Mihata
仕事効率化(DX)2026.10.07

立ち上がるリマインドを無料で|座りすぎ防止は何分おき

座りっぱなしを自力で止められないなら、仕掛けるのは「一定間隔で鳴り続ける繰り返しタイマー」です。会社のPCにソフトを入れられない人の第一候補は、ブラウザで開くだけの無料タイマーで、インストールも管理者権限も要りません。間隔の目安は、厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の推奨シート(成人版)が「長時間の座位行動をできる限り頻繁に(例えば、30分ごとに)中断(ブレイク)する」と書いており、30分がひとつの手掛かりになります。

ただし、これは「唯一の正解は30分」という意味ではありません。後述するとおり、WHOのファクトシートは座位時間に具体的な数字を置いていません。この記事では、立ち上がるリマインドを無料で仕掛ける手段を4層に分けて比較し、「会社のPCに入れられるか/音を出せるか/忘れても続くか」の3点で選べるように整理します。

結論:手段は4層あり、職場の制約で決まる

「立ち上がるリマインド」を実現する道具は、技術的には次の4層しかありません。どれが良いかは機能の優劣ではなく、あなたの職場で何が許されているかでほぼ決まります。

層

具体例

会社のPCに入れられるか

音を出せるか

忘れても続くか

(a) ブラウザの繰り返しタイマー

Web上の無料タイマー(インストール不要)

◎ インストール不要。管理者権限も不要

◎ 音・画面の光・OS通知を選べる

△ タブを閉じる・PCを閉じると止まる

(b) OS標準・ウェアラブルの機能

Windowsの時計アプリのフォーカスセッション/Apple Watchのアクティビティ通知/Fitbit・Pixel Watchの運動リマインダー

○ Windowsは標準搭載。ウォッチは私物の持ち込み可否次第

△ ウォッチは振動が主。PCは通知音

◎ 端末側が勝手に数えて鳴らす

(c) カレンダーの繰り返し予定

Googleカレンダーの定期的な予定+通知

◎ すでに業務で使っているものを流用

△ 通知音はOSとアプリの設定次第

◎ 予定は消えないので勝手に続く

(d) 常駐アプリ

デスクトップに常駐する休憩リマインダー

× 管理されたPCではインストールが通らないことが多い

◎ 全画面で割り込める製品もある

◎ 起動時に自動で立ち上がる

実務で詰まるのはほぼ(d)です。情報システム部門が管理しているPCでは、常駐アプリの導入申請が通らない、あるいは通るまでに数週間かかります。だから「今日から始めたい」人は(a)か(c)から入り、私物のウォッチがあるなら(b)を重ねる、という順番が現実的です。

何分おきが良いのか:確認できた範囲と、確認できなかったこと

先に正直に書きます。「◯分おきが最適」という唯一の数字は、一次ソースでは確認できませんでした。

確認できたのは次の2点です。1つは、厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の推奨シート(成人版)が、成人への推奨事項として「座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなりすぎないように注意する」と置き、そのうえで「長時間の座位行動をできる限り頻繁に(例えば、30分ごとに)中断(ブレイク)することが、食後血糖値や中性脂肪、インスリン抵抗性などの心血管代謝疾患のリスク低下に重要である」と書いていることです。ここで「例えば」と添えられているのが大事で、30分は目標値ではなく例示です。

もう1つは、WHOのPhysical activityファクトシートが「All age groups should limit the amount of time being sedentary(すべての年齢層が座っている時間を制限すべき)」と述べるだけで、成人の座位時間について具体的な上限値や「◯分ごと」という数字を置いていないことです。国際的な指針でも数字は固定されていません。

また、厚労省の記述は集団を対象にした研究の傾向をまとめたものです。個人が立ち上がれば特定の病気を防げる、という話ではありません。腰や首・肩の痛みが続いている場合は、リマインドの間隔を調整する前に医療機関で相談してください。

実務的な代案:自分の作業の区切りに合わせる

数字が1つに決まらないのなら、自分の作業の区切りに間隔を合わせるのが続きます。理由は単純で、作業の途中で鳴るリマインドは無視されるからです。

具体的には、ポモドーロ・テクニックの「作業25分+休憩5分」はちょうど30分周期になるので、厚労省の例示とそのまま噛み合います。すでにポモドーロで作業している人は、新しくリマインドを足す必要がなく、休憩のときに座ったまま休むのをやめて立つだけで要件を満たします。長めに集中したい人なら「50分+10分」で60分周期にして、1時間に1回立つ形にする。自分の仕事の最小単位に揃えるのがコツです。休憩の長さそのものの考え方は仕事の休憩は何分が適切かを法律と集中の両面から整理した記事にまとめています。

(a) ブラウザの繰り返しタイマー:会社PCでも今日から使える

ブラウザで開くだけのタイマーが第一候補になる理由は3つあります。インストールが要らない/管理者権限が要らない/端末を変えても同じ手順で使える。情報システム部門に申請を出す必要がないので、今日この場で始められます。

ただし「繰り返し」に対応しているかは製品差が大きいところです。1回鳴って終わるタイマーだと、毎回自分で押し直すことになり、2日で続かなくなります。選ぶときは自動で繰り返す(ループする)機能があるかを必ず確認してください。繰り返しの作り方そのものは無料Webタイマーで自動の繰り返し(ループ)を設定する方法で型ごとに整理しています。

音を出せない職場なら、鳴らさずに知らせる形も選べます。画面を光らせる・振動させるタイプの使い方は音を鳴らさず視覚だけで時間を管理する無音タイマーの使い方が参考になります。

(b) OS標準・ウェアラブルの機能:忘れても勝手に続く

端末側の機能は「自分で仕掛け直さなくても続く」点が最大の強みです。ただしどの機能が実在してどこで設定するかは製品ごとに違うので、公式の手順で確認できたものだけを挙げます。

Apple Watch:1時間に1分以上立つとリングが進む

Appleのサポート文書「Apple Watchで毎日のアクティビティを記録する」によると、青色の「スタンド」リングは「1日のうちで1時間に1分以上立って体を動かした回数」を示します。車椅子を使う設定では、このリングが「ロール」リングに変わり「1日のうちで1時間に1分以上軽い運動をした回数」を示します。

通知の設定場所も公式に書かれています。Apple Watch本体なら設定アプリ →「アクティビティ」、iPhoneからならApple Watchアプリ →「マイウォッチ」→「アプリ」→「アクティビティ」です。なお、ここで扱えるのは「1時間に1分以上」という時間単位の仕組みなので、「30分ごとに鳴らす」という間隔指定として使えるとは公式には書かれていません。

アラーム機能で代用できないかというと、Apple Watchのアラームの繰り返しは「アラームを繰り返したい曜日を選択します」と曜日指定の形で、◯分おきという間隔指定の手順は公式手順に見当たりませんでした。「30分おきに鳴らす」をOS標準のアラームで組むのは、少なくとも素直な方法ではありません。

Fitbit・Pixel Watch:毎時50分に「あと250歩」を振動で知らせる

Googleのヘルプによると、Fitbitデバイスの「運動リマインダー」は「250歩以上歩くように促す通知」で、「各時間帯が終わる10分前(午前10時50分など)」に出ます。既定は「毎日の午前9時~午後6時まで1時間あたり250歩以上」で、「平日の午前10時~午後5時まで」のように時間帯と曜日を変更できます。

設定は、Google Healthアプリで左上の接続アイコン →「お使いのデバイス」→「Google Healthのリマインダーとアラート」→「運動リマインダー」→「リマインダーを受け取る」で切り替えます。歩数という結果で判定してくれるのがこの層の良さで、すでに歩いていた1時間には鳴りません。無駄に鳴らないので無視されにくい設計です。

Windowsの時計アプリ:フォーカスセッションに休憩を挟む

Microsoftのサポート「フォーカス: Windows で気を散らすことなくタスクに集中する」によると、時計アプリで「フォーカス セッション」を選び、「フォーカス セッションの時間と休憩を取るかどうかを選択」して開始できます。タスクバーの時計や通知ベルのアイコンから、あるいは「システム > フォーカス」からも始められます。設定できる項目として「セッションの期間」「時計アプリでタイマーを表示する」「応答不可をオンにする」などが挙げられています。

ここはWindowsに最初から入っているので、インストール申請が要りません。一方で公式ページには、休憩の既定の長さや「◯分以上のセッションなら休憩が入る」といった数値は明記されていませんでした。実際の挙動はご自分の環境で確認してください。

(c) カレンダーの繰り返し予定:すでに見ている画面に出す

一番忘れられにくいのは、毎日必ず見る画面に出すことです。Googleカレンダーのヘルプによると、予定作成時に「繰り返さない」の横の矢印から「予定を繰り返す間隔と終了日」を選べ、定期的な予定は最大730回まで繰り返せます。通知は予定を編集して通知アイコンの横から、通知かメールかと事前に知らせる時間を設定します。

実務での使い方は、30分おきに予定を730本積むのではなく、午前と午後に1本ずつ「立つ」という10分の予定を入れる形が現実的です。カレンダーは他人にも見えるので、会議の候補から外れるという副作用もあります。

集中時計で30分おきのリマインドを仕掛ける

Mihataが公開している無料のWebタイマー「集中時計」では、カウントダウンタイマーの設定に「連続して使う」(ひとつ終わったら次のタイマーが自動で始まる)と「最後まで来たら繰り返す」(いちばん下まで終わったら、また上から始まる)があります。この2つをオンにして30分のタイマーを1本置くと、止めるまで30分おきに鳴り続ける形になります。

ブラウザで使える無料Webタイマーのカウントダウン画面。中央に残り時間、右に現在時刻と日付・天気が並ぶ。
集中時計のタイマー画面。全画面で残り時間を大きく表示できる

音を出せない環境のために、終了の知らせ方も選べます。

  • 止めるまで鳴らす:停止するまで通知音を繰り返します。席を外していて1回だけの音を聞き逃す問題に効きます
  • ブラウザ通知:タブが背景にあっても終了時に通知します。別の資料を見ている間も気づけます
  • 画面フラッシュ・バイブ:終了時に画面を光らせ、対応端末では振動します。音を出せないオフィスでの選択肢です

ポモドーロで回したい場合は、作業・休憩の時間をそれぞれ決めておけば自動で次のフェーズへ進みます(既定は作業25分・休憩5分・4回ごとに長い休憩15分)。作業25分+休憩5分=30分周期なので、前述の「例えば30分ごと」とそのまま噛み合います。

私たちはこうしたツールも作っております。記事の途中で恐縮ですが、ブラウザで開くだけで繰り返しのリマインドを仕掛けられるものだと思っておりますので、よろしければ合わせてご覧いただけたら嬉しいです。

料理と作業など用途ごとに別のタイマーを並べたい場合は、複数のタイマーを同時に動かせる無料Webツールの使い方も合わせてご覧ください。

実務の落とし穴4つ

音だけだと無視される

作業に集中しているとき、短い通知音は「どこかの物音」として処理されてしまいます。対策は、音と視覚の2系統で知らせること。画面を光らせる、OS通知を出す、止めるまで鳴らす、のいずれかを重ねます。Fitbitの運動リマインダーが振動を使うのも、音より身体に届く経路を選んでいるからです。

鳴っても立たない日が続くなら、間隔が短すぎる

これが一番多い失敗です。鳴っているのに立たない状態が3日続いたら、やる気の問題ではなく間隔の設定ミスと考えてください。作業の途中で鳴るリマインドは、無視する習慣をつけるだけで逆効果になります。30分で立てないなら45分や60分に広げる。間隔を広げて「鳴ったら必ず立つ」状態を作るほうが、短い間隔で全部無視するより結果的に立つ回数は増えます。続かない原因の切り分け方はポモドーロが続かない理由と続く形への作り替えが近い話を扱っています。

会議中に鳴る

オンライン会議中にリマインドが鳴ると、相手にも聞こえます。対策は2つです。1つは、会議の多い時間帯を最初からリマインドの対象外にすること。Fitbitの運動リマインダーは時間帯と曜日を変更でき、Windowsのフォーカスも「応答不可をオンにする」を選べます。もう1つは、音を使わず画面の光やOS通知だけにしておくことです。会議の合間に席を立つなら、その移動自体が中断になります。

タブやPCを閉じると止まる

ブラウザのタイマーの弱点はここです。昼休みにPCを閉じると、午後は仕掛け直さないと動きません。午後の始めに1回押し直すという前提で運用するか、ウォッチやカレンダーなど「端末が覚えている」層と組み合わせます。在宅勤務で作業環境そのものを整えたい場合は在宅ワークで集中できないときの環境設計も参考になります。

まとめ:間隔より「必ず立つ」を優先する

立ち上がるリマインドは、無料の道具でほぼ賄えます。会社のPCに何も入れられない人は、ブラウザの繰り返しタイマーをひとつ開くだけで始められ、私物のウォッチがあれば歩数で判定してくれる層を重ねられます。

間隔については、厚労省の推奨シートが「例えば、30分ごとに」と例示しているのが現時点で確認できる手掛かりで、国際的にも唯一の数字は固定されていません。だからこそ、30分という数字を守ることより、鳴ったら必ず立つ間隔を見つけることのほうが実務では効きます。まずは自分の作業の区切りに合わせた間隔で1週間試して、無視した回数を数えてみてください。

社内の働き方や業務の仕組みづくりについてお困りのことがあれば、下記からお気軽にご相談ください。

よくある質問

立ち上がるリマインドは何分おきに設定するのが正解ですか?

唯一の正解となる数字は一次ソースでは確認できませんでした。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート(成人版)は「できる限り頻繁に(例えば、30分ごとに)中断(ブレイク)する」と例示しており、WHOのファクトシートは具体的な数字を置いていません。実務では、ポモドーロの作業25分+休憩5分=30分周期のように、自分の作業の区切りに合わせるのが続きます。

会社のPCにソフトを入れられません。無料で使える方法はありますか?

ブラウザで開くだけのWebタイマーが第一候補です。インストールも管理者権限も不要なので、情報システム部門への申請なしで今日から使えます。Windowsなら標準の時計アプリのフォーカスセッション、普段使っているGoogleカレンダーの繰り返し予定も、追加のインストールなしで使えます。

オフィスで音を出せません。音なしで知らせる方法はありますか?

あります。集中時計のタイマーには「画面フラッシュ・バイブ」(終了時に画面を光らせ、対応端末では振動する)と「ブラウザ通知」(タブが背景でも終了時に通知する)があり、音を切ったまま使えます。ウェアラブルの運動リマインダーも振動で知らせる形です。

Apple Watchで30分おきに立つよう知らせてもらえますか?

Appleのサポート文書では、青色の「スタンド」リングは「1日のうちで1時間に1分以上立って体を動かした回数」を示す1時間単位の仕組みとして説明されています。30分ごとに鳴らす間隔指定として使えるとは公式には書かれていません。アラームの繰り返しも曜日指定で、◯分おきという間隔指定の手順は公式手順に見当たりませんでした。

リマインドが鳴っても立てない日が続きます。どうすればいいですか?

間隔が短すぎる可能性が高いです。鳴っているのに立たない状態が数日続くと、無視する習慣がつくだけで逆効果になります。30分で立てないなら45分や60分に広げ、「鳴ったら必ず立つ」状態を作るほうが、結果的に立つ回数は増えます。腰や首・肩の痛みが続いている場合は医療機関で相談してください。

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