Mihata
仕事効率化(DX)2026.10.11

Googleカレンダーの時間がずれる|タイムゾーンを3層で直す

先に結論です。Googleカレンダーの時刻は「カレンダーのタイムゾーン」「端末のタイムゾーン」「予定ごとのタイムゾーン」の3層で決まります。全員が同じ幅でずれるならカレンダー設定、自分だけずれるなら端末設定、特定の1件だけなら予定のタイムゾーンを疑うのが最短です。ずれが「ちょうど1時間」なら、ほぼ夏時間(サマータイム)の切り替わりで、米国は3月の第2日曜午前2時に始まり11月の第1日曜午前2時に終わり、EUは3月最終日曜と10月最終日曜のグリニッジ標準時1時に切り替わります。日本は1948〜1951年に実施したのが最後で、現在は行っていません。

Googleカレンダーは予定を協定世界時(UTC)で保存し、見る人それぞれの現地時刻に直して表示します。つまりずれているのは保存された時刻ではなく、どこかの「表示の基準」です。基準は3か所しかないので順番に潰せば必ず当たります。

症状から原因の層を切り分ける表

症状

原因の層

最初に見る設定

予定が全部まとめて同じ幅ずれている

カレンダーのタイムゾーン

Googleカレンダー「設定 → 全般 → タイムゾーン」

出張から戻ったら表示が変わった/パソコンだけ違う

端末のタイムゾーン(パソコン)

Windows「時刻と言語 → 日付と時刻」/Mac「一般 → 日付と時刻」

パソコンは合っているがスマートフォンだけ違う

端末のタイムゾーン(スマートフォン)

iPhone「一般 → 日付と時刻 → 時間帯を自動的に設定」/Android「システム → 日付と時刻」

特定の1件だけずれている

予定ごとのタイムゾーン

予定を開く →「その他のオプション」→「タイムゾーン」

ちょうど1時間だけずれる(春か秋に起きた)

夏時間の切り替わり

相手国の夏時間の期間と、端末側の夏時間の自動調整

招待した予定の時間が相手の画面と食い違う

相手側の端末・カレンダー設定、または招待文の時差表記

予定にタイムゾーンを明示し、相手の画面の時刻を読み上げてもらう

終日の予定が前日や翌日に見える

終日の予定は日付だけで持つ仕様

時刻つきの予定に置き換える

第1層:カレンダーのタイムゾーン

アカウント全体の基準です。ここが違うと予定が一つ残らず同じ幅でずれます。ブラウザでGoogleカレンダーを開き、右上の設定メニューから「設定」→「全般」→「タイムゾーン」→「メインのタイムゾーン」で都市または国を選びます。日本国内なら「東京」です。

注意点が2つあります。Googleのヘルプには「オーナー以外は、カレンダーのタイムゾーンを変更できません」とあるので、共有カレンダーは持ち主に依頼が必要です。また個別のカレンダーにもタイムゾーンがあり、「マイカレンダー」で対象の「設定と共有」を開くと変更できます。会議室や設備のカレンダーだけ変なときはここです。

第2層:端末のタイムゾーン

「自分の画面だけ違う」ときは端末側です。カレンダーのアプリもブラウザも、最終的にはOSのタイムゾーンで描いています。

  • Windows:「スタート → 設定 → 時刻と言語 → 日付と時刻」で「時刻を自動的に設定する」と「タイムゾーンを自動的に設定する」をオンに。Microsoftは、後者をオンにすると夏時間も自動的に設定されると説明しています。
  • Mac:「システム設定 → 一般 → 日付と時刻」で「日付と時刻を自動的に設定」と「現在の位置情報に基づいて、時間帯を自動的に設定」をオンに。
  • iPhone:「設定 → 一般 → 日付と時刻」で「時間帯を自動的に設定」をオンに。Appleのガイドは、位置情報サービスがオフかモバイル通信に接続していない場合は手動変更が必要と書いています。
  • Android:「設定 → システム → 日付と時刻」で自動設定をオンに。項目名や階層は機種・メーカーで異なり、全機種についての公式記載は確認できていません。見つからなければ設定アプリの検索窓に「日付」と入れてください。

OSの時刻が数分遅れる・進むのは別種の症状で、時刻同期の問題です。パソコンの時計がずれるときの直し方とスマホの時計がずれるときの直し方で分けて見てください。タイムゾーンのずれは「きれいに時間単位」、同期のずれは「数秒から数分」です。

第3層:予定ごとのタイムゾーン

1件だけおかしいときはここです。「作成 → 予定を作成 → その他のオプション」と進み、時刻の横の「タイムゾーン」から都市や国を選びます。開始と終了で別のタイムゾーンも指定できるので、日本の夜に出発して現地の朝に着く移動が本来の使い道です。

繰り返しの予定ではとくに重要です。Google カレンダー APIのリファレンスは、繰り返し予定ではタイムゾーンの指定が必須で「繰り返しが展開されるタイムゾーン」を決めると書いています。相手国に夏時間があると、どちらで展開するかで切り替わり前後の現地の開始時刻が1時間動きます。海外拠点との週次定例は、どの国で作るかを最初に決めて共有するのが安全です。

1時間だけずれるときは夏時間を疑う

ずれ幅がちょうど1時間で春か秋に起きたなら、設定ミスではなく夏時間の切り替わりです。

  • 米国:米国国立標準技術研究所(NIST)は、夏時間は3月の第2日曜午前2時に始まり11月の第1日曜午前2時に終わるとしています(延長は2005年エネルギー政策法による)。ハワイやアリゾナ州(ナバホ族保留地を除く)などは実施しません。
  • EU:指令2000/84/ECにより、2002年以降は全加盟国で3月最終日曜のグリニッジ標準時1時に始まり、10月最終日曜の同時刻に終わります。
  • 日本:国立天文台暦計算室の資料では、夏時刻法は1948年に成立し1952年に廃止、実施は1948〜1951年です。日本標準時は協定世界時+9時間の一定値で、季節で動きません。

日本と米国西海岸の時差は16時間と17時間のあいだを行き来し、日本と中欧も7〜8時間で動きます。「時差16時間だから」と暗算で固定していると年2回必ず間違えます。

端末側の原因もあります。MicrosoftはOutlookの「タイムゾーンの正規化」の解説で、「『自動的に夏時間に調整する』を選択していない場合、UTCオフセットが1時間食い違うことがある」と注意しています。Googleカレンダーのヘルプも「過去または将来の予定には夏時間の変更が反映されず、誤った時刻で表示される場合があります」と断っています。

相手の時刻を常に見える状態にする

Googleカレンダーは「設定 → 全般 → タイムゾーン」で「他のタイムゾーンを表示する」にチェックを入れると、メインに加えてセカンダリと第3のタイムゾーンをグリッドの左側に並べます。日本時間とロサンゼルス時間を見比べながら枠を置けるので暗算が要りません。Outlookも、Microsoftのサポートによれば新しいOutlookとWeb版は最大3つ(設定 → カレンダー → 表示 → タイムゾーンの追加)、従来版は2つまでです。

常時2〜3都市を見るなら、カレンダーの外に時計を置く手もあります。複数都市を同時に表示できる無料のブラウザ世界時計を別タブやサブディスプレイに出せば、相手の現地時刻を見ながら文面を書けます。

OutlookやiPhone標準カレンダーと同期しているとき

押さえる点は3つです。1つ目は、どちらもUTCで保存している点。Microsoftも「会議アイテムは各ユーザーの予定表のそれぞれの現地時間に表示されますが、UTCで保存されます」と明記しています。同期で時刻が壊れることは原則なく、壊れて見えるのは表示側の設定です。

2つ目は夏時間規則の版ずれです。Outlookは招待に「作成時のUTC時刻・作成者のタイムゾーン・作成時点の夏時間規則」を載せて送り、受け取った側が自分の端末のタイムゾーンデータベースで再計算します。OS更新が長く当たっていない端末は材料が古いままなので、1台だけ1時間ずれるなら更新状況を見てください。

3つ目はiPhone標準カレンダーの「時間帯を指定」(設定 → アプリ → カレンダー)です。Appleのガイドは「変更されるのは、カレンダーアプリに表示される時間帯のみ」と断り、「オンにする前に作成した予定は新しい時間帯で表示されますが、作成時に使用した元の時間帯も表示されます」とあります。同じ予定に2つの時刻が見えるため「ずれた」と誤解しやすく、オンにした覚えがあるかを先に確認します。なお Google Workspace と Exchange の相互運用について、Googleの管理者ヘルプにタイムゾーン起因のずれを扱った記述は見つけられず、相互運用固有の症状は確認できていません。

海外とのオンライン会議を間違えない運用

  • 招待文に時差を書かない。「日本時間17時(現地9時、時差8時間)」と書くと、自動変換された時刻と文中の数字の2系統ができ、どちらが正しいかで揉めます。「17:00 JST」のようにタイムゾーン名を添えた1系統だけにします。
  • UTCで突き合わせる。意見が割れたら双方が自分の画面の時刻をUTCに直して読み合わせます。UTCは夏時間で動かないので、ここで一致すれば認識は揃っています。
  • 終日の予定を日程調整に使わない。Google カレンダー APIのリファレンスでは、終日の予定は「yyyy-mm-dd」形式の日付で持ちます。時刻がない以上タイムゾーンも持てず、国をまたぐと「どちらの国の何日か」が曖昧になります。日付の境目が絡む約束は必ず時刻つきに。曜日や日付を取り違えない画面の作り方は日付と曜日を一緒に表示する時計の使い方も参考になります。
  • 会議中は残り時間を全員に見せる。時差のある相手はこちらの終業時刻を知りません。残りが見えていれば延長も打ち切りも角が立ちません。見せ方はZoomの画面共有でタイマーを見せる方法、会議室なら大画面で使える会議用タイマーにまとめています。

私たちも同じ用途でブラウザの時計を作っていて、Googleカレンダーを読み込んで次の予定までの残り時間を出す機能を入れています。記事の途中で恐縮ですが、よろしければ合わせてご覧ください。

まとめ

順番に並べるだけです。①ずれ方を見る(全部か、自分だけか、1件だけか、ちょうど1時間か)。②全部なら「設定 → 全般 → タイムゾーン → メインのタイムゾーン」を東京に直し、共有カレンダーはオーナーに依頼。③自分だけならWindows・Mac・iPhone・Androidで時刻とタイムゾーンの自動設定をオンにし、OS更新も当てる。④1件だけなら予定の「その他のオプション」でタイムゾーンを指定し直し、繰り返し予定はどの国で展開するかを決めて共有する。⑤ちょうど1時間なら相手国の夏時間(米国は3月第2日曜〜11月第1日曜、EUは3月最終日曜〜10月最終日曜)と端末の自動調整を確認する。⑥再発防止に「他のタイムゾーンを表示」を入れ、招待文には時差を書かず「17:00 JST」とだけ添え、日付の境目が絡む約束は終日予定にしない。

よくある質問

Googleカレンダーの予定が全部まとめてずれています。どこを直せばいいですか。

カレンダーのタイムゾーンです。パソコンのブラウザでGoogleカレンダーを開き、設定メニューから「設定」→「全般」→「タイムゾーン」→「メインのタイムゾーン」で都市を選び直してください。日本国内なら「東京」です。共有カレンダーの場合、Googleのヘルプにあるとおりオーナー以外は変更できないので、持ち主に依頼する必要があります。

ちょうど1時間だけずれるのはなぜですか。

相手国の夏時間(サマータイム)の切り替わりがほぼ原因です。米国は3月の第2日曜午前2時に始まり11月の第1日曜午前2時に終わり、EUは3月最終日曜と10月最終日曜のグリニッジ標準時1時に切り替わります。日本は1948〜1951年に実施した以降は行っていないため、ずれは相手国の都合で年2回発生します。端末側で夏時間の自動調整が切れている場合も1時間ずれます。

海外の相手を招待するとき、時差を本文に書いたほうが親切ですか。

おすすめしません。カレンダーが自動変換した時刻と本文の数字で2系統ができ、どちらが正しいか分からなくなります。「17:00 JST」のようにタイムゾーン名を添えた1系統だけにし、認識が割れたときは双方の時刻をUTCに直して突き合わせてください。

終日の予定が前日や翌日に見えることがあります。

終日の予定は時刻を持たず日付だけで管理されるためです。Google カレンダー APIのリファレンスでも、終日の予定は「yyyy-mm-dd」形式の日付で表されると定義されています。タイムゾーンの情報を持てない以上、国をまたぐと「どちらの国の何日か」が曖昧になるので、日付の境目が関わる約束は時刻つきの予定にしてください。

相手の国の時刻をカレンダー上で常に見ておけますか。

できます。Googleカレンダーは「設定」→「全般」→「タイムゾーン」で「他のタイムゾーンを表示する」をオンにすると、メインに加えてセカンダリと第3のタイムゾーンをグリッドの左側に表示します。Outlookも新しいOutlookとWeb版で最大3つ、従来版で2つまで表示できます。

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