Mihata
Web制作2026.08.23更新 2026.10.02

ホームページ運用・更新代行|自社と外注の分担と費用相場【2026】

ホームページを公開したあと、更新・保守・改善を社内でやるか外注するか。実務での答えは「どちらか一方」ではなく、作業単位で切り分けて、判断が要らない定型作業だけを社内に残し、技術と責任が絡む作業を外に出すのが最も破綻しにくい形です。理由はシンプルで、運用の失敗は多くの場合スキル不足ではなく「担当者が本業に追われて手が止まること」から起きるからです。

背景としても、総務省の令和7年版 情報通信白書では、日本企業がデジタル化の課題として挙げた項目の第1位が「人材不足」で48.7%と、他国と比べて突出しています。人がいない前提で設計しないと、内製の計画はたいてい絵に描いた餅になります。

この記事では、運用に含まれる作業を洗い出したうえで、どれを社内に残しどれを外注するかの分担マトリクス、判断の5軸、費用の考え方までを整理します。なお「これから作る」段階で自作か発注かを迷っている方は、個人事業主がホームページを自作するか外注するかの判断を先に読んだほうが早いはずです。本記事は公開後の運用に絞ります。

そもそも「ホームページの運用」に何が含まれるか

「運用」と一言で言っても、中身はまったく性質の違う作業の集合です。ここを分けずに「運用を自社でやるか外注か」と考えるから、判断がぼやけます。実務では、次の5系統に分けると整理しやすくなります。

  • 更新系:お知らせ・ブログ・実績・料金表・スタッフ紹介など、中身を差し替える作業。
  • 保守系:サーバー・ドメインの契約管理、CMSやプラグインの更新、SSL証明書、バックアップ。
  • セキュリティ系:脆弱性情報の把握、改ざん検知、被害時の復旧手順。
  • 改善系:アクセス解析の確認、問い合わせが増えない原因の特定、導線やページの手直し。
  • 集客系:SEO、記事の企画と執筆、広告やSNSとの連携。

このうち更新系だけが「誰でもできる寄り」で、残りは程度の差はあれ専門知識を要します。とくに保守系とセキュリティ系は、放置しても翌日には何も起きないのに、半年後にまとめて牙を剥くタイプの作業です。担当者の善意だけで支えると、まず続きません。

分担マトリクス:どの作業を社内に残し、どれを外に出すか

下の表は、Mihataが中小企業のサイトを引き継ぐときに実際に使っている整理です。「向き」は絶対ではなく、貴社の体制次第で動きます。判断の理由まで含めて見てください。

運用作業

向いている担い手

そう考える理由

お知らせ・新着情報の投稿

社内

速報性が価値。外注すると往復で数日かかり鮮度が死ぬ。

料金・営業時間・スタッフの差し替え

社内

正しい情報を持っているのが社内。判断が要らず、CMSで完結する。

写真の追加・入れ替え

社内(撮影・選定)+外注(レイアウト調整)

素材は現場が強い。レイアウトが崩れる領域だけ外に出す。

ブログ・コラムの執筆

社内が理想/外注も可

一次情報は社内にしかない。ただし「書き続けられるか」が最大の関門。

CMS・プラグインの更新

外注

更新は不具合を生むことがあり、戻せる人が要る。止めると危険度が上がる。

バックアップと復旧手順

外注

取ってあるかより「戻せるか」。検証まで含めると社内では手が足りない。

ドメイン・サーバーの契約管理

社内(名義)+外注(技術対応)

名義と支払いは自社に置くのが鉄則。失効事故は代理店任せだと気づけない。

SSL・障害対応・表示速度

外注

発生頻度が低く、社内で技能を維持する意味が薄い。

アクセス解析の確認

社内(見る)+外注(読み解く)

数字を眺めるだけなら社内で十分。打ち手に変える工程だけ専門性が要る。

デザイン・構造の変更、ページ新設

外注

崩れると全ページに波及する。部分最適な手直しが最も事故を呼ぶ。

SEO・改善施策の設計

外注(社内は意思決定)

継続的な検証が必要で、片手間では判断材料が揃わない。

この表を眺めると、境界線がだいたい見えてきます。「間違えてもすぐ直せる作業」は社内、「間違えると誰かに迷惑がかかる作業」は外注。これが実務で最もぶれない分け方です。

迷ったときの判断5軸

1. 頻度:月に何回動くか

月4回以上動く作業は社内に置いたほうが速く、年に数回しか動かない作業は外注のほうが安く済みます。頻度が低い作業を社内に残すと、いざやるときに手順を思い出せず、結局その日一日が潰れます。現場で多いのは「年1回のドメイン更新で全員が固まる」パターンです。

2. 可逆性:失敗したときに戻せるか

文章の誤字はすぐ直せますが、CMSの更新失敗やサーバー設定の変更は、戻し方を知らないと復旧できません。IPAの安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条でも、ソフトウェアの更新やログ・バックアップの管理、委託先との責任範囲の明確化が運用側の基本項目として挙げられています。戻せない作業を「なんとなく社内」に置くのが、いちばん高くつく選択です。

3. 担当者:名前が挙がるか、代わりがいるか

「総務の誰かがやります」で決まった運用は、ほぼ確実に止まります。担当者の名前が具体的に挙がり、かつその人が抜けたときの代役まで言えるかどうかで判断してください。1人しかいない場合、その作業は実質的に外注済みと同じリスク構造(属人化)を抱えています。

4. 時間単価:社内でやると本当に安いか

内製が安く見えるのは、社内工数を無料として計算しているからです。担当者の時間単価を3,000円と置いて、更新1件に90分かかっているなら、それは1件4,500円の作業です。月10件なら45,000円。外注の保守費と並べたとき、金額差はしばしば想定より小さくなります。

5. 目的:更新したいのか、成果を出したいのか

「情報を最新に保ちたい」だけなら社内更新で十分です。一方「問い合わせを増やしたい」なら、更新の頻度ではなく設計と検証が要ります。目的が後者なのに更新作業の内製化を議論していると、労力の割に成果が動かない、という結末になりがちです。

「更新代行」「運用代行」「保守」は何が違うのか

相見積もりで話が噛み合わなくなる原因の大半は、金額の差ではなくこの3つの言葉を各社が違う意味で使っていることです。同じ「月額1万円」でも、保守だけの1万円と更新作業込みの1万円では、買っているものがまったく違います。先に言葉を揃えてください。

呼び方

守備範囲

実際にやること

料金の付き方

更新代行

サイトの中身を差し替える作業

原稿・写真をこちらが渡し、反映してもらう。企画は含まないのが普通。

月額+回数上限、または作業1件ごとの都度課金

運用代行

何を出すかの企画と、出した後の確認まで

更新に加えて、掲載内容の提案・アクセスの確認・改善提案が入る。

月額。含む工数の上限で金額が決まる

保守

サイトが動き続ける状態を守る作業

サーバーとドメインの契約管理、CMSとプラグインの更新、証明書、バックアップ、障害時の一次対応。中身は増えない。

月額。作業量ではなく守る範囲で決まる

この整理でいうと、「ホームページ更新代行を探している」と言う方の多くは、実際には保守も一緒に頼みたいという状態です。逆に、原稿は自分で書ける・写真も社内にあるという会社は、更新代行は要らず保守だけで足りることが少なくありません。どちらに当てはまるかは、上の運用に含まれる5系統のうち、社内で回せない系統がどれかを数えれば判断できます。

そしてもう1つ、見積書で必ず確認したいのが「1回」の定義です。「月2回まで更新対応」と書かれていても、文章1行の差し替えで1回と数える会社と、依頼メール1通ぶんの作業をまとめて1回と数える会社があります。ここを聞かずに単価だけを比べると、安く見えたほうが結局は高くつきます。なお「そもそも何回更新すべきか」で迷っている場合は、ホームページの更新頻度とSEOの関係を先に読むと、契約する回数の見当がつきます。

費用の目安と、比べ方

保守・運用の外注費は、内容によって大きく振れます。金額そのものより「何が含まれているか」で比べるのが正解です。おおまかな相場感としては、サーバー・ドメイン管理と障害時の一次対応までなら月額数千円〜1万円台、CMS更新・バックアップ・軽微な修正まで含めると月額1万円台〜3万円台、コンテンツ制作やSEO改善まで入ると月額数万円〜十数万円という幅で語られることが多い領域です。ここは提供範囲が各社バラバラなので、幅で捉えてください。

比較のとき必ず確認したいのは次の4点です。(1) 修正対応の回数・時間の上限があるか。(2) 修正の定義(文章差し替えのみか、ページ追加も含むか)。(3) 障害時の対応時間帯と連絡手段。(4) 解約時にデータとアカウントを引き渡してもらえるか。とくに(4)を書面で確認していない契約は、あとから乗り換えたいときに詰まります。見積書の読み解き方そのものは、ホームページ見積の内訳でチェックすべき項目にまとめています。

Mihataでも、貴社の体制を伺ったうえで「ここは社内でやったほうが速いです」とお伝えすることがあります。丸ごと請け負うより、そのほうが結果的に長く続くためです。分担の整理からご相談いただけます。

社内で運用を持つなら、先に整えておく3つの前提

内製に寄せると決めた場合、次の3つが揃っていないと、数か月後に必ず行き詰まります。逆にここさえ押さえれば、更新系の内製は十分に現実的です。

  1. ドメインとサーバーの名義・管理画面を自社で握っていること。ここが制作会社名義のままだと、更新も移転も他社頼みになります。誰が管理しているか分からない状態なら、ドメインとサーバーの管理会社を自力で調べる手順から着手してください。
  2. 権限が分かれていること。全員が管理者権限を持つ運用は事故のもとです。投稿だけできる権限を作り、日常更新はそちらで行います。
  3. 手順が文章として残っていること。「前任者に聞かないと分からない」状態は、内製ではなく属人化です。スクリーンショット付きで10行あれば十分です。

よくある失敗パターン

最も多いのは「全部内製に切り替えたが、3か月で更新が止まった」という形です。最初の1か月は勢いがありますが、繁忙期に入ると更新は真っ先に後回しになります。止まったこと自体より、止まったまま半年放置され、プラグインが古いまま残ることのほうが実害が大きくなります。

次に多いのが「全部外注にしたが、細かい修正を頼みづらくて放置」です。1文字の直しでも依頼メールを書く必要があると、心理的なコストが勝ってしまいます。これは外注先の問題というより、日常更新まで外に出した設計の問題です。

3つ目は、外注先を替えたときにアカウントが引き継がれず、旧サイトのままアクセスできなくなるケースです。運用の担い手を変えるという判断は、必ずアカウントの棚卸しとセットで行ってください。契約前にIDの所有者を確認しておくだけで、大半は防げます。

放置したホームページに起きること|2026年は「証明書の更新」が効いてくる

更新が止まったサイトの実害は、情報が古いことよりも保守が止まっていることのほうにあります。そして2026年からは、その保守の負担が構造的に増えます。理由は、サイトの鍵にあたるTLSサーバー証明書の有効期間が短縮されるからです。

業界団体のCA/Browser Forumは2025年4月、証明書の最大有効期間を段階的に短くすることを可決しました。フィッシング対策協議会のWG報告書によると、適用は次のスケジュールで進みます。

適用時期

証明書の最大有効期間

ドメイン認証情報の再利用期間

2026年3月14日まで

398日

398日

2026年3月15日以降

200日

200日

2027年3月15日以降

100日

100日

2029年3月15日以降

47日

10日

実務への影響は1点に尽きます。「年に1回、担当者が思い出して更新する」という運用が成立しなくなるということです。2026年3月15日以降に発行された証明書は、早ければ同じ年のうちに期限を迎えます。誰も見ていないサイトは、ブラウザに「保護されていない通信」と警告が出て、お客様から電話が来て初めて気づくことになります。

ですので、保守を外注するかどうかにかかわらず、証明書の更新が自動か手動か・誰のアカウントで発行しているかの2点は、いま契約書か管理画面で確認しておく価値があります。レンタルサーバーの無料SSLを使っている場合は自動更新されることが多いのですが、「自動になっているはず」と「自動になっている」は別物です。

もう1つ、CMSとプラグインの更新も同じ性質の作業です。IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026[組織編]」では、「システムの脆弱性を悪用した攻撃」が4位、「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が2位に入っています。更新されないまま置かれた自社サイトは、この両方の入口になり得ます。規模が小さいから狙われない、という前提は成り立ちません。攻撃の多くは相手を選んで行われるものではないからです。

言い換えると、更新代行は「止まっても困らない」作業ですが、保守は「止まると気づかないうちに壊れる」作業です。予算を削る順番を決めるときは、この違いを基準にしてください。見積書の中身をどう読み分けるかは、ホームページ制作会社の見積比較 7つの着眼点にまとめています。

運用の分担を決めるときに抜けやすいのが、問い合わせメールが届いているかを誰が確かめるかです。フォームの通知は壊れても画面に何も出ないため、気づかないまま数か月過ぎることがあります。点検の手順は問い合わせフォームのメールが届かない原因と切り分け6手順にまとめました。

まとめ:分担を決めることが「運用を決める」こと

自社か外注かは、二択の問題ではありません。日常更新は社内、技術と責任が絡む保守・改善は外注という分担を土台に、頻度・可逆性・担当者・時間単価・目的の5軸で個別に寄せていく。これが、続く運用体制のつくり方です。

そして分担を決めたら、必ず書き出して共有してください。誰が何を持っているか曖昧なまま走り出した運用は、担当者が替わった瞬間に振り出しに戻ります。運用の設計や現状の棚卸しでお困りでしたら、貴社の体制を伺ったうえで一緒に整理いたします。

運用の分担を決めるときは、更新作業だけでなく「壊れたとき・狙われたときに誰が動くか」も一緒に決めておくと抜けが出ません。改ざんやSSLの期限切れなど、外注範囲に入っているか確認したい項目は中小企業のホームページで最低限やるセキュリティ対策5つで整理しています。

なお、いま払っている月額の内訳が分からないという段階であれば、まずホームページの月額を払い続けているときの内訳の確かめ方で原価と手間を切り分けてください。金額そのものが高いと感じている場合は制作会社の保守費用が高いときに契約書で見る4点が判断の物差しになります。

よくある質問

ホームページの運用は自社と外注のどちらが安いですか?

作業によって変わります。社内工数を時間単価で換算すると、内製が想定ほど安くならないことは珍しくありません。担当者の時間単価3,000円で更新1件90分なら1件4,500円で、月10件なら45,000円相当です。日常更新は社内、保守や改善は外注という分担にすると、費用と手間のバランスを取りやすくなります。

どの作業を社内に残すべきですか?

間違えてもすぐ直せる作業を社内に残すのが基本です。お知らせの投稿、料金や営業時間の差し替え、写真の入れ替えなどが該当します。逆にCMSやプラグインの更新、バックアップと復旧、デザインや構造の変更は、失敗したときに戻せる人が必要なため外注が向いています。

保守を外注するときの費用相場はどのくらいですか?

提供範囲によって幅があります。サーバー・ドメイン管理と一次対応までなら月額数千円〜1万円台、CMS更新やバックアップ、軽微な修正まで含むと月額1万円台〜3万円台、コンテンツ制作やSEO改善まで入ると月額数万円〜十数万円という幅で語られることが多い領域です。金額より含まれる範囲で比較してください。

CMSの更新を止めておくとどうなりますか?

すぐに影響が出ないため放置されがちですが、時間が経つほど改ざんや情報漏えいのリスクが高まります。IPAの「安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条」でも、ソフトウェアの更新やバックアップの管理、委託先との責任範囲の明確化が運用側の基本項目として示されています。

外注先を変える前に確認することはありますか?

ドメインとサーバーの名義、各種管理画面のIDが自社に紐づいているかを先に確認してください。制作会社名義のままだと引き継ぎで詰まります。契約書に解約時のデータ・アカウント引き渡しが明記されているかも併せて確認しておくと安全です。

更新代行と保守は別々に頼めますか?

分けて頼めます。実務では、原稿を社内で用意できる会社は保守だけを契約し、更新は社内で行う形が最も費用対効果が高くなります。逆に原稿を書く時間が取れない場合は、更新代行を含む契約にしたほうが結局は続きます。判断の目安は「掲載する中身を自分たちで決められるか」です。決められるなら保守だけ、決めるところから任せたいなら運用代行寄りの契約になります。

SSL証明書の有効期間が短くなると、運用は何が変わりますか?

更新の回数が増えます。CA/Browser Forumの決定により、サーバー証明書の最大有効期間は2026年3月15日以降に発行分から200日、2027年3月15日以降は100日、2029年3月15日以降は47日へ段階的に短縮されます。年1回の手動更新では追いつかなくなるため、証明書の更新が自動化されているか、誰のアカウントで発行しているかを保守の契約範囲として確認しておく必要があります。

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