結論:会社概要ページそのものに法的な記載義務はない。義務は「事業の中身」に付いてくる
先に答えを書きます。日本の法律に「ホームページに会社概要ページを置き、これこれを書きなさい」という条文はありません。義務が発生するのは、ページの名前ではなく事業の中身のほうです。たとえばインターネットで商品やサービスを販売するなら特定商取引法第11条の対象になり、消費者庁は広告に表示すべき事項を13項目に整理しています。会社概要ページに何を書くかは、この「法律で決まる部分」と「自分で決める部分」を分けて考えると、迷わなくなります。
その上で実務的な結論はこうです。会社概要ページは、法定表記の置き場所ではなく「この会社と取引しても大丈夫か」を判断させるページとして設計する。取引先の与信担当、採用候補者、そして検索エンジンの3者が、同じページを別の目的で読みにきます。3者が探している情報は重なる部分が多いので、1枚でまかなえます。
この記事では、載せるべき項目の切り分け、業種ごとに追加で必要になる法的表記、Googleが実際に「About us ページを見る」と書いている箇所、BtoBとBtoCでの重み付けの違い、そしてよくある失敗を、判断できる形で整理します。
会社概要ページは、誰が何を確かめに来るのか
項目を決める前に、読み手を決めます。会社概要は「なんとなく置くページ」になりがちですが、実際にアクセスしてくる人の目的はかなりはっきりしています。
1. 取引先・仕入先の与信担当
新規に取引を始めるとき、相手企業の担当者は稟議書を通すために会社概要を開きます。見ているのは商号の正式表記、本店所在地、設立年、資本金、代表者名、従業員数、主要取引先、取引銀行あたりです。ここで「商号がロゴ画像だけで書かれていて、テキストで拾えない」「所在地が市までしか書かれていない」といった状態だと、そのまま稟議に貼れず、相手の手間が増えます。
とくに商号と本店所在地は、国税庁の法人番号公表サイトで誰でも照合できます。同サイトは登記情報をもとに、商号又は名称・本店又は主たる事務所の所在地・法人番号の3つを「基本3情報」として公表しています。自社サイトの表記と登記の表記がずれていると、照合した相手に「別会社かもしれない」と思わせてしまうので、株式会社の前株・後株、丁目番地のハイフン表記まで登記に合わせるのが無難です。
2. 採用候補者とその家族
求人媒体から会社名で検索して会社概要にたどり着く人は多く、ここで見られているのは「何年続いているか」「何人いるか」「どんな仕事をしているか」「どこにあるか」です。求人票には書ききれない部分を補う場所として機能します。
加えて、2026年4月1日施行の改正女性活躍推進法により、常時雇用する労働者が101人以上の企業には、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が新たに義務付けられます。厚生労働省は公表の場として「女性の活躍推進企業データベース」を最も適切としつつ、自社のホームページへの掲載等でも差し支えないとしています。該当する規模の会社は、会社概要から公表先へ導線をつなぐ設計をあらかじめ考えておくと後で慌てません。
3. 検索エンジンと、その先の生成AI
Googleは検索品質評価ガイドラインの中で、評価者に対して「About us ページを起点に、そのサイトや制作者が信頼できる情報源かどうかを見る」よう指示しています。同ガイドラインには "Look at the 'About us' page on the website or profile page of the content creator as a starting point." という一文があります。会社概要は、サイト全体の信頼性を説明する「根っこ」として読まれているわけです。
会社名で検索しても自社サイトが出てこない場合は、会社概要の内容以前にインデックスの問題が起きていることがあります。原因の切り分け方はホームページが検索に出ない|公開後の原因切り分け6手順にまとめてあるので、そちらを先に確認してください。
必ず載せる項目・載せると効く項目・載せなくてよい項目
ここからが本題です。会社概要に並べる項目を、3つに仕分けます。「必須」は法的義務という意味ではなく、無いと読み手の目的が達成できないという意味です。
項目の仕分け表
項目 | 仕分け | 書き方の注意 |
|---|---|---|
商号(正式名称) | 必須 | 登記どおり。前株・後株、旧字体まで一致させる。ロゴ画像だけにせずテキストで書く |
本店所在地 | 必須 | 郵便番号+建物名・階数まで。支店があるなら本店を明示 |
電話番号 | 必須 | 市外局番から。受付時間も併記すると問い合わせの空振りが減る |
代表者名 | 必須 | 役職+氏名。読み仮名を添えると採用・営業の場面で助かる |
設立年月日 | 必須 | 創業と設立が違う会社は両方書き、どちらがどちらか明記する |
事業内容 | 必須 | 定款の文言をそのまま貼らない。実際にやっている仕事を3〜6行で |
資本金 | 推奨(BtoBは実質必須) | 与信で見られる。少額でも書かないより書いたほうが判断材料になる |
従業員数 | 推奨 | 基準日を添える(例:2026年4月1日現在)。少人数でも隠さない |
法人番号 | 推奨 | 13桁。照合の手間が消えるので与信担当に喜ばれる |
沿革 | 推奨 | 年表形式。1行1出来事。埋まらないなら無理に作らない |
取引銀行・主要取引先 | 推奨(BtoB) | 取引先名は必ず先方の許諾を取る |
許認可・登録番号 | 業種により必須 | 建設業許可、古物商許可、派遣事業許可など。次章参照 |
加盟団体・認定 | 任意 | 商工会議所、ISO、えるぼし等。数を並べるより1つを説明する |
アクセス(地図) | 任意 | 来訪がある業種のみ。埋め込み地図は表示速度を下げるので静止画+リンクでも足りる |
個人の携帯番号・自宅住所 | 原則載せない | 自宅兼事務所の場合の扱いは後述 |
売上高 | 任意 | 公表するなら毎年更新する前提で。1年でも止まると逆効果 |
迷いやすいのが「創業」と「設立」です。個人事業として始めた年が創業、法人登記した年が設立で、両者が10年離れている会社も珍しくありません。片方だけ書くと歴史が短く見えるか、あるいは登記と食い違って見えるかのどちらかになるので、両方を並べて書くのが安全です。
法的表記は「会社概要」ではなく「事業の中身」で決まる
ここが一番混同されるところです。「特定商取引法に基づく表記」を会社概要と同じものだと思っている方が多いのですが、まったく別の制度です。順に整理します。
事業内容別・追加で必要になる表記
事業の中身 | 根拠 | ウェブサイトに書く必要があるか |
|---|---|---|
通信販売(ネット通販・オンラインサービスの申込受付) | 特定商取引法第11条 | あり。事業者の氏名・住所・電話番号を含む所定事項を広告に表示(一部は請求時提供を条件に省略可) |
古物商(中古品の売買) | 古物営業法第12条第2項(令和6年4月1日施行) | あり。氏名又は名称・許可をした公安委員会の名称・許可証の番号。ただし免除規定あり |
労働者派遣事業 | 労働者派遣法第23条第5項・派遣元指針 | あり。事業所ごとのマージン率等を「事業所への書類の備付け、インターネットの利用その他の適切な方法」で提供 |
建設業 | 建設業法第40条 | ウェブサイトへの義務はない。店舗と工事現場に標識を掲示する義務 |
常時雇用101人以上の企業 | 女性活躍推進法(2026年4月1日施行) | 公表義務あり。厚労省データベースが最適とされ、自社サイト掲載も可 |
個人情報取扱事業者 | 個人情報保護法第32条 | サイト掲載は必須ではない。問合せ窓口で応じる形でも足りる |
上記に当てはまらない一般の会社 | — | 会社概要ページに法的な記載義務はない |
通信販売をするなら特定商取引法第11条
特定商取引法第11条は、通信販売をする事業者が広告をするときに表示すべき事項を定めています。消費者庁の解説では、販売価格(送料を含む)、代金の支払時期・方法、商品の引渡時期、事業者の氏名・住所・電話番号、法人の場合の代表者名、契約の申込みの撤回や解除に関する事項など、13項目に整理されています。
ここで押さえておきたい点が3つあります。
- 対象は「通信販売をする事業者」です。実店舗だけで商売している会社や、サイトが会社紹介のみで申込機能を持たない会社は、この条文の対象になりません。
- 「特定商取引法に基づく表記」というページ名は法律で決められたものではありません。法律が求めているのは所定事項を広告に表示することであって、ページの名前ではありません。実務上この名前が定着しているだけです。
- 屋号やサイト名だけでは足りません。消費者庁の通信販売広告Q&Aは、個人事業者であっても戸籍上の氏名又は商業登記簿に記載された商号を表示する必要があるとし、通称や屋号、サイト名のみの表示は認められないとしています。住所についても「現に活動している住所」、電話番号は「確実に連絡が取れる番号」が求められます。
なお第11条には省略規定があり、消費者の請求により所定事項を記載した書面や電磁的記録を遅滞なく提供する旨を広告に表示する場合、一部の表示を省略できます。ただしこの「遅滞なく」は、消費者が申込みの意思決定をする前に十分な時間的余裕をもって提供されることを意味します。個人事業でどうしても自宅住所を出したくない場合の逃げ道になりますが、「請求があれば遅滞なく開示する」という運用体制とセットでなければ成立しません。バーチャルオフィスの住所を使う場合も、当該事業者との合意と確実な連絡体制があることが前提です。
古物商は2024年4月からウェブサイトへの掲載が義務になった
中古品を売買する事業者にとって、ここは新しく変わった点です。警視庁の解説によれば、古物営業法第12条第2項により、古物商又は古物市場主は、氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号を、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならないとされました。令和6年(2024年)4月1日施行です。
ただし施行規則により、常時使用する従業員が5人以下、またはウェブサイトを有していない場合は、この掲載義務が免除されます。一方で、インターネットを使って取引を行う古物商(特定古物商)は、この免除規定にかかわらず掲載が必要です。つまり「小さな会社だから関係ない」と判断できるのは、ネットで古物取引をしていない場合に限られます。掲載にあたっては、消費者の目につきやすい箇所に明瞭に掲載することが求められています。会社概要ページの下部か、フッターから常時リンクしておくのが実務上わかりやすい形です。
個人情報保護法の「公表事項」は、必ずしもサイトに書かなくてよい
個人情報取扱事業者は、法第32条第1項により、事業者の氏名又は名称・住所・法人の場合は代表者の氏名などを「本人の知り得る状態」に置く必要があります。ここで誤解されがちなのですが、個人情報保護委員会のFAQは「必ずしもホームページに掲載しなければならないわけではありません」と明記しており、問合せ窓口を設けて口頭又は文書で遅滞なく回答する体制でも足りるとしています。
とはいえ、問い合わせのたびに個別対応するより、プライバシーポリシーと会社概要に書いてしまうほうが手間がかかりません。義務だから書くのではなく、運用コストが下がるから書く、という理解が正確です。
建設業の許可票はウェブサイトの義務ではない
混同されやすいので触れておきます。建設業法第40条が求めているのは、店舗と、発注者から直接請け負った建設工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所へ標識を掲げることです。ウェブサイトへの掲示義務ではありません。
ただし許可番号を会社概要に書くこと自体は、営業上きわめて有効です。発注者側が業者を比較するとき、許可の有無と業種区分は最初のふるいになるからです。義務ではないが書いたほうが得をする、という典型例だと考えてください。
E-E-A-T:Googleは「誰が責任者か」を実際に見にきている
SEOの文脈で会社概要が語られるとき、根拠が曖昧なまま「E-E-A-Tのために会社概要を充実させましょう」と言われがちです。実際にGoogleが公開している文書には、もう少し具体的な記述があります。
検索品質評価ガイドラインの記述
Googleが評価者向けに公開している検索品質評価ガイドラインには、2.5.3として「Finding About Us, Contact Information, and Customer Service Information」という節が置かれています。要点は次のとおりです。
- 必要な連絡先情報の種類と量は、サイトの種類によって変わる("The types and amount of contact information needed depend on the type of website.")。ユーモアサイトにオンラインバンキング並みの情報は求めない、と明記されています。
- お金を扱うサイト(店舗、銀行、カード会社など)では、連絡先情報とカスタマーサービス情報がきわめて重要("extremely important")とされています。
- 個人情報・機微な情報を扱うサイトは、広範な連絡先情報を提供しなければならない("Any site that handles personal, private or sensitive data must provide extensive contact information.")。
- 決済機能を持つページは、カスタマーサービス情報や連絡先情報が不十分であればLow評価を受けうる、とされています。
- 評価者は連絡先を探すときトップページから始める("start with the homepage")と指示されています。
ここから引ける実務的な結論は明快です。会社概要へのリンクをトップページとフッターに常時置く。決済や個人情報を扱うなら、連絡先を厚くする。それ以外の会社は過剰にしなくてよい。「全社が同じレベルで会社概要を充実させるべき」という話ではありません。
著者情報とのつながり
Googleの「価値あるコンテンツの作成」ガイドは、コンテンツの著者が誰であるかを明確にしているか、ページの然るべき場所にバイラインを記載しているかを問うています。そして、著者情報が求められるコンテンツではバイラインの記載を強く推奨し、そのバイラインが著者のバックグラウンドや専門分野の情報につながっていることを求めています。
つまり会社概要ページは、ブログ記事の著者プロフィールの着地点にもなります。コラムを書いている会社なら、記事の著者名から会社概要(あるいは個人プロフィール)へリンクを通しておくと、この要求を素直に満たせます。
BtoBとBtoCで、重視される項目は変わる
同じ会社概要でも、読み手が法人か消費者かで重み付けが違います。両方に全力を注ぐと冗長になるので、自社の主戦場に寄せてください。
項目 | BtoB(法人取引が主) | BtoC(一般消費者が主) |
|---|---|---|
資本金 | 高(与信・稟議の判断材料) | 低(ほぼ見られない) |
設立年・沿革 | 高(継続性の証明) | 中(安心材料として効く) |
従業員数 | 高(発注ロットの目安になる) | 低 |
主要取引先・取引銀行 | 高(実績の裏付け) | 低 |
法人番号 | 中(照合が一発で済む) | 低 |
電話番号・受付時間 | 中 | 高(トラブル時の連絡手段) |
代表者の顔写真・挨拶 | 中 | 高(人柄が購買判断に効く) |
返品・キャンセル条件 | 低(個別契約で決まる) | 高(通販なら法定表示事項) |
許認可・登録番号 | 高 | 高(該当業種の場合) |
アクセス・地図 | 中(来訪商談がある場合) | 高(店舗がある場合) |
BtoCで店舗を持つ会社は、会社概要とは別に店舗情報ページを用意し、会社概要からリンクする形にすると両方が短くまとまります。逆にBtoBの受託型企業は、会社概要に実績とパートナー関係を寄せたほうが機能します。
項目ごとの書き方:定型文にしない方法
事業内容は定款のコピペをやめる
もっとも多い失敗がこれです。「各種インターネットサービスの企画、開発、運営及び販売」「前各号に附帯関連する一切の事業」といった定款の文言をそのまま貼ると、読み手には何をしている会社かまったく伝わりません。定款は許認可と将来の事業拡張のために広く書くもので、伝達のための文章ではないからです。
実務では、「誰に」「何を」「どうやって」提供しているかを3〜6行で書き、その下に定款ベースの正式な事業目的を折りたたむ形が読みやすくなります。たとえば「岡山県内の中小企業向けに、ホームページの制作と公開後の運用代行を行っています」のように、対象と地域を入れるだけで解像度が上がります。地域名を入れるべきかどうかで迷う場合は、岡山で会社のホームページを作りたい人が相談前に決める5つで整理している「誰に届けたいか」の決め方が参考になります。
沿革は「1行1出来事」で、無理に埋めない
沿革は年表形式のテーブルが読みやすく、1行1出来事に絞ります。設立、事業所の開設・移転、主要な許認可の取得、事業の追加、資本金の増資といった、外から見て意味のある出来事だけを並べてください。社内イベントや軽微な人事を混ぜると、重要な出来事が埋もれます。
創業から数年の会社は、沿革が3行しかないことを気にしがちですが、水増しするほうが不自然です。行数が少ないなら沿革を置かず、代表挨拶に「なぜこの事業を始めたか」を書くほうが伝わります。
代表挨拶は、抽象語を1つ削るごとに良くなる
「お客様第一」「社会に貢献」「日々研鑽」といった言葉は、どの会社にも当てはまるため情報量がゼロです。代わりに、創業のきっかけになった具体的な出来事、前職で感じた課題、これから3年で何をしたいかを書くと、同じ長さで読み応えが変わります。目安は400〜800字。それ以上になるなら、別ページに切り出したほうが会社概要のテーブルが読みやすくなります。
自宅兼事務所の住所をどう扱うか
個人事業や小規模法人で悩ましいのがこれです。判断の順序は次のようになります。
- 通信販売をしているか。していれば特定商取引法第11条の対象で、事業者の住所・電話番号は表示事項です。ただし前述の省略規定により、請求があれば遅滞なく提供する旨を広告に表示することで対応する道があります。
- していないなら、法的な表示義務はありません。市区町村までの表記にとどめる、あるいは記載しないという選択も取れます。
- ただし、記載しないことによる信頼の低下は受け入れる必要があります。Googleの評価者向けガイドラインも「サイトの種類によって必要な情報量が変わる」としており、お金を扱うほど厚い情報が求められます。
実務的には、レンタルオフィスや貸会議室付きのシェアオフィスを法人登記の住所として使い、それを会社概要に書くのが落としどころになることが多いです。ただしバーチャルオフィスを使う場合、消費者庁のQ&Aは、当該事業者との合意と確実な連絡体制があることを前提としています。
よくある失敗7つ
- 商号が画像でしか書かれていない。ロゴ画像だけだと、コピーできず、検索エンジンにも読み取られにくい。テキストで書き、ロゴは併記にする。
- 登記と表記がずれている。「株式会社」を「(株)」と略す、旧住所のまま、といったずれは、法人番号公表サイトで照合されたときに引っかかります。
- 更新が止まっている。資本金の増資、役員変更、移転が反映されていない会社概要は、他の情報の信頼まで下げます。とくに従業員数と売上高は、基準日を書いたまま数年放置されがちです。
- 電話番号がフォームだけに置き換わっている。お金を扱う事業では、連絡手段が薄いこと自体が評価を下げる要因になります。
- 特商法表記を会社概要に混ぜてしまう。混ぜても違法ではありませんが、返品条件や支払時期まで会社概要に並ぶと、与信担当も消費者も読みにくくなります。分けたほうが両方が機能します。
- PDFで置いている。会社案内PDFへのリンクだけで済ませると、スマートフォンで開きにくく、テキストとしても扱いにくくなります。HTMLで書き、PDFは補助にする。
- 「トップページからたどり着けない」。Googleの評価者はトップページから連絡先を探し始めます。ハンバーガーメニューの奥にしかない状態は避けてください。
3番目の「更新が止まっている」は、会社概要だけの問題ではなくサイト全体の古さの表れであることが多いです。他にどんな兆候が出るかはホームページをリニューアルすべき7つのサインにまとめています。
更新が止まる原因の多くは、体制が決まっていないことです。役員変更や移転のたびに誰が直すのかを決めておくと、この失敗は起きません。分担の考え方はホームページ運用・更新代行|自社と外注の分担と費用相場で費用感とあわせて整理しています。
ページ構成とHTMLの作り方
会社概要はテーブル(表)で組むのが基本です。左に項目名、右に内容を置く2列構成にし、見出しセルは 「th」、内容は 「td」 にします。「div」 を並べて見た目だけ表にする実装をときどき見かけますが、スクリーンリーダーでの読み上げ順が崩れやすく、項目と値の対応も伝わりません。
構成の順序は、上から「会社情報テーブル → 代表挨拶 → 沿革 → アクセス」が読みやすい並びです。与信担当は上のテーブルだけを見て離脱し、採用候補者は代表挨拶と沿革まで読みます。目的の違う読み手を、上から順に降ろしていく設計だと考えてください。
スマートフォンでは2列テーブルが横に潰れるので、幅の狭い画面では項目名と内容を縦に積む形に切り替えます。ここを作り込まないと、項目名の列が極端に細くなって折り返しだらけになります。
構造化データ(Organization)を入れておくと、社名・ロゴ・所在地・連絡先を機械可読な形で示せます。ただしこれを入れれば検索順位が上がる、という性質のものではありません。あくまで情報を正確に伝えるための補助と考えるのが妥当です。
公開前チェックリスト
- 商号・所在地が登記(法人番号公表サイト)と一字一句そろっているか
- 商号・所在地・電話番号がテキストで書かれているか(画像でないか)
- 創業と設立を混同していないか、違うなら両方書いてあるか
- 事業内容が定款のコピペになっていないか
- 従業員数・売上高に基準日が添えてあるか
- 通信販売をしているなら、特定商取引法第11条の表示事項を満たしているか(別ページでよい)
- 古物商なら、氏名又は名称・許可した公安委員会名・許可証番号を掲載しているか(免除規定に該当するかを確認)
- 許認可・登録番号があるなら記載しているか
- トップページとフッターから1クリックで到達できるか
- スマートフォンでテーブルが崩れていないか
- 更新担当者と更新のきっかけ(役員変更・移転・増資)が決まっているか
ここまでの項目は、いま自社のサイトを開いて15分あれば確認できます。直せるものから直すだけで、稟議の通りやすさと採用応募の質は変わります。
もし「会社概要以前に、サイト全体を作り直したほうが早い」という状態なら、Mihataでも制作をお受けしています。質問に答えていただくだけで翌日にデザインイメージを無料でお作りし、最短2週間で公開まで進みます。SEO・ドメイン・サーバー費用込みで、創業5年以内の会社は初期費用0円です。他社と比べたうえで判断していただいて構いません。
制作会社を複数あたる場合は、見積書のどこを見比べればよいかをホームページ制作会社の見積比較 7つの着眼点にまとめてあります。金額の総額だけで選ぶと、公開後の更新費用で差がつきます。
まとめ
会社概要ページの書き方は、次の3段階で決まります。
- 法律で決まる部分を切り分ける。会社概要ページ自体に義務はなく、通信販売・古物商・派遣といった事業の中身に応じて別の表示義務が乗ります。該当しない会社は、この段階で考えることはありません。
- 読み手を決める。BtoBなら資本金・従業員数・取引先、BtoCなら電話番号・代表者の顔・返品条件に重みを置きます。
- 更新の仕組みを決める。正確さが価値のページなので、止まった瞬間に価値が反転します。
会社概要は、派手な施策ではありません。それでも、稟議を通す担当者、応募を迷っている求職者、そして検索エンジンの評価者が、そろって同じページを見にきます。1時間かけて直す価値のある、数少ないページです。
よくある質問
会社概要ページに法律上の記載義務はありますか?
会社概要というページそのものに対する記載義務は日本の法律にはありません。義務が生じるのは事業の中身に応じてで、たとえばネット通販などの通信販売を行うなら特定商取引法第11条の表示事項が、古物商なら古物営業法第12条第2項に基づく許可番号等の掲載が必要になります。実店舗のみで通信販売を行わない会社の場合、会社概要の内容は自社の判断で決められます。
「特定商取引法に基づく表記」と会社概要は同じものですか?
別のものです。特定商取引法が求めているのは通信販売の広告における所定事項の表示であり、ページの名前を指定してはいません。会社概要は取引先や採用候補者に会社を説明するページ、特商法表記は消費者に取引条件を示すページなので、分けて作ったほうが両方が読みやすくなります。
自宅兼事務所です。住所を載せたくないのですが可能ですか?
通信販売を行っていない場合、住所の掲載に法的な義務はないため、市区町村までにとどめる選択も取れます。通信販売を行っている場合は、消費者の請求により所定事項を遅滞なく提供する旨を広告に表示することで一部の表示を省略できる規定がありますが、請求に応じる体制が前提です。実務ではレンタルオフィス等を登記住所にする方法が取られることもあります。
資本金や従業員数が少ないと不利になりますか?
書かないほうが不利になることが多いです。とくにBtoBでは与信の判断材料として見られるため、空欄だと確認の手間が発生します。従業員数は基準日を添えて正確に書き、少人数であることを前提にした強み(意思決定の速さ、担当者が変わらないこと)を代表挨拶や事業内容側で説明するほうが機能します。
会社概要ページを充実させると検索順位は上がりますか?
順位が直接上がるという保証はありません。ただしGoogleの検索品質評価ガイドラインには、評価者がAbout usページを起点にサイトや制作者が信頼できるかを見る旨の記述があり、お金や個人情報を扱うサイトでは連絡先情報が不十分だと低い評価につながるとされています。順位対策というより、サイト全体の信頼性の土台として整えるものと考えるのが正確です。