Mihata
AI活用2026.09.23更新 2026.10.18

Claude Sonnet 5.5が提供開始|9月28日・料金は据え置き

Anthropic が 2026年9月28日に Claude Sonnet 5.5 の提供を開始しました。この記事は「Sonnet 5.5 はいつ出るのか」を追ってきた記事を、発表当日の確定情報で全面的に書き換えたものです。結論から書きます。

【2026年10月18日 時点】Anthropic の提供終了ページを取り直しても、claude-haiku-4-5-20251001 は Active・非推奨日 N/A のままです。「2026年10月15日より前には終了させない」という下限日を3日過ぎましたが、提供終了の告知は出ていません(同ページには、公開モデルの退役は最低60日前に通知する方針="at least 60 days' notice" が明記されているため、仮に今日告知が出ても退役は2026年12月17日以降になります)。claude-sonnet-4-5-20250929 の退役 2026年11月30日までは残り43日です。

結論:9月28日に提供開始・価格は Sonnet 5 と同額のまま

Claude Sonnet 5.5 は 2026年9月28日にリリースされ、Claude Platform、Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azure を含む全プラットフォームで同日から使えます。モデルIDは claude-sonnet-5-5 です。

  • 価格は Sonnet 5 と同額:入力 $2 / 出力 $10(100万トークンあたり)、キャッシュ読み $0.20、キャッシュ書き込み $2.50
  • 出力生成は30%以上高速。歴代 Sonnet でいちばん速い
  • 同じ仕事に使うトークンが減るため、Anthropic の計測では1タスクあたり最大30%安い
  • コンテキスト 100万トークン/最大出力 12.8万トークン/知識のカットオフは2026年6月
  • ゼロデータ保持に対応。退役の保証期限は2027年9月28日より前にはしないと公式一覧に明記

「価格表は据え置きなのに、請求額は下がる」という形の値下げです。ここが今回いちばん読み違えやすいところなので、Claude Sonnet 5.5 のコスト試算で、単価据え置きでも総額が減る仕組みを自社の数字に落とせる形で分解しています。

性能:Sonnet 5 から一段どころではない伸び方をした

Anthropic が公表した数字のうち、桁で変わっているものを並べます。いずれも同社の発表ページの値です。

評価

Sonnet 5.5

Sonnet 5

Opus 5.5

Terminal-Bench 4.0(エージェント的なコーディング)

70.6%

10.3%

66.4%

CursorBench 4.0

55.5%

34.1%

57.8%

FrontierCode 1.1(Main)

46.2%(Max)/52.1%(Xhigh)

42.4%

54.4%

GDPval-AA v2.1(実務の知識労働)

1844

1449

1846

OSWorld 2.1(コンピュータ操作)

80.1%

57.0%

81.8%

Chartography(図表の読み取り)

61.6%

15.6%

64.4%

注目すべきは Terminal-Bench 4.0 が 10.3% → 70.6% という動き方です。これは「少し賢くなった」ではなく、それまで手が出なかった種類の作業に届くようになったときに出る変わり方です。知識労働の GDPval-AA も 1449 → 1844 で、最上位の Opus 5.5(1846)とほぼ並んでいます。

ただしベンチマークの読み方には注意が要ります。各社は自社に有利な effort 条件で測りますし、Anthropic 自身も「この水準になるとベンチの差は実世界の差の指標として信頼性が下がる」と書いています。実際、同社は「複雑で終わりの見えない、判断を要する仕事では Opus 5.5 のほうが明確に強い」と明記しています。どちらを使うべきかの線引きは Sonnet 5.5 と Opus 5.5 の使い分けにまとめました。

もうひとつ地味に効く話として、Sonnet 5.5 はスクリーンショットだけで『ポケットモンスター 赤』をクリアした初めての Sonnetだと公式が書いています。長時間にわたって状況を見失わずに進める力が上がった、という意味です。

コスト:単価は同じなのに、1タスクの請求が3割減る

Sonnet 5.5 の価格は Sonnet 5 とまったく同じです。それでも安くなる理由は、同じ仕事を終えるのに必要なトークンが減ったからです。公式は「1タスクあたり最大30%安い」と表現しています。

第三者の実測も出ています。Slack のエンジニアは、プロンプトを一切変えずに Sonnet 5 から入れ替えただけで、ほぼすべての社内評価でスコアが上がり、手数が減り、出力トークンが約14%減ったと述べています。Epic Games は、数万行規模のゲームプレイ基盤のコードを扱わせても応答が遅くならず、数時間かかる作業を細かく指示しなくてもこなしたと報告しています。

ここで大事なのは、「最大30%」も「14%」も他社の条件での数字だということです。自社のワークロードで同じ比率になる保証はありません。測り方は後述します。

移行時の注意:Sonnet 5 のコードがそのままでは動かない箇所が5つある

ここが今回いちばん実務に効きます。Anthropic は Sonnet 5 で動いていたコードに影響する破壊的変更を5つ挙げています。どれも400エラーとして表に出ます。

  1. thinking のオフの書き方が変わった:thinking: {"type": "disabled"} は400エラーになり、代わりに {"type": "between_tools"} を送ります。ただし effort が xhigh / max のときは between_tools 自体が400になります
  2. ツールの強制呼び出しが使えない:tool_choice の any と tool は400エラー。auto(既定)と none のみ対応
  3. thinking ブロックがモデルと会話に紐づく:Sonnet 5.5 は Sonnet 5 や Opus 4.8 以前の thinking は読めますが、Opus 5 / Opus 5.5 / Fable / Mythos 系の thinking は読めません(読めないブロックは課金されずに落とされます)
  4. 旧コンピュータ操作ツールが使えない:Claude API と Google Cloud では computer_20251124 が400エラー。computer_toolset_20260801 へ移行が必要(Amazon Bedrock では旧ツールも受け付けます)
  5. advisor ツールの相手に Opus 4.8 / Opus 4.7 / Sonnet 5 を指定できない

加えて、エラーにはならないが挙動が変わるものが1つあります。ツール呼び出しの合間に出るテキストが thinking ブロックとして返るため、そこをユーザーに流している画面は「途中で黙る」ように見えます。

実際に400が出たときの切り分けは Claude Sonnet 5.5 が使えない・400エラーになるときにまとめています。

安全側:高リスクのサイバー用途だけ Sonnet 5 に落ちる

Sonnet 5.5 はサイバーセキュリティ能力が Opus 5 並みに上がったため、Sonnet として初めて Opus 級のサイバー安全策つきで出荷されました。通常のソフトウェア開発(自分のコードのバグ探しと修正)はこれまでどおりですが、リスクの高い依頼は目に見える形で Sonnet 5 にフォールバックします。生物系のセーフガードは Sonnet 5 と同じ水準です。

また、蒸留対策として推論の抽出を防ぐ分類器が初めて Sonnet に載り、preserved thinking の範囲も広がりました。Claude Code で会話の途中にアカウントを切り替えるような使い方をしている場合だけ影響が出ます。

【2026年10月6日】Sonnet 4.5 は11月30日に退役=Sonnet 5.5 が公式の移行先になった

Anthropic の提供終了ページを2026年10月6日に取り直したところ、Sonnet 5.5 の立ち位置が「新しい選択肢」から「期日つきの移行先」へ変わっていました。

モデルID

状態

告知日

退役日

公式の移行先

claude-sonnet-4-5-20250929

Deprecated

2026年9月30日

2026年11月30日

claude-sonnet-5-5

claude-sonnet-5-5

Active

—

2027年9月28日より前にはしない

—

Sonnet 4.5(claude-sonnet-4-5-20250929)を直接指定しているコードは、2026年11月30日に止まります。2026年10月18日時点で残り43日です。そして Anthropic が指定している移行先が、この記事の Sonnet 5.5 です。「速くて安いから乗り換えるか」という選択の話ではなく、期日のある作業になりました。

ここで効いてくるのが、下の「移行時の注意:Sonnet 5 のコードがそのままでは動かない箇所が5つある」です。Sonnet 4.5 からの移行でも同じ5点を踏みます。11月30日の直前にまとめて直すのではなく、評価セットを先に用意して段階的に切り替えるほうが安全です。社内に散っているモデルIDの棚卸しの手順はAIモデル提供終了への対応(移行6手順と期日一覧)に分けてあります。

なお、2026年10月6日時点で Anthropic が公式に「まずこれを」と推しているのは Claude Opus 5.5 です(モデル一覧の先頭)。Sonnet 5.5 は「範囲の決まった仕事を安く速く回す側」という位置づけが固まりました。使い分けはSonnet 5.5 と Opus 5.5 の使い分けをご覧ください。

いま何をすべきか

順番はこうです。

  • Sonnet 4.5(claude-sonnet-4-5-20250929)を使っている:2026年11月30日が退役日なので、ここが最優先です。移行先は公式に Sonnet 5.5 が指定されています
  • Sonnet 5 を使っている:価格が同じで速く賢いので、移行しない理由がありません。ただし上の破壊的変更5点を先に潰してから切り替えます
  • Opus 5 / Opus 5.5 を日常作業に使っている:範囲の決まった定型作業は Sonnet 5.5 へ降ろすだけで単価が半分になります。Opus 5.5 の料金と並べて判断してください
  • Haiku 系で大量処理をしている:Claude Haiku 5.5 が2026年10月7日に提供開始され、実行コストは平均で約75%安くなりました。料金の段階制と移行時の破壊的変更は Claude Haiku 5.5の提供開始と料金・移行の注意点にまとめています

そして、切り替えの可否を公式のベンチマークで決めないことをおすすめします。効くのは自社の実データから作った20〜50件の評価セットです。代表的な入力と「これが正解」という出力を人が決めておけば、モデルが変わるたびに精度・所要時間・トークン消費を自分の数字で比べられます。作るのに半日、以後すべての世代交代で使い回せます。

Mihata では、こうしたモデル選定や評価セットの設計を含む AI の導入・運用の伴走支援も行っています。記事の途中で恐縮ですが、地味なところほど効きますので、よろしければご覧ください。

2026年10月6日時点の Claude ラインナップ

モデル

入力/出力(100万トークン)

コンテキスト

位置づけ

Claude Fable 5.1

$10 / $50

100万

最上位・研究や難問向け

Claude Opus 5.5

$4 / $20

100万

判断を要する複雑な仕事

Claude Sonnet 5.5

$2 / $10

100万

範囲の決まった日常業務・速さ重視

Claude Haiku 4.5

$1 / $5

20万

大量処理(後継は Haiku 5.5)

【2026年10月9日追記】この表で空いていた Haiku の枠は、2026年10月7日の Claude Haiku 5.5(claude-haiku-5-5)提供開始で埋まりました(10万トークン以下のプロンプトなら入力$0.10 / 出力$0.50、コンテキスト100万トークン)。現行の claude-haiku-4-5-20251001 は、公式一覧で「2026年10月15日より前には終了させない」という下限日だけが書かれており、その日を過ぎた2026年10月18日時点でも Active・非推奨日 N/A のまま、提供終了の告知は出ていません。モデル世代の並びと更新間隔は Claude の次のモデルはいつ来るかで追っています。

まとめ

Claude Sonnet 5.5 は、価格を上げずに性能と速度を大きく上げた世代です。実務で効くのは「同じ仕事のトークンが減る」という一点で、これは価格表を眺めていても見えません。切り替え前に破壊的変更5点を確認し、切り替え後に自社の評価セットで実測する——この2つだけ押さえておけば、この世代交代は素直に得になります。

AI の導入や社内での使い分けについてご相談があれば、お気軽にどうぞ。

よくある質問

Claude Sonnet 5.5 はいつ出ましたか?

2026年9月28日に提供開始されました。Claude Platform に加えて Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azure でも同日から利用できます。モデルIDは claude-sonnet-5-5 です。なお2026年9月30日に claude-sonnet-4-5-20250929 が Deprecated となり(退役は2026年11月30日)、その公式の移行先として claude-sonnet-5-5 が指定されています。

Claude Sonnet 5.5 の料金はいくらですか?

Claude Sonnet 5 と同額で、100万トークンあたり入力$2・出力$10、キャッシュ読み$0.20、キャッシュ書き込み$2.50です。単価は据え置きですが、同じ仕事に必要なトークンが減るため、Anthropic の計測では1タスクあたり最大30%安くなります。

Sonnet 5 から切り替えるときに直す必要があるコードはありますか?

5つあります。(1) thinking のオフは disabled ではなく between_tools、(2) tool_choice の any / tool は使えない、(3) thinking ブロックがモデルと会話に紐づく、(4) Claude API と Google Cloud では旧コンピュータ操作ツール computer_20251124 が使えない、(5) advisor ツールに Opus 4.8 / Opus 4.7 / Sonnet 5 を指定できない。いずれも400エラーとして表に出ます。

Opus 5.5 と Sonnet 5.5 はどちらを使うべきですか?

範囲の決まった日常業務・バグ修正・資料作成は Sonnet 5.5 が適しています。単価は Opus 5.5 の半額で、知識労働の評価 GDPval-AA では 1844 対 1846 とほぼ同等です。一方で、終わりの見えない複雑な仕事や継続的な判断を要する作業は Opus 5.5 のほうが明確に強いと Anthropic 自身が明記しています。

Claude Haiku 5.5 も出ますか?

2026年10月7日に提供開始されました。モデルIDは claude-haiku-5-5 で、実行コストは Haiku 4.5 比で平均約75%安、コンテキストは100万トークンです。ただし Terminal-Bench 4.0 のような複雑なエージェント型コーディングでは Sonnet 5.5 のほうが良い選択だと Anthropic が明記しています。

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