iPhoneの「設定」→「一般」→「日付と時刻」を開いたのに、「自動設定」のスイッチが淡色(グレー)になって押せない。この状態について、Appleが原因として挙げているのは2つだけです。スクリーンタイムのパスコードが設定されているか、機能制限を含む会社のプロファイル(構成プロファイル・MDM)がインストールされているか。Apple公式サポート「Apple製のデバイスで時刻や時間帯を変更できない場合」に、そのまま書かれています。
原因が2つなら、見る順番も決まります。先に自分で解けるスクリーンタイム側を確認し、次に構成プロファイルの有無を確認します。後者だった場合は、端末側の操作では外せません。会社や学校の管理者に依頼するしか手がない、というのが正直なところです。
なお、iOSのバージョンによって設定項目の名称や階層は変わります。以下は公式ヘルプで確認できた表記です。お使いのバージョンで名前が違う場合は同じ意味の項目を探してください。確認できなかった項目は、推測で手順を足さないよう書いていません。
症状で原因はほぼ絞れる
「時刻がおかしい」とひとまとめにすると遠回りになります。グレーで触れないのか、オンなのに合わないのか、タイムゾーンだけ違うのかで、見る場所がまったく別です。まず自分がどれなのかを決めてください。
症状 | 主な原因 | 最初に見る場所 |
|---|---|---|
「自動設定」がグレーで触れない | スクリーンタイムのパスコード、または機能制限つきの構成プロファイル | 設定→「スクリーンタイム」/設定→「一般」→「VPNとデバイス管理」 |
「自動設定」はオンなのに時刻がずれる | ネットワークに繋がっていない、位置情報の「時間帯の設定」がオフ | 設定→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」→「システムサービス」 |
時刻は合うがタイムゾーンだけ違う | 「時間帯の設定」がオフ、または「時間帯」で都市を手動固定している | 設定→「一般」→「日付と時刻」→「時間帯」 |
「自動設定」をオフにできない(オンで固定) | MDMの制限で「自動設定」が強制オンにされている | 設定→「一般」→「VPNとデバイス管理」 |
再起動すると設定が元に戻る | 構成プロファイルが設定を上書きしている | 設定→「一般」→「VPNとデバイス管理」 |
下の2行に心当たりがあるなら、「VPNとデバイス管理」を先に開いたほうが早いです。会社支給・学校から借りた・中古で買った端末は特にそうです。
上から順に試す基本の5手順
Appleが案内している手順は、iPhone・iPad・Apple Vision Proで共通です。順番にも意味があるので、飛ばさずに上から確認してください。
- インターネットに接続できているか確認する(機内モードがオンになっていないか、Wi-Fiかモバイル通信が生きているか)
- 最新のソフトウェアをインストールする(設定→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」)
- 設定→「一般」→「日付と時刻」で「自動設定」をオンにする
- 設定→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」を開き、一番下の「システムサービス」で「時間帯の設定」をオンにする
- それでも変わらなければ、iPhoneを再起動する
「時間帯の設定」が一番の見落としポイント
手順4は画面の一番下までスクロールしないと出てきません。ここがオフだと、iPhoneは現在地からタイムゾーンを判定できません。「自動設定」はオンなのに国外や別の地域の時刻になるという症状は、ほぼここが原因です。日本国内でも、夏時間の切り替わりや海外出張から帰国した直後にずれたままになることがあります。
Apple Watchとペアリングしている場合
Appleのヘルプでは、アップデートを促すメッセージが表示された場合、iPhoneとペアリングしてあるApple Watchの両方を再起動するよう案内されています。片方だけ再起動して様子を見るのではなく、両方を再起動してください。Apple Watchの時計や日付がずれる場合の直し方もあわせて確認すると切り分けが早くなります。
スクリーンタイムの制限を解く
スクリーンタイムのパスコードが設定されていると、設定アプリの一部の項目が淡色表示になります。自分で設定した覚えがなくても、ファミリー共有で保護者が設定している場合や、下取り前の持ち主が設定したままの場合があります。
- 設定→「スクリーンタイム」を開く
- 「スクリーンタイムを管理」をタップする
- 「スクリーンタイムパスコードを変更」をタップし、もう一度「スクリーンタイムパスコードを変更」をタップする
- パスコードを忘れている場合は、画面の案内に従って、パスコードの設定時に使ったApple Accountのメールアドレスとパスワードを入力する
うまくリセットできないときは、いま端末にサインインしているApple Accountと、パスコードを設定したときのApple Accountが別物である可能性が高いです。Appleもその点を注意書きとして挙げています。
「設定の変更を許可」も見ておく
設定→「スクリーンタイム」→「コンテンツとプライバシーの制限」には「設定の変更を許可」という区分があり、ここで「許可しない」になっている項目は設定アプリ側で淡色表示になります。Appleは「アカウント」の例でこの挙動を説明しています。ファミリー共有のお子様のアカウントでは、保護者がスクリーンタイムパスコードを入力して変更を許可する必要があります。
ただし、Appleの公開ヘルプには「日付と時刻」専用のスイッチの場所は明記されていません。ここで断定的な手順を書くことはできないので、実際には「コンテンツとプライバシーの制限」を順に開いて、オフにできる制限が残っていないかを目で確認する形になります。パスコードを解除してしまえばこの制限自体が外れるため、急ぐなら上のパスコード側から手を付けるほうが確実です。
構成プロファイル・MDMの場合は端末側で外せない
もう1つの原因が構成プロファイルです。確認は設定→「一般」→「VPNとデバイス管理」で行います。ここに会社名や学校名のプロファイルが並んでいれば、それが設定を上書きしています。
Appleのデバイス管理ドキュメントには、MDMで適用できる制限として「日付と時刻」の設定の「自動設定」が掲載されています。この制限が適用されると「自動設定」はオンになり、ユーザがオフにすることはできません(対応はiOS 12・iPadOS 13.1以降で、監視対象の端末である必要はありません)。つまり「オフにしたいのにオフにできない」ケースは、まずこれを疑います。
- プロファイルを削除すると、そのプロファイルが提供していた設定や情報もすべて消える(社内Wi-Fi、VPN、メールアカウントなどが使えなくなる)
- 学校や企業が所有する端末では、アプリやプロファイルを削除する前にシステム管理者に確認する必要がある
- 削除後は端末を再起動する
会社支給の端末で日付と時刻を自分の都合で変えたい、という用途であれば、残念ながら端末側の工夫では解決しません。管理者に「日時の制限を外してほしい」と依頼するのが唯一の道です。中古端末で心当たりのないプロファイルが入っている場合は、販売元に初期化を依頼するか、削除してよいものか確認してください。
「自動設定」はオンなのに時刻がずれるとき
グレーアウトではなく、オンのまま合わない場合は原因が別です。多いのは次の4つです。
- 機内モード・圏外・Wi-Fi未接続:時刻の自動取得はネットワーク越しに行われるため、繋がっていなければ合いません
- 位置情報の「時間帯の設定」がオフ:時刻は合っていてもタイムゾーンだけ別地域のままになります
- OSが古い:Appleは手順の2番目に「最新のソフトウェアをインストールする」を置いています
- 再起動していない:設定を変えた直後は反映されないことがあります
端末をまたいで同じ症状が出ているなら、原因はiPhoneの外にあるかもしれません。iPadでも同じことが起きているならiPadの時刻がずれる原因と直し方、予定の時間だけが1時間ずれるならGoogleカレンダーの時間がずれる時のタイムゾーン設定のほうが近い話です。
それでも直らないときの順番
ここまでで解決しない場合、やれることは限られます。影響の小さい順に試してください。
- 手動で合わせる:設定→「一般」→「日付と時刻」で「自動設定」をオフにし、「時間帯」をタップして都市を入力するか、日付と時刻を直接変更します
- 強制再起動する:iPhone 8以降は、音量を上げるボタンを押してすぐ放し、音量を下げるボタンを押してすぐ放し、Appleロゴが出るまでサイドボタンを押し続けます
- バックアップしてから復元する:この順番を守ってください。先に復元してしまうとデータが戻せません
ただし手動設定には副作用があります。Appleは、時刻を手動で調整してアプリの動作を変えることを推奨していません。カレンダー、リマインダー、二段階認証のコード、サブスクリプションの期限判定など、時刻に依存する機能が狂う可能性があるためです。手動は応急処置と割り切り、原因側(スクリーンタイムかプロファイル)の解決を目指すほうが安全です。
時計まわりでよくあるほかのつまずき
日付と時刻の設定は、時計アプリやロック画面の表示とは別の階層にあります。症状が違うと感じたら次も見てください。
- iPhoneの時計アプリが消えたときの戻し方:アプリ自体が見つからない場合。スクリーンタイムの制限が絡む点は本記事と同じです
- スマートウォッチの時計・日付がずれるとき:iPhone側ではなく腕時計側が合っていない場合
- ブラウザで開く全画面の集中時計:いま正しい時刻を手元で確認したいだけなら、インストール不要のWeb時計で足ります
私たちはWebサイト制作やAI導入支援をしていて、こうした端末設定が業務の足を引っ張る場面をよく見かけます。社内の端末管理やプロファイルの整理まで含めて相談したいという話なら、お手伝いできることがあるかもしれません。
よくある質問
iPhoneの「自動設定」がグレーで押せないのはなぜですか?
Appleは、スクリーンタイムのパスコードが設定されている場合と、機能制限を含む会社のプロファイルがインストールされている場合に、設定が淡色表示になると説明しています。まず設定→「スクリーンタイム」を確認し、次に設定→「一般」→「VPNとデバイス管理」を確認してください。
会社支給のiPhoneで制限を自分で外せますか?
外せません。構成プロファイルを削除すれば設定は戻りますが、社内Wi-FiやVPN、メールアカウントなどの設定も一緒に消えます。学校や企業が所有する端末では、削除前にシステム管理者に確認する必要があります。日時の制限を外したい場合は管理者に依頼してください。
「自動設定」はオンなのにタイムゾーンだけ違います。
位置情報の「時間帯の設定」がオフになっている可能性が高いです。設定→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」を開き、一番下の「システムサービス」で「時間帯の設定」をオンにしてください。
スクリーンタイムパスコードを忘れた場合はどうすればいいですか?
設定→「スクリーンタイム」→「スクリーンタイムを管理」→「スクリーンタイムパスコードを変更」から、パスコード設定時に使ったApple Accountのメールアドレスとパスワードでリセットできます。うまくいかない場合は、いま端末にサインインしているApple Accountと別のアカウントで設定していないか確認してください。
時刻を手動で合わせても問題ありませんか?
応急処置としては使えますが、Appleは時刻を手動で調整してアプリの動作を変えることを推奨していません。カレンダーや認証コードなど時刻に依存する機能が狂う可能性があるため、原因側の解決を優先してください。