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AI活用2026.11.03

Gemini 2.5 Pro・Flash廃止|12月1日の自動切替と移行手順

2026年11月3日時点の情報です。Google は2026年11月2日、Gemini API の gemini-2.5-pro と gemini-2.5-flash を非推奨(deprecated)にしました(Gemini API changelog)。2026年12月1日からは、この2つのモデル名で送ったリクエストが自動で新しいモデルに回され、新しいモデルの単価で請求されます。Google AI Studio のモデル選択からはすでに外れています。2.5 を名指しで使っている社内ツールや外注システムは、11月中に移行先でテストしておくのが安全です。

結論:12月1日に2.5 Proは3.8 Flashへ、2.5 Flashは3.5 Flash-Liteへ自動で回る

changelog の記載をまとめると次のとおりです。

今使っているモデル名

12月1日以降の行き先

請求される単価

公式の移行ガイド

gemini-2.5-pro

gemini-3.8-flash

Gemini 3.8 Flash の料金

What's new in Gemini 3.8 Flash

gemini-2.5-flash

gemini-3.5-flash-lite

Gemini 3.5 Flash-Lite の料金

What's new in Gemini 3.6(3.5 Flash-Lite の項)

大事なのは、「自動で回るから何もしなくてよい」ではない点です。Google 自身が changelog で「破壊的な API の変更(Breaking API changes)」があると書いており、2.5 向けに書いたリクエストの一部は、行き先のモデルではエラーになります。中身は後半の「止まる原因になる変更点」で整理します。

なお、gemini-2.5-flash-lite は今回の changelog に含まれていません。11月3日時点では非推奨の発表は無い状態です。

非推奨ページはまだ「停止日未定」のまま

11月3日時点で、公式の Deprecations ページは、2.5 Pro・2.5 Flash とも「No shutdown date announced(停止日は未発表)」のままで、「2.5 は過去に使っていた利用者に限って提供を続ける」という以前の注記も残っています。changelog(11月2日付)のほうが新しい情報なので、社内で判断するときは changelog を根拠にしてください。ドキュメント同士の食い違いは、更新が追いつく数日の間によく起きます。

料金はどう変わる?2.5 Proは12月だけ安く、1月からはほぼ同水準

有料枠(Paid Tier)の標準料金を、料金ページから並べると次のとおりです(100万トークンあたり・米ドル)。

モデル

入力

出力(思考トークン込み)

Gemini 2.5 Pro(プロンプト20万トークン以下)

$1.25

$10.00

Gemini 2.5 Pro(20万トークン超)

$2.50

$15.00

Gemini 3.8 Flash(2026年12月31日まで)

$0.75

$3.75

Gemini 3.8 Flash(2027年1月1日から)

$1.50

$7.50

Gemini 2.5 Flash

$0.30(音声は $1.00)

$2.50

Gemini 3.5 Flash-Lite

$0.30(テキスト・画像・動画・音声とも)

$2.50

月の試算:入力1,000万・出力200万トークンの場合

月に入力1,000万トークン・出力200万トークンを使う社内ツール(プロンプトは20万トークン以下)で、単価をそのまま掛けると次のようになります。

  • Gemini 2.5 Pro:入力 $12.50 + 出力 $20.00 = 月 $32.50
  • Gemini 3.8 Flash(12月):入力 $7.50 + 出力 $7.50 = 月 $15.00
  • Gemini 3.8 Flash(2027年1月以降):入力 $15.00 + 出力 $15.00 = 月 $30.00

計算式は「入力トークン数 ÷ 100万 × 入力単価 + 出力トークン数 ÷ 100万 × 出力単価」です。ただし、この試算は同じトークン数で済む場合の話です。Google は移行ガイドで、3.8 Flash は難しい作業ほど小さく考えて検証を重ねるため「設計上、より多くのトークンを使うことがある」と書いています。思考の深さ(thinking_level)の既定は medium です。出力トークンが増えれば、1月以降は 2.5 Pro より高くつくこともありえます。移行テストのときに、実際の出力トークン数を必ず測ってください。

2.5 Flash から 3.5 Flash-Lite への切り替えは、テキストの単価が同じです。音声入力は $1.00 から $0.30 に下がります。

Google検索グラウンディングは「数え方」が変わる

見落としやすいのが、Google 検索で回答の根拠を取る機能(Grounding with Google Search)の料金です。

モデル

無料枠

超過分

Gemini 2.5 Pro / 2.5 Flash

1日1,500リクエスト

グラウンディングしたプロンプト1,000件あたり $35

Gemini 3.8 Flash / 3.5 Flash-Lite(Gemini 3 以降共通)

月5,000件(Gemini 3 以降の全モデルで共有)

検索クエリ1,000件あたり $14

無料枠が「1日1,500」から「月5,000」に変わり、課金の単位も「プロンプト1件」から「検索クエリ1件」に変わります。料金ページには、1回のリクエストから複数の検索クエリが走ることがあり、その1件ずつが課金されると書かれています。毎日数百件以上グラウンディングを使っている場合は、12月の請求が大きく動く可能性があるので、利用件数を先に確認しておきましょう。

止まる原因になる変更点:2.5向けのコードで直す5か所

2つの移行ガイド(Gemini 3.8 Flash・Gemini 3.6 / 3.5 Flash-Lite)に書かれている変更点のうち、2.5 から移るときに影響が大きいものを並べます。

変更点

何が起きるか

直し方

thinking_budget の廃止

2.5 の「思考トークン数の上限」指定は使えない

文字列の thinking_level(low・medium・high など)に置き換える

temperature・top_p・top_k

非推奨で、今は無視される。将来のモデルでは HTTP 400 エラー

リクエストから削除し、出力のぶれはシステム指示で抑える

candidate_count

Gemini 3 以降は非対応

複数案が必要なら、リクエストを分けて送る

モデルの発話の先入れ(prefill)

最後のターンが model だと HTTP 400 エラー

会話の最後をユーザーのターンにする。複数ターンはサーバー側の履歴(previous_interaction_id)にまとめる

関数呼び出し(Function Calling)

generateContent API では、関数の結果に call_id と name を含めることが求められる

すべての FunctionResponse に call_id と name を入れる。思考の署名(thought signature)を保持できる SDK に更新する

特に多いのは、2.5 時代に「JSONで答えて」と出力の書き出しを model ターンで先に入れておく書き方です。この書き方は 12月1日以降、自動で回った先のモデルで 400 エラーになるので、今のうちに探しておきましょう。

thinking_levelはモデルで使える値が違う

3.8 Flash は minimal に対応しておらず、指定するとエラーになります(使える値は low・medium・high)。代わりの設定はGemini 3.8 Flashでthinking minimalが使えないときの代替設定で詳しく書いています。

反対に 3.5 Flash-Lite は minimal が既定です。移行ガイドは、大量の抽出・振り分け・分類なら minimal のまま、ツール呼び出しや複数ステップの推論をさせるなら medium か high に上げるよう勧めています。2.5 Flash でエージェント的な処理をしていた場合、そのまま回すと途中でツール呼び出しをやめてしまうことがあるので、ここは必ず設定し直してください。

12月1日までにやること:移行の手順

  1. 使っている場所を洗い出す:社内のコード・ノーコードツール・外注先のシステムで、gemini-2.5-pro と gemini-2.5-flash を検索する。環境変数や設定画面にモデル名が入っていることも多い。
  2. 行き先を決める:自動の行き先(3.8 Flash/3.5 Flash-Lite)でよいか、用途に合わせて別のモデルを選ぶかを決める。重い推論や長い作業なら 3.8 Flash、安く大量にさばくなら 3.5 Flash-Lite、その中間なら Gemini 3.6 Flash も選べる。
  3. 上の5か所を直す:thinking_budget・サンプリング用パラメータ・candidate_count・prefill・関数呼び出しの順に確認する。
  4. テスト環境で同じ入力を流す:代表的な依頼を数十件流し、回答の品質と、入出力のトークン数を2.5と比べる。
  5. モデル名を明示して切り替える:自動の振り替えに任せず、自分でモデル名を書き換えて本番に出す。いつ何が変わったかを社内で追えるようにするため。
  6. 1月の値上げを予算に入れる:3.8 Flash は2027年1月1日から入力・出力とも2倍の単価になる。

移行ガイドには、コーディングエージェントに移行作業を任せるためのスキル(gemini-api-dev・gemini-interactions-api)も紹介されています。ただし、自動で書き換えた後のテストは人の目で行ってください。

3.8 Flash の性能や上位モデルとの分け方は、Gemini 3.8 Flashの料金と3.7との違いとGemini 4 Argonと3.8 Flashの使い分けにまとめています。

モデルの廃止は、API を直接使っている会社ほど毎年のように対応が必要になります。私たちは、社内向けの AI ツールをつくるときに、モデル名を1か所で差し替えられる作りや、移行時のテスト手順まで含めてお手伝いしています。記事の途中で恐縮ですが、自社のツールの移行に不安がある方は、よろしければ合わせてご覧いただけたら嬉しいです。

同じ時期のGemini APIの変更もあわせて確認

2026年10月26日には、有料枠で新しく作ったプロジェクトでリクエストが既定で保存されるようになりました。移行のために新しいプロジェクトを作る場合は、Gemini APIログ保存が既定オンになった件の止め方もあわせて確認してください。

まとめ

Gemini 2.5 Pro と 2.5 Flash は2026年11月2日に非推奨となり、12月1日からはそれぞれ Gemini 3.8 Flash と Gemini 3.5 Flash-Lite に自動で回され、その単価で請求されます。自動で回っても、thinking_budget や prefill など2.5向けの書き方はエラーの原因になるので、11月中にモデル名を自分で書き換え、テストで品質とトークン数を確かめておきましょう。3.8 Flash は2027年1月に値上げされる点も予算に入れておくと安心です。

よくある質問

Gemini 2.5 Proはいつ使えなくなりますか?

Googleは2026年11月2日にgemini-2.5-proを非推奨にし、Google AI Studioのモデル選択から外しました。2026年12月1日からは、gemini-2.5-proへのAPIリクエストが自動でgemini-3.8-flashに回され、Gemini 3.8 Flashの単価で請求されます。

Gemini 2.5 Flashはどのモデルに切り替わりますか?

2026年12月1日から、gemini-2.5-flashへのリクエストはgemini-3.5-flash-liteに自動で回され、Gemini 3.5 Flash-Liteの単価で請求されます。テキストの単価は入力$0.30・出力$2.50で同じです。gemini-2.5-flash-liteは11月3日時点で非推奨の発表がありません。

何もしなくても自動で切り替わるなら対応は不要ですか?

不要ではありません。Googleは破壊的なAPIの変更があると明記しており、thinking_budgetの指定や、最後のターンをmodelにするprefillなど、2.5向けの書き方は移行先でエラーになりえます。モデル名を自分で書き換え、テストしてから切り替えるのが安全です。

料金は高くなりますか?

2.5 Proから3.8 Flashへの場合、2026年12月31日までは入力$0.75・出力$3.75で2.5 Pro(入力$1.25・出力$10.00)より安くなります。2027年1月1日からは入力$1.50・出力$7.50に上がり、3.8 Flashは設計上トークンを多く使うことがあるため、実際の使用量で試算し直してください。

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