AirPods 5 は 2026年9月18日(金)に発売されました。価格は 23,800円(AirPods 5)と 27,800円(ワイヤレス充電ケース付きAirPods 5)の2モデルです。ただ、Apple の比較表を1行ずつ読み合わせると、AirPods 4 からの「新機能」と呼べるものは実質3つしかありません。アクティブノイズキャンセリング(ANC)が2モデルとも標準搭載になったこと、防塵・耐水が IP54 から IP57 に上がったこと、ワイヤレス充電ケース付きモデルだけ音量スワイプに対応したこと——この3点です。
よく「AirPods 5 の新機能」として語られる H2チップ・ライブ翻訳・Siri AI は、比較表では AirPods 4 の欄にも同じように載っています。しかも合計再生時間は AirPods 4 のほうが長い(最大30時間 対 最大20時間/22時間)。この記事では差と差でないものを分け、23,800円と27,800円のどちらを選ぶかまで整理します。数値は Apple 公式ページで確認したものだけです。
AirPods 5 の新機能は実質3つ
AirPods 5 の製品ページと比較表を突き合わせると、AirPods 4 系(無印/ANC搭載)に対して本当に増えた・変わった点は次の3つに絞られます。
① ANC が2モデルとも標準搭載になり、効きは「最大1.5倍」
いちばん大きい変化はここです。AirPods 4 は無印に ANC が無く、欲しければ「アクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4」を選ぶ必要がありました。AirPods 5 は購入ページの見出しがそのまま「どちらのモデルもアクティブノイズキャンセリングを搭載。」で、23,800円の方でも ANC が使えます。
効きについて Apple は「一世代前のモデルと比べて最大1.5倍の雑音を除去」と説明しています。比較表の注記では、比較対象は「アクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4」で、IEC 60268-24 という規格に沿ったテスト結果とされています。「オープンイヤーデザインのヘッドフォンで業界最高のアクティブノイズキャンセリングを実現」とも書かれています。いずれも Apple の主張で、Mihata が実機で測った数値ではありません。耳を密閉しないオープンイヤー型での 1.5倍なので、カナル型の Pro と同じ静けさを期待すると落差を感じる可能性があります。
② 防塵・耐水が IP57 に(AirPods 4 系は IP54)
比較表の「耐汗耐水性能」の行では、AirPods 5 と ワイヤレス充電ケース付きAirPods 5 が IP57、AirPods 4 と ANC搭載AirPods 4 は IP54 です。AirPods Pro 3 が IP57、Pro 2 が IP54 なので、AirPods 5 は等級の上では Pro 3 と同じ列に並びました。
IP57 の「5」が防塵、「7」が防水の等級です。カタログでは地味ですが、汗や雨に当たる使い方をする人にはスペック表の中でいちばん生活に効く差でしょう。ただし「防水になったから水洗いできる」という読み方はしないほうが無難です。
③ 音量スワイプ(ワイヤレス充電ケース付きモデルのみ)
3つ目は操作です。比較表の「センサー」の行では、AirPods 5(無印)が「感圧センサー」、ワイヤレス充電ケース付きAirPods 5 が「音量スワイプ対応の感圧センサー」と書き分けられています。AirPods 4 系はどちらも「感圧センサー」で、音量スワイプはありません。
つまり音量スワイプは「AirPods 5 の新機能」ではなく、27,800円のモデルだけの機能です。23,800円の方では音量調整が iPhone や Apple Watch、Siri 経由になります。店頭の訴求では流されやすい線引きなので、価格差を判断するときに最初に押さえたい点です。
AirPods 5・AirPods 4・AirPods Pro 3 の比較表
Apple 公式の比較ページと購入ページから、判断に効く項目だけを抜き出した表です。数値は 2026年10月7日に取得したものです。
項目 | AirPods 5 | ワイヤレス充電ケース付きAirPods 5 | ANC搭載AirPods 4 | AirPods Pro 3 |
|---|---|---|---|---|
価格 | 23,800円 | 27,800円 | 公式の購入ページ・比較ページに掲載がなく取得できず | 42,800円 |
チップ | H2 | H2 | H2 | H2 |
ANC | 搭載(最大1.5倍/Apple の主張) | 搭載(最大1.5倍/Apple の主張) | 搭載 | 搭載(最大3倍/AirPods 5 との比較・Apple の主張) |
1回の充電での再生時間 | 最大4時間(ANC 有効時) | 最大5時間(ANC 有効時) | 最大5時間 | 最大8時間(ANC 有効時) |
ケース併用の合計 | 最大20時間(ANC 有効時) | 最大22時間(ANC 有効時) | 最大30時間 | 最大24時間(ANC 有効時) |
防塵・耐水 | IP57 | IP57 | IP54 | IP57 |
タッチ操作 | 感圧センサー | 音量スワイプ対応の感圧センサー | 感圧センサー | 感圧センサー |
ライブ翻訳・Siri AI | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
ロスレスオーディオ | なし | なし | なし | USB-C 経由で対応 |
心拍数センサー | なし | なし | なし | 搭載 |
聴覚関連 | 大きな音の低減 | 大きな音の低減 | 非対応 | ヒアリングチェック/ヒアリング補助機能/大きな音の低減 |
ケース | 充電ケース(USB-C) | 「探す」用スピーカー搭載ワイヤレス充電ケース(USB-C・Apple Watch 充電器/Qi 対応) | — | ストラップループ付き MagSafe 充電ケース |
世代をまたいだ仕様確認は、販売ページの訴求文ではなく下記の比較表を1行ずつ読むのが確実です。
「新機能」と紹介されがちだが AirPods 4 でも使えるもの
ここが検討時にいちばん誤解されやすい部分です。発売時に話題になった機能の多くは、比較表では AirPods 4 の欄にも同じ記載があります。つまり世代の差ではありません。
H2チップ:AirPods 4 と同じ
比較表の「チップ」の行は、AirPods 5・ワイヤレス充電ケース付きAirPods 5・AirPods 4・ANC搭載AirPods 4・AirPods Pro 3・AirPods Pro 2 がすべて H2 です(H1 なのはさらに前の世代)。「H2チップ搭載」は目を引きますが、AirPods 4 からの買い替え理由にはなりません。変わったのは同じ H2 の上で動く音響アーキテクチャ(Apple は「再設計されたマルチポートの音響アーキテクチャ」「次世代のアダプティブイコライゼーション」と説明)とマイク構成です。
ライブ翻訳:AirPods 4 でも使える。ただし条件がある
ライブ翻訳も比較表では全モデルに記載があり、AirPods 5 専用機能ではありません。注意したいのは利用条件です。購入ページのよくある質問には「AirPods 5でのライブ翻訳は、Apple Intelligenceを有効にし、iOS 26以降を搭載したiPhoneとペアリングした場合に、特定の言語と地域で利用できます」と書かれています。イヤホン単体の機能ではなく、iPhone 側の Apple Intelligence に依存する機能だと理解しておくのが正確です。
対応言語として公式に挙げられているのは、日本語(日本)、中国語(北京語・簡体字)、中国語(北京語・繁体字)、英語(英国・米国)、フランス語(フランス)、ドイツ語(ドイツ)、イタリア語(イタリア)、韓国語(韓国)、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語(スペイン)です。全言語で使えるわけではなく、地域や言語によって一部の機能が使えない場合があるとも明記されています。iPhone 側の機能はiPhone の Siri AI でできることを整理した記事も合わせて読むと判断しやすくなります。
Siri AI:日本語対応は「年内」としか公表されていない
Siri AI へのハンズフリーアクセスも、比較表では AirPods 4 系にも記載されています。そして日本語での利用時期について、Apple は「Siri AIは英語から対応を開始し、年内に日本語でも利用できるようになります」としか書いていません。具体的な日付は公表されていないため、「◯月に来る」という情報を見かけても一次ソースを確認したほうがよいでしょう。使用制限が適用される場合があるという注記も付いています。先に機能の全体像をつかんでおきたい方は、Siri AI の使い方をまとめた記事が入り口になります。
空間オーディオ・適応型オーディオ・会話感知
パーソナライズされた空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキングは比較表の全モデルに、適応型オーディオと会話感知も AirPods 4 系に記載があります。「周囲の音に合わせて自動で調整してくれる」体験は AirPods 4 の時点でほぼ揃っていました。
AirPods 5 のバッテリーは AirPods 4 より短い(条件の違いまで読む)
検討中の方に正直にお伝えすべき逆風がここです。ケース併用の合計再生時間は、AirPods 4 系が最大30時間、AirPods 5 は最大20時間(無印)/最大22時間(ワイヤレス充電ケース付き)。数字だけ並べると世代が新しいほうが短くなっています。
ただし条件が違います。AirPods 5 の数値は ANC を有効にした状態での測定値です。製品ページの脚注には、ノイズコントロールをオフにした場合の1回の充電での再生時間は AirPods 5 で最大6時間、ワイヤレス充電ケース付きで最大7時間と書かれています(ANC 有効時はそれぞれ最大4時間・最大5時間)。ANC を切れば1回あたりの駆動時間は1〜2時間伸びるという関係です。
つまり「AirPods 5 は電池が弱い」ではなく「ANC を常時オンで使う前提の数字が表に出ている」と読むのが妥当です。それでも、ANC を使わず長時間つけっぱなしにしたい人には AirPods 4 系の最大30時間が依然として魅力的です。カタログ値は条件を揃えないと判断を誤ります。
なお AirPods 5 は2モデルとも USB-C 充電ケーブルと電源アダプタが付属しません。手持ちのものを使う前提の価格です。
Mihata では、こうした「公式の数字を条件ごとに読み分ける」作業を、業務の中で AI に任せる仕組みづくりのご相談も受けています。記事の途中で恐縮ですが、同じ悩みをお持ちの方には役に立つかもしれないので、よろしければ覗いていただけるとうれしいです。
AirPods Pro 3 との線引き:AirPods 5 に無いもの
価格差(23,800円/27,800円 対 42,800円)に見合うかを判断するために、AirPods 5 に無く Pro 3 にあるものを押さえておきます。比較表で明確に差が付くのは次の3点です。
- USB-C 経由のロスレスオーディオと超低レイテンシーオーディオ:AirPods 5 は非対応。音ゲー・楽器・映像編集など遅延が気になる用途では差が出ます
- ワークアウトのための心拍数センサー:AirPods 5 には搭載されていません
- ヒアリングチェック/ヒアリング補助機能:AirPods 5 は「大きな音の低減」どまりで、聴覚のチェックや補助の機能はありません
ANC の強さも Apple の表記では段違いです。Pro 3 は「最大3倍(AirPods 5 との比較)」、Pro 2 は「最大2倍(第1世代の AirPods Pro、ANC搭載AirPods 4 との比較)」と書かれています。静けさを最優先するならカナル型の Pro を見るのが筋で、耳を塞ぐ圧迫感が苦手な人には AirPods 5 の形のほうが合います。
23,800円と27,800円、どっちを選ぶか
4,000円の差で変わるのは、音量スワイプ・1回の充電での再生時間(4時間 対 5時間)・合計再生時間(20時間 対 22時間)・ケースの機能(「探す」用スピーカー内蔵、Apple Watch 充電器や Qi 充電器での充電)です。音質・ANC・IP 等級・チップは同じです。ここから Mihata としての推奨を示します。
27,800円(ワイヤレス充電ケース付き)を選びたい人
判断の軸は「音量を触る回数」と「ケースを置く場所」の2つです。電話や会議の途中で音量を細かく変える人、通勤・移動中にスマホを出さずに操作したい人は、音量スワイプのために 4,000円を払う価値があります。もう1つは、すでに Apple Watch の充電器や Qi 充電パッドを机に置いている人。置くだけで充電できるので充電忘れが減ります。ケースを置き忘れがちな人には、音を鳴らして探せるスピーカー内蔵も効きます(無印のケースにはありません)。
23,800円(無印)で十分な人
音量は iPhone や Apple Watch で変えている、充電は USB-C に差すだけで気にならない、という人は無印で問題ございません。4,000円は「操作系と充電の手間」への支払いなので、そこに不便がないなら乗せる意味は薄いです。再生時間の差も1回あたり1時間・合計2時間で、使い方を変えるほどの幅ではありません。
AirPods 4 を使っている人は買い替えるべきか
ここまで見てきたとおり、ANC搭載AirPods 4 を使っている人にとっての実質的な上積みは「ANC が最大1.5倍(Apple の主張)」「IP54 から IP57」「27,800円なら音量スワイプ」の3つだけで、合計再生時間は最大30時間から減ります。ライブ翻訳も Siri AI も今の AirPods 4 で使えます。急いで買い替える理由は薄いのが正直な結論です。
一方、ANC なしの AirPods 4(無印)を使っている人、あるいは第2世代以前の AirPods を使っている人は話が別です。ANC が入るだけで通勤やカフェでの体験が変わるので、23,800円の無印でも十分に体感差が出ます。汗をかく環境で使う人は IP57 も効きます。
まとめ
AirPods 5(2026年9月18日発売・23,800円/27,800円)で本当に新しいのは、ANC の標準搭載と効きの向上(Apple は最大1.5倍と説明)、IP57、そしてワイヤレス充電ケース付きモデルの音量スワイプの3つです。H2チップ・ライブ翻訳・Siri AI・空間オーディオは AirPods 4 でも使えるため、世代の差ではありません。合計再生時間は AirPods 4 系のほうが長く(最大30時間)、AirPods 5 の 20時間/22時間は ANC を有効にした条件の数値です。
選び方は単純です。音量を頻繁に触る・置くだけ充電を使うなら 27,800円、そうでなければ 23,800円。ANC搭載AirPods 4 からの買い替えは急がなくてよく、ANC の無い AirPods を使っているなら価値は大きいです。
仕様表や公式ドキュメントを突き合わせて判断材料を整える作業は、AI に任せられる領域が思ったより広いところです。Mihata ではこうした情報整理の自動化や社内での AI 活用についてもご相談を承っております。もしご関心がありましたら、お気軽にお声がけください。
よくある質問
AirPods 5 の新機能は何ですか?
Apple の比較表で AirPods 4 系と差が付くのは3点です。アクティブノイズキャンセリングが2モデルとも標準搭載になり効きが最大1.5倍になったこと(Apple の主張)、防塵・耐水が IP54 から IP57 になったこと、ワイヤレス充電ケース付きモデルが音量スワイプに対応したことです。
H2チップやライブ翻訳は AirPods 5 だけの機能ですか?
いいえ。比較表では H2チップ・ライブ翻訳・Siri AI・空間オーディオ・適応型オーディオ・会話感知のいずれも AirPods 4 系にも記載されています。世代の差ではありません。
AirPods 5 のバッテリーは AirPods 4 より短いのですか?
カタログ上の合計再生時間は AirPods 4 系が最大30時間、AirPods 5 は最大20時間、ワイヤレス充電ケース付きが最大22時間です。ただし AirPods 5 の数値はノイズキャンセリングを有効にした条件での値で、オフにすると1回の充電での再生時間は最大6時間・最大7時間に伸びます。
ライブ翻訳を使うのに必要な条件はありますか?
Apple Intelligence を有効にし、iOS 26 以降を搭載した iPhone とペアリングした場合に、特定の言語と地域で利用できると公式に記載されています。日本語(日本)を含む10の言語・地域が挙げられており、すべての言語で使えるわけではありません。
23,800円と27,800円のどちらを選べばよいですか?
4,000円の差で変わるのは音量スワイプ、1回の充電での再生時間(4時間と5時間)、合計再生時間(20時間と22時間)、ケースの機能です。音量を頻繁に操作する人や Apple Watch 充電器・Qi 充電器で置くだけ充電をしたい人は27,800円、そうでなければ23,800円で十分です。