Gemini で「動画の続き」を作れるようになりました。Google は2026年8月27日、動画生成・編集モデル Gemini Omni Flash の正式版(GA)を公開しました。モデルIDは gemini-omni-1.1-flash です。
今回の目玉は3つあります。①動画の続きを生成する「延長」、②2枚の画像のあいだを補間する動画生成、③4K までの解像度指定。とくに延長は、既存の動画を10秒ずつ伸ばして合計40秒までまとめられる機能で、これまで「10秒の短いクリップしか作れない」ことが理由で見送られていた用途が現実的になります。
あわせて、プレビュー版のエンドポイント gemini-omni-flash-preview は2026年9月30日に廃止されると告知されています。試験的に組み込んでいる場合は移行期限がある点に注意してください。
この記事は Google の公式ドキュメント(Gemini API リリースノート・モデルページ・Omni Flash ガイド)の記載だけをもとに整理しています。料金は公式の料金ページがモデル別タブ形式で、本記事の執筆時点では該当行の単価を一次情報として確認できませんでした(一次未確認)。金額は必ず公式の料金ページでご確認ください。
2026年8月27日に何が変わったか
機能 | 内容 | 指定方法 |
|---|---|---|
動画の延長 | 既存クリップの末尾から続きを生成する |
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補間(最初と最後のフレーム) | 2枚の画像の間をつなぐ動画を生成する |
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解像度の指定 | 360p/720p(既定)/1080p/4K から選択 |
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解像度については注意点があります。公式リリースノートは1080p と 4K はアップスケーリングによる出力だと明記しています。ネイティブに4Kで生成しているわけではないので、細部の情報量は720p の素材に準じると考えておくのが安全です。
動画の続きを作る仕組みと上限
公式ガイドによると、延長は「Extend this video」「The scene continues」といった短いプロンプトで指示します。重要なのは仕組みのほうで、モデルは元動画の最後の10秒を文脈として読み、映像・動き・登場人物・音声の一貫性を保つように続きを作ります。そのため、元動画の最後のほうのフレームは、つなぎ目を自然にするために編集される場合があると明記されています。「元の映像は1フレームも変わらない」という前提では使えません。
項目 | 公式に記載されている値 |
|---|---|
1回の延長で伸ばせる長さ | 10秒 |
延長後の合計の上限 | 40秒 |
文脈として読む範囲 | 元動画の最後の10秒 |
入力できる動画の長さ(編集・延長時) | 10秒まで |
1回の生成で出力される動画 | 3〜10秒・24 FPS |
つまり「1本の長い動画をいきなり作る」のではなく、10秒のブロックを積み上げて最大40秒にするという設計です。40秒という上限は、商品紹介の短尺やSNS投稿には足りますが、説明動画やセミナー素材の代替にはなりません。ここは期待値を合わせておく必要があります。
公式ガイドに書かれているプロンプトのコツ
Google は Omni Flash 専用のプロンプトガイドを公開しています。実務でつまずきやすい点が先回りで書かれているので、要点だけ拾います。
1. 既定では勝手に複数カットになる。何も指定しないと、モデルは物語性を作ろうとして複数のショットに割ります。1カットで出したいなら「In a single unbroken scene」「In a single continuous shot」「No scene cuts」と明示する必要があります。
2. 編集の指示はできるだけ短く。説明的すぎるプロンプトは意図しない変更を招きます。たとえば「ソファに座っている男性の映像に、右から黒猫が走ってきて膝に飛び乗り、彼が見下ろしながら頭を撫で始める」ではなく、「猫が膝に飛び乗り、彼が撫で始める。それ以外はすべて同じままにする」と縮めるほうが良い、と公式が例示しています。一部だけ直したいときは「Keep everything else the same」を必ず添えるのがコツです。
3. 音声も指示できる。既定ではモデルが適当な音声トラックを付けます。意図した音にしたいなら「Include calm background music」のようにプロンプトで指定します。逆に不要なら「No dialogue」「No extra sound effects」と否定形で外します。
4. 時間指定は自然文でもタイムコードでも通る。「After 3 seconds, a woman enters the scene.」のような自然文のほか、[0-3s] A person is walking のようなタイムコード記法も使えます。カット割りやリズムを自分で決めたいときに効きます。
仕様のまとめ
項目 | 内容 |
|---|---|
モデルID(安定版) |
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モデルID(プレビュー・廃止予定) |
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入力 | テキスト、画像、動画(編集・延長時は10秒まで) |
出力 | 動画(3〜10秒/360p・720p・1080p・4K/24 FPS) |
コンテキストウィンドウ | 1,048,576トークン |
会話的な編集 | Interactions API を通じて自然言語で修正できる |
料金 | 一次未確認(公式料金ページで要確認) |
名前が似ているモデルが多いので1点だけ整理しておきます。Gemini Omni Flash は動画の生成・編集専用で、テキスト処理の Gemini 3.6 Flash や、音声認識専用の Gemini 3.5 Transcribe とは別系統のモデルです。「Flash」が付いているのは速度重視の系列という意味であって、同じモデルの別バージョンではありません。
業務で使うときの現実的な線引き
この更新で現実的に射程に入るのは、40秒以内で完結する短尺です。商品やサービスの紹介カット、SNS 用の告知、展示会ブースのループ映像、社内向けの操作イメージなど、これまで外注か既製素材で埋めていた枠が対象になります。逆に、説明動画・研修コンテンツ・顧客への納品物としての映像は、長さの上限と、生成物の一貫性の担保という2点でまだ厳しいと考えるのが妥当です。
実務上いちばん効くのは、延長が「元動画の最後の10秒だけを見て続きを作る」という仕様です。40秒を4ブロックで作る場合、1ブロック目の設定は3ブロック目には直接は伝わりません。登場人物や場所を保ちたいなら、ブロックごとに参照画像を添えるか、プロンプトで明示的に指定し直す必要があります。「1回投げれば40秒が出てくる」機能ではない、という理解で設計してください。
もう1点、貴社で運用に乗せる場合はプレビュー版の廃止日(2026年9月30日)を先にカレンダーへ入れておくことをおすすめします。外部APIの終了日は、担当者が把握していても引き継ぎの過程で落ちやすい種類の情報です。同じ型の管理が要るものとしてAIモデルの提供終了と移行の考え方も参考になります。
Mihata では、生成AIを業務のどこに入れるかの整理から、実際の運用設計までお手伝いしています。何から手をつけるべきか迷っている段階でも構いませんので、状況をお聞かせいただければと思います。
まとめ
2026年8月27日、Gemini Omni Flash が正式版(gemini-omni-1.1-flash)になりました。動画の続きを10秒ずつ最大40秒まで生成でき、2枚の画像の間を補間する生成と、4K までの解像度指定にも対応しています。ただし1080p・4K はアップスケーリング、延長は元動画の最後の10秒だけを文脈にする、つなぎ目のフレームは編集されうる——といった前提を押さえておかないと、期待とずれます。
プレビュー版 gemini-omni-flash-preview は2026年9月30日に廃止されます。組み込み済みの環境がある場合は移行の期限として押さえてください。
よくある質問
Geminiで動画の続きを作れますか。
作れます。2026年8月27日にGAとなったGemini Omni Flash(gemini-omni-1.1-flash)で、extendタスクまたは「Extend this video」のようなプロンプトで続きを生成できます。1回の延長は10秒で、合計40秒まで伸ばせます。
動画の延長には上限がありますか。
あります。1回あたり10秒、延長後の合計は40秒までです。また編集・延長で入力できる元動画は10秒までで、モデルは元動画の最後の10秒を文脈として読みます。
元の動画はそのまま残りますか。
完全にそのままとは限りません。公式ガイドは、つなぎ目を自然にするために元動画の最後のほうのフレームが編集される場合があると明記しています。元素材を1フレームも変えたくない用途には向きません。
4Kで出力できますか。
できます。video_configのresolutionパラメータで360p・720p(既定)・1080p・4Kを指定できます。ただし公式リリースノートは1080pと4Kがアップスケーリングによる出力だと明記しているため、細部の情報量は720p相当と考えるのが安全です。
プレビュー版はいつまで使えますか。
gemini-omni-flash-previewのエンドポイントは2026年9月30日に廃止されると告知されています。安定版のgemini-omni-1.1-flashへ移行する必要があります。
料金はいくらですか。
本記事の執筆時点では、公式料金ページの該当行を一次情報として確認できていません(一次未確認)。金額はGemini APIの公式料金ページでご確認ください。