Mihata
仕事効率化(DX)2026.10.15

ゲームの休憩タイマー|60分ごとに知らせる設定と目の疲れ対策

ゲーム中の目の疲れを軽くしたいなら、まず60分に1回・次のプレイまでに10〜15分の休止を、外側から知らせる形にするのが一番効きます。これは厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(令和元年7月12日 基発0712第3号)が示す数字で、原文は「一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設ける」です。よく知られた20-20-20ルール(20分ごとに約6m先を20秒見る)は、この休止の中でやることと位置づけると迷いません。自分の意志で思い出すのではなく、タイマーに鳴らしてもらう——それだけで休憩の回数は変わります。

何分ごとに休むのが正解か

「何分が正解か」は一つに決まりません。労働衛生のガイドライン、眼科・検眼の団体が広める経験則、自治体の条例で、出どころも強さも違う数字が並んでいるからです。混ぜて語られがちなので、根拠ごとに並べて整理します。自分がどの場面にいるかで選んでください。

間隔・長さ

何を根拠にしているか

向いている場面

60分ごとに区切り、次まで10〜15分休む

厚生労働省ガイドライン(基発0712第3号)。1時間以上続くと誤入力が増え、フリッカー値(光の点滅を見分けられる頻度)が下がったという研究結果に基づくと明記されている

長めのプレイ、仕事と兼用のPC、配信やランク戦

一連続の途中で1〜2回、1〜2分の小休止

同ガイドラインの「小休止」。時間を定めず作業者が自由に取れるようにする、とされている

マッチの合間、ロード中、リスポーン待ち

20分ごとに20秒、約6m(20フィート)先を見る

米国検眼協会(AOA)が案内する20-20-20ルール。「20分ごとに20秒、20フィート先のものを見る休憩を取る」

休止時間の過ごし方。目のピントを一度ゆるめたいとき

1日あたり60分(休業日は90分)

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例 第18条第2項の「目安」。条例であって医学的な基準ではなく、罰則もない

子ども・家庭でのルールづくりの出発点

注意したいのは、20-20-20の「20分」という数字自体が、比較試験で最適と確かめられたものではない点です。症状を測った研究は規模が小さく期間も短いもので、Talens-Estarelles らの2023年の報告(Contact Lens and Anterior Eye)では自動リマインダーで自覚症状は改善した一方、2週間ではドライアイの他覚的な所見や両眼視の改善までは確認できなかったとされています。覚えやすく実行しやすい経験則として優秀ですが、「20分が科学的な正解」と受け取るのは言い過ぎです。

逆に厚労省の「1時間」は、根拠にした研究内容まで解説で示されています。ただしこれは職場の情報機器作業に向けた労働衛生のガイドラインで、ゲームの基準として作られたものではありません。画面を長く注視し、同じ姿勢を続けるという負担の形は近いので、目安として借りる——という使い方が正確です。

目が疲れる理由は3つ

間隔を決める前に、何が起きているのかを押さえておくと設定がぶれません。米国検眼協会はこの一群の症状をコンピュータビジョンシンドローム(CVS、デジタル眼精疲労)と呼び、「パソコン・タブレット・電子書籍端末・携帯電話の長時間使用から生じる目と視覚に関連した問題の総称」と定義しています。挙げられている主な症状は、眼精疲労・頭痛・視界のぼやけ・目の乾き・首と肩の痛みです。

まばたきが減る

一番よく挙がる要因がこれです。米国眼科学会(AAO)は、通常1分間に約15回するまばたきが、パソコンなどの画面を見ている間は1分間に5〜7回程度まで減るという研究があると説明しています。まばたきは目の表面を濡らす役目なので、回数が落ちれば乾きやすくなります。対戦中や終盤の局面でまばたきを忘れる感覚には、こうした裏づけがあるわけです。

近い距離にピントを合わせ続ける

画面は近く、しかも位置が変わりません。同じ距離にピントを合わせ続ければ、調節に関わる筋肉は休む機会を失います。厚労省ガイドラインの解説が作業休止時間について「連続作業後、一旦情報機器作業を中止し、リラックスして遠くの景色を眺めたり、眼を閉じたり、身体の各部のストレッチなどの運動を行ったり」する時間だと書いているのは、まさにこの点に向けた指示です。そして同じ解説は、作業休止時間はいわゆる休憩時間ではないとも断っています。離席しなくてもいいので、遠くを見るだけでも意味があります。

画面の明るさとブルーライトの扱い

ブルーライトについては、断定を避けて正直に書きます。AAOは、ブルーライトと網膜の障害や加齢性の病気を結びつける意味のある証拠は見られないとし、ブルーライトカット眼鏡の購入を推奨していません。画面を見た後の不快感はブルーライトではなく使い方・使いすぎに結びついている、という立場です。一方で夜のスクリーンタイムを減らし端末をナイトモードにすることは睡眠のために勧めています。眼鏡を買う前に、部屋との明るさの差を小さくし、休む回数を増やすほうが順番としては先です。

休憩タイマーの設定手順

①繰り返しタイマーで60分ごとに鳴らす

1回だけ鳴るタイマーでは、2時間目・3時間目に効きません。必要なのは鳴り終わったら自動で次が始まるループ型です。60分を設定してループにしておけば、以後は何もしなくても1時間ごとに区切りが入ります。具体的な作り方は繰り返しタイマーを無料のブラウザで使う方法にまとめてあります。休止を取りそこねた回があっても、次の60分で勝手に仕切り直してくれるのがループの利点です。

②ゲーム中に気づける知らせ方にする

ここが実務で一番つまずくところです。全画面でゲームをしている間、画面の端に出る通知はまず見えません。前面のゲームが描画を占有していて、タイマーの表示そのものが隠れてしまうからです。だから知らせ方を、見る前提から聞く前提へ切り替えます。

  • 音で気づく形にする。ゲーム音とぶつかりにくい短く高めのアラーム音を選び、ゲーム音量を少し下げておく。ブラウザのタブだけ音量を上げる運用も有効です。
  • 画面を物理的に分ける。サブモニタやノートPCの画面にタイマーを置く、あるいはウィンドウを別にして半分だけ見える位置に出しておく。スマホを机に立てて専任にするのが一番確実です。
  • 深夜はバイブや光に寄せる。家族が寝ている時間帯は音を出しづらいので、音を鳴らさずバイブだけで知らせるタイマーのような形に逃がします。

③休憩の10分もタイマーで区切る

区切りを作っても、休止が1分で終われば意味が薄れます。鳴ったら次は10分のタイマーを掛けて、その間はゲームに戻らないと決めてしまうほうが楽です。10分のうち最初の20〜30秒は窓の外や部屋の奥といった遠くを見るのに使い、残りで立ち上がる・肩を回す・水を飲む。このとき20-20-20を「休止中にやること」として置くと、プレイ中に20分おきに鳴らして集中を切る必要がなくなります。遠くを見る習慣そのものを独立して回したい場合は20分ごとに20秒目を休めるタイマーの使い方も合わせてどうぞ。

ブラウザだけで鳴らす

専用アプリを入れずに済ませたいなら、ブラウザのタブをタイマー専任にするのが手軽です。インストールが要らないので、共用のPCや学校・職場の端末でも試せます。

私たちもこうしたものを作っております。記事の途中で恐縮ですが、ブラウザで開くだけの集中タイマーです。繰り返しの区切りと休憩の計測を1画面で扱えるようにしてあります。よろしければ合わせてご覧いただけたら嬉しいです。

子ども・家族のゲーム時間に使う時

家庭で使う場合、タイマーの役目は「目の休憩」から「約束を守る手助け」に広がります。ここで引き合いに出されやすいのが香川県の条例ですが、先ほどの表のとおりこれは条例の目安で、医学的な基準でも全国の規則でもありません。1日60分という数字をそのまま家庭に当てはめる必要はなく、話し合って決めた時間をタイマーに預ける、という使い方のほうが現実的です。

実際に効くのは、親が声をかける代わりに機械が鳴る形にすることです。叱る役をタイマーに任せられると、やめる・やめないの衝突が減ります。決め方と運用のコツは子どものゲーム時間のルールづくりとタイマーの使い方に詳しく書きました。

まとめ

結論はシンプルです。60分ごとに鳴るループタイマーを1つ用意し、鳴ったら10分のタイマーに切り替える。これだけで、厚労省ガイドラインが示す形に近づきます。20-20-20はその10分の過ごし方として採り入れ、ブルーライト対策の道具を買うのは後回しにしてかまいません。

なお、ここで挙げた数字はいずれも目安です。目の痛み・かすみ・乾きが休んでも続く場合や、頭痛を伴う場合は眼科で相談してください。休憩の取り方で片づけられる話とそうでない話があり、見分けは受診でしかつきません。

よくある質問

ゲームの休憩は何分ごとが良いですか?

厚生労働省の情報機器作業ガイドライン(基発0712第3号)は、一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までに10〜15分の作業休止時間を設け、その1時間の中でも1〜2回程度の小休止を取るよう示しています。ゲーム向けに作られた基準ではありませんが、画面を長く注視する点は近いので目安として使えます。

20-20-20ルールは本当に効果がありますか?

米国検眼協会は20分ごとに20秒、20フィート(約6m)先を見る休憩を案内しています。ただし20分という間隔が比較試験で最適と確かめられたわけではありません。2023年のContact Lens and Anterior Eye掲載の報告では自動リマインダーで自覚症状は改善した一方、2週間ではドライアイの他覚的所見や両眼視の改善は確認できませんでした。覚えやすい経験則として使うのが妥当です。

ゲーム中はタイマーの通知が見えません。どうすれば気づけますか?

全画面のゲームが前面にあると通知表示は隠れるため、音で気づく形にします。ゲーム音とぶつかりにくい短く高めの音を選び、ゲーム音量を少し下げておくのが基本です。あわせてサブモニタやスマホにタイマーを置いて画面を物理的に分けると確実です。深夜は音の代わりにバイブで知らせる形に切り替えます。

なぜ画面を見ていると目が乾くのですか?

まばたきの回数が減るためです。米国眼科学会は、通常1分間に約15回のまばたきが、パソコンなどの画面を見ている間は1分間に5〜7回程度まで減るという研究があると説明しています。まばたきは目の表面を濡らす役目なので、回数が落ちると乾きやすくなります。

ブルーライトカット眼鏡は買うべきですか?

米国眼科学会は購入を推奨していません。ブルーライトと網膜の障害や加齢性の病気を結びつける意味のある証拠は見られないとし、画面を見た後の不快感はブルーライトではなく使い方・使いすぎに結びついているという立場です。ただし夜のスクリーンタイムを減らし端末をナイトモードにすることは睡眠のために勧めています。

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