結論:Siri AIはiOS 27のベータ機能。今は端末とSiriの言語を英語にしないと使えない
Siri AIは、Apple Intelligenceを土台にした会話型のAIアシスタントです。Apple公式サイトの脚注には「Siri AIはiOS 27、iPadOS 27、macOS 27、watchOS 27、visionOS 27でベータ版で利用できます」「最初は英語で利用できます。日本語には年内に対応する予定です」と明記されています(Apple「Apple IntelligenceとSiri」)。
つまり、使うための条件は3つだけです。Apple Intelligence対応機種であること、iOS 27(日本では9月15日配信予定)に更新すること、端末とSiriの言語を英語に設定すること。日本語のまま待っていても、今の時点ではSiri AIの画面は出てきません。
この記事では、有効にするまでの手順、公式サイトに記載のあるできること7つ、従来のSiriとの違いを表で整理し、最後に実務でどこまで任せてよいかの線引きまで書きます。時期の話だけを知りたい方はApple Intelligenceの日本語対応がいつ始まるかをまとめた記事のほうが早いです。
Siri AIを使えるようにする手順(4ステップ)
順番が大事です。言語を先に変えても、対応機種でなければ項目自体が出てきません。上から順に確認してください。
- 対応機種かを確認する:Apple Intelligenceに対応するiPhoneは、公式サイトの一覧では iPhone Duo/18 Pro Max/18 Pro/17 Pro Max/17 Pro/Air/17/17e/16 Pro Max/16 Pro/16 Plus/16/16e/15 Pro Max/15 Pro です。iPhone 15(無印)・15 Plus・14以前は対象外。iPadはM1以降(iPad miniはA17 Pro)、MacはM1以降です。
- iOS 27に更新する:iOS 27/iPadOS 27/macOS 27は日本では9月15日に配信予定です。Siri AIはこのOSと同時にベータ版で提供されます。更新の項目が出てこないときはiOS 27のアップデートが表示されないときの対処を先に済ませてください。
- Apple Intelligenceをオンにする:「設定」アプリのApple Intelligenceの項目からオンにします。オンにした直後はモデルのダウンロードが走るため、すぐに全機能が動くとは限りません。
- 端末とSiriの言語を英語にする:公式脚注は「Apple Intelligenceを有効にしたデバイスを対応言語に設定する必要があります」としたうえで、Siri AIは「最初は英語で利用できます」と書いています。Siriの言語だけを英語にしても足りず、端末そのものの使用言語も英語にする必要があります。
4番目が実務上いちばん重い条件です。端末の表示言語を英語にすると、メール・カレンダー・通知など日常の画面もすべて英語になります。仕事で使う端末で試すなら、影響範囲を先に想像してから切り替えてください。
Siri AIでできること7つ
以下はすべてApple公式サイトに記載がある機能です。「できそうなこと」ではなく、公式が明言している範囲だけを並べます。
1. 会話して調べる(世界知識)
自由に質問する、アイデアをブレインストーミングする、自然な会話のやり取りを続ける、といった使い方ができます。公式サイトは「オンラインの情報をもとに、詳細かつ最新の答えを届けます」と説明しており、端末内の知識だけで答える従来型とは前提が違います。声だけでなくタイプ入力でも話しかけられるのが実用上大きい変化です。
2. パーソナルコンテキスト(写真・メール・メモから探しものを見つける)
「何年も前の写真を検索したり、受信トレイに埋もれたEメールを簡単に探し当てたり、保存したメモの詳細を呼び出す」ことができると公式に書かれています。検索キーワードを思い出せない探しものに強い、という性格の機能です。
3. オンスクリーン認識(画面の内容について質問する)
画面に映っているものについて、そのまま質問やアクションができます。iPadでは「スクリーンショットを撮って聞きたい部分を指でタップするか、Apple Pencilで丸く囲むだけ」と説明されています。Macでも画像やPDFのスクリーンショットから検索・アクションが可能です。
4. アプリ内アクション(編集・追加・発信を代行)
メッセージ、ミュージック、リマインダーなどで、いま開いている状況に合わせた操作を実行できます。公式が挙げている例は「送ったばかりのメッセージを編集する」「車の中で聴いている曲をワークアウトのプレイリストに追加する」など。ほかに電話をかける、リマインダーを作る、写真を回転する、イベントを作るといった操作も画面例に並んでいます。
5. Siri専用アプリで会話履歴を引き継ぐ
Siriとの会話を1か所に集約する専用アプリが用意されます。iPhoneで質問した続きをiPadで再開でき、よく使う会話をピン留めすることもできます。ChatGPTなどのチャットアプリに近い使い勝手が、OS標準で入るということです。
6. Write with Siri(説明するだけで下書き)
タイプ入力するほぼすべての場面で、一から下書きを作ったり、自分が書いた文章にフィードバックをもらえます。特筆すべきはメッセージアプリとメールアプリでは「あなたの文体、句読点の使い方、トーンに文章を合わせます」と明記されている点です。汎用の文章生成ではなく、自分の書き方に寄せてくる設計になっています。なお、この機能には使用制限が適用される場合があると公式に注記されています。
7. カメラのSiriモード×ビジュアルインテリジェンス/CarPlay
カメラアプリの「Siriモード」から、目の前のものをワンタップで検索・質問・操作できます。料理の栄養情報を調べる、カードをAppleウォレットに読み込ませる、といったスマートアクションも公式の例として挙がっています。CarPlay上でもSiri AIに質問でき、運転中にハンドルから手を離さず答えを得られます。
従来のSiriと何が変わったのか
「賢くなった」で片づけると判断を誤ります。変わったのは賢さより入り口と守備範囲です。公式サイトの記載をもとに、違いを整理しました。
観点 | これまでのSiri | Siri AI(iOS 27・ベータ) |
|---|---|---|
会話の形 | 1問1答が基本 | 会話が続く。ブレインストーミングにも使える |
入力方法 | 音声が中心 | 音声に加えてタイプ入力 |
知識の範囲 | 決まった応答と検索結果の提示 | オンラインの情報をもとに詳細かつ最新の答えを返す |
自分のデータ | 限定的 | 写真・メール・メモなどを横断して探しものを見つける |
画面の理解 | 基本的に非対応 | 画面の内容について質問・アクション(Apple Pencilで囲む操作も) |
アプリ操作 | 定型のコマンド中心 | いまの状況に応じたアプリ内アクション |
履歴 | 残らない | Siri専用アプリに集約。端末をまたいで再開できる |
文章作成 | 口述筆記が中心 | Write with Siriで下書き・推敲。文体とトーンを自分に合わせる |
提供状態 | 正式機能 | ベータ版・英語のみ・1日の使用回数に上限 |
表の最終行が、この記事でいちばん伝えたいところです。機能の話だけを見て「もう全部できる」と受け取ると、実際に触ったときに落差が出ます。
使う前に知っておきたい5つの注意点
公式に書かれている制約を、機能ごとに分けて正確に押さえます。ここを混ぜて理解している記事が多い部分です。
- ベータ版である:公式脚注が「ベータ版で利用できます」と明記しています。仕様や挙動が変わる前提で使うべき段階です。
- 日本語は年内、イベントでは10月と案内:Apple公式サイト(日本語)の表記は「日本語には年内に対応する予定です」。一方、Appleのイベントや各報道では10月と伝えられています。公式サイトの文言と説明の粒度が違うため、どちらか一方だけを断定しないほうが安全です。時期の見立てそのものはSiriのGemini搭載時期と機能をまとめた記事でも整理しています。
- 1日の使用回数に制限がある:公式は、Siri AI・写真編集ツール・Image Playground・ショートカットのAFM 3 Cloudモデルなどサーバサイドモデルに依存する機能に「1日の使用回数の制限が適用されます」と記載。上限は機能・リクエストの複雑さ・システム負荷などで変動し、「当該機能へのアクセスは今後、有料で拡大する予定」ともあります。無制限に使い倒す前提の設計ではないということです。
- EUでは初期段階は対象外:「EUにおいては、初期段階ではSiri AIをiOS、iPadOS、watchOSで利用できません」と明記されています。
- 一部の機能はさらに条件付き:メッセージアプリの会話における提案機能とパスワードの修正機能は今後のソフトウェアアップデートで対応予定。通話のコンテクストと音声入力の精度向上は英語で利用。Siriの声のカスタマイズ(ピッチ・速度・トーン・アクセント調整)は、iPhone 18 Pro/18 Pro Max/iPhone Duo/17 Pro/17 Pro Max/iPhone Air、M4以降+12GB以上のiPad、M3以降+12GB以上のMac、Apple Vision Pro(M5)に限られます。
実務での使いどころと、まだ任せないほうがいいこと
ここからはMihataの見立てです。現時点のSiri AIは「英語が読み書きできる人の、自分の端末の中を探す道具」として見るのがいちばん現実的だと考えています。
今から任せてよいことは、失敗しても自分の手元で気づける作業です。過去の写真やメールを探す、画面に出ている英語の資料について質問する、自分宛てのメモやリマインダーを作る、下書きの叩き台を作る。いずれも結果を自分の目で確認してから次に進むタイプの作業で、ここは端末を英語にしてでも試す価値があります。
逆にまだ任せないほうがいいことは3つです。1つ目はお客様に出す文面をそのまま送ること。Write with Siriは文体を合わせてくれますが、日本語未対応の段階では英語での下書きになり、日本語に直す工程で結局人の手が入ります。2つ目は回数制限のある機能を業務フローの前提に組み込むこと。上限が変動する仕様である以上、毎日必ず動く前提の運用は組めません。3つ目はチーム全員の端末を英語に切り替えること。表示言語の変更は業務全体に効いてくるので、まず1台で検証してから広げるのが安全です。
実務で多いのは「新機能が出た瞬間に全社導入して、数週間で誰も使わなくなる」パターンです。日本語対応が来るまでの数か月は、担当者1人が検証端末で触って社内に共有する体制で十分だと感じています。
私たちは、こうしたAIの機能を業務にどう組み込むかを一緒に考えるお手伝いもしています。記事の途中で恐縮ですが、自社で試すときの進め方に迷われましたら、気軽にご相談いただけたら嬉しいです。
よくある質問
Siri AIは日本語で使えますか?
2026年9月時点では使えません。Apple公式サイトの脚注には「最初は英語で利用できます。日本語には年内に対応する予定です」と記載されています。なお、Appleのイベントや各報道では10月と伝えられており、公式サイトの表記とは粒度が異なります。
Siri AIを使うには何が必要ですか?
Apple Intelligence対応機種であること、iOS 27(日本では9月15日配信予定)に更新すること、Apple Intelligenceをオンにすること、そして端末とSiriの言語を英語に設定することの4つです。Siriの言語だけを英語にしても足りず、端末の使用言語も英語にする必要があります。
iPhone 15でもSiri AIは使えますか?
iPhone 15 Proと15 Pro Maxは対応しますが、iPhone 15(無印)と15 Plusは対象外です。Apple Intelligenceの対応iPhoneはA17 Pro以降のチップを搭載したモデルに限られます。
Siri AIに使用回数の制限はありますか?
あります。Apple公式は、Siri AIを含むサーバサイドモデルに依存する一部機能に1日の使用回数制限が適用されると明記しています。上限は機能・リクエストの複雑さ・システム負荷などで変動し、今後は有料でアクセスを拡大する予定とも記載されています。