Mihata
仕事効率化(DX)2026.08.08

AI学習オプトアウト設定|ChatGPT・Gemini・Claude【2026】

ChatGPT・Gemini・Claude は、個人向けプランでは入力した内容がモデルの学習に使われうる一方、法人向けプランと API は既定で学習に使われません。個人プランで学習を止めるには、3サービスとも設定画面のトグルを1つオフにするだけで、所要時間は合計でも2〜3分です。ただし「学習に使われない」と「保存されない」は別物で、オフにしてもGeminiは72時間、Claudeは30日、ChatGPTのTemporary Chatは30日ぶんの保持が残ります。

この記事は2026年8月8日時点で OpenAI・Google・Anthropic の公式ドキュメントを直接確認した内容です。AIの利用規約は数か月単位で改定されるため、後半で「確認日を決めて棚卸しする」運用の作り方まで書きます。

3サービスの学習利用とオプトアウト設定(早見表)

まず全体像です。「誰が使っているか(個人プランか法人プランか)」で結論がほぼ決まり、設定作業が必要なのは個人プラン側だけ、と覚えると混乱しません。

サービス

個人プランの既定

学習を止める設定

法人プラン・APIの既定

ChatGPT

会話が学習に使われうる

設定 → データコントロール →「すべての人のためにモデルを改善する」をオフ

ChatGPT Business / Enterprise / API は学習に使わない

Gemini(Geminiアプリ)

18歳以上は「アクティビティを保存」がオン。一部は人間がレビュー

Gemini Apps Activity で「アクティビティを保存」をオフ

Google Workspace の Gemini は許可なく学習・人間レビューをしない

Claude

設定に応じる(オンなら学習に使われ保持5年)

設定 → プライバシー →「AIモデルの改善に協力する」をオフ

Claude for Work / Enterprise / Education / Gov / API は学習に使わない

実務で最も事故が起きるのは、会社としては法人プランを契約しているのに、社員が個人のフリープランを別タブで使っているケースです。契約の話と実際の入力先は一致しないので、後述のチェックリストで「どのアカウントで開いているか」まで見てください。

ChatGPT を学習に使わせない設定

個人プラン(Free / Go / Plus / Pro)の手順

OpenAI は個人向けサービスについて「ChatGPT のような個人向けサービスを使う場合、当社はあなたのコンテンツをモデルの学習に使用することがあります」と明記しています。止めるには、画面右上のプロフィールアイコン →「設定」→「データコントロール」を開き、「すべての人のためにモデルを改善する(Improve the model for everyone)」をオフにします(OpenAI 公式ヘルプ)。

オフにしてもチャット履歴は残ります。「履歴を消さないと学習が止まらない」という古い情報が今も出回っていますが、現在は履歴の保持と学習利用が別のスイッチに分離されています。履歴を残したまま学習だけ止められる、と理解しておけば十分です。

1回だけ安全に使いたいときは Temporary Chat

設定を変えずに、その会話だけ切り離したい場合は Temporary Chat(一時チャット)を使います。Temporary Chat は履歴に残らず、メモリの作成・参照もせず、モデルの学習にも使われません。ただし安全性確認のため30日間は保持されてから削除されます(Temporary Chat FAQ)。「消えるから何を入れてもいい」ではない点に注意してください。

Business / Enterprise / API は設定不要

OpenAI は「ChatGPT Business、ChatGPT Enterprise、API を含むビジネス利用については、既定で入力・出力のいずれもモデルの学習に使用しません」としています。API も、Playground でのフィードバック提供などに明示的にオプトインしない限り、組織は既定で学習対象外です。法人プランで追加のオプトアウト作業は必要ありません。

Gemini を学習に使わせない設定

個人の Google アカウント:「アクティビティを保存」をオフ

Gemini アプリの学習利用は「Gemini Apps Activity(Gemini アプリのアクティビティ)」で制御します。18歳以上のユーザーでは既定でオンで、オンの場合は一部の会話が人間のレビュアー(Google および委託先)に読まれ、Gemini モデルを含む生成AIモデルの改善に使われます。

止めるには Gemini Apps Activity の設定画面を開き、「アクティビティを保存(Keep Activity)」をオフにします。オフにすると以後のチャットは学習に使われませんが、サービス提供とフィードバック処理のためアカウントに72時間保持されます(Gemini Apps プライバシー ハブ)。

Google 自身も公式ヘルプで「レビュアーに見られたくない、または Google がサービス改善に使うことを望まない機密情報は入力しないでください」と明記しています。設定でオフにしても、この注意書きが消えるわけではありません。

Google Workspace の Gemini は既定で対象外

Google Workspace(Business / Enterprise)の Gemini は扱いが根本的に違います。Google は「お客様のコンテンツは、許可または指示なくドメイン外の生成AIモデルの学習に使われることも、人間によるレビューを受けることもありません」とし、これを Cloud Data Processing Addendum で契約上の義務としています。社内利用なら、個人アカウントではなく Workspace アカウントの Gemini に寄せるのが最も確実な対策です。

Gemini API は「無料枠か有料枠か」で正反対

見落とされやすいのがここです。Gemini API 追加利用規約(2026年3月23日発効)では、Google AI Studio および無料枠(Unpaid Services)は入力と生成結果が Google の製品改善に使われ、人間のレビュアーが読み・注釈を付けることがあると定められています。一方、有料枠(Paid Services)では「プロンプトや応答を製品改善に使用しない」と明記され、保持は不正利用の検出目的で限定的に行われるのみです(Gemini API Additional Terms of Service)。

「APIだから安全」という一般論は Gemini には通用しません。検証用に AI Studio の無料枠で顧客データを流してしまう事故が典型的なので、PoC の段階から有料枠のキーを使うのが実務上の正解です。

Claude を学習に使わせない設定

Free / Pro / Max:プライバシー設定のトグル1つ

Anthropic は2025年8月28日に消費者向け規約を改定し、Claude Free・Pro・Max(およびそれらのアカウントで使う Claude Code)を対象に、チャットとコーディングセッションをモデル改善に使ってよいかをユーザーに選ばせる方式へ移行しました。既存ユーザーには2025年10月8日という選択期限が設けられていました(Anthropic 公式アナウンス)。

設定は「設定 → プライバシー →『AIモデルの改善に協力する(Help improve Claude)』」のトグルです。オフにすると、以後の新しいチャットとコーディングセッションは将来のモデル学習に使われません。ただしすでに開始済みの学習に含まれたデータは取り消せないと公式が明記しています(Anthropic Privacy Center)。

オンにすると保持期間が30日から5年に伸びる

Claude で特に注意したいのが保持期間です。モデル改善に協力する設定をオンにすると保持期間は5年、選ばなかった(オフの)場合は従来どおり30日です。トグル1つで保持期間が約60倍変わる設計になっているため、「なんとなくオンのまま」の影響が大きいサービスだと言えます。

なお、Incognito(シークレット)チャットは設定がオンでも学習に使われません。逆に、安全性の分類器が問題ありと判定した会話は、設定に関わらず不正利用の検知やポリシー執行のために利用されることがあります。

Claude for Work / Enterprise / API は既定で対象外

今回の消費者向け規約の変更は、Claude for Work(Team・Enterprise)、Claude for Education、Claude for Government、そして Anthropic API には適用されません。これらの商用プロダクトでは顧客コンテンツをモデル学習に使わないことが Commercial Terms で定められています。API はさらに、要件を満たす契約でゼロデータ保持(ZDR)を選ぶこともできます。

私たちが中小企業の現場でAI導入を支援していて感じるのは、この「個人プランと法人プランで規約がまったく別物」という構造が、担当者にほとんど知られていないことです。規約を1本ずつ読み解く時間が取れない場合は、月1回のAIミーティングで進めるMihataのAI導入支援のように、社内ルール作りごと外部に伴走してもらう選択肢もあります。記事の途中で恐縮ですが、良いサービスだと思っておりますので、よろしければ合わせてご覧いただけたら嬉しいです。

オプトアウトしても消えないリスク3つ

設定を全部オフにしたうえで、それでも残る前提を整理します。ここを説明せずに「オプトアウトしたから安全です」と社内に周知すると、あとで話が崩れます。

  • 一定期間の保持は続く:Gemini は72時間、Claude は30日、ChatGPT の Temporary Chat は30日。即時消去ではありません。
  • 安全性・不正利用対策のレビューは残る:Claude は安全分類器がフラグした会話を設定に関わらず利用しうると明記しています。Gemini API 有料枠も、不正検出目的の限定的なログ保持を行います。
  • すでに学習に使われた分は戻せない:オプトアウトは将来分に効く設定であり、過去の入力を回収する手段ではありません。

つまり、学習オプトアウトは「入力してよい情報の線引き」を免除してくれません。むしろ設定は前提条件にすぎず、本丸は入力ルールのほうです。何を入れてはいけないかは、ChatGPTなどのAIに入力してはいけない情報の具体例で整理しているので、社内ルールを作る前に併せて読んでおくと判断が早くなります。

社内ルールに落とすときのチェックリスト

実務では、次の5点を1枚のドキュメントに書き切れば運用が回ります。抽象的な「機密情報の入力禁止」だけの規程は、判断を現場に丸投げすることになるので機能しません。

  1. 使ってよいアカウントを固定する:法人プランのアカウントのみ業務利用可とし、個人アカウントでの業務入力を禁止する。ここが決まれば設定作業の大半は不要になります。
  2. 個人プランを併用する人には設定オフを義務づける:ChatGPT・Gemini・Claude の3つとも、上記のトグルをオフにした画面のスクリーンショットを提出してもらうと確認が早いです。
  3. API の枠を明示する:Gemini API は必ず有料枠、OpenAI API は既定で学習対象外、という前提を開発ルールに書く。
  4. 入力禁止情報を具体名で列挙する:「個人情報」ではなく「顧客の氏名・連絡先を含む問い合わせ全文」のように、現場が迷わない粒度で書く。
  5. 確認日を決めて棚卸しする:後述のとおり、規約は変わります。

規約は変わる前提で「確認日」を運用に組み込む

本記事の内容は2026年8月8日に各社公式を確認した時点のものです。実際、Anthropic は2025年8月に消費者向け規約を改定して保持期間を最大5年に拡張し、Google の Gemini API 追加規約は2026年3月23日発効版に更新されています。1年前の理解のまま運用している会社は、ほぼ確実に現状とずれています。

おすすめは、社内規程の冒頭に「最終確認日:YYYY-MM-DD」を書き、四半期に1回、各社の公式ページ4本(OpenAI のデータ利用ヘルプ、Gemini Apps プライバシー ハブ、Gemini API 追加規約、Anthropic Privacy Center)を開いて差分だけ見る運用にすることです。所要15分程度で、規約変更の見落としという一番大きなリスクを潰せます。第三者のまとめ記事ではなく一次情報を見る、という点だけは崩さないでください。

設定の話は今日30分で終わります。難しいのはそのあと、社内で守られる形に落とし込むところです。自社の場合どこから手を付けるべきか迷ったら、お気軽にご相談ください。

あわせて、AIを使いこなせない原因は指示の下手さではないも参考にしてください。

よくある質問

ChatGPTの学習をオフにすると、チャット履歴も消えますか?

消えません。現在は履歴の保持と学習利用が別の設定に分かれており、設定→データコントロールで「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにしても、履歴は今までどおり残ります。

法人プランでも学習オプトアウトの設定は必要ですか?

必要ありません。ChatGPT Business・Enterprise・API、Google Workspaceの Gemini、Claude for Work・Enterprise・API は、いずれも既定で顧客の入力をモデル学習に使わないとされています。注意すべきなのは、社員が個人アカウントの無料プランを併用しているケースです。

オプトアウトすれば入力した情報はすぐ削除されますか?

すぐには削除されません。Gemini はアクティビティ保存をオフにしても72時間、Claude はオフの場合の保持が30日、ChatGPTのTemporary Chat も安全性確認のため30日保持されてから削除されます。

Gemini APIなら学習に使われませんか?

枠によって正反対です。Gemini API 追加利用規約では、Google AI Studio と無料枠は入力・出力が製品改善に使われ人間のレビュー対象になりうる一方、有料枠はプロンプトや応答を製品改善に使用しないと明記されています。検証段階から有料枠のキーを使うのが安全です。

Claudeでモデル改善をオンにすると何が変わりますか?

チャットとコーディングセッションが将来の学習に使われるようになり、データ保持期間が30日から最大5年に延びます。オフにすれば以後の新しい会話は学習に使われませんが、すでに開始済みの学習に含まれた分は取り消せません。

この記事の情報はいつ時点のものですか?

2026年8月8日に各社の公式ドキュメントを確認した時点の内容です。AIの利用規約は数か月単位で改定されるため、社内規程には最終確認日を記載し、四半期に1回は各社公式ページで差分を確認する運用をおすすめします。

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