BOOX のスクリーンセーバーは「スリープ中に出す絵」で、公式には Image・Memo・Clock・Transparent・Monthly Calendar の5種類が用意されています。つまり時計を出すこと自体はできます。設定の場所はホーム画面から「Settings>Desktop & Screensaver>Screensaver」(Tab シリーズ系)、または「Apps>Screensaver>Screensaver style」(E Ink Tablets 系)で、この2系統が BOOX 公式ヘルプセンターに載っている正式な入口です。
ただし公式ヘルプには見落としがちな注記が1行あります。「スクリーンセーバーに時計が含まれる場合、自動シャットダウン機能は作動しません」。BOOX 公式はスリープ時の電池持ちを「最大3〜5週間」としていますが、時計入りのスクリーンセーバーを選ぶとこの前提が変わります。置き時計として常用するなら、電源の扱いまで含めて決めておく必要があります。
結論|時計は出せる。進む時計にしたいなら別の経路になる
検索で多いのは「好きな画像をスタンバイ画面に出したい」と「電子ペーパー端末を置き時計にしたい」の2つです。前者は Image Screensaver で素直に解決します。後者は選択肢が3つに分かれます。
- Clock Screensaver を選ぶ:公式説明は「時刻と日付をスクリーンセーバーとして表示する」。スリープ中の時計表示はこれが正攻法です。
- Monthly Calendar Screensaver を選ぶ:公式説明は「時刻・バッテリー残量・日付・月間カレンダーを表示する」。ライトテーマとダークテーマを切り替えられますが、一部機種のみと明記されています。
- 画面を消さずにアプリやブラウザを出したままにする:Android アプリやブラウザの時計を使う経路です。秒の表示や自由なデザインが要るならこちらになります。
「静止画で時計を作ろう」と考える方もいますが、Image Screensaver に時計の画像を登録しても絵は絵のままで、時刻は進みません。公式が時計表示用に別メニューを用意しているのは、そこが作り分けられているからです。電子ペーパーで時計を常時表示するときの考え方は電子ペーパー時計の常時表示で秒が出ない理由にまとめています。
スクリーンセーバーの設定手順|公式に載っている2系統
BOOX のヘルプセンターは端末の系統で2本に分かれており、同じ機能でもメニューの場所が違います。手元の端末でメニューが見つからないときは、もう一方の経路を試してください。
ePaper Tablet PC(Tab シリーズ)系の経路
- ホーム画面で Settings を開く。
- Desktop & Screensaver>Screensaver を選ぶ。
- 出てきた一覧から使いたいスクリーンセーバーの種類を選ぶ。
- 画像を使うなら Select Images をタップして画像を選ぶ。
電源オフ時の画像は別メニューです。Settings>Desktop & Screensaver>Power off から設定します。スリープ中の絵(スクリーンセーバー)と、完全に電源を切ったあとに残る絵(シャットダウン画像)は別物だという点を押さえておくと迷いません。
E Ink Tablets 系の経路
- ホーム画面で Apps を開く。
- Screensaver>Screensaver style を選ぶ。
- 使いたい種類を選び、画像なら Select Images から選ぶ。
こちらはシャットダウン画像も同じアプリの中にあり、Apps>Screensaver>Shutdown image setting から設定します。設定アプリではなく「Screensaver」という独立したアプリを開くのが、この系統のポイントです。
画像はどこから選べるか
公式ヘルプによると、画像の取得元は Local・System・Cloud・Push の4つです。Local は端末内の画像、System は最初から入っている画像、Cloud は連携したクラウド、Push は外部から端末へ送り込む経路を指します。
複数枚を選んだ場合の挙動も公式に書かれています。「複数の画像が選択されているとき、スクリーンセーバーはカルーセル形式で表示される」。つまりスリープに入るたびに絵が切り替わるので、同じ絵を出し続けることによる焼き付きの対策にもなります。1枚だけ選べば固定表示です。
5種類の違いと、時計を選んだときの制約
公式ヘルプの記述を用途別に並べました。表現はヘルプセンターの説明に沿えています。
種類 | 公式の説明 | 時計として使えるか |
|---|---|---|
Image Screensaver | 1枚または複数の画像をスクリーンセーバーに設定する。複数選択時はカルーセル表示 | ×(絵は進まない) |
Memo Screensaver | Calendar Memo アプリの当日のメモを表示する | ×(予定の確認用) |
Clock Screensaver | 時刻と日付を表示する | ○(公式の正攻法) |
Transparent Screensaver | 現在の画面をそのまま保持する。画面を長時間そのまま残したいときに有用 | △(開いていた画面次第) |
Monthly Calendar Screensaver | 時刻・バッテリー残量・日付・月間カレンダーを表示。ライト/ダークテーマ切替あり | ○(ただし一部機種のみ) |
Transparent Screensaver については公式が注意も添えています。「この機能を使うときは個人情報の保護にご注意ください」。直前に開いていた画面がそのまま残るので、共有スペースの机に置く端末では避けたほうが無難です。
時計を選ぶと自動シャットダウンが作動しなくなる
公式ヘルプの注記は「スクリーンセーバーに時計が含まれる場合、自動シャットダウン機能は作動しません」です。Clock Screensaver と Monthly Calendar Screensaver がこれに当たります。時刻を更新し続ける必要があるので、端末が勝手に落ちないようになっている、という理解で辻褄が合います。
一方で BOOX 公式は「スリープモードでの電池持ちは最大3〜5週間」としつつ、「サードパーティアプリ・フロントライト・WiFi/Bluetooth 接続は通常より電力を消費することがある」とも書いています。時計入りのスクリーンセーバーで放置する運用は、この3〜5週間の前提からは外れると見ておくのが安全です。机の上で使うなら電源に挿したままにするのが現実的です。
秒の表示は公式には書かれていない
Clock Screensaver の公式説明は「時刻と日付」だけで、秒の表示や文字盤のスタイル選択には触れられていません。確認できなかったものを「できる」と書くわけにはいかないので、ここは分単位の表示と考えて選ぶのが妥当です。
そもそも電子ペーパーで秒を出すのは構造的に不利です。E Ink の画面は双安定(bi-stable)で、公式 FAQ には「更新している間だけ電力を消費する。更新後に画像を保つための電力は不要」と明記されています。裏を返せば秒を1秒ごとに書き換える=1秒ごとに電力を使い、1秒ごとに残像の種を蒔くということです。デジタル時計の秒表示や秒針つきのアナログ時計は、残像と電力の両面で割に合いません。
進む時計にしたいとき|画面を消さずにアプリかブラウザを出す
スクリーンセーバーの枠を離れると、BOOX は Android ベースの端末なので選択肢が増えます。公式ヘルプも「Google Play は一部機種にプリインストールされている」「ブラウザ経由で APK をダウンロードしたり、パソコンからサイドロードすることもできる」と案内しています。
この経路で時計を出すには、画面が消えない状態を作る必要があります。公式に設定項目として確認できるのは次の2つです。
- Auto Sleep:一定時間操作がないときに自動でスリープに入る設定。Tab シリーズ系では Settings>Display にあります。
- Inactivity Shutdown:一定時間操作がないときに自動で電源を切る設定。同じく Settings>Display です。
E Ink Tablets 系では、公式ヘルプが「Auto Sleep と Auto Shutdown を含む詳細な電源設定は Settings>Power へ」と案内しています。どちらの系統でも、置き時計にするならこの2つを長めにするか無効にする方向で調整することになります。
ブラウザで開くだけで済ませたい場合は、インストール不要の Web の時計が手軽です。私たちが作っている集中時計は全画面表示の時計で、BOOX の標準ブラウザやインストールした Chrome から URL を開き、全画面にして置いておく使い方ができます。アプリを入れずに試せるので、そもそも自分の端末で常時表示が成立するのかを確かめるのに向いています。
電子ペーパー以外の端末で同じことをしたい方へ。Kindle を机の時計にする手順はKindle を置き時計として使う方法にまとめています。
リフレッシュモードと時計表示の相性
BOOX は画面の書き換え方を複数のモードから選べます。公式ブログ「BOOX Super Refresh(BSR)」では、HD・Balanced・Fast・Ultrafast の4モードが次のように説明されています。
モード | 公式の説明(BSR 解説より) | 時計表示との相性 |
|---|---|---|
HD | じっくり読むための設計。印刷された本のように、残像がもっとも少ない鮮明な文字 | ◎ 分単位の時計に最適 |
Balanced | 鮮明さと断続的な操作の両立。本や画像をざっと見るときの反応の速さを確保 | ○ 操作も混ざる置き時計向き |
Fast | スクロールの多いサイト閲覧向け。わずかな残像は出るが反応が良い | △ 秒を出すなら候補だが残像が残る |
Ultrafast | 動的なコンテンツへ最速で応答。細部は失われるが動画視聴やアプリ操作ができる | × 常時表示には不向き |
ここで注意が1つあります。現在の公式ヘルプセンターは、これとは違う名前でモードを案内しています。Tab シリーズ系のヘルプでは HD Mode(システム既定)・Speed Mode・Smooth Mode の3つで、「Smooth Mode は現時点で Note Air5 C など特定の機種のみ」と書かれています。E Ink Tablets 系のヘルプでは Regal Mode・HD Mode・Speed Mode の3つで、Regal Mode はサードパーティアプリ向けに「残像を抑えつつ良好な画質を保つ」設計と説明されています。
つまり世代とファームウェアでモード名が入れ替わっているので、記事やフォーラムで見た名前がそのまま自分の端末にあるとは限りません。モードを切り替える入口は EinkWise で、公式には次の3経路が案内されています。
- 画面右上から下にスワイプして Control Center を開き、EinkWise をタップする。
- 画面右下から上にスワイプして EinkWise を開く(既定のジェスチャー設定の場合)。
- ナビゲーションバーの EinkWise ボタンをタップする。
公式ヘルプには「各アプリのリフレッシュレートは、システム全体の設定に影響を与えずに個別に設定できる」とあります。時計を出すアプリやブラウザだけを HD 寄りにして、ほかのアプリは速いモードのままにするという使い分けができます。常時表示の端末ではこれが一番効きます。
焼き付き・残像を増やさないための設定
時計を長時間出し続ける使い方は、同じ場所に同じ形を描き続けるという意味で残像が出やすい条件です。公式に確認できる対策は次のとおりです。
Full Refresh Frequency を見直す
公式ヘルプは「E Ink は LED や LCD とは違う表示・更新の仕組みを持つ。ここでフルリフレッシュを行う頻度を操作回数に応じて設定できる。必要なタップ数が多いほど、フルリフレッシュまでに蓄積する残像も多くなる」と説明しています。設定の場所は Tab シリーズ系が Settings>Display、E Ink Tablets 系が Settings>System Display です。
手動フルリフレッシュの経路を作っておく
残像が溜まりすぎたときは、公式が挙げる4経路のいずれか1つを使って全画面リフレッシュをかけます。Control Center の Full Refresh ボタン、Navigation Ball の Full Refresh ボタン、Bottom Gestures への割り当て、Navigation Bar への割り当てです。残像そのものの仕組みと機種別の対処は電子ペーパーの残像を全画面リフレッシュで消す手順で詳しく触れています。
絵を切り替える・温度を守る
Image Screensaver は複数枚を選べばカルーセル表示になるので、同じ絵を出し続けないという意味で有利です。あわせて温度にも気を配ってください。E Ink 公式 FAQ では「多くのディスプレイの動作温度は0〜50℃。屋外向けなど一部はより広い範囲(-15〜65℃)に対応する」とされています。直射日光の当たる窓際や、暖房の吹き出し口の前は避けるのが無難です。低温では粒子の動きが鈍り、残像が残りやすくなります。
公式で確認できず、この記事に書かなかったこと
推測で手順を書くと誤操作につながるので、裏が取れなかったものは意図的に落としました。何を落としたかを書いておきます。
- 登録できる画像の枚数の上限:「3枚まで」とする解説を複数見かけましたが、現在の公式ヘルプには枚数の記載がありません。公式の表現は「1枚または複数」だけです。
- Clock Screensaver の文字盤スタイルの選択:公式説明は「時刻と日付」のみで、スタイル選択の項目は確認できませんでした。
- シャットダウン画像の文字表示・位置・ズーム:公式ヘルプは「シャットダウン画像をカスタマイズできる」までで、細目の記載がありません。
- Auto Sleep / Inactivity Shutdown の具体的な時間の選択肢:項目があることは公式に確認できましたが、選べる時間の一覧は記載されていません。
- 機種ごとのメニュー名:BOOX は2023年1月1日以降、ユーザーマニュアルをサイト上で更新していないと明記しており、最新の正解は端末内の設定メニューから取得するマニュアルと公式ヘルプセンターです。手元の端末の画面表示を正としてください。
まとめ
BOOX のスクリーンセーバーは Settings>Desktop & Screensaver>Screensaver、または Apps>Screensaver>Screensaver style から設定します。時計を出したいなら Clock Screensaver か Monthly Calendar Screensaver を選べばよく、画像を使うなら複数枚を選んでカルーセルにすると焼き付きを避けやすくなります。ただし時計入りのスクリーンセーバーでは自動シャットダウンが作動しないため、常用するなら電源に挿したままにする前提で考えてください。秒の表示や自由なデザインが要るなら、スクリーンセーバーではなくアプリやブラウザを出したままにする方向へ切り替えるのが素直です。
端末をうまく使い回す工夫や、業務で使う Web ツールの作り込みでお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。
よくある質問
BOOX のスクリーンセーバーはどこで設定しますか?
公式ヘルプセンターでは2つの経路が案内されています。Tab シリーズなどの ePaper Tablet PC 系はホーム画面から Settings>Desktop & Screensaver>Screensaver、E Ink Tablets 系は Apps>Screensaver>Screensaver style です。手元の端末でメニューが見つからない場合は、もう一方を試してください。
BOOX のスクリーンセーバーに時計を表示できますか?
できます。公式に Clock Screensaver が用意されており、時刻と日付を表示します。一部機種では Monthly Calendar Screensaver も選べ、時刻・バッテリー残量・日付・月間カレンダーが表示されます。なお Image Screensaver に時計の画像を登録しても、絵のままで時刻は進みません。
時計のスクリーンセーバーにすると何かデメリットがありますか?
公式ヘルプに「スクリーンセーバーに時計が含まれる場合、自動シャットダウン機能は作動しません」と明記されています。BOOX 公式はスリープ時の電池持ちを最大3〜5週間としていますが、時計表示ではこの前提から外れるため、机上で常用するなら電源に挿したままにするのが現実的です。
秒まで表示される時計を BOOX で常時表示したいときはどうしますか?
スクリーンセーバーではなく、Android アプリかブラウザを起動したまま画面を消さない方向になります。Settings>Display の Auto Sleep と Inactivity Shutdown を長めにするか無効にして調整します。ただし E Ink は更新している間だけ電力を使う双安定の画面なので、秒を毎秒書き換える表示は電力と残像の両面で不利です。
BOOX のリフレッシュモードはどれを選べばいいですか?
静止した時計表示なら、残像がもっとも少ない HD 系のモードが適しています。モードの切り替えは Control Center から EinkWise を開いて行い、アプリごとに個別設定できます。なおモード名は世代で変わっており、公式ブログは HD・Balanced・Fast・Ultrafast、現行ヘルプは HD・Speed・Smooth や Regal・HD・Speed と案内しています。