「LINE 予約送信」で検索すると、AI関連の話と一緒に出てくることが多く、かえって分かりにくくなっています。先に結論を書きます。「AI予約送信」という名前のLINE公式機能は、2026年8月時点で存在しません。予約送信(送信予約)はLINEの種類ごとに可否が分かれており、個人のLINEアプリには標準機能がなく、LINE公式アカウントには「配信予約」、LINE WORKSには2026年4月追加の「送信予約」があります。AIが関わるのは「送る仕組み」ではなく「送る文面をつくる工程」です。
この記事では、3種類のLINEそれぞれで日時指定送信ができるのかを整理し、できない場合の代替手段、そしてAIを噛ませて実務を軽くする使い方までをまとめます。名前が似ている別サービス「LINE AI予約」との混同もここで解いておきます。
結論:LINEの予約送信は「3種類のどれか」で可否が変わる
まず全体像です。同じ「LINE」でも、個人向けアプリ・LINE公式アカウント・LINE WORKSは別の製品で、日時指定送信の扱いがまったく違います。
使っているLINE | 日時指定の送信 | 機能名 | 主な制約 |
|---|---|---|---|
個人のLINEアプリ | 標準機能なし | — | iPhoneは「ショートカット」で代替可。Androidは実質不可 |
LINE公式アカウント | できる | 配信予約 | 友だちへの配信が対象。混雑時は時刻がずれることがある |
LINE WORKS | できる | 送信予約 | 有償プラン・社内メンバー向けルーム限定・最大7日後まで |
「個人のトークで、明日の朝9時に自動で送りたい」という用途がいちばん多いのですが、ここだけが公式には用意されていません。以下、種類ごとに見ていきます。
個人のLINEアプリに予約送信はある?(iPhone・Android)
個人アカウントのLINEアプリには、メッセージを日時指定して送る機能は用意されていません。誕生日の0時ちょうどに送りたい、深夜に書いた文面を朝に届けたい、といった用途はOS側の自動化機能で代替することになります。
iPhone:ショートカットのオートメーションで代替する
iPhoneに標準搭載の「ショートカット」アプリには、指定時刻に処理を走らせるオートメーション機能があります。おおまかな流れは次のとおりです。
- ショートカットアプリを開き、「オートメーション」タブから新規作成する
- きっかけとして「時刻」を選び、送りたい日時を指定する
- アクションに「テキスト」を追加して本文を書き、共有先としてLINEの送信先を指定する
- 「実行前に尋ねる」をオフにして、確認なしで走るようにする
実務上の注意点として、iOSのバージョンや端末の状態(低電力モード、通信断など)によっては指定時刻に走らないことがあります。絶対に外せない連絡には使わないのが安全です。
Android:個人アカウントでの予約送信は現実的でない
Androidでも自動化アプリを組み合わせる方法は語られますが、LINEの画面操作を機械的に模倣する形になるため、アプリの更新で簡単に壊れます。仕事の連絡で確実性が要るなら、次に説明するLINE公式アカウントかLINE WORKSに寄せるほうが結果的に早いです。
LINE公式アカウントの「配信予約」なら日時指定できる
店舗や会社としてお客様に一斉配信するなら、LINE公式アカウントの配信予約が正攻法です。公式マニュアルに沿った手順は次のとおりです。
- Web版管理画面:メッセージ作成画面で「今すぐ配信」の選択を解除し、配信日時を入力して「配信」をクリックする
- 管理アプリ:メッセージ入力後に「次へ」→「配信予約」をオンにして日時を選び、「配信」をタップする
ひとつ知っておきたいのは、公式マニュアルが「混雑状況などにより、設定時間通りに配信されないことがあります」と明記している点です。あわせて、00:00や12:00といったキリの良い時刻を避けて数分ずらすと混雑を避けやすい、とも案内されています。セール開始の告知など秒単位で意味がある配信ほど、この“ずらし”が効きます。
テキスト以外にクーポンやカードタイプメッセージも予約できるので、「情報解禁の時刻に合わせて作り込んでおく」使い方ができます。予約受付そのものを自動化したい場合は、LINE予約をAIで自動化する方法で受付側の作り方を扱っています。
LINE WORKSの「送信予約」(2026年4月追加)
社内連絡にLINE WORKSを使っているなら、2026年4月9日のバージョン4.5で追加された送信予約が使えます。仕様がはっきりしているので、そのまま挙げます。
- 指定できるのは最短15分後〜最大7日後の範囲
- 時刻は15分単位(毎時00分/15分/30分/45分)
- 1アカウントあたり最大10通まで予約できる
- 予約したメッセージは送信予定時刻まで編集できる
- 対象は有償プラン(スタンダード/アドバンスト)、かつ社内メンバー向けルーム(社外との通信は非対応)
「夜中に作業した指示を、翌朝の始業時刻に届ける」という使い方に向いています。15分単位という粒度は細かい時刻指定には足りませんが、時間外労働の抑制や、相手の集中を切らさない配慮という点では十分に実用的です。
「AI予約送信」という機能は無い。AIが効くのは文面づくり
冒頭で書いたとおり、LINEに「AI予約送信」という名の機能はありません。検索でこの語が増えているのは、「予約送信」と「AI」を別々に調べていた人の検索語が混ざったためと考えるのが自然です。実務でAIが効くのは、送信の仕組みではなく次の3工程です。
配信文面の下書きをAIに作らせる
一斉配信でいちばん時間を食うのは、実は文面づくりです。「同じ内容を、開封されやすい言い方に3案」「1通あたり全角120字以内」「絵文字は2つまで」といった条件を渡すと、生成AIは複数案を短時間で出します。人がやるのは選ぶことと、事実の確認だけになります。
配信時刻をデータで決める
LINE公式アカウントの分析画面から過去の開封傾向を取り出し、AIに集計・比較させると、感覚で決めていた配信時刻を数字で見直せます。前述のとおり、キリの良い時刻を避けるだけでも配信の安定度は上がります。
送ったあとの問い合わせをAIで受ける
配信した瞬間に返信が集中するのは、店舗運営でよくある悩みです。ここはLINE公式アカウントのAI Bot構築で一次対応を自動化するのが定石です。「予約したい」「営業時間は?」といった定型の質問は、AIが答えて人は例外だけ見る、という分担にできます。
実務では、配信予約とAI応答をセットで組んだときに効果が出やすいという印象があります。送りっぱなしにすると返信の山だけが残るためです。
私たちはLINE公式アカウントとAIを組み合わせた仕組みづくりも行っております。記事の途中で恐縮ですが、自社で組むには重いと感じられた時の選択肢として、よろしければ合わせてご覧いただけたら嬉しいです。
紛らわしい別サービス「LINE AI予約」との違い
検索結果に出てくる「LINE AI予約」はLYコーポレーションが提供する、飲食店向けのAI電話対応サービスです。メッセージの予約送信とは別物なので、ここで切り分けておきます。
- AIが飲食店にかかってきた電話を自動で受け、24時間365日・複数着信の同時処理に対応する
- 予約台帳と自動連携し、専用の050番号が発行される
- 導入にはYahoo!リザベーションマネージャーの契約が必須
- 対象は現在飲食店のみ(他業種は順次拡大予定とされている)
- 2026年4月28日〜2026年9月30日は無料提供期間。将来的に有償へ移行する可能性があると明記されている
つまり「LINE AI予約」は予約を受ける側、この記事の予約送信はメッセージを送る側です。飲食店で電話の取りこぼしを減らしたいなら前者、告知やリマインドを自動で届けたいなら後者、と目的で選び分けてください。
目的別:どれを使えばいいかの早見
やりたいこと | 選ぶもの | ひとこと |
|---|---|---|
友人に0時ちょうどのメッセージ | iPhoneのショートカット | 確実性は保証されない前提で使う |
お客様へのセール告知・リマインド | LINE公式アカウントの配信予約 | キリの良い時刻を数分ずらす |
社内メンバーへの始業時連絡 | LINE WORKSの送信予約 | 有償プラン・7日以内・15分単位 |
予約の受付そのものを無人化 | AIチャットボット/予約システム | 予約システムのHP埋め込みも併用できる |
飲食店の電話予約を無人化 | LINE AI予約などの電話AI | 台帳サービスの契約条件を先に確認 |
投稿や配信の予約という発想は、LINE以外にも広がります。SNS側の運用をまとめて軽くしたい場合は、AIでSNS投稿を自動生成する方法も合わせて検討すると全体の工数が下がります。
運用で踏みやすい落とし穴
最後に、実務で実際に起きやすい失敗を挙げます。仕組みより運用でつまずくことのほうが多いためです。
- 予約したことを忘れて内容が古くなる:7日先まで予約できると、当日には状況が変わっていることがあります。送信前日に一覧を見直す習慣を作ってください。
- 時刻ぴったりを前提に設計する:LINE公式アカウントの配信は混雑時にずれ得ると公式が明記しています。秒単位の演出には向きません。
- 個人アカウントの自動化に業務を載せる:ショートカットや自動化アプリは、OS更新で静かに壊れます。業務連絡は公式アカウントかLINE WORKSへ。
- AIに顧客情報をそのまま貼る:文面づくりをAIに任せるときも、氏名や電話番号は伏せ字にします。詳しくはAIに入力してはいけない情報を確認してください。
予約送信は、うまく使えば「相手の時間を尊重しながら、自分の時間で仕事を終わらせる」ための道具になります。まずは種類の切り分けから始めてください。
よくある質問
LINEに「AI予約送信」という機能はありますか?
2026年8月時点で、その名前の公式機能はありません。予約送信ができるのはLINE公式アカウントの「配信予約」とLINE WORKSの「送信予約」で、個人のLINEアプリには標準機能がありません。AIは送信の仕組みではなく、文面づくりや配信時刻の検討に使います。
個人のLINEで予約送信はできますか?
標準機能としてはできません。iPhoneであれば標準搭載の「ショートカット」アプリで時刻をきっかけにした自動送信を組めますが、端末の状態やOS更新で動かないことがあるため、確実性が必要な連絡には向きません。Androidでは実質的に困難です。
LINE WORKSの送信予約はどこまで指定できますか?
最短15分後から最大7日後までの範囲で、15分単位(毎時00分・15分・30分・45分)に指定できます。1アカウントにつき最大10通まで予約でき、送信予定時刻まで内容を編集できます。有償プランかつ社内メンバー向けルームが対象です。
LINE公式アカウントの配信予約は時刻どおりに届きますか?
公式マニュアルに、混雑状況などにより設定時間どおりに配信されないことがあると明記されています。00:00や12:00などキリの良い時刻を避けて数分ずらすと混雑を避けやすいと案内されています。
「LINE AI予約」とメッセージの予約送信は同じものですか?
別のものです。LINE AI予約はLYコーポレーションが提供する飲食店向けのAI電話対応サービスで、かかってきた電話をAIが受けて予約を取ります。導入にはYahoo!リザベーションマネージャーの契約が必要です。