Mihata
AI活用2026.09.16

カスタムGPT 廃止へ|移行は9/17目標・今やる3つの備え

ChatGPT の「カスタムGPT(GPTs)」を社内で何本か作って回している会社にとっては、少し落ち着かない知らせです。OpenAI は2026年9月11日のリリースノートで、カスタムGPT を各プランで廃止し、plugins への移行路を用意する予定だと告知しました。

結論から書きます。いま動いているカスタムGPT は、あなたに適用される廃止日まではそのまま使えます。日付は全プラン一律ではなく、公式ヘルプに現時点で明記されているのは「対象となる Enterprise ワークスペースは2026年12月11日予定」「移行機能は2026年9月17日を目標」の2つだけで、個人プランや Business の具体的な日付は公表されていません。今日やるべきことは移行作業ではなく、どのGPTに業務が乗っているかの棚卸しです。棚卸しさえ済んでいれば、移行機能が自分のアカウントに来た日に半日で終わります。

何が廃止され、何に置き換わるのか

廃止されるのは、ChatGPT の中で作れる「カスタムGPT」という入れ物です。指示文・ナレッジ(アップロードしたファイル)・Web検索などの機能・外部サービスとの接続をひとまとめにして、社内の誰かに配れる、あの仕組みです。リリースノートの原文は「We're planning to retire custom GPTs across ChatGPT plans and provide a migration path to plugins」で、移行先は plugins だと名指しされています。

plugins は、再利用できる指示(Skills)と、接続アプリ(Connected apps)と、アプリのテンプレートをまとめた入れ物です。公式ヘルプの説明を読むかぎり、カスタムGPT の「指示+ナレッジ」に、外部アプリとの接続が正面から組み合わさった形になります。複数のアプリを含む plugin もあれば、Skills だけでアプリ接続が要らない plugin もあります。

正直に書くと、これは機能の削減ではなく、できることが増える置き換えです。カスタムGPT は「アプリか Actions のどちらか一方しか使えない」という制約がありましたが、plugins は指示と接続アプリを最初から一緒に扱う設計です。ディレクトリ自体は全プランで利用できます(表示名や使える機能は、ロールアウト状況・画面・アカウントによって違います)。とはいえ、自分たちが数年かけて育てた指示文が別の器に移るのは事実なので、移し替えの手間はこちらが負うことになります。

もうひとつ、すでに始まっている変化があります。公式ヘルプには 「新しいGPT の作成と公開は、Free・Go・Plus・Pro を含む個人アカウントでは利用できない」 と書かれています。既存のGPT は使えますし、編集は対象のサブスクリプションと権限があれば続けられますが、個人プランで「これから新しく作る」道はもう閉じています。ここは廃止日を待たずに効いてくる部分です。

いつまで使えるのか

ここが一番知りたいところだと思うので、公式に書いてあることだけを並べます。

対象

公式の記載

対象となる Enterprise ワークスペース

廃止は2026年12月11日を予定。それまで既存のGPT は使える

移行機能(migration flow)

2026年9月17日を目標。すべてのアカウント・ワークスペースに同時に来るとは限らない

その他のプラン(個人・Business など)

同じタイムラインをたどる見込み、と書かれているのみ。個別の日付は未公表。自分のアカウントに届く通知を見るよう案内されている

対象 Enterprise ワークスペースで作られた公開GPT

別のプランから使っている場合も、廃止の対象に含まれる

最後の行は見落としやすいところです。自分では何も作っておらず、他社が公開しているGPT をブックマークして使っているだけでも、それが対象の Enterprise ワークスペース製なら一緒に止まります。「うちは作っていないから関係ない」とはなりません。

なお、OpenAI が案内している廃止の詳細ページは、2026年9月16日に確認した時点ではこちらからは開けませんでした(エラーが返ります)。日付まわりの一次情報として本記事が参照しているのは、リリースノートと GPTs のヘルプ記事です。

今日やる3つの備え

OpenAI が「準備として」と書いているのは、たった3つです。①頼っているGPT を確認する、②その作成者と、アクセスが必要な人を特定する、③移行が可能になったら、移行後の plugin をテストして共有設定を見直す。抽象的なので、中小企業がそのまま手を動かせる形に翻訳します。

① 頼っているGPT を棚卸しする

スプレッドシートを1枚作って、社内で使われているGPT を全部書き出します。作った本人は覚えていても、「営業の誰かが作った見積文面GPT」のように、持ち主が分からないまま日常業務に食い込んでいるものが必ず出てきます。列は次の7つで足ります。

GPT名

何に使っているか

作った人

使っている人

中身(指示・ナレッジ・接続先)

止まったら困る度

移行の優先度

見積文面アシスタント

見積書に添える説明文の下書き

営業・佐藤

営業4名

指示文のみ/過去見積PDF 12本

高(毎日使用)

A

議事録整形くん

文字起こしを議事録の形に整える

総務・鈴木

全社

指示文のみ/ナレッジなし

中(週1)

B

採用要件チェッカー

求人票の表現チェック

不明

1名

不明(編集権限なし)

C(この機に廃止)

このとき、指示文とナレッジのファイルは、必ず ChatGPT の外にコピーを取っておいてください。指示文はテキストで、ナレッジは元ファイルを共有ドライブに。移行機能がどこまで自動で運んでくれるかは公表されていないので、手元に原文があるかどうかで作業量が桁違いになります。

② 作った人と、アクセスが要る人を特定する

公式が「creators and anyone who needs access」と書いているのは、移行の実務が権限に縛られるからです。GPT の編集には、対象のサブスクリプションと、アカウントまたはワークスペースの権限が要ります。作った本人が退職している、あるいは個人アカウントで作ったものが社内に共有されている、というケースは移行時にそのまま詰まります。

棚卸し表の「作った人」が空欄のGPT は、今のうちに社内で聞いて埋めるか、思い切って作り直す対象に振り分けておくのが早いです。使っている人が1人だけで、代わりが効くものは、この機会に畳んでしまうのも立派な判断です。

③ 移行できるようになったら、テストしてから切り替える

移行機能が自分のアカウントに届いたら、いきなり全部を切り替えず、棚卸し表の優先度A から1本ずつ移して、移行後の plugin を実際の業務データで試します。公式も「移行し、テストし、置き換え先へのアクセスを見直してから切り替える」という順番で案内しています。特に共有設定は必ず見直してください。誰に見えるかが元のGPT と同じとは限りません。

社内でよく使う手順を AI 側に固定したい、という話は、この機会にあらためて設計し直す価値があります。どの指示を残し、どのデータをつなぐかを整理するところは、ツールが変わっても資産として残ります。仕組みの作り直しをご相談いただくこともできます。

引っかかりやすいところ

plugin を入れても、社内の権限は回避できません。 公式ヘルプは「既存のアプリ接続の認可とワークスペースの制御はそのまま適用され、インストールによって権限を回避することはできない」と明記しています。カスタムGPT の時に「管理者設定で止められていて使えなかった」ものは、plugin にしても同じところで止まります。

「OpenAI Verified」バッジは、自社のセキュリティ審査の代わりにはなりません。 plugins には OpenAI が品質・信頼性・有用性を審査した Verified バッジ付きのものがあり、管理者は Workspace settings > Plugins で検証状態を確認できます。ただし公式自身が「このバッジは貴社のプライバシー・セキュリティ審査に取って代わるものではない」と書いています。外部サービスに社内データを流す判断は、これまで通り自社でしてください。

使えるかどうかはプラン・ワークスペース・役割・地域で変わります。 plugins のディレクトリ自体は全プランで開けますが、個々の plugin が使えるかは、プラン、ワークスペース、その人の役割、地域、その plugin に含まれる機能によって変わります。「記事で見た plugin が自分の画面に無い」は普通に起こります。社内展開の案内を書くときは、全員の画面が同じ前提で書かないほうが安全です。

外部サービスへ渡るデータの扱いは、これまでと同じ注意が要ります。 GPT がアプリや外部APIとつながっている場合、入力の一部が第三者サービスへ送られます。OpenAI はその先の利用や保存を監査も制御もしていないと明言しています。移行を機に、接続先を「本当に必要なものだけ」に絞り込むのが実質的なリスク削減になります。社内専用の環境そのものを検討する場合は、自社専用ChatGPTを安全に作る手順も併せてご覧ください。

まだ分かっていないこと

ここは断定を避けて、正直に書きます。個人プランと Business の廃止日は公表されていません。 公式は「他のプランも同じタイムラインをたどる見込み」とだけ書き、自分のアカウントやワークスペースに届く通知を確認するよう案内しています。SNS などで具体的な日付が回ってきても、自分のアカウントに通知が来るまでは確定として扱わないほうがよいです。

移行機能が「何をどこまで運んでくれるのか」も公表されていません。指示文は移るのか、ナレッジのファイルは移るのか、Actions で定義した外部API連携はどう置き換わるのか、いずれも記載がありません。だからこそ、①の棚卸しで手元にコピーを残しておく意味があります。

そして、既存GPT の会話履歴と、社外に配った共有リンクがどうなるかも書かれていません。 取引先に「このGPTのリンクから質問してください」と案内している場合は、リンクが切れる前提で代替の窓口を考えておくのが安全です。

この手の「静かに仕様が変わる」告知は、最近の ChatGPT では続いています。9月14日には Instant から Thinking への自動切替が廃止された件も告知されており、こちらは「もっとよく考えて」と頼んでも思考レベルが上がらなくなるという、日々の使い勝手に直接効く変更です。管理者向けの機能整理という意味では ChatGPT Work の Admin プラグインの流れとも地続きですし、カスタムAI の作り方そのものは Gemini Spark のカスタムアプリのように各社で形が変わり続けています。特定の1社の1機能に業務を固定しすぎない、という教訓のほうが長持ちします。

弊社でも社内用のGPT を複数運用しているので、この棚卸しは同じようにこれからやるところです。同じ作業で困っている、あるいは「うちの場合どこから手を付ければいいか」を一度整理したい、ということでしたら、お気軽にご相談ください。

よくある質問

カスタムGPTはいつ使えなくなりますか?

公式に明記されているのは、対象となるEnterpriseワークスペースが2026年12月11日を予定という点だけです。個人プランやBusinessの日付は公表されておらず、他のプランも同じタイムラインをたどる見込み、とだけ案内されています。自分のアカウントに届く通知を確認してください。

今あるカスタムGPTはすぐ止まりますか?

止まりません。あなたに適用される廃止日までは、権限の範囲でこれまで通り使えます。ただし新しいGPTの作成と公開は、Free・Go・Plus・Proを含む個人アカウントではすでに利用できません。

移行先のpluginsとは何ですか?

再利用できる指示(Skills)と、接続アプリ、アプリのテンプレートをまとめた入れ物です。複数のアプリを含むものも、Skillsだけでアプリ接続が不要なものもあります。ディレクトリ自体は全プランで利用できますが、個々のpluginが使えるかはプラン・ワークスペース・役割・地域によって変わります。

今日やっておくべきことは?

社内で使っているGPTの棚卸しです。GPT名・用途・作った人・使っている人・中身・止まったら困る度・移行の優先度を1枚の表にまとめ、指示文とナレッジのファイルをChatGPTの外にコピーしておきます。移行機能が何をどこまで運ぶかは公表されていないためです。

Verifiedバッジが付いたpluginなら安全に使えますか?

OpenAIが品質・信頼性・有用性を審査した印ですが、公式自身がこのバッジは自社のプライバシー・セキュリティ審査の代わりにはならないと明記しています。外部サービスへデータを渡す判断は、これまで通り自社で行う必要があります。

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