NVIDIA(エヌビディア)の次の決算発表は、米国太平洋時間2026年8月26日(水)14時に予定されている電話会議です。日本時間では8月27日(木)午前6時にあたり、決算数値そのものはその約40分前、日本時間8月27日午前5時20分ごろに公表されます。対象は2026年7月26日に終了したFY2027 第2四半期です。
AI活用を進める企業にとって、この決算で追うべきなのは株価ではありません。会社自身が出すガイダンス、データセンター部門の売上、そして供給コミットメントの残高の3つです。会社はすでに第2四半期の売上高見通しを910億ドル(±2%)と公表しており、実績がこれにどう着地し、次の四半期の見通しがどう示されるかが、AI投資が実需で回っているかを測る物差しになります。
本記事は投資助言ではなく、AI投資動向を読むための情報整理です。個別株の売買判断を扱うものではありません。またこの記事は2026年8月16日時点の情報です。発表後に数値は更新されます。
決算はいつ発表されるのか(日時と出てくる資料)
NVIDIAは2026年7月末に、FY2027 第2四半期の決算電話会議を米国太平洋時間8月26日14時に開催すると公式に発表しました。会計期間は2026年7月26日締めで、同社の会計年度は暦年と1年ずれているため「FY2027 Q2」という呼び方になります。日本の企業でいう2026年5月〜7月期にあたる期間です。
当日は3つの資料が段階的に出ます。まずプレスリリース(実績値とOutlook)、次にCFOコメンタリー(部門別の背景説明)、そして電話会議です。前四半期は決算発表と同じ日にForm 10-Qも提出されており、在庫や供給コミットメントといった注記レベルの数字はこの10-Qで確認できます。
タイミング | 日本時間(JST) | 米国太平洋時間(PT) | 内容 |
|---|---|---|---|
会計期間の締め | 2026年7月26日 | 2026年7月26日 | FY2027 第2四半期(終了済み) |
決算数値の公表 | 8月27日(木)5時20分ごろ | 8月26日(水)13時20分ごろ | プレスリリース、CFOコメンタリー |
決算電話会議 | 8月27日(木)6時00分 | 8月26日(水)14時00分 | 経営陣の説明とアナリストQ&A(投資家向け) |
Form 10-Q提出 | 発表当日〜数日内 | 同左 | 在庫・供給コミットメント・地域別売上の注記 |
電話会議はinvestor.nvidia.comでライブ配信されます。質疑は金融アナリストと機関投資家に限られますが、音声とCFOコメンタリーは誰でも参照できます。
出発点となる前四半期(FY2027 Q1)の公式数値
8月の決算を読むには、比較対象となる前四半期の実績を押さえておく必要があります。2026年4月26日締めのFY2027 第1四半期は、売上高が816億ドル(前年同期比85%増、前四半期比20%増)でした。うちデータセンター部門が752億ドルで、前年同期比92%増、前四半期比21%増です。
データセンターの内訳も公開されています。ハイパースケーラー向けが379億ドル(前年同期比115%増)、AIクラウド・産業・エンタープライズ向けが374億ドルで、需要がクラウド大手だけでなく企業・産業側にも広がっている構図が読み取れます。粗利率はGAAPベース74.9%、非GAAPベース75.0%でした。
そのうえで会社が示したFY2027 第2四半期のOutlookが、売上高910億ドル(±2%)、粗利率GAAP 74.9%・非GAAP 75.0%(±50ベーシスポイント)、営業費用GAAP約85億ドル・非GAAP約83億ドルです。この見通しには中国からのデータセンターコンピュート売上をまったく織り込んでいないと明記されている点が、今回の読み方の鍵になります。
AI投資の実需を読む6つの指標と、その参照先
「AIバブルなのか実需なのか」という問いに、決算のどこが答えを持っているかを整理します。単に売上高の総額を見ても、それが積み上がった需要なのか一時的な前倒しなのかは分かりません。指標ごとに「何が分かるか」を分けて見るのが実務的です。
見るべき指標 | 何が分かるか | どこに載っているか |
|---|---|---|
データセンター部門売上と前四半期比 | AIインフラの実需規模と、伸びが減速しているかどうか | プレスリリースのHighlights、CFOコメンタリー |
次四半期のガイダンス(売上高) | 会社自身が数か月先の受注をどう見ているか | プレスリリースのOutlook |
粗利率(GAAP/非GAAP) | 供給制約や在庫評価損の圧力、値決めの余地 | プレスリリース、CFOコメンタリー |
在庫と仕入コミットメント | 数四半期先を見据えた生産計画の大きさ | Form 10-Qの注記(Commitments and Contingencies) |
地域別売上(中国を含む) | 輸出規制の影響と、需要の地域偏り | Form 10-Qの注記(地域別売上) |
顧客層の内訳(ハイパースケーラー比率) | 需要が一部の巨大顧客に偏っているか分散しているか | Form 10-Q、CFOコメンタリー |
このうち、報道で最も扱われるのはデータセンター売上とガイダンスです。一方で在庫・コミットメントと地域別売上は注記に埋もれがちですが、AI投資の先行きを考えるうえではむしろこちらのほうが情報量があります。AIバブルはいつ崩れるのかという論点を考えるときも、感覚論ではなく決算の注記で確認するのが遠回りに見えて確実です。
先を映す数字は「供給コミットメント」にある
FY2027 第1四半期のForm 10-Qによると、製造・供給・キャパシティに関するコミットメントは1,190億ドルで、そのうち950億ドルがFY2027の残り期間に支払われる予定と記載されています。残りはFY2028〜2031に分散します。これは「すでに発注して支払い義務が生じている生産キャパシティ」であり、会社が数四半期先の需要をどう見積もっているかの直接的な表明です。
あわせて、複数年のクラウドサービス契約コミットメントが300億ドル、その他ベンダーコミットメントが60億ドル計上されています。在庫そのものも257億ドル(2026年4月26日時点)で、前期末の214億ドルから増えています。在庫とコミットメントが増え続けている間は、少なくとも会社側は需要の持続を前提に動いていると読めます。
逆に、この残高が伸び悩んだり、在庫評価損の計上が増えたりすれば、それは需要見通しの変化が最初に表面化する場所になります。AIデータセンターの電力消費という物理的な制約も同じ方向を向く論点で、生産計画と電力供給のどちらが先に詰まるかは今後の見どころです。
中国向けの扱いをどう読むか
FY2027 第1四半期は、中国(香港を含む)向け売上が45億5,000万ドルで、前年同期の96億5,900万ドルから減少しました。10-Qには当四半期に中国向けデータセンターHopper製品の出荷がなかったこと(前年同期は46億ドル)も明記されています。輸出規制の影響がそのまま数字に出ている形です。
重要なのは、会社がFY2027 第2四半期のガイダンス910億ドルを中国からのデータセンターコンピュート売上ゼロという前提で置いていることです。つまり中国向けが動いた場合はガイダンスに対する上振れ要因、動かなくても想定内、という構造になっています。ガイダンスと実績の差を見るときは、この前提を確認せずに数字だけ比較しないほうがよいでしょう。
輸出規制で先端チップの調達が制限される中国では、DeepSeekやQwenなど自国発モデルの利用が広がっています。中国AIモデルを業務で使う際のリスクは、日本企業がこうしたモデルを検討する場合の論点整理として参考になります。
各国が自国内でAI基盤を持とうとする動きも需要の受け皿になりつつあります。日本を含むソブリンAIの取り組みがどの程度売上として顕在化しているかは、CFOコメンタリーの顧客内訳の記述から追えます。
この決算を自社のAI予算判断にどう使うか
NVIDIAの決算は、AI基盤の「供給側」の状況を四半期ごとに教えてくれる数少ない公開情報です。貴社がAI活用の投資判断をするうえで、直接効いてくるのは主に2点だと考えています。
1つはコスト方向です。粗利率と供給コミットメントは、GPU調達コストや推論単価の先行きと無関係ではありません。実際、生成AIの利用料金が上がる局面は供給側の制約と連動して起きます。もう1つは前提の寿命です。今使っているモデルやサービスが数年単位で使い続けられるのかは、供給側の投資が続くかどうかに左右されます。
そのうえで、決算の結果によって自社のAI活用計画を大きく振り回す必要はほとんどありません。むしろ、特定のモデルやベンダーに深く依存しないようモデル乗り換えのコストを事前に把握しておくほうが、外部環境の変化に強い構えになります。決算は「見通しの前提を年4回洗い直す機会」として使うのが実務的です。
当日の追い方(30分で要点を取る手順)
忙しい中で全部を追う必要はありません。日本時間8月27日の朝、まずinvestor.nvidia.comのプレスリリースを開き、冒頭のQ2実績とOutlookの数字だけを押さえます。ここで前述の6指標のうち、データセンター売上・ガイダンス・粗利率の3つが取れます。
次にCFOコメンタリーのPDFで、データセンターの顧客内訳と中国に関する記述を確認します。最後に、数日以内に出るForm 10-Qで在庫・コミットメント・地域別売上を見れば、注記まで含めた全体像が揃います。報道記事は要点整理として便利ですが、数値の一次情報は必ず公式IRとSEC提出書類で確認するのが安全です。なお本記事ではアナリストによる市場予想は扱っていません。
Mihataでは、こうした外部環境の変化を自社のAI活用計画にどう反映するかの整理もお手伝いしています。何から手をつけるべきか迷っている段階でも構いませんので、状況をお聞かせいただければと思います。
よくある質問
エヌビディアの決算はいつ発表されますか。
FY2027 第2四半期の決算電話会議は米国太平洋時間2026年8月26日(水)14時に予定されています。日本時間では8月27日(木)午前6時です。決算数値そのものは電話会議の約40分前、日本時間8月27日午前5時20分ごろに公表されます。
今回の決算はどの期間が対象ですか。
2026年7月26日に終了したFY2027 第2四半期が対象です。NVIDIAの会計年度は暦年と1年ずれているため、2026年5月〜7月にあたる期間が「FY2027 Q2」と呼ばれます。
会社が示している第2四半期の見通しはいくらですか。
会社自身のガイダンスとして、売上高910億ドル(±2%)、粗利率はGAAPベース74.9%・非GAAPベース75.0%(±50ベーシスポイント)が公表されています。この見通しには中国からのデータセンターコンピュート売上は織り込まれていません。
AI活用を進める企業は決算のどこを見ればよいですか。
データセンター部門の売上と前四半期比、次四半期のガイダンス、粗利率、在庫と供給コミットメント、地域別売上、顧客層の内訳の6点です。前3つはプレスリリース、後ろ3つはForm 10-Qの注記とCFOコメンタリーで確認できます。
供給コミットメントとは何を指しますか。
製造・供給・キャパシティに関して、すでに発注して支払い義務が生じている金額です。2026年4月26日時点で1,190億ドルが計上され、うち950億ドルがFY2027の残り期間に支払われる予定と記載されています。会社が数四半期先の需要をどう見積もっているかの目安になります。