ChatGPTの回答の下に「sponsored」と書かれた広告が出て驚いた方もいれば、広告主の立場で「日本でも出稿できるのか」を調べている方もいると思います。この2つは同じ仕組みの表と裏で、公式ヘルプを読めば事実関係ははっきりします。
結論から言うと、日本はChatGPTのAds Managerが「Available(利用可能)」と表示されている9か国のひとつです(2026年8月24日時点の公式ヘルプの記載)。広告が表示されるのはFreeプランとGoプランの2つだけで、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduの有料プランには広告が出ません。さらに欧州31か国が「Coming Soon」として一覧に載っており、提供範囲は今も動いています。この記事では、日本の提供状況・プラン別の広告の有無・広告を消す手順・広告主として現時点で分かっていることを、公式情報だけで整理します。
日本は対象か(提供状況の一覧)
OpenAIの公式ヘルプ「Ads Manager Availability」には、国ごとの提供状況が表で公開されています。2026年8月24日時点で「Available」となっているのは次の9か国です。日本はここに含まれています。
区分 | 国 | 数 |
|---|---|---|
Available(利用可能) | 日本、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、メキシコ、韓国 | 9か国 |
Coming Soon(近日提供) | ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ベルギー、オーストリア、スイス、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、アイスランド、アイルランド、ポルトガル、ポーランド、チェコ、スロバキア、スロベニア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、クロアチア、ギリシャ、キプロス、マルタ、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン | 31か国 |
この9か国という数字は、OpenAIが2026年8月18日に公開したブログ「ChatGPT Ads expands across Europe」の記述とも一致します。同社は2026年2月に米国でパイロットを開始し、その後の6か月で8市場を追加したと書いています。米国1か国+追加8市場=9市場で、ヘルプの「Available」9か国と符合します。つまり日本は、すでにChatGPTの広告が動いている市場のひとつと考えて差し支えありません。
ただし注意点があります。展開は段階的に行われているため、「日本のFree・Goユーザー全員に必ず広告が表示されている」とまでは公式に書かれていません。手元のアカウントで広告を見たことがなくても、それ自体は矛盾しません。またヘルプには「Country availability may continue to evolve as testing expands.(テスト拡大に伴い国別の提供状況は変わりうる)」と明記されているため、この一覧は今後も更新される前提で読む必要があります。対象外の国からは、OpenAIの広告主向け関心登録フォームで通知を受け取れます。
どのプランに広告が出るのか
広告が表示されるのはFreeプランとGoプランのみです。有料プランのうちPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduは広告なしと公式ヘルプに明記されています。広告を見たくないのであれば、有料プランに上げるのが最も確実な方法ということになります。
プラン | 広告の表示 |
|---|---|
Free | 表示される |
Go | 表示される |
Plus | なし |
Pro | なし |
Business | なし |
Enterprise | なし |
Edu | なし |
プラン間の機能差そのものについてはChatGPTの無料版と有料版の違いで整理しています。広告の有無は、有料化を検討するうえでの新しい判断材料のひとつになりました。
プラン以外にも、広告が出ない条件がいくつかあります。まず18歳未満と判定されたアカウントには広告を表示しないとされています。年齢判定の仕組みについてはChatGPTの年齢確認と18歳未満の扱いもあわせてご覧ください。次に一時的なチャット(Temporary Chat)には広告が出ません。またChatGPT Atlasブラウザには、このテスト期間中は広告を出さないと書かれています。
表示位置は回答の末尾の下です。回答の途中に差し込まれるのではなく、回答が終わったあとに「sponsored」というラベル付きで、回答とは視覚的に分離された形で置かれます。テストの開始は2026年2月9日、米国からでした。
広告は回答内容を変えるのか
ここが多くの方にとって一番の不安だと思います。公式ヘルプの答えは明確で、広告はChatGPTの回答内容に影響しません。広告を選ぶシステムは、回答を生成するチャットモデルとは別系統で動いています。広告主がお金を払って回答の順位を上げたり、回答の中身を自社に有利に書き換えたりすることはできない、と説明されています。
データの扱いについても書かれています。会話の内容が広告主に共有されることはなく、OpenAIはデータを広告主に売らないとしています。広告主が受け取るのは表示回数やクリック数といった集計された非個人情報のみです。例外は、ユーザーが広告経由で広告主にメッセージを送った場合で、このときは広告主はその送った内容を見ることができます。
出す場所にも制限があります。個人の健康やメンタルヘルス、政治といった機微な・規制のあるトピックの近くには広告を出さないとされ、政治広告は現時点で許可されていません。健康や金融のような規制業種の広告主は、厳格な要件を満たした場合に限り出稿しうる、という位置づけです。
とはいえ「回答は変わらない」と「広告は自分の会話に合わせて選ばれる」は両立します。パーソナライズがオンでメモリもオンの場合、メモリや直近のチャットが広告の選択に使われうると明記されています。入力内容の扱いを見直したい方はAIに入力した内容を学習させない設定もご確認ください。
広告を消す・パーソナライズを切る手順
ユーザー側でできる操作は、設定 > Ad Controlsにまとまっています。webとiOSでは chatgpt.com の設定内「Advertising」から開けます。ここでできるのは主に次の4つです。
- 広告のパーソナライズをオフにする
- 特定の広告を非表示にして、その理由をフィードバックする
- その広告が表示された理由を確認する
- 広告に使われたデータを削除する
重要な限界がひとつあります。パーソナライズをオフにしても、そのスレッドの文脈にもとづく広告は表示され続けます。オフにすることで使われなくなるのは、他のスレッドの内容・広告の閲覧履歴・推定されたトピックなどで、「いま話している内容に関連した広告」は残るという設計です。広告を完全になくしたい場合は、前述のとおり有料プランに切り替えるのが確実です。
なお、Ad Controlsの画面は広告が提供中または提供予定の地域のFree・Goユーザーにのみ表示されます。設定に見当たらない場合は、対象プラン・対象地域でない可能性があります。またEEA(欧州経済領域)とスイスでは、パーソナライズ広告は当初は提供されないとされています。広告を非表示にする・報告する・見る・クリックするといった操作が、ChatGPTのメモリに追加されることはありません。
広告主として出稿する場合に分かっていること
出稿を検討する立場で押さえておきたいのは、入り口が段階的に開いているという点です。欧州展開のブログでは、広告主はまずOpenAI Ads Solutionsチーム、代理店パートナー、技術パートナーを経由してアクセスでき、Ads Managerによるセルフサービスはその後に続くと説明されています。一方でヘルプの国別一覧では日本はすでに「Available」です。日本で本当に自分の手で管理画面を開けるかどうかは、アカウントの状況によって差が出る可能性があるため、実際に管理画面と関心登録フォームの両方を確認するのが現実的です。
プラットフォーム側の機能として公表されているのは次の3点です。
- 入札:CPM・CPCに加えて、コンバージョン最適化に対応。
- ターゲティング:地域ターゲティングとカスタムオーディエンスを導入。
- 計測:OpenAI Pixel、Conversions API、サードパーティ計測との連携により、クリック以外の指標まで計測範囲を拡張。
構成要素としては既存の広告プラットフォームと大きく違いません。OpenAIは「数万のマーケターがすでにChatGPTに出稿している」としています。ただし料金表や最低出稿額は公式に公開されていません。ネット上に出回っている金額の情報は、少なくとも現時点では公式の裏付けがないものとして扱うべきです。出稿にあたっては、OpenAIの広告ポリシーの確認も必須になります。
検索広告と何が違うのか・中小企業はどう構えるか
ここからはMihataとしての見方です。検索広告との最大の違いは、キーワード単位ではなく「会話の文脈と意図」に対して広告が出る点にあります。OpenAI自身も、人々はいくつかのキーワードを入れる代わりに、達成したいこと・重視すること・抱えている制約を説明できると書いています。「業務管理ソフト 比較」と打つ代わりに、業種と人数と困っていることを丸ごと話す。その文脈に対して広告が選ばれる、という構造です。
この違いは中小企業にとって有利にも不利にも働きます。条件がはっきりした相談ほどマッチしやすくニッチな強みが刺さる一方、事前に見積もりづらく検証に期間と予算が要ります。料金の目安も公式に出ていないため、予算計画は立てにくい状況です。
そのうえで、多くの中小企業にとって先にやるべきは自社サイト側の整備だと考えています。広告枠は回答の末尾の下に出るもので、回答そのものではありません。回答の中で自社が言及される・引用される状態をつくるほうが、影響は大きく、しかも広告費がかかりません。具体的には、サービス内容・価格の考え方・対応範囲・実績といった一次情報が、あいまいな表現ではなく判断できる粒度で書かれていること。ページの構造が機械にとって読みやすいこと。ここが整っていないうちに広告だけ出しても、クリックの受け皿が弱いままです。ChatGPTを業務側で活用する手順はChatGPTをビジネスで活用する具体的な手順にまとめています。
とはいえ、「自社の情報をAIに読ませやすく整える」という作業は、社内だけで進めるとどうしても後回しになりがちです。Mihataでは、AIの導入支援とあわせてこうした情報整備のご相談も承っています。まず何から手をつけるべきか整理したい段階でも構いません。
まとめ
2026年8月24日時点の公式ヘルプでは、日本はChatGPTのAds Managerが「Available」と表示されている9か国のひとつです。広告が出るのはFreeとGoの2プランのみで、Plus以上の有料プランは広告なし。18歳未満のアカウント、一時的なチャット、ChatGPT Atlasにも表示されません。広告は回答の末尾の下にsponsoredラベル付きで置かれ、回答の内容には影響しない仕組みと説明されています。
広告を減らしたいユーザーは、設定 > Ad Controls でパーソナライズをオフにできますが、そのスレッドの文脈にもとづく広告は残ります。広告主としては、現時点の入り口はOpenAI Ads Solutionsチーム・代理店パートナー・技術パートナー経由が中心で、セルフサービスのAds Managerは順次開放される見込みです。料金の目安は公式に出ていません。
提供状況も機能も、この半年で大きく動いてきた領域です。公式が「今後も変わりうる」と明記している以上、本記事の内容も一次情報で都度ご確認ください。自社としてどう構えるべきか迷われている場合は、状況をうかがったうえで整理のお手伝いをいたします。
よくある質問
日本でChatGPTに広告を出稿できますか?
2026年8月24日時点の公式ヘルプでは、日本はAds Managerが「Available(利用可能)」と表示されている9か国のひとつです。ただし広告主の入り口は、当初はOpenAI Ads Solutionsチーム・代理店パートナー・技術パートナー経由が中心で、セルフサービスのAds Managerは順次開放されるとされています。提供状況は今後も変わりうると公式に明記されています。
どのプランを使えばChatGPTに広告が出ませんか?
広告が表示されるのはFreeプランとGoプランのみです。Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduの各プランは広告なしと公式ヘルプに明記されています。また18歳未満と判定されたアカウント、一時的なチャット(Temporary Chat)、ChatGPT Atlasブラウザにも広告は表示されません。
ChatGPTの広告を消したりパーソナライズを切ったりできますか?
設定のAd Controlsから、広告のパーソナライズをオフにする、特定の広告を非表示にしてフィードバックする、その広告が出た理由を確認する、広告に使われたデータを削除する、の4つが行えます。ただしパーソナライズをオフにしても、そのスレッドの文脈にもとづく広告は表示され続けます。
広告によってChatGPTの回答内容が変わることはありますか?
公式ヘルプでは、広告は回答内容に影響しないと説明されています。広告を選ぶシステムは回答を生成するチャットモデルとは別系統で、広告主が回答の順位や内容を変えることはできません。広告は回答の末尾の下にsponsoredラベル付きで表示され、健康や政治といった機微なトピックの近くには出さないとされています。