Grok Bot は、SpaceXAI(旧 xAI)が2026年8月11日にベータ提供を始めた「仕事を任せられる AI の同僚」です。そして2026年8月26日、SuperGrok と Cursor の各プランに含まれる形へと提供範囲が広げられました。いちばん実務的な事実を先に書くと、Grok Bot の利用量は Grok や Cursor の既存プランとは別枠で、Bot に渡した仕事は手元のプランの上限を消費しません。
料金は Grok Bot 単体で設定されているわけではなく、対象プランの契約に含まれます。SpaceXAI の公式価格ページで確認できる範囲では、SuperGrok が月30ドル、SuperGrok Plus が月100ドルで、SuperGrok の機能一覧に「Grok Bot access」が明記されています。
Grok Bot が含まれるプラン一覧
2026年8月26日の発表で挙げられているのは次の8プランです。
系統 | 対象プラン |
|---|---|
SpaceXAI(Grok) | SuperGrok / SuperGrok Plus / SuperGrok Heavy |
Cursor | Cursor Pro / Cursor Pro+ / Cursor Ultra / Cursor Teams(Standard・Premium) |
ここは注意して読む必要があります。2026年8月11日のベータ開始時の発表を突き合わせると、そこでも対象は「SuperGrok / Plus / Heavy、Cursor Pro / Pro+ / Ultra、Cursor Teams の Standard・Premium」とまったく同じ8プランが挙げられていました。つまり8月26日の発表で新しく対象プランが増えたわけではありません。読み取れる差分は「ベータ期間中の提供」から「各プランに含まれる(included)」という位置づけの変更で、公表情報の範囲ではそこが変わった点です。「今回から Cursor でも使えるようになった」と説明している記事を見かけたら、8月11日の発表と読み比べてください。
なお、法人向けの Enterprise プランは8月11日時点で今後のアクセスに向けたウェイトリストの案内で、8月26日の発表でも対象プランには挙げられていません。
何ができるのか(他のAIエージェントとの違い)
公式が挙げている特徴は4点です。
- チャットのUI:チームの誰かにメッセージを送るのと同じ感覚で、モバイルからでもデスクトップからでも同じスレッドを続けられる。事前のセットアップが不要
- 複数のBotを同時に動かせる:リサーチ担当・執筆担当・チーフオブスタッフを立てて、グループチャットに入れると Bot 同士で仕事を受け渡す
- Bot専用のクラウド上のPC:常時稼働で、ブラウザとターミナルにアクセスできる。各アプリに自分でサインインして、チャットの下書きではなく実際のツールの中で作業する
- 手順の覚えさせ方が簡単:次に自分がその仕事をするときに「ついてきて」と頼めば、以降は Bot が単独で回せるようになる
差別化されているのは3つ目です。API や MCP のきれいな連携が用意されていないサービスでも、ブラウザを人間と同じように操作して押し切る、という設計になっています。公式が挙げている用途にも、Gmail・Slack・ServiceTitan・顧客ポータルをまたいで受注と稼働計画を回す「オフィスマネージャー」や、ドメインの購入からデプロイまでやる「Webサイト構築」など、ブラウザ操作が前提の仕事が並んでいます。
一方で、公開されている情報には精度・成功率を示す数値が一切ありません。載っているのは社内利用の様子と利用者コメントだけです。「90%と100%の間には大きな差がある」という公式のコメントは、裏を返せばそこが競争軸だと認めている表現でもあります。導入を検討するなら、ベンチマークではなく自社の実際の作業を1本渡して最後まで終わるかで見るのが確実です。
Mihataでも、こうしたAIエージェントを「どの業務なら任せてよいか」の線引きから一緒に決めるところをお手伝いしています。よろしければ合わせてご覧ください。
導入前に確認しておきたい3点
- アカウントを預ける範囲:Bot は自分のクラウドPCから各サービスへサインインして作業します。どのアカウントの認証情報を渡すのか、退職者が出たときにどう剥がすのかを先に決めておく必要があります。
- 承認を挟む場所:公式の用途例でも、営業の送信・解約・返金は「人の承認を経る」形で書かれています。送信や課金など後戻りできない操作の手前で止まる設計になっているかを、実際に試して確認してください。
- 使える端末:8月11日の発表ではデスクトップと iOS が対象として挙げられています。Android の可否は公表情報からは読み取れないので、チームの端末構成に合うかを事前に確認してください。
他社の常駐型エージェントと比べるなら、Google 側のGemini Sparkという24時間動く個人AIエージェントが近い立ち位置です。音声まわりで Grok を業務に使う話はGrok Voiceの業務活用にまとめています。
前提となるモデルは Grok 4.6
2026年8月27日時点で、SpaceXAI の開発者ドキュメントが推奨している最新モデルはGrok 4.6(2026年8月12日公開)です。同ドキュメントは「コードを含め、それ以外のすべてには Grok 4.6 を使ってください」と書いており、Grok 4.7 や Grok 5 の記載はありません。知識のカットオフは2026年2月1日で、最新の出来事を扱うには Web検索・X検索のサーバー側ツールを有効にする必要があります。次のモデルの見通しはGrok 5 はいつ出るのかを整理した記事で追っています。
まとめ
Grok Bot は SuperGrok(月30ドル)・SuperGrok Plus(月100ドル)・SuperGrok Heavy と、Cursor Pro / Pro+ / Ultra / Teams に含まれ、Bot の利用量は既存プランとは別枠です。2026年8月26日の発表は「対象プランの拡大」と説明されていますが、公表されているプラン一覧は8月11日のベータ開始時と同一で、変わったのはベータ提供から各プランに含まれる扱いへという位置づけです。精度の数値は公開されていないため、判断は自社の実作業で行ってください。AIモデル全体の動きは2026年後半のAIモデル公開ロードマップにまとめています。
よくある質問
Grok Bot の料金はいくらですか。
Grok Bot 単体の価格は設定されておらず、対象プランに含まれます。SpaceXAI の公式価格ページでは SuperGrok が月30ドル、SuperGrok Plus が月100ドルで、SuperGrok の機能一覧に Grok Bot access が記載されています。
Grok Bot を使うと、いまのプランの利用上限を消費しますか。
消費しません。公式に「Grok Bot は Grok と Cursor のプランとは別枠の利用量を持つため、Bot に渡した仕事は既存の利用量を消費しない」と明記されています。
2026年8月26日の発表で、対象プランは増えたのですか。
公表されているプラン一覧は、2026年8月11日のベータ開始時と同じ8プランです。変わったのは、ベータ期間中の提供から各プランに含まれる扱いへ、という位置づけです。
Enterprise プランでも使えますか。
2026年8月27日時点で、対象プランに Enterprise は挙げられていません。8月11日の発表では、Enterprise ユーザー向けに今後のアクセスのウェイトリストが案内されています。
どのモデルが使われていますか。
SpaceXAI の開発者ドキュメントが2026年8月27日時点で推奨している最新モデルは Grok 4.6(2026年8月12日公開)です。Grok 4.7 や Grok 5 の記載はありません。