Googleサイト(Google Sites)は、Googleアカウントがあれば無料で使えて、社内の資料置き場や小さな会社のサイトとしてよく選ばれます。ところが「会社のドメインで公開したい」という段階で、他のホームページ作成ツールとは違う壁にぶつかります。
結論から書きます。Googleサイトの独自ドメイン(カスタムドメイン)には、①wwwなどのサブドメインが必須で example.com の直下は設定できない、②設定できるのはサイトのオーナー本人だけ、③サイトを「全世界に公開」していないとカスタムURLは効かない——という3つの前提があります。さらに、独自ドメインに切り替えると一部の機能が動かなくなります。
この記事は、Googleサイト公式ヘルプ「サイトにカスタム ドメインを使用する」とGoogle Workspace管理者ヘルプに書かれている事実だけを、Mihataがホームページ制作のご相談で確認している順番に並べ直したものです。仕様は改定されることがあるため、作業前には最新の公式ページをご確認ください。
独自ドメインを使う3つの前提
どれか1つでも欠けると、設定画面を進めてもエラーで止まります。
①「www」などのサブドメインが必須=ドメイン直下は不可
公式ヘルプのエラー一覧に、こう書かれています。「この URL は無効です: 完全なウェブアドレスが正確に入力されているかご確認ください。URLには「www」などのサブドメインを含める必要があります」。
つまり www.example.com や info.example.com は設定できますが、example.com(ドメイン直下。いわゆるネイキッドドメイン/apex)では公開できません。名刺やチラシに example.com と刷るつもりだった場合は、ここで設計を決め直す必要があります。回避策の限界は後述します。
②設定できるのはサイトのオーナーだけ
公式は「サイトをドメインに関連付けることができるのは、サイトのオーナーのみです」と明記しています。編集者として招かれているだけでは設定できません。制作会社や前任者がオーナーのまま退職・契約終了していると、先にオーナーの移管から始めることになります。
そして注意が要るのは、この移管が独自ドメインを切る側に働く点です(後述)。
③「全世界に公開」していないとカスタムURLは効かない
公式の注意点にこうあります。「サイトは、全世界の公開済みアイテムの閲覧者向けに共有する必要があります。共有しないと、そのサイト用として指定された sites.google.com の URL にリダイレクトされます」。
社内限定で共有している状態では、独自ドメインを設定しても sites.google.com/... のURLに戻されます。社内イントラを独自ドメインで出したい、という使い方は成立しません。
なぜ example.com の直下では公開できないのか
「リダイレクトを設定すればいいのでは」と考えるところですが、Googleが用意している回避策には明確な上限があります。Google Workspace管理者向けの「サイトのネイキッド ドメイン アドレスを設定する」には、次の条件が並んでいます。
- 前提として「
www.example.comに Google サイトをすでにホストしている必要があります」——直下に直接マッピングするのではなく、example.comからwww付きへ転送する仕組みです。 - 「ネイキッド URL にリダイレクトできるのはプライマリ ドメインのみ」——セカンダリドメインでは使えません。
- 「アドレス マッピングがサポートされているのは HTTP のみで、HTTPS ではサポートされていません」。
- HSTS(常時HTTPSを強制する設定)を入れているドメインでは、ブラウザがHTTPS接続しか行わないため機能しません。
ここが一番大きい制約です。この転送はHTTPしか通らないため、https://example.com を直接叩いた訪問者を確実に受け止める形には、Googleサイトだけでは到達できません。加えてこの設定は管理コンソールの機能なので、無料のGoogleアカウント(個人アカウント)では操作そのものができません。設定で頑張れば直る種類の話ではない、と理解しておくのが安全です。
似た制約は他の無料ツールにもあります。たとえばAmeba Owndも、CNAME方式に由来してサブドメイン形式のみの対応です(Ameba Owndの独自ドメインの条件)。「ドメイン直下で公開するか」は、ツールを選ぶ段階で決まってしまう項目だと考えてください。
設定手順と、所有権の証明
個人アカウントで既存のドメインをつなぐ場合の流れは次のとおりです。
- Googleサイトを公開し、公開範囲を「全世界」にする。
- [設定]→[カスタム ドメイン]→[設定を開始]を押し、使いたいドメイン(
www付き)を入力する。 - 所有権の証明を求められたら、Google Search Consoleへ移動し、提示されたTXTレコードをドメイン事業者のDNS設定に追加して[確認]を押す。
- 画面の案内に従い、ドメイン登録事業者側のDNSを接続する(手順は事業者ごとに異なります)。
- [完了]を押す。反映には最長48時間ほどかかることがあります(通常はこれより短く終わります)。
Google Workspaceの管理コンソールから「URLマッピング」として設定する場合は、カスタムURLのCNAMEの宛先に ghs.googlehosted.com を指定します。こちらの経路には別の条件があり、後述の表にまとめました。
DNSは、サイトとメールで別々のレコードが同じドメインに同居しています。会社のメールが同じドメインで動いているなら、触る前に現在の設定を控えてください。確認の手順は独自ドメインのメールが受信できない原因7つにまとめてあります。反映を待つ間の切り分けはドメインを更新したのに繋がらない時の原因が近いです。
エラーメッセージの読み方
公式ヘルプに載っているエラーは、ほぼそのまま原因を言い当てています。
- 「この URL はすでに別の Google サービスで使用されています」——Blogger、別のGoogleサイト、AppEngineなどで同じURLが使われています。先に既存のマッピングを削除します。
- 「この URL には証明書がありません」——カスタムURLを削除して、割り当てをやり直します。
- 「この URL の所有権が確認されていません」——Search ConsoleのTXTレコードによる証明が未完了です。
- 「このドメインの URL の数が上限に達しました」——公式は「1 週間あたりの URL のマッピング数の上限は 20 です」としています。試行錯誤で設定と削除を繰り返すと、この週次上限に当たります。
なお1つのサイトに関連付けられるカスタムドメインは5つまでです。
独自ドメインにすると「動かなくなるもの」がある
ここが、他の解説記事ではあまり触れられていない部分です。公式の「注意点」には、カスタムURLで公開した場合に挙動が変わるものが列挙されています。
- Googleアカウントの認証に依存する機能:「カスタム ドメインにマッピングされたサイトは sites.google.com でホストされなくなり、
*.google.comの Cookie は送信されなくなるため、Google アカウントの認証に依存するその他の機能が動作しない可能性があります」。 - 埋め込んだGoogleグループ:「Google サイトに埋め込まれた Google グループのうち、カスタム ドメインに公開されているものは、正しくレンダリングされません」。
- サードパーティ製フォント:GoogleドキュメントやスライドでGoogle Fonts以外のフォントを選べますが、そのライセンスはGoogleのドメイン向けで「カスタム URL には対応していません」。代替フォントに置き換わります(Google Fontsはすべてのドメインで使えます)。
社内向けの資料サイトをそのまま対外サイトに転用しようとすると、この3点で見た目や機能が変わります。独自ドメインへ切り替えた後に全ページを一度確認する前提で進めてください。
カスタムドメインが突然切れる3つの操作
公式は、カスタムドメインが機能しなくなる場合として次の3つを挙げています。
- Googleサイトを削除した。
- サイトの所有権を他のユーザーに譲渡した。
- サイトをチームドライブ(共有ドライブ)に移動した。
2番目と3番目は、社内の整理整頓として普通に行われる操作です。「担当者が変わるのでオーナーを移した」「個人のマイドライブから共有ドライブへ移して会社の資産にした」——どちらも会社のサイトが独自ドメインで開かなくなる操作だということになります。移す前に、独自ドメインの設定をやり直す段取りまで決めておいてください。
Workspace経由のURLマッピングは、条件がさらに細かい
Google Workspaceを契約していて管理コンソールから設定する場合、できることと制約は次のとおりです。
項目 | 公式に書かれている内容 |
|---|---|
作成できる数 | Workspaceアカウントで2,000個までのカスタムサイトアドレス |
試用中のアカウント | 「試用アカウントのユーザーや、試用ステータスのアカウントの場合は、サイトを URL にマッピングできません」 |
別ドメインへの割当 | 「サイトを異なるドメイン名の URL にマッピングすることはできません」 |
SSL証明書 | 検証済みのSSL証明書が自動提供され、「これ以外の証明書は使用できません」 |
表示される条件 | 「マッピングされた URL は、サイトが組織外のユーザーと共有されている場合にのみ表示されます」。社内限定なら |
サブドメイン | 「サブドメインのマッピング先はプライマリ ドメインに限られます。別のサブドメインにマッピングすることはできません」 |
また、Googleサイト用の新しいドメインを買う場合はGoogle Workspaceプランを通じた購入になり、既定のプランはBusiness Standardです。旧Google Domainsで取得して連携していたドメインは「引き続き Google サイトにリンクされます」が、編集するには所有権の証明が必要とされています。
Googleサイトで続けるか、別の形にするか
ここまでの事実を並べると、判断の線はかなりはっきりします。
- Googleサイトで続けてよい場合:
www付きのURLで問題ない、ページ数が少ない、集客は検索よりSNSやGoogleビジネスプロフィールが主、社内の閲覧が中心。 - 別の形を検討したい場合:
example.comの直下で公開したい、料金・事例・採用などページを増やしていきたい、検索から問い合わせを取りたい、オーナー移管や共有ドライブへの移動が今後ありうる。
見極めは早いほど安く済みます。検索からの訪問が付いた後にURLを変えると、引き継ぎの作業が増えます。公開直後なら、取り直して作り直しても失うものはほとんどありません。いまの流入が検索から来ているのかはホームページが検索に出てこない時の原因切り分けで確認できます。
無料ツール同士で比べたい場合はジンドゥー無料プランのデメリットとSTUDIOの料金と無料プランの限界が近い内容です。自分で続けるか依頼するかの線引きは個人事業主のホームページは自分で作るvs依頼どっち?、これから開業する方は開業前に自社サイトを用意する順番に期限の逆算をまとめています。制作会社や前任者がドメインを握っていて所在が分からない時はドメインとサーバーの管理会社がわからない時の調べ方から辿れます。
Mihataでは、いま使っているツールの制約を確認したうえで「移すべきか、まだ移さなくていいか」からご相談を受けています。DNSを触る前の段階でも問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Googleサイトで example.com のようなサブドメインなしのドメインは使えますか?
使えません。公式ヘルプのエラー説明に「URLには『www』などのサブドメインを含める必要があります」と書かれています。example.com から www 付きへ転送するネイキッドドメインの設定はGoogle Workspaceの管理コンソールに用意されていますが、公式は「アドレス マッピングがサポートされているのは HTTP のみで、HTTPS ではサポートされていません」としており、HSTSを設定済みのドメインでは機能しません。
独自ドメインの設定は編集者でもできますか?
できません。公式は「サイトをドメインに関連付けることができるのは、サイトのオーナーのみです」と明記しています。前任者や制作会社がオーナーのままなら、先にオーナーの移管が必要です。
反映にはどれくらいかかりますか?
公式は「ドメインの変更がインターネットに反映されるまでには、最長で 48 時間ほどかかることがあります」としています。通常はこれより短く終わります。所有権の証明はGoogle Search ConsoleのTXTレコードで行います。
設定と削除を繰り返していたらエラーになりました。
「このドメインの URL の数が上限に達しました」というエラーなら週次の上限です。公式は「1 週間あたりの URL のマッピング数の上限は 20 です」としています。また1つのサイトに関連付けられるカスタムドメインは5つまでです。
サイトを共有ドライブに移しても独自ドメインはそのままですか?
そのままにはなりません。公式はカスタムドメインが機能しなくなる場合として「Google サイトを削除した」「サイトの所有権を他のユーザーに譲渡した」「サイトをチームドライブに移動した」の3つを挙げています。担当者交代やドライブの整理で起きやすい操作なので、移す前に再設定の段取りを決めてください。
独自ドメインにすると動かなくなるものはありますか?
あります。公式の注意点によると、カスタムドメインでは *.google.com のCookieが送信されなくなるためGoogleアカウントの認証に依存する機能が動作しない可能性があり、埋め込んだGoogleグループは正しくレンダリングされず、Google Fonts以外のサードパーティ製フォントは「カスタム URL には対応していません」とされています。切り替え後に全ページを確認してください。