macOS 27 にアップグレードした直後にバッテリーの減りが増えるのは、多くの場合バックグラウンドの再インデックスが原因で、Apple は「デバイス上のデータ量によっては、Spotlight のインデックス作成に数時間、または数日かかる場合があります」と明記しています(Apple「Apple製デバイスのSpotlightインデックスと検索結果について」)。目安として、更新後2〜3日は電源につないだまま様子を見るのが妥当です。それを過ぎても減りが戻らないなら、再インデックスではなく別の原因を疑う段階に入ります。
macOS 27(Golden Gate)は 2026年9月14日(日本時間15日)に公開されました。この記事では、Mac のバッテリーが減る原因を「更新直後だから正常」「macOS 27 の仕様変更のせい」「バッテリー自体の劣化」の3つに分け、アクティビティモニタを使って1分で切り分ける順番にまとめます。iPhone 側の話は iOS 27 でバッテリーの減りが早いときの見分け方に分けてあります。
前提:macOS 27 の配信日と、修正版はまだ無いという事実
Apple のセキュリティリリース一覧には「macOS Golden Gate 27 / 2026年9月14日」の行があり、対応機種は Apple シリコン搭載 Mac のみ(MacBook Neo(2026)、Apple シリコン搭載 MacBook Air(2020年以降)/MacBook Pro(2020年以降)/iMac(2021年以降)/Mac mini(2020年以降)、Mac Studio(2022年以降)、Mac Pro(2023))と書かれています。Intel Mac の記載はありません(Apple セキュリティリリース一覧)。
そして 2026年9月22日時点で、この一覧に macOS 27.0.1 や 27.1 の行はありません。つまり「不具合なら次のアップデートで直る」という待ち方は、いま現在は使えません。バッテリーが持たなくて困っているなら、自分の環境で原因を切り分けるしかない、というのが出発点です。
なお、どの機種が macOS 27 の対象になるかは macOS 27 の対応機種と対象外の Mac の扱いにまとめています。手元の Mac が対象外なら、この記事のうち「バッテリー自体の劣化」の章だけが該当します。
まず1分でやる確認:アクティビティモニタの「エネルギー」
設定をあれこれ触る前に、何が電気を食っているのかを先に見ます。ここを飛ばすと、関係のない設定を10個変えて何も変わらない、という遠回りになります。
- Launchpad または Spotlight から「アクティビティモニタ」を開く。
- 上部のタブで「エネルギー」をクリックする。
- 「12時間の電力」列のヘッダをクリックして、大きい順に並べ替える。
- 上位5つのプロセス名を控える。
Apple の説明では、「エネルギー影響」はいまこの瞬間の相対的な消費量、「12時間の電力」は過去12時間または Mac を起動してからの平均で、この列は Mac ノートブックでのみ表示されます(Apple「Macのアクティビティモニタでエネルギー消費を表示する」)。犯人探しに使うのは後者です。いま開いているアプリが一瞬重いのは当たり前で、問題なのは「閉じているつもりなのに12時間ずっと回っているもの」だからです。
同じ画面の「非スリープ」列も一緒に見てください。ここが「はい」のアプリがあると、蓋を閉じても Mac がスリープに入り切らず、カバンの中で減り続けます。実務で「朝100%だったのに昼に60%」という相談を受けたとき、原因がここだったことは珍しくありません。
上位に出てくるものが mds / mdworker(Spotlight)、photoanalysisd(写真の解析)、bird / cloudd(iCloud 同期)、backupd(Time Machine)なら、次の章の「正常な一時現象」に進みます。それ以外のアプリ名が並んでいるなら、その次の章です。
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更新直後なら「正常な一時現象」の可能性が高いもの
OS をまたいだアップグレードの後、Mac は溜め込んだデータを作り直します。Apple は、Spotlight のインデックスが「デバイスを最初に設定するとき、ソフトウェアのアップデートやアップグレードをインストールした後、デバイス上のデータが変更された時点で作成される」と説明しています(Apple「Apple製デバイスのSpotlightインデックスと検索結果について」)。
プロセス名 | 正体 | 落ち着くまでの目安 |
|---|---|---|
mds / mds_stores / mdworker | Spotlight の再インデックス | データ量次第で数時間〜数日(Apple 明記) |
photoanalysisd | 写真ライブラリの解析(人物・シーンの認識) | ライブラリが大きいほど長い。電源接続時に進みやすい |
bird / cloudd | iCloud Drive・写真の同期 | 同期し切るまで。回線速度に依存 |
backupd | Time Machine のバックアップ(更新後は差分が大きい) | 初回が終われば軽くなる |
Apple は、インデックス作成が早く終わる条件として「デバイスが使用中でない」「電源に接続されている」「Wi-Fi または Ethernet 経由でインターネットに接続されている」の3つを挙げています。つまり正しい対処は「設定を変えること」ではなく「充電しながら一晩置くこと」です。バッテリー駆動のまま使い続けると、処理が終わらないので毎日減り続けているように見えます。
進捗は「command+スペース」で Spotlight を開くと、ウインドウ上部にインジケータとして出ます。ここが出なくなったら再インデックスは終わっています。
macOS 27 固有の「仕様変更由来」で減るケース
macOS 27 には、体感としては不具合に見えるのに、実際には Apple が意図して変えた仕様、というものがいくつかあります。バッテリーに効きうるのは主に次の3つです。いずれも Apple の macOS 27 リリースノートに記載があります。
起きること | 正体(macOS 27 の変更点) | やること |
|---|---|---|
Intel 版アプリを起動するたびに Rosetta のインストールを求められる/動作が重く発熱する | Rosetta は、以前インストールしていても macOS 27.0 へのアップグレード後に自動で復元されない | そのアプリに Apple シリコン対応版があるか確認して入れ替える。Apple は「以前 Rosetta が必要だった互換性の問題は macOS 27 で再評価するように」と案内している |
バックアップ/同期ソフトが終わらない、同じ処理を繰り返している | 他社(別の開発元)のアプリデータコンテナへのアクセスが、確認ダイアログを出さずに既定で拒否される仕様に変更。XProtect も一部のアプリデータへのアクセスを制限する | 「システム設定 > プライバシーとセキュリティ > フルディスクアクセス/ファイルとフォルダ」で、そのアプリに必要な許可を明示的に与える |
音楽制作・印刷・画像編集で特定の処理だけ極端に重い | Intel ベースのプラグインやローダーは、設定に表示されず、非互換の通知も出ない場合がある(VST・HAL・ARA・PDE・カラーピッカー・Quick Look/Spotlight 拡張など) | ~/Library/Audio/Plug-Ins/、~/Library/Printers/、~/Library/ColorPickers/ を開き、古いプラグインを外して切り分ける |
1つ目について補足すると、macOS 27 では「Rosetta で開く」に設定していたアプリもネイティブで起動するようになりました。設定を変えた覚えがないのに挙動が変わったのはこのためです。また Apple はリリースノートで、Intel ベースのソフトウェアは macOS 28.0 では(レガシーゲームを除き)互換性がなくなると予告しています。いま重いまま使い続けるより、移行先を探しておくほうが結果的に安上がりです。
「これは不具合なのか、仕様なのか」で迷ったときの判断のしかたは macOS 27 の不具合か仕様かを切り分ける手順にまとめています。あわせて、まだ更新していない Mac をどうするかは macOS 27 にアップデートすべきかの判断材料が参考になります。
それでも減るときに試す順番
ここまでで犯人が見つからない場合だけ、設定側を触ります。効果が大きく、副作用が小さい順に並べました。上から順に1つずつ試し、そのつど半日〜1日使って変化を見てください。まとめて全部変えると、何が効いたのか分からなくなります。
- 低電力モードをオンにする。「システム設定 > バッテリー」で、バッテリー駆動時のみ低電力モードを選べます。Apple は低電力モードを「バッテリーを長持ちさせるため、電力消費量を低く抑える」機能と説明しています(Apple「Macの電源モードについて」)。
- ログイン項目とバックグラウンド項目を見直す。「システム設定 > 一般 > ログイン項目と機能拡張」で、使っていない常駐ソフトをオフにします。アクティビティモニタで上位に出ていたものを優先します。
- 外部ディスプレイ・ドック・ハブの給電を疑う。USB-C ハブ経由で充電していると、アダプタのワット数が Mac の必要量に届かず「使いながらだと充電が追いつかない」状態になります。Apple も、アダプタの定格が必要なワット数を下回ると充電に時間がかかる、または確実に充電されないことがあると案内しています(Apple「Macノートブックでバッテリーが『修理サービス推奨』と表示される場合」)。付属のアダプタを Mac に直挿しして比べると一発で分かります。
- セーフモードで起動して比べる。電源ボタンを長押しして起動オプションを出し、起動ディスクを選んで shift キーを押しながら「セーフモードで続ける」を選びます(Apple「Macをセーフモードで起動する」)。セーフモードでは減りが正常なら、原因は起動時に読み込まれる他社ソフトです。
- Apple Diagnostics でハードウェアを確認する。ここまでで改善しないときの最後の切り分けです。
一方、古い記事でよく見かける NVRAM(PRAM)リセットや SMC リセットは、macOS 27 の対象機種では出番がありません。macOS 27 は Apple シリコン搭載 Mac 専用で、Apple が SMC リセットを案内しているのは Intel ベースの Mac だけだからです。実務でも、ここに時間を使ってしまう方が一定数いらっしゃいます。手順が見つからないのは失敗ではなく、そもそも存在しないからです。
「バッテリーの劣化」と「macOS 27 のせい」を見分ける
最後に、そもそも OS の問題ではないパターンを外します。確認する数字は2つだけです。
バッテリーの状態:「システム設定 > バッテリー」を開き、「バッテリーの状態」を見ます。表示は「正常」か「修理サービス推奨」の2種類で、後者は蓄電容量が新品時より少なくなっているか、正常に機能していないことを示します(Apple「バッテリーが『修理サービス推奨』と表示される場合」)。なお Apple は、他社製のバッテリー診断アプリは精度を欠くことがあり、macOS が報告する情報のほうが確実だとしています。
充放電回数:option キーを押しながら Apple メニューをクリックして「システム情報」を開き、「ハードウェア > 電源」の「バッテリー情報」で確認します。現行の Apple シリコン搭載 MacBook Air/MacBook Pro/MacBook Neo の最大充放電回数は1000回で、バッテリーはその回数に達した後も本来の蓄電容量の最大80%を維持するよう設計されています(Apple「Macノートブックのバッテリーの充放電回数を調べる」)。
見えている症状 | 劣化が主因の可能性 | macOS 27 が主因の可能性 |
|---|---|---|
更新前から少しずつ持ちが悪くなっていた | 高い | 低い |
更新した日を境に急に変わった | 低い | 高い |
充放電回数が上限(多くのモデルで1000回)に近い | 高い | — |
「修理サービス推奨」と表示される | 高い | — |
アクティビティモニタの「12時間の電力」上位が特定アプリに偏っている | 低い | 高い |
セーフモードだと減りが正常 | 低い | 高い(他社ソフト起因) |
「更新した日を境に急に変わった」に当てはまり、なおかつ充放電回数にも「バッテリーの状態」にも異常がないなら、原因は OS 側です。その場合は、この記事の前半に戻って再インデックスの完了を待つか、Rosetta とプラグインの整理に進んでください。
あわせて、「バッテリー充電の最適化」をオンにしておくと、日ごろの充電のしかたを学習して、必要になる直前まで残量が80%を上回らないように充電を保留してくれます。減りが速い話とは別の対策ですが、次のバッテリー交換までの時間を延ばす意味では効きます。
まとめ:見る順番だけ決めておく
macOS 27 でバッテリーが減るときの判断は、次の順番で固定してしまうのが一番早いです。
- 更新から2〜3日以内なら、電源につないで一晩置く(再インデックスは数時間〜数日かかると Apple が明記)。
- それでも続くなら、アクティビティモニタの「12時間の電力」と「非スリープ」で犯人を名指しする。
- 犯人が Intel 版アプリ・同期ソフト・古いプラグインなら、macOS 27 の仕様変更を疑って入れ替えるか権限を与える。
- 犯人がいないのに減るなら、充放電回数と「バッテリーの状態」を見てハードウェア側を疑う。
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よくある質問
macOS 27 にしてからバッテリーの減りが速いのは、いつまで様子を見ればいいですか?
目安は更新から2〜3日です。Apple は、アップデートやアップグレードの後に行われる Spotlight のインデックス作成が、データ量によっては数時間から数日かかる場合があると説明しています。電源に接続し、Mac を使っていない時間を作ると早く終わります。それを過ぎても戻らない場合は別の原因を疑ってください。
何が電気を使っているかは、どこで確認できますか?
アクティビティモニタの「エネルギー」タブです。「12時間の電力」列で並べ替えると、過去12時間または起動してからの平均で消費が大きいものが分かります。この列は Mac ノートブックでのみ表示されます。あわせて「非スリープ」列が「はい」になっているアプリがないかも確認してください。
macOS 27 で Rosetta が消えたのはなぜですか?
Apple のリリースノートに、以前 Rosetta がインストールされていても macOS 27.0 へのアップグレード後には自動で復元されない、と記載されています。Intel 版アプリを起動するとインストールを求められますが、Apple は Apple シリコン対応版への移行を案内しており、Intel ベースのソフトウェアは macOS 28.0 では互換性がなくなると予告しています。
バッテリーが劣化しているかどうかは、どう判断しますか?
「システム設定 > バッテリー」の「バッテリーの状態」が「修理サービス推奨」になっていないか、option キーを押しながら Apple メニューから開く「システム情報 > ハードウェア > 電源」で充放電回数が上限に近づいていないかの2点で判断します。現行の Apple シリコン搭載 MacBook の最大充放電回数は1000回です。
macOS 27 の修正アップデートを待つべきですか?
2026年9月22日時点で、Apple のセキュリティリリース一覧に macOS 27.0.1 や 27.1 の行はなく、修正版は配信されていません。待つ前提で計画を立てるのではなく、記事の手順で自分の環境の原因を切り分けることをおすすめします。