OpenAI Assistants APIは、2026年8月26日にシャットダウンされます。移行先として公式に案内されているのは Responses API と Conversations API です。本記事は2026年8月22日時点の情報で、シャットダウンまで残り4日です(8月26日を過ぎた時点で「終了済み」と読み替えてください)。
先に実務上いちばん重要な点を書きます。公式の移行ガイドは Assistants の設定をPrompts(再利用可能なプロンプト)に作り直すよう案内していますが、その Prompts 自体も2026年11月30日に停止予定です。ガイドの手順どおりに移すと、3か月後にもう一度移すことになります。下の「二重移行の罠」の章で、公式ページのどこにそう書いてあるかまで示します。
公式が言っていること(一次情報)
OpenAI の Deprecations ページには、Assistants API について次のように記載されています(要旨)。
2025年8月26日、Assistants API を利用している開発者に対し、その1年後にあたる2026年8月26日に API から削除することを通知した。2025年3月に Responses API をリリースした際、Assistants API のすべての機能を、より使いやすい Responses API に移すと発表しており、サンセット時期は2026年としていた。
停止日 | 対象 | 推奨の移行先 |
|---|---|---|
2026年8月26日 | Assistants API | Responses API および Conversations API |
ポイントは3つあります。第一に、これはモデルの提供終了ではなくAPIそのものの停止であること。第二に、告知は2025年8月26日で1年間の猶予が置かれていたこと。第三に、移行先が「Responses API」の1本ではなく、会話の保持を担う Conversations API との2本立てになっていることです。ここを取り違えると、会話履歴の持ち方だけ設計が抜け落ちます。
何が何に置き換わるのか(公式の対応表)
公式の移行ガイドには、旧概念と新概念の対応が明示されています。用語が総入れ替えになるため、まずここを頭に入れてからコードを見るほうが早く終わります。
Assistants API(旧) | Responses API(新) | 何が変わるか |
|---|---|---|
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| モデル・ツール・指示の束。バージョン管理と差し替えがしやすくなる |
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| メッセージだけでなく、ツール呼び出しや出力も含む「アイテムの列」になる |
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| ツール呼び出しのループをアプリ側で明示的に回す設計に変わる |
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| メッセージ・ツール呼び出し・出力などを同じ型で扱う |
実装面でいちばん影響が大きいのは Runs → Responses です。Assistants API では run.status が queued や in_progress の間ポーリングし続ける書き方が定番でしたが、Responses API ではツール実行のループを自分で書くのが前提になります。ポーリング用の待機処理はそのままでは移植できません。
もう1つの注意点として、公式ガイドは「Assistants は API から作成・管理できたが、その置き換えである Prompts はダッシュボードからしか作成できない」と明記しています。Assistant オブジェクトをプログラムから動的に作っていた構成は、そのままの形では再現できません。
★移行先のPromptsも2026年11月30日に終了する(二重移行の罠)
ここが本記事でいちばんお伝えしたい点です。OpenAI は2026年6月3日に、Prompts(再利用可能なプロンプトオブジェクト)の提供終了を別途告知しています。同じ Deprecations ページに記載があります。
日付 | 内容 |
|---|---|
2026年6月3日 | Prompts の提供終了を告知。ダッシュボード上でもプロンプト作成の導線が弱められた |
2026年11月30日 |
|
公式の案内する移行方法も明確で、「プロンプトの内容をアプリケーションのコード側へ移す」ことです。つまり、Assistants API から移る先として合理的なのは Prompts オブジェクトではなく、指示文とツール定義を自分のリポジトリで管理する形ということになります。
移行ガイドの手順どおりに「ダッシュボードで Prompts を作り直す」と、8月に一度移し、11月にもう一度移すことになります。8月26日に間に合わせる作業としては、次の割り切りが現実的です。
- 会話履歴の保持(
Threads→Conversations)は、8月26日までに公式どおり移す。ここは代替がありません。 - 指示文・ツール定義(
Assistants相当)は、Prompts オブジェクトを経由せず最初から自前のコード/設定ファイルに置く。11月30日の作業が消えます。 - 実行ループ(
Runs→Responses)は、ポーリング前提の処理を書き直す必要があるため、ここに一番時間を見込む。
同じ時期に Agent Builder と Evals プラットフォームも提供終了が告知されており(いずれも2026年6月3日告知)、OpenAI 側で「サーバーに状態を持たせる仕組み」を整理していく流れが読み取れます。今から作るなら、状態と設定を自社側に置く設計のほうが寿命が長いと考えてよさそうです。
シャットダウンまでにやること(4ステップ)
- 棚卸し:コードと設定ファイルを
beta.threads、beta.assistants、assistant_id、thread_id、OpenAI-Beta: assistants=v2といった文字列で全文検索し、呼び出し箇所をすべて洗い出します。SDK のバージョン差で表記が揺れるため、複数の綴りで探すのが確実です。 - 会話履歴の扱いを決める:Threads にどれだけの履歴が溜まっていて、それを移す必要があるのかを先に判断します。「移さない(新規会話から Conversations で作り直す)」という選択が取れるなら、作業量は大きく減ります。
- 実行ループを書き直す:
run.statusのポーリングを、Responses API のツール呼び出しループへ置き換えます。ここが唯一、機械的な置換では済まない部分です。 - 回帰確認:よく使う入力を5〜10本用意し、旧実装の出力と並べて比較します。API を替えるとツール呼び出しの粒度や返答の形式が変わることがあるため、業務で使っている定型の入力で確かめるのが確実です。
Mihataでは、こうしたAPIの世代交代のたびに社内の実装を点検し、次に同じことが起きたときに慌てずに済む形へ整える支援もしています。毎回ゼロから調べ直す状態を抜け出したい方には役に立つと思っておりますので、よろしければご覧ください。
同じ時期に重なるOpenAIの期日一覧
8月26日を単発の出来事として処理すると、10月・11月・12月に同じ作業がもう一度発生します。公式 Deprecations ページから、いま先が見えている期日をまとめておきます(2026年8月22日時点)。
停止日 | 対象 | 移行先 |
|---|---|---|
2026年8月26日 | Assistants API/ChatGPTのo3(別件) | Responses API + Conversations API/GPT-5.6 Sol |
2026年9月28日 |
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2026年10月23日 |
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2026年10月31日 | 既存の Evals が読み取り専用になる | ― |
2026年11月30日 |
| プロンプトはアプリのコードへ移す |
2026年12月1日 |
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2026年12月11日 |
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2027年1月20日 |
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ChatGPT側のo3終了は同じ8月26日ですが、対象も影響範囲もまったく別の話です。そちらはOpenAI o3はいつ終了?ChatGPTの移行先で切り分けています。主要3社の期日をまとめて見たい場合はAIモデル提供終了への企業の対応と移行6手順、移行にかかる費用の考え方はAIモデル移行のコストが参考になります。移行先の主力モデルであるGPT-5.6についてはChatGPT 5.6は日本でいつ使えるかにまとめています。
同じことを繰り返さないための構え
OpenAI は Deprecations ページで、一般提供モデルは最低6か月前、一般提供モデルの派生版は最低3か月前に予告すると明記しています。一方でモデル名に preview が入るものは2週間程度の予告で停止しうるとも書かれており、プレビュー版を基幹処理に組み込むのは避けるべきだと明言されています。
裏を返せば、予告は必ず出ます。問題は「予告が出ても誰も見ていない」ことのほうです。実務的な対策は地味で、Deprecations ページを見る担当と頻度を決めること、そしてモデル名・API名を書いた社内ドキュメントを一覧化しておくことの2つです。今回の Assistants API も1年前に告知されており、気づいてさえいれば十分に余裕がありました。
貴社でAI活用の仕組みを内製・外注いずれで持っている場合でも、こうした期日の追跡は誰かが担当を持たないと必ず抜けます。Mihataでは、外部環境の変化を自社の運用にどう反映するかの整理からお手伝いしています。何から手をつけるべきか迷っている段階でも構いませんので、状況をお聞かせいただければと思います。
まとめ
OpenAI Assistants APIの停止日は2026年8月26日、移行先は Responses API と Conversations API です。用語は Threads → Conversations、Runs → Responses と総入れ替えになり、ツール呼び出しのループはアプリ側で書き直す必要があります。そして公式ガイドが案内する Prompts も2026年11月30日に停止予定なので、指示文とツール定義は最初から自社のコードで持つのが、二度手間を避ける唯一の方法です。
よくある質問
OpenAI Assistants APIはいつ使えなくなりますか。
2026年8月26日です。OpenAIは1年前の2025年8月26日に提供終了を告知しており、公式のDeprecationsページに「2026-08-26 Assistants API → Responses API and Conversations API」と記載されています。
移行先はResponses APIだけでよいですか。
会話履歴をサーバー側に保持していた場合は、Responses APIに加えてConversations APIが必要です。旧Threadsに相当するのがConversationsで、メッセージだけでなくツール呼び出しや出力も同じ「アイテム」として扱います。Responses APIだけを見て移行設計を始めると、履歴の持ち方が抜け落ちます。
公式ガイドどおりPromptsに移せばよいですか。
おすすめしません。Prompts(再利用可能なプロンプトオブジェクト)自体が2026年6月3日に提供終了を告知されており、v1/promptsは2026年11月30日に停止予定です。公式も移行方法として「プロンプトの内容をアプリケーションのコードへ移す」と案内しているため、指示文とツール定義は最初から自社のコードや設定ファイルで管理するのが二度手間を避ける方法です。
移行でいちばん時間がかかるのはどこですか。
実行ループです。Assistants APIではrun.statusがqueuedやin_progressの間ポーリングする書き方が定番でしたが、Responses APIではツール呼び出しのループをアプリ側で明示的に回します。ここは機械的な置換ができないため、作業見積もりの大半をここに置くのが安全です。
同じ8月26日に終了するChatGPTのo3とは関係がありますか。
別件です。o3の8月26日終了はChatGPTのモデル設定に関する話で、APIには影響しません(APIのo3-2025-04-16は2026年12月11日停止)。一方、Assistants APIの終了はAPIそのものの停止で、影響を受けるのは開発現場です。日付が同じなだけで、対象も対応も異なります。
次に来る期日は何ですか。
2026年9月28日にgpt-3.5-turbo-instructなど、10月23日にgpt-4・gpt-4-turbo・o1・o3-mini・o4-mini・gpt-image-1など、11月30日にv1/promptsとEvals、12月1日にgpt-image-1系、12月11日にgpt-5-2025-08-07系とo3-2025-04-16、2027年1月20日に音声・リアルタイム系が停止予定です。