「今、正確には何時何分何秒なのか」を秒まで見たいとき、ブラウザで開くだけのリアルタイム時計は手軽な選択肢です。ただ、多くの人が誤解している点がひとつあります。Webのリアルタイム時計は、正確な時刻をサーバーから配信しているわけではありません。
結論から書きます。Webのリアルタイム時計が表示しているのは、あなたが今見ている端末(OSの内蔵時計)の時刻を、1秒に1回のペースで描き直したものです。JavaScript が読み取る現在時刻(Date.now())は、1970年1月1日 UTC からの経過ミリ秒を端末から取得する値であり、時刻の出どころは端末そのものです。つまり端末の時計がずれていれば、Web時計も同じだけずれます。正確さを担保する手順は2つだけです。(1) 端末の時刻自動同期をオンにする、(2) 秒まで表示できるツールで確認する。この記事はその2つを順番に説明します。

リアルタイム時計とは何を表示しているのか
「リアルタイム時計」という言葉は、Webでは主に「秒が止まらず動き続ける時計表示」を指して使われます。ページを開いている間ずっと、1秒ごとに表示が更新される時計のことです。組み込み機器の分野では基板上の時計回路(RTC)を指しますが、検索でこの言葉が使われる場面のほとんどは前者です。
時刻の出どころは「サーバー」ではなく「あなたの端末」
Webページ上の時計は、ブラウザで動くJavaScriptが端末の現在時刻を読み取り、画面の文字を書き換えることで動いています。読み取りに使われるのが上記の Date.now() 相当の値で、これはOSが持っている時計を読んでいるだけです。時刻をサーバーへ問い合わせているわけではありません。
これは自社ツールも例外ではありません。Mihataが公開している集中時計(mihata.jp/clock)も、実装としては端末の現在時刻を1秒間隔で取得して表示を更新しています。「Webで開いたから正確になる」わけではないという点は、正直にお伝えしておきます。したがって「このサイトの時計は合っているのか」という問いの答えは、「貴社の端末の時計が合っているかどうかで決まる」になります。
なぜ端末の時計はずれるのか
PCやスマホの内蔵時計は水晶振動子で動いており、そのままでは少しずつ誤差が積み上がります。これを補正しているのがネットワーク経由の時刻同期(NTP)です。日本標準時(JST)を決めている情報通信研究機構(NICT)も、公開NTPサービス(ntp.nict.jp)を提供しています。ただし同ページでも、インターネット経由の配信は利用者の通信環境によって精度が変動し保証はできない旨が明記されています。ミリ秒単位の厳密さが必要な業務では、Webの時計表示を根拠にしないのが安全です。
逆に言えば、日常用途(何時何分何秒かを人が目で確認する)であれば、時刻自動同期がオンになっている端末+秒表示のWeb時計で十分に実用的です。ずれの原因と直し方はパソコンの時計がずれる原因と直し方とスマホの時刻がずれるときの対処で個別に整理しています。
秒まで表示できるWebのリアルタイム時計の選び方
Web時計はどれも「端末の時刻を映す」点は同じなので、比較すべきは正確さではなく見やすさと使い勝手です。用途に対して次の6項目を確認すると、選び直しが起きにくくなります。
判断軸 | 確認するポイント | これが要る場面 |
|---|---|---|
秒表示 | 秒までON/OFFで切り替えられるか | チケット争奪・試験・配信の秒合わせ |
全画面表示 | ブラウザのUIを消して時計だけにできるか | 受付サイネージ・サブディスプレイ常設 |
文字サイズ・色 | 離れた席から読める大きさに変えられるか | 会議室・教室・店舗の掲示 |
タイムゾーン | 都市を選んで別地域の時刻を出せるか | 海外拠点との会議・海外発売の時刻確認 |
インストール要否 | URLを開くだけで使えるか | 共用PC・貸与端末でソフトを入れられない場合 |
オフライン可否 | 通信が切れても表示が続くか | 回線が不安定な現場 |
なお時計の表示自体は端末時計を読んでいるだけなので、ページを開いた後に通信が切れても秒は進み続けます。オフラインで問題になるのは天気表示など通信を伴う付加機能のほうです。複数都市を並べたい場合は世界時計を複数タイムゾーンで無料で見る方法にまとめています。
Mihataの集中時計も、上の6項目を意識して作っています。ブラウザで開くだけの全画面時計で、無料・インストール不要。設定から秒表示のON/OFF、文字サイズ、フォント、文字色、背景を変えられ、世界の都市を選んでタイムゾーンを切り替えられます。Fキーで全画面になり、PWAとしてインストールしておくこともできます。同じ画面からポモドーロ、タイマー、ストップウォッチ、勉強記録も使えます。合う・合わないはあると思いますので、まずは開いて秒表示だけ確かめていただければ十分です。
表示が「ずれている」ときの直し方
Web時計の表示がテレビや電波時計と食い違うときは、サイト側ではなく端末の時刻自動同期を確認します。以下は各OSの公式ヘルプに沿った要点です。メーカーやバージョンによって項目名が異なる場合があるため、見つからなければ設定内の検索で「日付と時刻」と入力してください。
Windows
[スタート]→[設定]→[時刻と言語]→[日付と時刻]を開き、「時刻を自動的に設定する」をオンにします。同じ画面にタイムゾーンの自動設定と、手動で同期をやり直すボタンがあります。この画面にはタスクバーの時計に秒を表示する設定も用意されているため、ブラウザを開かずに秒を見たい場合はこちらでも足ります(Microsoft サポート)。
Mac
システム設定アプリを開き、サイドバーの「一般」→「日付と時刻」を選びます。「日付と時刻を自動的に設定」をオンにし、必要に応じて「設定」からネットワークタイムサーバを指定します。あわせて「現在の位置情報に基づいて、時間帯を自動的に設定」もオンにしておくと、移動時のタイムゾーンずれを防げます(Apple サポート)。
iPhone・iPad
[設定]→[一般]→[日付と時刻]を開き、「自動設定」をオンにします。標準では自動設定が有効なため、ここがオフになっている場合は過去に手動へ切り替えた可能性があります。タイムゾーンが実際の滞在地と違っていないかも同じ画面で確認してください。
Android
設定アプリの「日付と時刻」(機種により「システム」の中)を開き、日時の自動設定とタイムゾーンの自動設定をオンにします。メーカーによって項目名と階層が変わるため、詳細はGoogle公式ヘルプ「時刻、日付、タイムゾーンを設定する」を確認するのが確実です。
自動同期をオンにしても直らない場合は、社内ネットワークがNTPの通信を遮断している、あるいはBIOS電池の消耗といった別要因が疑われます。OSの時計に秒を出す設定そのものは時計に秒を表示する方法(Windows・Mac)で手順を追って説明しています。
用途別の使い分け
チケット争奪・受付開始時刻に合わせる
販売開始の瞬間に合わせたい場合、必要なのは「秒が読めること」と「端末の時計が合っていること」の両方です。前述のとおりWeb時計は端末時計を映すだけなので、先に自動同期をオンにしてから秒表示の時計を別ウィンドウに置くのが順序として正しくなります。なお販売サイト側のサーバー時刻と端末時刻が完全一致する保証はないため、時計はあくまで目安として扱ってください。
受験勉強・在宅ワークの時間管理
時刻確認より「あと何分か」を見たい用途です。この場合はリアルタイム時計より、タイマーやポモドーロのほうが向いています。スマホを机に出さずに済むよう、PCのブラウザで全画面表示にしておくと集中を切らしにくくなります。
配信・イベント運営
配信画面に時刻を出す、進行席で秒を共有するといった用途では、全画面表示と文字サイズの調整が効きます。複数拠点をつなぐ場合はタイムゾーン切り替えのある時計を使い、拠点ごとの現地時刻を並べて確認します。
受付・店舗のサイネージ
余っているタブレットや古いPCをスタンドに立て、ブラウザで時計を全画面にするだけで簡易サイネージになります。インストール不要のWeb時計が最も向いているのはこの用途で、端末を入れ替えてもURLを開き直すだけで復旧できます。
まとめ
Webのリアルタイム時計は「正確な時刻を配信する装置」ではなく、端末の時計を秒単位で見やすく映す表示装置です。だからこそ、正確さは端末の自動同期で担保し、見やすさはツールの機能で選ぶ、という二段構えになります。この順番さえ押さえておけば、「サイトによって時刻が違う」という混乱は起きません。
社内の受付表示やイベント運営の画面づくりなど、業務での使い方でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Webのリアルタイム時計は正確な時刻を配信しているのですか?
いいえ。Web上の時計は、閲覧している端末(OS)の内蔵時計を読み取り、1秒ごとに表示を書き換えているだけです。時刻の出どころは端末なので、端末の時計がずれていれば同じだけずれて表示されます。
サイトによって表示時刻が違うのはなぜですか?
同じ端末で見ている限り、表示の元になる時刻は同一です。違って見える場合は、タイムゾーンの設定が異なる、更新間隔や秒の切り上げ・切り捨ての扱いが違う、といった表示側の差である可能性が高いです。
時計がずれているときはどこを直せばよいですか?
OSの時刻自動同期をオンにします。Windowsは[設定]→[時刻と言語]→[日付と時刻]、Macはシステム設定の「一般」→「日付と時刻」、iPhoneは[設定]→[一般]→[日付と時刻]、Androidは設定内の「日付と時刻」から自動設定を有効にしてください。
ミリ秒単位の厳密な時刻が必要な業務にも使えますか?
向きません。インターネット経由の時刻同期は通信環境で精度が変動し、NICTの公開NTPサービスでも精度の保証はされていません。厳密な時刻証明が必要な場合は専用のタイムスタンプサービス等をご検討ください。
Mihataの集中時計はインストールが必要ですか?
不要です。ブラウザでmihata.jp/clockを開くだけで使えます。無料で、秒表示のON/OFF、文字サイズ・フォント・文字色・背景の変更、世界の都市によるタイムゾーン切り替えに対応しており、PWAとしてインストールしておくこともできます。