Mihata
仕事効率化(DX)2026.09.29

試験の時間配分を練習で身につける4つの手順

結論:時間配分は「分」ではなく「秒」で決め、本番と同じ時間で練習する

試験で時間が足りなくなる原因の多くは、実力不足ではなく大問ごとの持ち時間を決めずに解き始めていることです。まず見直しの5分を先に引き、残りを大問数で割り、さらに設問数で割って「1問あたり何秒か」まで落とします。TOEIC Listening & Readingのリーディングは75分で100問なので、マーク確認に2分を残すと1問あたり約44秒という数字が出ます(IIBC公式サイト)。

ただし、その数字は紙に書いただけでは守れません。本番と同じ長さで計って解く練習を繰り返して、はじめて身体が覚えます。以下、逆算の式・分割練習の落とし穴・捨てる秒数・残り時間の見せ方の4段で書きます。

なぜ「時間が足りない」が毎回起きるのか

配分を「分」で決めると守れない

「大問1は20分」と決めても、解いている最中に何分使ったかは分かりません。分単位の目標は、超えたと気づくのが遅すぎるのです。1問あたりの秒数まで落とすと「この1問、もう1分半かかっている」と解いている途中で気づけるようになります。

もうひとつ、配分を守れない人の多くは見直し時間を最後の余りに置いています。余りは必ず消えます。見直しは先に引く固定費として扱ってください。

「捨てる」判断の線がない

時間切れの直接の原因は、難しい1問に粘ったことです。粘るかどうかをその場で判断しようとすると、必ず粘ります。事前に「何秒で飛ばすか」を決めておくしかありません。線を先に引けば、本番では判断ではなく作業になります。

大問ごとの持ち時間を逆算する表

計算式はひとつだけです。(試験時間 − 見直し時間)÷ 大問数 = 大問1つの持ち時間、さらに大問の持ち時間 ÷ その大問の設問数 = 1問あたりの秒数。下の表は、公式サイトで試験時間を確認できたものを並べたものです。自分の試験の数字に置き換えて使ってください。

試験

試験時間

見直しに残す時間(例)

大問数・設問数

1つあたりの目安

大学入学共通テスト『国語』

90分

5分

大問数は年度の問題冊子で確認

解答に使えるのは85分

同『英語』リーディング

80分

5分

同上

解答に使えるのは75分

同『情報Ⅰ』

60分

5分

同上

解答に使えるのは55分

日商簿記3級

60分

5分

3題以内

1題あたり約18分

日商簿記2級

90分

5分

5題以内

1題あたり約17分

TOEIC L&R リーディング

75分

2分(マーク確認)

100問

1問あたり約44秒

英検2級 一次(筆記)

85分

5分

問題冊子で確認

解答に使えるのは80分

あなたの試験

□分

□分

□題/□問

(試験時間−見直し)÷題数

出典は大学入試センター(令和8年度の受験上の注意に記載の試験時間割)、日本商工会議所 簿記3級および同2級、IIBC、日本英語検定協会 英検2級です。試験時間や出題形式は改定されることがあるので、自分が受ける回の最新情報は必ず公式サイトで確認してください。

なお共通テストの英語リスニングは試験時間60分ですが、うち解答は30分で、残りはICプレーヤーの作動確認と音量調節にあてられます。「試験時間=解答時間」でない科目もあるので、逆算の前に確認しておきます。

配分を身体に入れる練習の4手順

① 逆算して、秒で紙に書き出す

過去問を1回分用意し、上の式で大問ごとの持ち時間と1問あたりの秒数を出します。そして「大問1は14:05まで」と通過時刻に直し、問題冊子の余白に書きます。「20分使う」より「何時何分までに終える」のほうが、その場で判断できます。3〜4個書くだけで十分です。

② 本番と同じ時間でしか練習しない

いちばん多い落とし穴が、過去問を大問ごとに分けて解く練習です。分割すると1問1問は正確になりますが、後半に疲れて速度が落ちる・前半の遅れを後半で取り返すという、本番でしか起きない現象を経験しないまま当日を迎えます。配分の練習に限っては、80分の試験は80分続けて解いてください。

毎日フルセットを解くのは現実的でないので、知識の練習は分割、配分の練習は通しと目的を分け、通しは週1回でも構いません。大事なのは回数より、その回が本番と同じ条件であることです。

③ 捨てる判断のラインを秒で決める

1問あたりの目安が44秒なら、その2倍の90秒を超えたら飛ばすといった上限を事前に決めます。倍率は試験の性質で変えてよく、記述や計算が重い簿記なら「1題の持ち時間の半分を過ぎても半分が埋まっていなければ次へ」といった形にします。ポイントは、本番で迷わないよう数字で書いておくことです。

飛ばすときは、マークシートなら仮の答えを埋めてから飛ばします。空欄のまま進むと、後で戻ったときにマークが1行ずれる事故が起きやすくなります。仮マークと問題番号への印、この2つを毎回同じ手順でやると決めておきます。

④ 残り時間が見える形で計る

スマホのストップウォッチで「経過時間」を計っている人は多いのですが、本番で必要なのは残りです。残りが面積や円で見える形なら、読み取らなくても一目で遅れが分かります。詳しくは残り時間が見えるタイマーの使い方に書いています。

手前味噌で恐縮ですが、Mihataが無料で公開しているWebタイマーも、残り時間を大きく表示する形にしてあります。インストールなしでブラウザから開けるので、過去問を通しで解くときの計測に使えるかもしれません。

時計を見すぎると集中が切れる問題

配分を意識し始めた人がまず直面するのが、時計を何度も見てしまって解答に戻れないという問題です。時刻を読む→開始時刻を思い出す→引き算する、の3工程が毎回入るため、ちらっと見るだけでも思考が途切れます。1時間に20回見れば、途切れも20回です。

対処は2つあります。ひとつは確認する回数を、あらかじめ決めた通過時刻の数(3〜4回)に限ること。もうひとつは、残り時間を「読む」のではなく「面で見る」形にすることです。円グラフのように残りが減っていく表示なら、視線を1秒置くだけで判断が終わり、引き算が要りません。

置き場所も効きます。正面に大きく出すと気が散り、机の下だと見るたび姿勢が崩れます。利き手と反対側の机の端、目線を少し落とせば入る位置が扱いやすい落としどころです。集中を切らさない使い方は受験勉強のタイマー活用にもまとめています。

本番の机に置ける時計には条件がある

練習で使っている道具が本番に持ち込めるとは限りません。大学入学共通テストでは、試験時間中に机の上に置ける時計について「辞書・電卓・端末等の機能があるものや、それらの機能の有無が判別しづらいもの、秒針音のするもの、キッチンタイマーや学習タイマー、大型のものは不可」と明記されています(大学入試センター「受験上の注意」)。つまり学習用タイマーは本番の机には置けません。

練習の作法は明快です。感覚を育てるのはタイマーで、最後の数回は本番と同じ「時刻表示だけの時計」に持ち替えて通しで解く。道具が変わっても配分が守れることを、当日より前に確かめます。試験室に時計があるとは限らないので自分の時計は必ず用意し、規定は受験する試験の最新の要項で確認してください。

模試と過去問での回し方

模試は、配分を試せる年に数回の機会です。点数より先に、大問ごとの通過時刻を守れたかを記録します。各大問を終えた時刻を解答用紙の隅にメモし、帰ってから予定と実測を並べれば、遅れがどこで生まれたか1回で分かります。遅れる場所はたいてい毎回同じです。

そのうえで直すのは配分ではなく、遅れる大問の解き方です。いつも大問3で5分溢れるなら、持ち時間を増やすのではなく読み方や解く順番を変えます。配分を膨らませても、しわ寄せが別の大問に移るだけです。

グループで一斉に解く場面、たとえば塾や社内研修で同じ制限時間を全員に見せたいときは、画面に大きく残り時間を映すやり方が向いています。教室での投影については教室でテストの制限時間を投影する方法に、発表や面接の練習で時間を計る場合はスピーチタイマーで練習する方法にまとめています。

まとめ

時間配分は、決めるだけなら5分で終わります。差がつくのは見直しを先に引く/通しでしか練習しない/飛ばす秒数を決める/残り時間を面で見るの4つを本番までに繰り返せるかどうかです。まずは過去問1回分で、大問ごとの通過時刻を余白に書くところから始めてください。

研修や社内検定の時間管理を仕組みにしたいといったご相談は、Mihataまでお気軽にお問い合わせください。

よくある質問

時間配分は何分単位で決めればいいですか?

大問ごとは分単位で構いませんが、1問あたりは秒まで落としてください。分単位だけだと超過に気づくのが遅れます。さらに「何時何分までに大問1を終える」という通過時刻に直して問題冊子の余白に書くと、解いている最中に判断できます。

見直しの時間はどれくらい取るべきですか?

記事の表では5分(TOEICのようなマークシート中心の試験では2分)を例にしています。大事なのは長さより順番で、見直しは最後の余りではなく、最初に引いておく固定費として扱ってください。余りは必ず消えます。

過去問は大問ごとに分けて解いてもいいですか?

知識の確認なら分けて構いませんが、時間配分の練習は必ず本番と同じ長さで通して解いてください。分割だと、後半の速度低下や前半の遅れを取り返す感覚という、本番でしか起きない現象を経験できません。

難しい問題は何秒で飛ばすべきですか?

1問あたりの目安時間の2倍を上限にするのが分かりやすい決め方です。計算の重い試験なら「1題の持ち時間の半分を過ぎて半分も埋まっていなければ次へ」といった形にします。飛ばすときは仮の答えをマークしてから進み、ずれを防ぎます。

練習で使っている学習タイマーは本番でも使えますか?

大学入学共通テストでは、キッチンタイマーや学習タイマー、辞書・電卓・端末等の機能があるもの、秒針音のするもの、大型のものは机の上に置けないと明記されています。練習の仕上げは本番と同じ時刻表示だけの時計に持ち替えて行ってください。最新の規定は必ず公式サイトで確認してください。

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