があると注意喚起しています。用語集づくりでは、固有名詞や個人情報を伏せた文章を渡すのが安全です。

一度作って終わりにせず運用する

用語集は、作った時点が完成ではありません。新しいサービスや機能が増えれば用語も増え、言葉づかいの方針も変わります。実務では、更新担当と見直しのタイミング(四半期に1回など)を決めておくことが、辞書を形骸化させないコツです。AIは新しい文書からの用語追加も得意なので、定期的に同じプロンプトで差分を洗い出すと、無理なく最新の状態を保てます。

用語集を土台にすると記事づくり全体が安定する

用語集の本当の価値は、単体で使うより「他の工程の基準」として使ったときに出ます。表記ルールが決まっていれば校正の判断が速くなり、定義が揃っていればリライトや新規記事でも説明がぶれません。オウンドメディアを継続運用するなら、用語集は最初に整えておきたい土台です。運用体制そのものの考え方は、オウンドメディア運用代行の費用相場と選び方もあわせて検討するとよいでしょう。用語集は新人研修の教材としても活用でき、AIロープレ研修の始め方AIでeラーニング教材を作成する方法と組み合わせると、専門用語の定着まで含めた研修設計がしやすくなります。

私たちMihataは、用語集の整備を含めた社内のAI活用や、記事の量産・運用の仕組みづくりをお手伝いしています。「用語集は作りたいが、その先の記事運用まで自社で回せるか不安」という段階でも構いません。現状に合わせた進め方をご提案しますので、よろしければお気軽にご相談ください。

よくある質問

用語集は何のツールで作ればいいですか?

語数が数百になるまでは、GoogleスプレッドシートかExcelの1枚で足ります。専用ツールはその後で構いません。作るときは、1行1用語を崩さない・NG表記は別シートに「NG表記/正しい表記」の2列で縦に持つ・使用可否はプルダウンにする・1行目を固定してフィルタをかける、の4点を最初に決めてください。複数人が同時に見る前提ならスプレッドシートのほうが続きます。

用語集は何語くらいから作ればいいですか?

最初の1枚は30〜50語で十分です。優先順位は「社外に出る語」「誤解が実際に起きた語」「社内で実際によく出てくる語」の3つの軸で決めます。語数が100を超えると探すより人に聞いたほうが早くなり、引かれない用語集になります。分厚くするより、社外に出る20語の定義と表記が正確なほうが実務では効きます。

用語集にはどんな項目(列)が必要ですか?

定番は、見出し語・読み・英語表記・定義・使用可否・NG表記/言い換え・使用例・管理者・更新日の9列です。埋めるのは見出し語・定義・NG表記の3列から始めて構いませんが、列だけは最初に9本立てておいてください。あとから列を挿入すると既存の関数や参照がずれます。NG表記の列は検索・置換の元データになるため、早めに用意しておくと点検を機械化できます。

英語表記の列は必要ですか?

海外拠点も英語の資料も無い会社であれば、当面は空のままで問題ありません。ただし列だけは作っておくことをおすすめします。翻訳、海外向け資料、システムの項目名といった場面が出てきたときに、その列があるだけで訳語のぶれを防げるためです。逆に多言語対応がある組織では、用語集がそのままAI翻訳の訳語統一の基盤になります。

用語集はどのくらいの頻度で更新しますか?

四半期に1回の棚卸しに加えて、契機ベースのルールを併用してください。新しいサービスや部署の名前が決まった時、社内で「それって○○のことですか」と聞き返された時、社外向け文書のレビューで表記を直した時に、その場で行を足します。追加のハードルは行を1つ足すだけに下げ、定義は棚卸しでまとめて埋めるほうが続きます。

参考・出典

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