AIブログや記事作成の代行を入れたのに問い合わせが増えない。このとき最初にやることは、解約の検討ではなく「何ヶ月目に何を見るかを決め直すこと」です。公開直後の記事はクリックでは動きません。先に動くのは表示回数で、次に平均掲載順位、最後にクリックの順で遅れて出ます。したがって契約3ヶ月目にクリック数で評価すると、ほぼ全件が「成果なし」に分類されます。判断材料になるのは、クリックの手前にある中間指標です。
この記事は、いま契約している代行が機能しているかを数字で見極め、続ける/条件を変えさせる/乗り換えるの3択に落とすための手順をまとめています。「やめて内製に戻すか」の判断軸はSEO記事の外注をやめる判断と内製に戻す5つの軸、GA4とSearch Consoleでの測り方そのものはAIブログの効果測定と分析の手順が担当します。ここでは測ったあとの「契約をどうするか」だけを扱います。
クリックの手前にある3つの中間指標
Search Console のパフォーマンスレポートでは、検索結果に自分のページが表示された回数が表示回数、その結果がユーザーに見えた位置の平均が平均掲載順位として記録されます(定義はSearch Console ヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」に公式の説明があります)。代行の成果を判断するときは、この2つに「指名/非指名の別」を足した3点で見ます。
- 表示回数:狙ったクエリで検索対象として認識されているか。ここが動かない記事は、時間を足しても動きません。
- 平均掲載順位:認識されたうえで、どの位置まで来ているか。30位台から20位台への移動は、クリックには出ませんが前進です。
- 指名/非指名の別:社名・サービス名を含むクエリ(指名)と、含まないクエリ(非指名)を分けます。代行が増やすべきなのは非指名のほうです。
非指名の割合は、Search Console のクエリ一覧を書き出して次の式で出せます。特別なツールは要りません。
非指名クリック比率 = 社名・サービス名・自社ドメイン名を含まないクエリのクリック数 ÷ 全クリック数
この比率が上がっていれば、既存の認知に頼らない流入が増えています。逆に、全体のクリックが増えていても中身が指名検索ばかりなら、それは記事の成果ではなく別の施策(広告・紹介・SNS)の結果である可能性が高い、という読み方になります。
もうひとつ、本数のばらつきを消すために次の式も併用します。
1記事あたり月間表示回数 = 対象記事群の月間表示回数の合計 ÷ 公開から90日以上経過した記事数
本数を増やせば合計表示回数は増えるので、合計だけを見ていると「増えている=順調」に見えてしまいます。1記事あたりに割り戻すと、記事の質が上がっているのか本数で嵩増ししているだけなのかが分かれます。
契約からの月数ごとに、見る指標を変える
同じ数字でも、契約3ヶ月目と12ヶ月目では意味が変わります。実務で使っている目安を表にしました。合格ラインの数値は公開統計ではなく、Mihata が運用の現場で判断に使っている体感値です。業種と競合の強さで前後するので、絶対値ではなく「動いているか止まっているか」の向きで読んでください。
契約からの時期 | 主に見る指標 | 順調と判断する状態 | 外れたときの解釈 |
|---|---|---|---|
1〜2ヶ月目 | 公開本数とインデックス状況 | 公開した記事が Search Console 上で表示回数を持ち始めている | 表示回数がゼロのまま=インデックスされていない、または需要のないクエリを狙っている |
3〜4ヶ月目 | 表示回数(記事群の合計) | 月ごとに右肩上がり。順位はまだ低くてよい | 横ばい=狙ったクエリで認識されていない。キーワード設計を見直す時期 |
5〜6ヶ月目 | 平均掲載順位と1記事あたり表示回数 | 順位が上位帯へ寄ってきている。1記事あたりの表示回数も増えている | 合計だけ増えて1記事あたりが減っている=本数で嵩増ししている状態 |
7〜9ヶ月目 | 非指名クリックと着地ページの内訳 | 非指名のクリックが増え、サービス紹介ページへの遷移が発生している | クリックはあるが商用ページへ1件も流れない=テーマ選定が問い合わせから遠い |
10〜12ヶ月目 | 問い合わせ・資料請求などの最終成果 | 記事経由の問い合わせが発生している(少数でよい) | ここまで全指標が動かないなら、続けても同じ結果になる可能性が高い |
大事なのは、時期より前の指標で判断しないことです。3ヶ月目にクリックで切ると、育ちかけた記事まで一緒に止めることになります。成果が出るまでの期間そのものはAI記事の成果が出るまでの期間と中間指標の見方で詳しく扱っています。
「代行の問題」か「記事で獲れないテーマ」かを切り分ける
成果が出ないとき、原因は代行側にあるとは限りません。そもそも記事では獲れないテーマを狙い続けている場合、どこに頼んでも同じ結果になります。次の順番で切り分けると、責任の所在ではなく打ち手が決まります。
手順1:検索需要のないキーワードを書かされていないか
納品されたキーワード一覧を Search Console で1つずつ確認します。公開から90日以上経った記事で、そのキーワードの表示回数が一桁のままなら、需要がないか、需要はあっても別の意図で検索されているかのどちらかです。確認は「表示回数がゼロに近い記事が全体の何割か」で足ります。半数を超えているなら、キーワード設計の工程そのものを見直す局面です。
ここで注意したいのは、社内の人が「うちの業界ではこう言う」と挙げた言葉がそのままキーワードになっているケースです。業界内の呼び名と、顧客が検索する言葉は一致しないことが多く、代行側がそれを検証せずに受けていると、需要ゼロの記事が量産されます。これは代行の力量というより、工程に検証が入っていない設計の問題です。
手順2:着地が商用面に繋がっているか
次に、クリックされている記事の着地ページと、そこからの遷移先を見ます。記事は読まれているのにサービス紹介ページへ1件も流れていないなら、記事の中身ではなく導線の問題です。典型的なのは、記事のテーマが「用語の説明」に寄っていて、読み終えた人が次に取る行動が存在しない状態です。
説明型の記事(「〇〇とは」)は、検索結果の上部に出る生成AIの要約と正面からぶつかるため、表示回数はあってもクリックが伸びにくい領域です。Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」が示すとおり、評価されるのは読み手の課題に対して実際に役立つ内容です。比較・選び方・確認事項といった「判断のための記事」へ寄せると、読み手が自分の状況に当てはめて読む必要が生じるため、記事そのものが読まれ、次の行動にも繋がりやすくなります。
手順3:外部要因で落ちていないか
もともと成果が出ていて、ある時期から落ちた場合は、代行の品質とは別の要因を先に潰します。Google は検索トラフィックの減少をデバッグするで、技術的な問題・手動による対策・季節変動・検索の傾向の変化・ランキングシステムの更新などを切り分ける手順を公開しています。サイト移転やリニューアルの直後であれば、まずそちらを疑うべきです。この確認を飛ばして代行を替えると、原因が残ったまま費用だけが増えます。
症状 | 疑う場所 | 最初にやること |
|---|---|---|
表示回数が最初から動かない | キーワード設計 | 納品KW一覧の需要を検証し、判断型のテーマへ振り替える |
表示回数はあるがクリックが少ない | タイトルと説明文 | 検索結果で見えている文言を、記事ごとに書き直す |
クリックはあるが商用ページへ流れない | テーマと導線 | サービスに繋がるテーマを月内の本数の一部に混ぜる |
ある時期から全体が落ちた | サイト側・外部要因 | トラフィック減少のデバッグ手順で技術・季節・更新を切り分ける |
記事ごとの品質にばらつきがある | 検収工程 | 事実誤りと狙いのズレの2点だけを見る検収を入れる |
私たち Mihata は、キーワード設計から公開・効果測定までを月額でお預かりする AIブログ運用代行を行っています。記事の途中で恐縮ですが、上の切り分けを一緒にやってから本数や狙いを組み直す形にも対応できますので、よろしければ完全自動AIブログ運用代行のサービス内容もあわせてご覧いただけたら嬉しいです。
続ける/条件を変えさせる/乗り換えるの3択
切り分けが済んだら、選択肢は3つしかありません。それぞれ、向くケース・追加でかかる費用・失うものが違います。
選択肢 | 向くケース | かかる費用 | 失うもの |
|---|---|---|---|
続ける | 表示回数が右肩上がり。指摘の内容が回を追うごとに細かくなっている | 現状の月額のみ | 判断を先送りした分の時間(見極めの期限は切っておく) |
条件を変えさせる | 工程や人は問題ないが、狙うテーマと本数がずれている | 原則そのまま。本数を減らして単価を上げる交渉になることはある | 本数(月の公開数は減る)。社内の説明コストが一時的に増える |
乗り換える | 同じ種類の指摘を毎回繰り返している。担当交代のたびに一からやり直しになる | 次の代行の初期費用+立ち上がりの3〜4ヶ月分 | 蓄積した文脈。引き継ぎ漏れがあると台帳・素材も失う |
実務でいちばん多いのは、真ん中の「条件を変えさせる」で足りるケースです。代行側は発注内容どおりに動いているだけで、発注の中身が更新されていないことが少なくありません。乗り換えを決めた場合は、契約終了時に何が自社に残るかを先に確認してください。記事本体は残っても、キーワード台帳や執筆指示が相手のアカウント内にしか無いことがあります。持ち出す対象はAIブログ解約時の引き継ぎで詰まる7項目に一覧があります。
条件を変えさせるときに出す依頼文の型
「成果が出ていないので改善してほしい」では何も変わりません。相手が翌月から動ける粒度まで落とすと、1回のやりとりで済みます。次の4点を、数字と固有名詞で埋めて渡すだけです。
- 何を見て判断したか:期間・指標・実数を書く。「4〜9月の表示回数が月2,000前後で横ばい」のように、相手が同じ画面を見て再現できる形にします。
- 本数と狙いをどう変えるか:「月8本を月5本に減らし、うち3本を比較・選び方のテーマにあてる」のように、減らす数と振り替え先を同時に出します。本数だけ減らすと相手は収益が落ちるだけなので、単価の扱いも同時に決めます。
- 着地ページを指定する:「この3本は、読了後にサービス紹介ページへ遷移する導線を必ず入れる」と対象ページのURLまで指定します。導線の有無は検収で見られるので、争点になりません。
- いつ再評価するか:「3ヶ月後に、振り替えた5本の表示回数と非指名クリックで再判断する」と期限と指標を先に握ります。ここを決めずに条件だけ変えると、次も同じ議論を繰り返します。
文面にするとこの程度の分量で足ります。
いつもありがとうございます。直近6ヶ月の Search Console を確認したところ、対象記事群の表示回数が月2,000前後で横ばいでした。来月から本数を月8本から月5本へ変更し、うち3本を「比較」「選び方」「確認事項」の型に振り替えたいと考えています。その3本については、末尾から貴社ご提案の導線ではなく、当社のサービス紹介ページ(URL)への遷移を必ず入れてください。3ヶ月後に、振り替えた記事の表示回数と、社名を含まないクエリからのクリック数で再度ご相談させてください。単価の扱いについてもあわせてご提示いただけますと助かります。
Google 自身も、SEO 事業者を選ぶ際に確認すべきこととして「期待される結果とその時期、成果はどのように測定するのか」を挙げています。これは契約前だけでなく、契約後の条件変更でもそのまま使える問いです。今の契約でこの3点が明文化されていないなら、乗り換える前にまずそこを揃えるほうが早く終わります。
判断する前に知っておきたい注意点
最後に、こちらが損をしやすい点を正直に書いておきます。
記事の資産は積み上がるまでに時間がかかり、途中で全部作り直すのがいちばん損をします。 乗り換えのたびに既存記事を全面的に書き換える提案を受けることがありますが、表示回数を持っている記事まで消すと、そこまでの評価がリセットされます。作り直すなら、表示回数がゼロに近い記事から順に、対象を絞って行うのが安全です。
クリックが伸びない=失敗とは限りません。 平均掲載順位が30位台から20位台へ上がっている段階では、クリックはほとんど発生しません。それでも前進しています。クリックだけを見ていると、この期間を丸ごと「成果ゼロ」と判定してしまいます。
生成AIで作ること自体は問題になりません。 Google は生成 AI コンテンツに関するガイダンスで、制作手段ではなくコンテンツの品質で評価すると明示しています。問題になるのは「AIで作っているから」ではなく、検索順位のためだけに量産され、読み手に価値を提供していない場合です。代行を評価するときも、手段ではなく中身と工程を見てください。
相手を責める形で話を始めない。 成果が出ない原因の多くは、発注内容が初期のまま更新されていないことにあります。条件と設計の問題として整理して渡すほうが、結果的に早く改善します。
いまの数字を見て、どの指標が止まっているのか、続けるべきか条件を変えるべきかを一緒に切り分けるところからでも承ります。特定の代行会社の評価はいたしませんが、Search Console の画面を見ながら判断材料を整理することはできます。
よくある質問
AIブログ代行の成果は何ヶ月目に判断すればよいですか?
指標ごとに時期を変えます。3〜4ヶ月目は表示回数が右肩上がりかどうか、5〜6ヶ月目は平均掲載順位と1記事あたりの表示回数、7〜9ヶ月目は社名を含まないクエリからのクリックと商用ページへの遷移、10〜12ヶ月目で記事経由の問い合わせを見ます。3ヶ月目にクリック数で判断すると、育ちかけた記事まで止めることになります。
代行の問題か、テーマの問題かはどう切り分けますか?
納品されたキーワード一覧のうち、公開から90日以上経っても表示回数が一桁の記事が何割あるかを見ます。半数を超えるならキーワード設計の工程に検証が入っていない状態です。表示回数はあるのに商用ページへ1件も流れない場合は、テーマが用語説明に寄っていて次の行動が存在しない導線の問題です。
条件を変えさせるとき、何を伝えればよいですか?
判断の根拠となった期間と指標と実数、本数をいくつからいくつに減らしてどの型へ振り替えるか、着地ページのURL、そしていつ何の指標で再評価するかの4点です。「成果が出ていないので改善してほしい」だけでは相手が動けず、次も同じ議論を繰り返します。
乗り換えるとき、既存の記事は作り直すべきですか?
全面的な作り直しは避けてください。表示回数を持っている記事まで書き換えると、そこまでの評価がリセットされます。作り直すなら表示回数がゼロに近い記事から順に対象を絞ります。また、乗り換え前にキーワード台帳や執筆指示が自社側に残るかを確認してください。相手のアカウント内にしか無いことがあります。
AIで書いていること自体が順位に不利になりますか?
なりません。Googleは生成AIコンテンツに関するガイダンスで、制作手段ではなくコンテンツの品質で評価すると明示しています。問題になるのは、検索順位のためだけに量産され読み手に価値を提供していない場合です。代行を評価するときも手段ではなく中身と工程を見てください。