Mihata
AI活用2026.09.10

カーナビの時計がずれる原因と直し方|車の時刻合わせ

カーナビやディスプレイオーディオの時計が数分ずれている。バッテリー交換後に時刻も日付も初期値に戻った。GPSで自動的に合うはずなのに直らない——車の時計は、見た目は同じ「ずれ」でも原因がまったく別のところにあります。

先に結論です。車の時計には「GPSで自動的に合うタイプ」と「手動で合わせるタイプ」があり、どちらかを見分けるのが最短ルートです。自動タイプなら原因のほとんどはGPSを受信できていないことで、空が開けた場所にしばらく停めれば戻ります。手動タイプなら設定メニューから合わせるだけです。それでも直らない、日付が何年もずれているなら、受信機側の「週数ロールオーバー」や配線・機器の問題が疑われ、販売店や整備工場に相談する段階です。なおメニュー名はメーカー・機種で大きく異なるため、公式サポートで確認できた表記だけを具体名として挙げます。

症状から原因を切り分ける

設定を触る前に「どんなずれ方か」を見てください。ずれ幅と、いつからずれたかの2点で原因はかなり絞り込めます。下の表で自分の症状に近い行を見つけてから、対応する章へ進んでください。

症状

考えられる原因

まず試すこと

数分ずれたまま直らない

GPSを受信できていない(自動補正が働いていない)

空の開けた場所でエンジンをかけたまま数分待つ

立体駐車場・トンネルの多い日だけずれる

一時的な受信不良

屋外を走行して自動補正されるか確認

バッテリー交換後に時刻・日付がリセットされた

電源が切れて内部時計が初期化された

GPS受信で戻るか確認。戻らなければ手動設定の可否を確認

ちょうど1時間ずれる

時差(オフセット)設定や地域設定の不一致

設定画面の時差・オフセット項目を確認

日付が何年も前・未来になっている

GPS受信機の週数ロールオーバーの可能性

機種のソフトウェア更新情報を確認し、販売店に相談

ドラレコやレーダー探知機を付けてからずれ出した

後付け機器によるGPS受信への干渉

機器の取り付け位置を離してみる

そもそも自動で合った記憶がない

手動設定タイプの時計

取扱説明書で時計設定メニューを探す

前提として、パソコンやスマホがインターネット越しに時刻サーバーと同期するのに対し、カーナビは衛星から降ってくる時刻情報を受け取ります。同じ「時計がずれる」でも仕組みが違うので、対処も変わります。パソコン側のずれで困っている方はパソコンの時計がずれる原因と直し方を、スマホならスマホの時計がずれるときの確認手順を参考にしてください。

なぜGPSで時計が合うのか(そして合わないのか)

カーナビの時計が「勝手に合う」のは、測位衛星が時刻そのものを電波に乗せて送っているからです。内閣府の準天頂衛星システム「みちびき」の公式資料では、QZSS時刻とGPS時刻のオフセットは2.0ns(95%)、UTC(NICT)とのオフセットは40ns(95%)以下という仕様が示されています。つまりずれているのは衛星側ではなく、ほぼ確実に受信側です。

GPS時刻はうるう秒を入れない連続した時計

GPSが刻む時刻(GPS時刻)は、日本標準時とまったく同じものではありません。GPS時刻は1980年1月6日0時0分0秒(UTC)を起点とし、国際原子時と同じくうるう秒を挿入しない連続した時刻系です。一方、日本標準時のもとになる協定世界時(UTC)はうるう秒で調整されるため、両者には秒単位の差が生まれ続けており、機器側はその差を補正して画面に出しています。

日本標準時そのものは、情報通信研究機構(NICT)が複数の原子時計を使って生成・維持しています。カーナビはその体系につながる時刻情報を衛星経由で受け取っている、というのが全体像です。Web上のリアルタイム時計で秒まで確認する方法を知っておくと、車の時計とのずれを客観的に測れます。

日付ごと大きく狂う「GPS週数ロールオーバー」

「時刻は近いのに、日付が19年ほど前になっている」——これはGPS週数ロールオーバーという既知の現象の可能性があります。GPS信号は日付を「週番号+その週の秒数」で表しており、内閣府みちびき公式サイトの解説によれば、従来の信号では週番号に10ビットしか割り当てられておらず、0〜1023週で一巡して0に戻るため、約19.6年ごとにゼロ復帰が起こります。実際に1999年8月と2019年4月7日(日本時間)に発生しました。

国土地理院も、2023年8月20日以降の観測で一部のGNSS受信機にロールオーバー状態が確認されたと情報提供しています。これは利用者が設定で直せる不具合ではありません。機種のソフトウェア更新情報を確認したうえで、販売店や整備工場に相談してください。

まず試す3つのステップ

設定メニューを探す前に、受信環境を整えるだけで直るケースが相当あります。パナソニックのストラーダやゴリラの公式FAQでも、時刻表示はGPS情報にもとづくもので手動変更に対応しておらず、受信状態の良い場所でしばらく待って修正されるか試すことが案内されています。

ステップ1:空の開けた場所で数分待つ。トンネルの中、高層ビルの谷間、高架下、樹木の下ではGPS電波を受信しにくくなります。屋根のない駐車場など空が広く見える場所で、電源を入れたまま数分置いてください。

ステップ2:受信状態を画面で確認する。ストラーダ(2020年モデル以前)は「MENU」→「情報・設定」→「情報」→「GPS情報」、2021年モデル以降は「トップメニュー」→「情報・設定」→「ナビ情報・設定」→「GPS情報」で捕捉数を確認できます。ゴリラは「メニュー」→「情報」→「GPS情報」です。名称は機種で異なるので、取扱説明書で「GPS情報」に相当する画面を探してください。

ステップ3:後付け機器と配線を疑う。GPS付きドライブレコーダーやレーダー探知機がGPSアンテナの近くにあると受信を妨げることがあり、パナソニックの公式FAQでも干渉機器の位置変更とアンテナ取付位置・配線接続の確認が挙げられています。ただし内装の分解や配線の付け外しはエアバッグ等の安全装備に触れる可能性があります。自信がなければ販売店や整備工場に依頼してください。

メーカー別の設定手順(名称は機種で異なります)

同じメーカーでも、標準装着ナビとディーラーオプションナビでは手動調整の可否が違います。以下は各社の公式サポート・取扱説明書で確認できた表記のみを挙げます。掲載のないメーカーは、憶測で書くと誤操作につながるため公式の取扱説明書を参照してください。

トヨタ

公式FAQによれば、手動調整に対応するのは標準装着・メーカーオプションのナビ/ディスプレイオーディオで、販売店装着オプションナビは対象外です。コネクティッドナビ対応機では、GPSを使ったまま補正するなら「共通設定」→「日付 時刻」→「オフセット」で「∧」「∨」を、GPSを使わず手動で設定するなら「共通設定」→「日付 時刻」で「GPS時刻設定」をOFFにします。その他の機種は「MENU」→「設定・編集」→「共通設定」→「時計調整」です。これに当てはまらない機種は手動調整ができず、販売店へ相談するよう案内されています。

日産

純正ナビの取扱説明書では、設定スイッチを押して「時計」を選び、「常時表示」「24時間表示」「オフセット調整」を設定します。オフセット調整は1分単位です。時刻はGPSによりほぼ正確に表示される旨が明記されており、車種によっては「その他の設定」→「時計」から設定する場合があるとされています。

ホンダ

取扱説明書では機種によって扱いが分かれます。インターナビシステム装備車は「時刻は人工衛星からの情報を利用していますので、時刻合わせは不要です」と記載。非装備車は「時計/車両設定」からTRIPスイッチで「時計設定」に入り、インフォメーションスイッチで「時」「分」を合わせます。Honda e のセンターディスプレイは「アプリ一覧」→「本体設定」→「システム」→「日付と時刻」で自動/手動を選べ、GPSにもとづく時刻でも数秒の誤差が生じる場合があると注記されています。

パナソニック(ストラーダ/ゴリラ)

市販ナビのストラーダとゴリラは、公式FAQで手動での時刻変更に対応していないと明記されています。時刻表示はGPS情報にもとづき、受信すると自動修正されます。地図画面の方位マークの背景色(20年モデル以前は黄色、21年モデル以降は白色、ゴリラは緑色)で測位中かを判断できます。

公式手順を確認できなかった機種

今回、パイオニア(carrozzeria)とケンウッド(彩速ナビ)は、時刻ずれに関する公式サポート記事を確認できませんでした。推測での手順は記載しません。型番で公式サイトの取扱説明書を検索し、「GPS情報」「時計」「時刻」に相当する項目を確認してください。

車の時計が直るまでの「つなぎ」と、時計を見る場所を分ける

整備の予約待ちで時計がずれたままになるときは、時刻の基準を車内の時計に置かないという割り切り方もあります。Mihata が公開している集中時計は、ブラウザで開くだけで使える全画面のデジタル時計とタイマーです。インストールも会員登録も不要なので、駐車中のスマートフォンや自宅・オフィスのパソコンで開いておけば、大きな数字で時刻を確認できます。

ただし制約は正直に書いておきます。集中時計が表示しているのは、開いている端末のOSが持っている時刻です。正確な時刻を配信しているわけではないので、端末側がずれていれば集中時計もずれます。使う前に端末側で時刻の自動設定が有効かを確認してください。また運転中にスマートフォンを操作・注視する使い方はおすすめしません。停車中に限ってください。

用途としては、車を降りたあとの時間管理に向いています。待ち時間を区切るならポモドーロタイマー、納車待ちや点検待ちの時間を勉強にあてるなら勉強タイマーが使えます。据え置きで大きく表示したい場合は全画面時計をPCで大きく表示する方法テレビを時計として使う方法もまとめています。秒まで見えるようにしたい方は時計に秒を表示する設定が参考になります。

バッテリー交換・ヒューズまわりで時刻が飛んだとき

バッテリーを外すと車両の電源が完全に落ち、ナビの内部時計が初期化されることがあります。GPS受信で自動復帰する機種なら、走り出して衛星を捕捉した時点で戻ります。戻らない場合は手動設定タイプか、別の要因があるということです。

注意点として、バッテリー交換後は時計以外にも初期化される設定があります。機種によってはセキュリティコードの入力が必要になります。ヒューズの抜き差し、内装の取り外し、GPSアンテナの配線作業は、感電・ショート・安全装備に関わる可能性があるため、この記事では手順を案内しません。不安があれば必ず販売店や整備工場に相談してください。

それでも直らないときの相談先

ここまで試しても直らない場合の切り分けはこうです。GPS情報画面で捕捉数が常にゼロならアンテナ・配線・受信部の問題、捕捉できているのに時刻が合わないなら機器側のソフトウェアの問題(週数ロールオーバーを含む)が疑われます。いずれも設定で解決できる範囲を超えているので、型番と症状(ずれ幅・いつから・GPS捕捉数)を控えて、販売店や整備工場、ナビメーカーの窓口に相談してください。

Mihata では、こうした「調べれば分かるはずなのに時間だけ溶ける」作業をAIで肩代わりする仕組みづくりをお手伝いしています。社内マニュアルの整理や問い合わせ対応の自動化など、身近なところからご相談ください。

よくある質問

カーナビの時計は手動で合わせられますか?

機種によります。トヨタの公式FAQでは標準装着・メーカーオプションのナビは「共通設定」→「日付 時刻」などから調整でき、販売店装着オプションナビは対象外とされています。一方、パナソニックのストラーダやゴリラは公式に手動変更へ対応しておらず、GPS受信で自動修正される仕様です。まずお使いの機種の取扱説明書で、時計設定の項目があるかを確認してください。

GPSで自動補正されるはずなのに、何日たっても合いません。

GPSを受信できていない可能性が高いです。トンネル、高層ビルの谷間、高架下、樹木の下では受信しにくくなるため、空が開けた場所にとめて数分待ってみてください。GPS情報画面で捕捉数がゼロのままなら、後付け機器の干渉やアンテナ・配線の問題が疑われます。配線に触れる作業は販売店や整備工場に相談してください。

日付が20年近く前になっています。故障でしょうか?

GPS週数ロールオーバーの可能性があります。GPS信号は週番号に10ビットしか割り当てておらず、0〜1023週で一巡して0に戻るため、約19.6年ごとにゼロ復帰が起こります(内閣府みちびき公式サイト)。国土地理院も一部の受信機でロールオーバー状態が確認されたと情報提供しています。設定では直せないため、機種のソフトウェア更新情報を確認のうえ販売店へご相談ください。

バッテリーを交換したら時刻がリセットされました。何をすればいいですか?

GPS受信で自動復帰する機種なら、屋外を走行して衛星を捕捉すれば戻ります。戻らない場合は手動設定の可否を取扱説明書で確認してください。なお、バッテリー交換では時計以外の設定も初期化されることがあり、セキュリティコードの入力が必要になる機種もあります。ヒューズや配線に関わる作業は行わず、販売店や整備工場にご相談ください。

車の時計とスマホの時計が違います。どちらが正しいですか?

一概には言えません。日本標準時は情報通信研究機構(NICT)が原子時計で維持しており、スマートフォンは回線やインターネット経由でこれに近い時刻へ同期します。カーナビは衛星から受け取った時刻を使います。どちらもずれる可能性があるため、両方が自動設定になっているかを確認したうえで、秒まで確認できる時刻サイトと突き合わせるのが確実です。

まずはお気軽にご相談ください

AI・IT・デザインに関するお悩みやご相談、お見積りのご依頼など、
どんなことでもお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ