Mihata
AI活用2026.08.24

Geminiのパーソナル インテリジェンスとは?設定と対象条件

Gemini に「パーソナル インテリジェンス」が追加され、Gmail や Google フォトの情報を踏まえた回答が返るようになりました。名前だけでは何が変わるのか分かりにくく、「自分のアカウントで使えるのか」「勝手にメールを読まれないか」が気になる方も多いはずです。この記事では Google 公式ページの記載をもとに、機能の中身・対象条件・設定とオフの手順・業務での注意点を整理します。

結論から書きます。パーソナル インテリジェンスは、カスタム指示・過去のチャット・連携した Google アプリの情報を Gemini が参照し、より自分向けに調整された回答を返す機能です。提供地域は欧州経済領域(EEA)・スイス・英国・ナイジェリアを除く世界中で、日本は除外対象に入っていません。ただし利用には18歳以上であること個人の Google アカウントであることが必要で、Google Workspace の Business / Enterprise / Education アカウントでは利用できません。オンにするかどうかは任意で、いつでもオフにできます。

なお本記事の内容は、2026年8月24日時点の公式ページの記載にもとづきます。本機能はベータ版として提供されており、提供状況や条件は今後変更される可能性があります。

パーソナル インテリジェンスとは何か

パーソナル インテリジェンスは、Gemini がプロンプトと文脈を分析し、追加の情報が回答づくりに役立つかを判断したうえでパーソナライズされた回答を返す仕組みです。「毎回自己紹介から書かなくても、自分の状況を踏まえた答えが返る」状態を目指した機能だと考えると分かりやすいでしょう。公式ページでは、この追加のコンテキストにより、受け取る情報が関心やニーズに合わせて調整されると説明されています。

回答の材料は3つ

Gemini が参照するのは、大きく次の3種類の情報です。すべてが常に使われるわけではなく、その質問に役立つかどうかを Gemini 側が判断して取捨選択します。

  • カスタム指示:仕事・趣味・目標など、自分の前提を Gemini に覚えさせておく設定。毎回同じ説明を書く手間が減ります。
  • 過去のチャット:以前の会話を踏まえて回答を作らせることができます。中断した相談を再開したり、前のトピックを要約させたりする用途が公式に挙げられています。
  • 連携した Google アプリ:Gmail、Google フォト、Google 検索、YouTube など。許可したアプリの情報だけが対象です。

どの情報を使ったかは説明される

透明性についても言及があります。Gemini は、ユーザーが検証できるように、連携したソースのうちどの情報を使ったのかを言及・説明するよう努めるとされています。説明が付いていない場合は、ユーザーの側から詳細情報を求めることができます。「なぜその答えになったのか」を後から確認できる点は、導入を判断するうえで重要です。

公式が挙げている使い方の例

公式ページには、高額な買い物の比較検討、読書履歴に基づく本のおすすめ、過去のチャットを踏まえた会話の再開や要約、好みや過去の選択に基づく旅行先・飲食店の提案、休暇の計画やプロジェクト計画といった例が並んでいます。全体として、業務システムの代替というより、生活と個人の関心に寄り添うアシスタントとしての位置づけが強い機能です。

使える人・使えない人(対象条件)

対象条件は明確に区切られています。ベータ版として、欧州経済領域(EEA)・スイス・英国・ナイジェリアを除く世界中の対象ユーザー向けに提供されています。日本はこの除外リストに含まれていないため、条件を満たしていれば利用できる位置にあります。

項目

条件

提供地域

EEA・スイス・英国・ナイジェリアを除く世界中の対象ユーザー(日本は除外対象ではない)

年齢

18歳以上

アカウント

個人の Google アカウントで利用可能

使えないアカウント

Google Workspace の Business / Enterprise / Education

プラットフォーム

有効にするとウェブ・Android・iOS で機能する

モデル

Gemini のモデル選択ツールで現在利用できるすべてのモデル

提供形態

ベータ版(提供状況は変更される場合がある)

料金プランとの関係については、公式ページ上で「有料プラン限定」といった明記はありません。Gemini には無料版のほか、日本では Google AI Plus(¥725/月)、Google AI Pro(¥2,900/月)、Google AI Ultra(¥14,500/月・¥32,000/月)といったプランが用意されていますが、パーソナル インテリジェンスがどのプランで使えるかは公式に書かれていないため、本記事では断定しません。実際にご自身の設定画面を開いて、機能が表示されるかどうかで確認するのが確実です。学生向けの無料条件については Google AI Plusが学生1年無料になる条件 で整理しています。

設定・オフにする手順

設定の入口は1か所です。https://gemini.google.com/personalization-settings(Gemini のパーソナライズ設定)を開くと、連携アプリの選択・過去のチャットの利用方法・カスタム指示をまとめて管理できます。オプトイン(有効化)もオプトアウト(無効化)も、この画面から自分の意思で行う任意の設定です。

オンにするときの手順

  1. 個人の Google アカウントでログインした状態で、パーソナライズ設定の画面を開きます。会社の Workspace アカウントでログインしていると項目自体が出ないため、まずアカウントを確認します。
  2. 連携する Google アプリを選びます。全部まとめてオンにする必要はなく、Gmail は外して Google フォトだけ使う、といった部分的な選択ができます。
  3. 過去のチャットを回答づくりに使うかどうかを決めます。相談の続きをしたい人には便利ですが、話題ごとに切り離したい人はオフのままで構いません。
  4. カスタム指示に、自分の職業・関心・回答の好みなどを書いておきます。ここは後からいつでも書き換えられます。
  5. 有効化後は、ウェブ・Android・iOS のいずれでも同じ設定が反映されます。

オフにしたい・データを消したいとき

やめたくなった場合も、同じパーソナライズ設定の画面から連携アプリの解除やチャット利用の停止ができます。加えて、すでに残っている情報は次の2か所から確認・削除できます。

「そもそも入力内容をAIに学習させたくない」という観点での設定は、サービスごとに考え方が異なります。各AIサービスの学習オプトアウトの考え方は AIに入力した内容を学習させない設定 にまとめています。

連携できるGoogleアプリと、実際に何が変わるか

連携先として挙げられているのは Gmail、Google フォト、Google 検索、YouTube などです。公式ページでは、今後数か月以内に、ユーザーの許可を得たうえでさらに多くの Google アプリ・サービスからコンテキストを取得できるようになる予定だと説明されています。回答がどう変わるかをアプリ別に整理します。

連携先

回答に反映されうる文脈

向いている使い方

Gmail

受信・送信したメールの内容

やり取りの経緯を踏まえた要約や、予定の整理を相談する

Google フォト

撮影した写真の記録

旅行の振り返りや、行った場所を前提にした提案

Google 検索

過去に調べた関心の傾向

比較検討中のテーマに沿った絞り込み

YouTube

視聴の傾向

興味に近い内容のおすすめや学習の順番の相談

効果が分かりやすいのは、条件を毎回説明するのが面倒な相談です。買い替え検討中の家電について「これまで調べていた条件を踏まえて候補を絞って」と頼むような使い方が典型で、逆に一般的な知識を聞くだけの質問ではパーソナライズによる差はほとんど出ません。連携アプリを増やすほど便利になる一方で、Gemini に渡す個人情報の範囲も広がる点は意識しておく必要があります。

業務で使うときの注意(会社のGoogleアカウントでは使えない)

実務でいちばん引っかかるのがここです。パーソナル インテリジェンスは Google Workspace の Business / Enterprise / Education アカウントでは利用できません。つまり、会社のドメインで運用している Gmail や Google ドライブを前提にした使い方は、この機能ではできないということです。

問題は、その制限が「使えないので諦める」で終わらない点にあります。便利さを知った社員が個人の Google アカウントで Gemini を開き、業務の内容を貼り付けて相談する運用が自然に発生しやすくなるためです。会社の管理が届かない個人アカウント側に業務情報が蓄積される状態は、悪意がなくても起きます。だからこそ、先にルールを決めておく価値があります。

社内ルールの決め方

禁止一辺倒にすると隠れて使われるだけなので、線引きを具体的に示すほうが機能します。次の3点を決めるところから始めるのが現実的です。

  • どのアカウントで何を扱うか:業務データは会社の Workspace アカウント側で扱い、個人アカウントの Gemini は個人的な調べ物に限る、と用途で分けます。「同じ Gemini でもアカウントが違えば別の場所」という前提を共有します。
  • 入れてはいけない情報を列挙する:顧客名や個人情報、未公開の見積・単価、取引先との交渉の経緯、認証情報など、具体的に書き出します。抽象的な「機密情報は禁止」だけでは判断できません。
  • 代わりに使える手段を用意する:業務で AI を使いたいニーズ自体は正当なので、会社として許可した環境を先に整えます。手段がないまま禁止だけを増やすと、必ず抜け道が使われます。

Mihata でも、こうした「使いたい気持ちと管理の折り合い」の相談をいただくことが増えています。貴社の状況によって最適な線引きは変わりますので、決め方の相談先として頭の片隅に置いていただければ幸いです。

Gemini Spark との違い

混同されやすいのが Gemini Spark です。両者は目的の軸が違います。パーソナル インテリジェンスは回答をパーソナライズする機能で、あくまで Gemini が返す答えの精度と関連性を高めるものです。一方の Gemini Spark はタスクを自律的に進める個人向けAIエージェントで、こちらは「答えをもらう」より「作業を代わりにやってもらう」方向を向いています。

観点

パーソナル インテリジェンス

Gemini Spark

役割

回答のパーソナライズ

タスクの自律的な代行

得られるもの

自分の文脈に合った答え

実行された作業の結果

主な材料

カスタム指示・過去チャット・連携アプリ

指示したタスクと使えるツール

Spark 側の仕事での使い方や料金は Gemini Sparkの仕事活用と料金、日本での利用条件やカスタムアプリまわりは Gemini Sparkのカスタムアプリが日本で使える条件 で扱っています。「回答の質を上げたい」のか「作業を任せたい」のかで、まず選ぶ機能が変わります。

まとめ

パーソナル インテリジェンスは、カスタム指示・過去のチャット・連携した Google アプリを材料に、Gemini の回答を自分向けに調整する機能です。日本は提供除外地域に入っておらず、18歳以上・個人の Google アカウントという条件を満たせば、パーソナライズ設定の画面から任意でオンにできます。有効化するとウェブ・Android・iOS で機能し、モデル選択ツールで選べるすべてのモデルで動作します。

一方で、Google Workspace の Business / Enterprise / Education アカウントでは使えません。この制限があるからこそ、個人アカウントに業務情報が流れ込む運用が起きやすく、社内での線引きを先に決めておく必要があります。どのアカウントで何を扱うか、何を入力してはいけないかを具体的に書き出し、会社として使える AI 環境を用意することが、結果的にいちばん安全です。

本機能はベータ版であり、提供状況や条件は変更される場合があります。検討の際は、ご自身の設定画面と公式ページの最新の記載を必ず確認してください。社内での AI 活用ルールづくりや環境整備のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問

パーソナル インテリジェンスは日本で使えますか?

欧州経済領域(EEA)・スイス・英国・ナイジェリアを除く世界中の対象ユーザー向けにベータ版として提供されており、日本はこの除外対象に入っていません。ただし18歳以上で、個人のGoogleアカウントであることが条件です。提供状況は変更される場合があります。

会社のGoogleアカウントでも使えますか?

使えません。Google Workspace の Business、Enterprise、Education のアカウントでは利用できないと公式に明記されています。そのため、業務での利用を考える場合は、どのアカウントで何を扱うかを社内で決めておく必要があります。

設定をオフにしたり、データを削除したりできますか?

できます。オプトインもオプトアウトも任意で、Gemini のパーソナライズ設定から連携アプリの解除や過去チャットの利用停止が行えます。残っているデータは Google アクティビティと Gemini のチャット履歴から確認・削除できます。

有料プランに入っていないと使えませんか?

料金プランによる制限は公式ページに明記されていません。そのため本記事では断定していません。ご自身のアカウントでパーソナライズ設定の画面を開き、機能が表示されるかどうかで確認するのが確実です。

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