gpt-image-2.5 の料金を調べると「GPT-Image-2 の2倍になった」という話に行き当たります。実際に OpenAI の公式料金表を突き合わせると、そうではありません。この記事では公式単価と1枚あたりの試算、Flare と Sunburst の選び方、そして「2倍」という誤解がどこから生まれるのかを整理します。
結論|単価は GPT-Image-2 と同額、Flare と Sunburst にも価格差はない
2026年9月9日時点の OpenAI 公式料金表では、gpt-image-2.5-flare / gpt-image-2.5-sunburst の画像出力は $30.00、画像入力は $8.00、テキスト入力は $5.00(いずれも100万トークンあたり)です。そして同じ表に載っている gpt-image-2 の標準料金も、まったく同じ $30.00 / $8.00 / $5.00 です(OpenAI API Pricing)。つまり値上げはされていません。
Flare と Sunburst の間にも価格差はありません。OpenAI の画像生成ガイドにも「どちらの GPT Image 2.5 モデルも同じトークン単価を使う」と明記されています(Image generation ガイド・Cost and latency)。2つのモデルの違いは価格ではなく用途です。
では「2倍」はどこから来たのか。gpt-image-2 の Batch API 料金(画像出力 $15.00)と、gpt-image-2.5 の標準料金($30.00)を並べてしまうと、ちょうど2倍に見えます。Batch API は50%引きの非同期実行枠で、標準料金とは別の欄です。ここが実務でいちばん効く論点なので、後半で詳しく扱います。
公式単価の全体像(100万トークンあたり)
まず標準料金です。GPT-Image-2 と GPT-Image-2.5 の2世代を、5つの課金項目で並べます。数値はすべて OpenAI の公式料金ページの Standard タブに掲載されているものです。
課金項目 | GPT-Image-2(標準) | GPT-Image-2.5 Flare / Sunburst | 差 |
|---|---|---|---|
テキスト入力 | $5.00 | $5.00 | 同額 |
テキスト入力(キャッシュ) | $1.25 | $1.25 | 同額 |
画像入力 | $8.00 | $8.00 | 同額 |
画像入力(キャッシュ) | $2.00 | $2.00 | 同額 |
画像出力 | $30.00 | $30.00 | 同額 |
画像生成は「入力=プロンプトのテキストと参照画像」「出力=生成された画像」の両方がトークンとして課金されます。金額の大半を占めるのは画像出力($30.00)なので、見積もりでまず押さえるべきはここです。
「2倍」の正体は Batch API の50%割引
同じ料金ページには Batch タブがあり、こちらは急がない大量リクエスト向けに全項目が50%引きになります。ここにgpt-image-2 は載っていますが、gpt-image-2.5 の2モデルは載っていません。各モデルの詳細ページを見ても、gpt-image-2 は v1/batch が対応、Flare / Sunburst は非対応と表示されます(gpt-image-2.5-flare / gpt-image-2)。
課金項目 | GPT-Image-2 標準 | GPT-Image-2 Batch API | GPT-Image-2.5 |
|---|---|---|---|
テキスト入力 | $5.00 | $2.50 | $5.00(Batch 非対応) |
テキスト入力(キャッシュ) | $1.25 | $0.625 | $1.25(Batch 非対応) |
画像入力 | $8.00 | $4.00 | $8.00(Batch 非対応) |
画像入力(キャッシュ) | $2.00 | $1.00 | $2.00(Batch 非対応) |
画像出力 | $30.00 | $15.00 | $30.00(Batch 非対応) |
つまり「2倍になる」のはBatch API で夜間にまとめて生成していた人だけです。標準料金で同期的に叩いている大多数の実装では、単価は1円も変わりません。逆に言えば、バッチ運用している現場にとっては実質的な倍増なので、ここを見落として移行すると請求で驚きます。
1枚あたりいくらになるのか(公式計算式に基づく試算)
1枚あたりの金額は「画像出力トークン数 × $30 ÷ 100万」で決まります。OpenAI は画像生成ガイドに出力トークンの公式計算ツールを用意しており、モデル・品質・サイズを指定すればトークン数と金額が出ます。以下はその計算ツールの結果です。
試算の前提を先に明示します。(1)画像出力トークンのみで、プロンプトのテキスト入力トークンと参照画像の画像入力トークンは含みません。(2)円換算は1ドル=154円としています(2026年9月8日の対顧客電信売相場154.74円・買相場152.74円の中値153.74円を丸めた値。三菱UFJリサーチ&コンサルティング 外国為替相場)。為替は日々動くので、数字は目安として扱ってください。(3)ストリーミングの partial_images は0(後述)としています。
品質設定 | 出力トークン(1024×1024) | 1枚あたり(試算・USD) | 1枚あたり(試算・円) | 1,000枚(試算・円) | 1枚あたり(1536×1024・試算) |
|---|---|---|---|---|---|
low | 196 | $0.00588 | 約0.9円 | 約906円 | $0.00474 / 約0.7円 |
medium | 439 | $0.01317 | 約2.0円 | 約2,028円 | $0.01029 / 約1.6円 |
high | 1,756 | $0.05268 | 約8.1円 | 約8,113円 | $0.04116 / 約6.3円 |
xhigh | 3,122 | $0.09366 | 約14.4円 | 約14,424円 | $0.07377 / 約11.4円 |
max | 7,024 | $0.21072 | 約32.5円 | 約32,451円 | $0.16464 / 約25.4円 |
注目すべきは低画質と最高画質で1枚あたり約36倍の開きがある点です。low なら1枚1円弱、max なら1枚30円強。また同じ品質でも、正方形(1024×1024)より横長(1536×1024)のほうが約22%安くなります。ピクセル総数だけでなく縦横比もトークン数に効くためです。
同じ品質ラベルなら GPT-Image-2 より安い
単価が同額でも、1枚あたりの金額は同じではありません。GPT-Image-2.5 は同じ品質ラベルでの出力トークン消費が少なく、medium と high では GPT-Image-2 の約4分の1で済みます。公式ガイドも「トークン単価が同じでも1枚あたりのコストが同じとは限らない。トークン消費はモデルと品質設定によって変わる」と明記しています。ただしこれは同じ絵が安くなるという意味ではありません。品質設定が3段(low / medium / high)から5段(low / medium / high / xhigh / max)に増えたぶん、同じラベルが指す精細さの水準がずれている、というのが実態です。
品質ラベル(1024×1024) | GPT-Image-2(トークン / 試算USD) | GPT-Image-2.5(トークン / 試算USD) | 差 |
|---|---|---|---|
low | 196 / $0.00588 | 196 / $0.00588 | 同じ |
medium | 1,756 / $0.05268 | 439 / $0.01317 | 約4分の1 |
high | 7,024 / $0.21072 | 1,756 / $0.05268 | 約4分の1 |
xhigh | 非対応 | 3,122 / $0.09366 | 2.5 のみ |
max | 非対応 | 7,024 / $0.21072 | GPT-Image-2 の high と同額 |
この表は「2.5 は上位2段(xhigh・max)が増えただけで、下の段の値段は据え置き」と読むのが実務的です。GPT-Image-2 で high を使っていたなら、2.5 の max に上げても1枚あたりの金額は変わりません。逆に予算を据え置きたいなら 2.5 の high に落とせば、費用は4分の1になります。
ただし、この試算をそのまま見積書に転記しないでください。実際の請求は毎回のレスポンスに返る usage のトークン数で決まります。プロンプトの長さ、参照画像の枚数と解像度、品質を auto にしているかどうかで変動します。とくに auto は生成された画像に応じて決まるため事前に計算できません。必ず本番と同じプロンプト・同じサイズで数十枚だけ実測し、1枚あたりの実績値を出してから見積もること。ここを飛ばした固定見積もりは、ほぼ確実に外れます。
Flare と Sunburst をどう選ぶか
価格が同じなので、選択軸は用途と生成時間だけです。OpenAI 公式ドキュメントの位置づけは明快で、「編集の精度が最も重要なワークフローには Sunburst を、速くて高品質な日常の画像生成には Flare を選ぶ」とされています。
観点 | gpt-image-2.5-flare | gpt-image-2.5-sunburst |
|---|---|---|
公式の位置づけ | 高品質な日常生成向けの最速モデル | 編集精度が最優先のワークフロー向け |
料金 | 画像出力 $30 / 100万トークン | 同額($30 / 100万トークン) |
対応エンドポイント | v1/images/generations と v1/images/edits | 同じ(Responses API の画像生成ツールからも指定可) |
品質設定 | low / medium / high / xhigh / max / auto | 同じ(既定は auto) |
Batch API | 非対応 | 非対応 |
生成時間 | 短い | 長めになりやすい |
向いている仕事 | バナー・SNS投稿画像・記事のアイキャッチの量産 | 商品写真の部分差し替え、既存画像への修正を何度も重ねる作業 |
実務ではまず Flare を既定にして、編集の精度が足りない工程だけ Sunburst に切り替えるのが素直です。価格が同じなので「安いほうを使う」という判断は成立せず、迷ったら両方に同じプロンプトを10枚ずつ流して比べるのが早い。サイズは 16 の倍数・縦横比 1:3〜3:1・長辺 3840px 以内という制約が両モデル共通なので、既存の書き出し設定が収まるかも先に確認しておきます。
API を使わない担当者への説明資料には、ChatGPT Images 2.5 の使い方と Sketch など新機能4つのほうが向いています。
GPT-Image-2 から乗り換えるべきか
単価が同額で、同じ品質ラベルならトークン消費が少ない。この2点だけ見れば移行は有利です。実際 OpenAI のドキュメントも「新規の実装には GPT Image 2.5 のいずれかを使うこと」と案内しています。ただし例外があるので、ワークロード別に整理します。
いまの使い方 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
標準料金で同期的に生成している | 移行が有利 | 単価は同じで、同じ品質ラベルなら1枚あたりが安くなる |
Batch API で夜間に大量生成している | 据え置きも合理的 | 2.5 は Batch 非対応。50%割引を失うと同じ絵で実質2倍になる |
編集・修正を何度も重ねる | Sunburst へ | 編集精度が最優先のワークフロー向けと公式に位置づけられている |
最高画質が要る(大判印刷など) | 2.5 のみ | xhigh と max は 2.5 だけの品質設定 |
待ち時間が体験に直結する(画面上で即時生成) | 2.5 が有利 | OpenAI は発表で生成時間が従来比で最大50%短くなったと説明。ただし複雑なプロンプトは最大2分かかりうると公式が明示 |
出力の見た目を固定したテンプレを量産している | 検証してから | 同じ品質ラベルでもトークン数が違う=出力の作られ方が変わる。既存プロンプトの再検証が必要 |
現場で多いのは最後のケースです。単価だけ見て一斉に切り替えると、同じプロンプトから微妙に違う絵が出てきて、書き直す工数のほうが大きくなります。移行の実コストは API 料金ではなく検証工数です。似た構造の試算はGPT-6 Astra の料金と移行の試算3ケースで扱っています。
なお旧モデルにはgpt-3.5-turbo など旧モデル4本の終了のように期限が設定されることがあり、切られてから動くと選択肢が減ります。当面は据え置くと決めた場合でも、移行先の検証だけは先に済ませておくのが安全です。
コストを抑える3つの手
1. キャッシュ入力を効かせる(入力単価が4分の1)
テキスト入力は $5.00 → $1.25、画像入力は $8.00 → $2.00(公式料金ページ)。キャッシュが効いた入力トークンは、いずれも通常の4分の1です。共通の指示文やブランドガイド、固定の参照画像は毎回同じ順序でプロンプトの先頭に置き、可変部分を後ろに回すのが基本になります。
ただしどこまでを再利用と判定するかの条件は、公開ドキュメントからは読み取れませんでした。効いているかはレスポンスの usage でキャッシュ済みトークン数を見て確認してください。効かない前提で見積もり、効いたら安くなる、という組み方が安全です。
2. 品質とサイズを工程で使い分ける
前掲の試算どおり、1024×1024 なら low が約0.9円、max が約32.5円。ドラフト出しは low、採用案だけ maxという2段構えにするだけで費用は大きく変わります。10案出して1枚を仕上げる場合、全部 max なら約325円ですが、low で10案出して1枚だけ max にすれば約41円です。
サイズも効きます。横長(1536×1024)は正方形より約22%安く、Web バナーやアイキャッチは横長が要件のことがほとんどなので、素直に横長で生成すれば済みます。表示サイズを超える解像度を作っても、見た目は変わりません。
3. 生成回数そのものを減らす
いちばん効くのは回数です。プロンプトをテンプレ化し、変数部分だけ差し替える形にすると、当たり外れのばらつきが減って再生成が減ります。ストリーミングで途中経過を表示する partial_images は、1枚につき100トークンの画像出力トークンが追加で発生すると公式ガイドに明記されているので、UI 上で必要ないなら0にしておきます。
編集系のワークフローでは入力側も見てください。参照画像を何枚も渡す実装だと画像入力トークンが積み上がります。旧世代の使いどころはGPT-Image-2 は日本語の文字がきれいか、料金と使いどころにまとめています。
発注側が見積書で見るべきところ
制作会社やベンダーに画像生成の実装を頼む場合、料金表そのものより契約の書き方でコストが決まります。最低限、次の5点は見積書と契約書に明記されているか確認してください。
- API 従量課金の負担者:制作費に含むのか、実費を都度請求されるのか、月額上限があるのか。含む場合は想定生成枚数が書かれているか。
- 単価改定時の扱い:OpenAI 側の料金改定があったときに誰が負担するか。据え置き期間の定めがあるか。
- 実測の有無:「1枚◯円」と書かれていたら、その根拠は何枚の実測か。計算値だけなら品質設定とサイズの前提が明記されているか。
- 品質設定とサイズの取り決め:公式の出力トークン計算のとおり、low と max では1枚あたり約36倍違います。どの工程でどの設定を使うかが合意されているか。
- やり直し回数の上限:生成のリトライは費用に直結します。何回までを制作費内とするか。
逆に、実測値と前提が書いてある見積もりは信用できます。「1枚あたり◯円(1024×1024・high・100枚実測の平均、入力トークン込み)」まで書ける会社は、実際に動かしています。
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まとめ
gpt-image-2.5 の料金は GPT-Image-2 の標準料金と完全に同額で、値上げはされていません。同じ品質ラベルで比べれば1枚あたりはむしろ安くなりますが、これは品質設定が3段から5段に増えてラベルの意味がずれたためで、同じ絵が安く作れるという意味ではありません。「2倍」という話は gpt-image-2 の Batch API 料金(50%引き)と 2.5 の標準料金を並べたときの見え方で、バッチ運用をしている現場だけが実質的に2倍を負担するという理解が正確です。
Flare と Sunburst に価格差はないので、選択軸は「速さ重視の日常生成か、編集精度優先か」だけです。1枚あたりの金額は公式計算式で目安を出せますが、確定するのはレスポンスの usage だけ。導入判断の前に、本番と同じ条件で数十枚だけ回してみてください。
よくある質問
gpt-image-2.5 は GPT-Image-2 より値上げされたのですか?
いいえ。2026年9月9日時点の OpenAI 公式料金表では、gpt-image-2.5-flare / sunburst と gpt-image-2 の標準料金は同額です。いずれも画像出力 30ドル、画像入力 8ドル、テキスト入力 5ドル(100万トークンあたり)です。2倍という話は、gpt-image-2 の Batch API 料金(50%引き・画像出力15ドル)と 2.5 の標準料金を比べたときの見え方です。
Flare と Sunburst で料金は違いますか?
違いません。公式ドキュメントに、どちらの GPT Image 2.5 モデルも同じトークン単価を使うと明記されています。選ぶ基準は価格ではなく、速さ重視の日常生成なら Flare、編集の精度が最優先なら Sunburst という用途の違いです。
1枚あたりいくらになりますか?
公式の出力トークン計算ツールに基づくと、1024×1024 の場合で low が約0.006ドル、medium が約0.013ドル、high が約0.053ドル、xhigh が約0.094ドル、max が約0.211ドルです。これは画像出力トークンだけの試算で、プロンプトのテキスト入力と参照画像の入力トークンは含みません。実際の請求はレスポンスの usage に返るトークン数で決まるため、本番と同じ条件で実測してから見積もってください。
gpt-image-2.5 は Batch API で使えますか?
2026年9月9日時点の公式資料では、Batch API の料金表に gpt-image-2.5 の2モデルは掲載されておらず、各モデルの詳細ページでも v1/batch は非対応と表示されています。50%引きのバッチ枠を使いたい場合は gpt-image-2 が対象です。
コストを下げるには何をすればよいですか?
3つあります。1つはキャッシュ入力を効かせること(テキスト入力と画像入力の単価がいずれも4分の1になります)。2つ目はドラフトを low、採用案だけ max にするなど品質設定を工程で使い分けること(low と max では1枚あたり約36倍違います)。3つ目はプロンプトをテンプレ化して再生成の回数を減らし、不要なら partial_images を0にすることです。