AI 関連の資格で実務者が現実的に選ぶのは、G検定(JDLA)・E資格(JDLA)・生成AIパスポート(GUGA)の3つです。ざっくり言えば、G検定は「AIで何ができるか」を判断する側、E資格は実装する側、生成AIパスポートは生成AIを安全に使う側の試験で、受験料は一般で13,200円・33,000円・11,000円(いずれも税込)と3倍近い開きがあります。
2026年8月25日時点で公式サイトを確認したところ、直近の申込締切がすぐそこに来ている試験が2つあります。まず日程から確認してください。
試験 | 直近の試験日 | 申込締切 |
|---|---|---|
G検定(オンライン) | 2026年9月5日(土) 13:00〜14:40 | 個人は2026年8月28日(金) 23:59まで(団体は8月21日で終了) |
G検定(会場) | 2026年9月4日(金)〜9月6日(日) | 受験日の3日前23:59まで(例:9月5日受験なら9月2日) |
E資格 E2026#2 | 2026年8月28日(金)〜8月30日(日) | 受験日前日23:59まで(申込受付中) |
生成AIパスポート | 10月回:2026年10月1日〜10月31日 | 2026年8月1日〜9月30日 |
※G検定はオンラインと会場で申込システムが別で、それぞれアカウント登録が必要です。申込後のオンライン⇔会場の変更・振替はできません。
3つの資格の違いを1枚で
項目 | G検定 | E資格 | 生成AIパスポート |
|---|---|---|---|
主催 | 日本ディープラーニング協会(JDLA) | 同左 | 生成AI活用普及協会(GUGA) |
測るもの | AI・ディープラーニングの活用リテラシー。活用方針を決める能力 | ディープラーニングの理論理解と実装能力 | 生成AIの理解と活用リテラシー |
受験資格 | 制限なし | JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了 | 制限なし |
受験料(税込) | 一般13,200円/学生5,500円 | 一般33,000円/学生22,000円/会員27,500円 | 11,000円/学生5,500円 |
形式 | オンライン100分・会場120分/145問程度・多肢選択 | 会場120分/100問程度・多肢選択 | オンラインIBT 60分/60問・四肢択一 |
開催頻度(2026年) | オンライン年6回・会場年3回 | 年2回程度 | 年5回(2・4・6・8・10月) |
いちばん見落とされるのは E資格の受験資格
E資格は誰でも申し込める試験ではありません。JDLA が認定した教育プログラムを、試験日から過去2年以内に修了していることが条件です。認定プログラムの受講費は主催事業者ごとに別途かかるので、受験料33,000円だけを見て予算を組むと足りなくなります。「E資格を取れ」と指示を出す側が、この前提を知らないまま期末に言い出すのが現場でいちばん多い詰まり方です。
目的別:どれを取るべきか
AI導入を判断する立場(経営・企画・情シス)→ G検定
G検定は JDLA が「AI・ディープラーニングの活用リテラシー習得のための検定」と定義しており、何ができて何ができないのか、どこに使えばよいのかを体系的に押さえる試験です。受験資格がなく、オンラインで自宅受験でき、年6回あるので日程も合わせやすい。導入の可否を判断する側が最初に取る1つとして最も外れが少ない選択です。
現場で生成AIを使う全員 → 生成AIパスポート
60分・60問・11,000円と、3つの中で最も軽い試験です。オンライン(IBT方式)でパソコンでもスマートフォンでもタブレットでも受験でき、受験期間中の好きな時間に受けられます。部署単位でリテラシーの下限をそろえたいときに向きます。ただし範囲は生成AIの基礎で、ディープラーニングの理論には踏み込みません。
モデルを実装する開発者 → E資格
数学的基礎(確率・統計、情報理論)から、順伝播型ネットワーク、最適化、正則化、畳み込み、リカレントまでを問う試験です。ソースコードを含む問題は Python またはフレームワークで出題されます。実装者向けであって、AI活用の企画者向けではありません。ここを取り違えて非エンジニアに受けさせても、費用対効果は出ません。
Generative AI Test は「次回の開催なし」と公式に書かれている
JDLA には生成AIのミニテスト「Generative AI Test」もありましたが、公式ページには「試験終了に伴い、次回試験の開催はございません」と明記されています(2026年8月25日確認。最後の開催は2025年第1回・2025年6月7日)。名前だけが古い記事やまとめサイトに残っているので、受験計画に入れないでください。なお、G検定の会場試験は Generative AI Test と同じシステムで実施されるため、過去に申し込んだアカウントをそのまま使えます。
この「終了しているのにネット上では現役に見える」は、AI領域の情報でいちばん起きやすい事故です。資格に限らず、料金や提供終了日は必ず主催者の公式ページを開いて確認してください。
資格を取っても業務は変わらない、を前提に設計する
実務で見ていて確かなのは、資格の有無より「社内のどの業務に、どう当てるか」を決めているかどうかで差がつくということです。G検定に受かった担当者が増えても、業務の切り出しが決まっていなければ何も動きません。順番としては次が現実的です。
- 対象業務を1つ決める:全社展開から入らない。生成AIはどの業務から入れるかの優先順位の付け方が使えます
- 使ってよい範囲のルールを先に作る:入力してよい情報の線引きがないまま研修だけ先行すると、現場が使うのを怖がって止まります
- そのうえで資格で共通言語をそろえる:判断する側にG検定、使う側に生成AIパスポート、という配り方が噛み合います
- 定着させる:生成AIの社内研修は何から始めるかで、研修が使われる状態まで持っていく手順を書いています
まとめ
判断する側はG検定(13,200円・受験資格なし・年6回)、現場で使う全員は生成AIパスポート(11,000円・60分)、実装する人だけE資格(33,000円+認定プログラム受講が必須)。この配り方が費用対効果として最も素直です。直近ではG検定オンラインの個人申込が2026年8月28日23:59、E資格 E2026#2 が受験日前日23:59で締まるので、受けるなら日程から逆算してください。
よくある質問
AI資格は未経験でも受けられますか?
G検定と生成AIパスポートは受験資格に制限がないため、未経験でも申し込めます。E資格だけはJDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していることが条件で、誰でも受けられる試験ではありません。
G検定と生成AIパスポートはどちらを先に取るべきですか?
目的が違います。AI導入の可否を判断する立場ならG検定、現場で生成AIを使う全員のリテラシーをそろえたいなら生成AIパスポートが噛み合います。両方受ける必要は必ずしもありません。
G検定の受験料はいくらですか?
2026年の公式情報で一般13,200円(税込)、学生5,500円(税込)です。オンライン試験には各種割引制度がありますが、会場試験には割引制度がありません。
E資格は受験料以外にお金がかかりますか?
かかります。受験の前提となるJDLA認定プログラムの受講費が、主催する事業者ごとに別途必要です。受験料33,000円だけで予算を組むと不足します。
Generative AI Testは今も受けられますか?
受けられません。JDLAの公式ページに「試験終了に伴い、次回試験の開催はございません」と明記されています(2026年8月25日確認)。最後の開催は2025年6月7日の2025年第1回です。
生成AIパスポートはいつ受けられますか?
年5回(2月・4月・6月・8月・10月)の受験期間が設定されています。10月回は申込が2026年8月1日から9月30日まで、受験期間は10月1日から10月31日までで、期間中の好きな時間にオンラインで受験します。