Mihata
Web制作2026.08.24

ホームページ助成金は商工会議所で使える?2026年の締切と上限

「ホームページの助成金」を調べると、どのページにも「まずは商工会議所へ」と書かれています。ところが実際に電話をすると、商工会議所がお金を出してくれるわけではないと分かって戸惑う方が少なくありません。役割を取り違えたまま進めると、締切の数え方を間違えて1回分を丸ごと逃します。

結論から書きます。ホームページ費用に使える代表的な制度は国の「小規模事業者持続化補助金」で、商工会議所(町村の区域なら商工会)はその申請に必須の「事業支援計画書(様式4)」を発行し、計画づくりに伴走する窓口です。第20回公募〈一般型・通常枠〉の補助上限は50万円・補助率は2/3で、このうちウェブサイト関連費として申請できる補助金は上限30万円(税込)、しかもウェブサイト関連費だけでは申請できません。以下、すべて公募要領(第8版・2026年7月21日)の記載で確認しています。

商工会議所は「助成金を出す団体」ではなく「様式4を出す窓口」

持続化補助金の公募要領は、補助対象となる事業の要件として「商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること」を挙げています。そしてその中身を、「商工会・商工会議所による事業支援計画書(様式4)の発行及び補助事業実施における助言等の支援を受けながら事業を実施すること」と定義しています。つまり商工会議所は交付元ではなく、申請の入口に立つ確認役・伴走役です。

商工会議所と商工会は別の団体です。商工会議所は商工会議所法にもとづき経済産業省 経済産業政策局の所管で、主たる地区は「市の区域(特別区を含む)」。商工会は商工会法にもとづき中小企業庁の所管で、主たる地区は「主として町村の区域」です。事業所の所在地でどちらに行くかが決まるため、住所が市なら商工会議所、町村なら商工会と覚えておくと迷いません。

もうひとつよくある質問が会員かどうかです。公募要領が定める補助対象者の要件に、「商工会議所(商工会)の会員であること」は含まれていません。要件は業種ごとの従業員数などで判定されます。ただし窓口の受付体制や面談の進め方は地区ごとに異なるので、会員・非会員の扱いを含めて最寄りの窓口に直接確認するのが確実です。

ホームページに使える中心は小規模事業者持続化補助金

ホームページ制作費を正面から対象にできる全国区の制度は、実務上ここが主戦場になります。第20回公募〈一般型・通常枠〉の要点は次のとおりです。

項目

第20回公募の内容

補助上限

50万円(インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円、両方で+200万円の上乗せ)

補助率

2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)

対象経費

機械装置等費/広報費/ウェブサイト関連費/展示会等出展費/旅費/新商品開発費/借料/委託・外注費

公募要領の公開

2026年5月27日(水)

申請受付開始

2026年11月5日(木)

申請受付締切

2026年12月15日(火)17:00

様式4の発行受付締切

2026年12月4日(金)

申請方法

電子申請システムのみ(郵送は一切不可)。GビズIDプライムのアカウントが必要

補助事業の実施期限

2028年3月31日(金)

対象になるのは「小規模事業者」です。常時使用する従業員の数が、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で5人以下、サービス業のうち宿泊業・娯楽業で20人以下、製造業その他で20人以下という区分です。会社役員や同居の親族従業員は、この人数に含みません。

制度そのものの対象範囲や申請の流れは、小規模事業者持続化補助金でホームページが対象になる条件の記事でも扱っています。あわせて読むと、窓口に行く前の下調べがひととおり済みます。

ウェブサイト関連費は上限30万円・それだけでは申請できない

公募要領はウェブサイト関連費を「販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト、システム(オフライン含む)等の開発、構築、更新、改修、運用をするために要する経費」と定義しています。ホームページ制作費はここに入ります。ただし条件が2つあります。

  • ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ずほかの経費と一緒に申請する必要があります。
  • この経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。

補助率2/3で逆算すると、ウェブサイト関連費で上限の30万円を受け取るには、45万円分の対象経費を計上する計算になります。制作費が45万円を超える部分は、この区分では補助の対象になりません。「補助上限50万円だからホームページ50万円分を丸ごと」という読み方は成り立たない、というのが最初につまずくところです。

なお広報費も同じく単独申請ができず、上限は30万円(税込)です。仕分けを間違えやすいのが写真と動画で、自社ホームページやECサイトで使う動画・写真の制作費は広報費ではなくウェブサイト関連費で計上すると明記されています。チラシや看板は広報費、サイトに載せる素材はウェブサイト関連費、と分けて考えてください。

金額が大きいときは「処分制限財産」の扱いも押さえておきます。ウェブサイトおよびシステムを50万円(税抜)以上の費用で作成・更新する場合、そのサイトは処分制限財産に該当し、補助金を受け取った後も通常は取得日から5年間、処分(補助事業目的外での使用・譲渡・担保提供・廃棄等)が制限されることがあります。一方で、補助事業の目的を遂行するために必要なホームページの改良や機能強化は「処分」に該当しないと公募要領に書かれています。公開後に更新していくこと自体は妨げられません。

実質の締切は申請締切ではなく「様式4の発行受付締切」

第20回の申請受付締切は2026年12月15日(火)17:00ですが、様式4の発行受付締切は2026年12月4日(金)で、11日早く閉まります。そして公募要領は、「受付締切以降の発行依頼は、いかなる理由があってもできません」と明記しています。加えて、補助対象者の要件を満たしていないと判断される場合も発行はされません。

手順としては、電子申請システムに経営計画・補助事業計画を入力して印刷し、特例や加点に関する書類を添えて窓口へ持ち込み、内容の確認を受けてから様式4が発行されます。窓口の開設時間は地区ごとに違い、訪問時には事前連絡が必要とされています。締切の直前は依頼が集中するので、逆算するなら「12月4日」ではなく、その2〜3週間前を自社の締切に置くのが現実的です。

お金の流れも先に知っておくと安全です。補助金は後払いで、補助事業の遂行にあたっては自己負担が必要になります。採択されても、計上したすべての経費について見積書等を提出し、事務局の審査を経て交付決定です。採択発表から交付決定までは概ね1〜2か月かかる場合があるとされています。制作の着手時期は、この交付決定を待つ前提で組み立ててください。

Mihata では、こうした補助金の締切から逆算したホームページ制作もお手伝いしています。記事の途中で恐縮ですが、公開までのスケジュールと費用の考え方をまとめたページがありますので、よろしければあわせてご覧ください。

商工会議所地区と商工会地区で、様式4の出し方が違う

同じ補助金でも、地区によって様式4のやり取りが異なります。ここを混同すると「システムに発行依頼のボタンが無い」と探し回ることになります。

商工会議所地区(主に市・特別区)

商工会地区(主に町村)

発行依頼

地域の商工会議所へ直接依頼する

電子申請システム内から地域の商工会へ依頼する

発行の受け取り

発行された様式4のPDFを電子申請システムへアップロードする

窓口へ行って面談を受け、発行されるとシステムに反映される

申請完了の条件

PDFをアップロードするまで申請を完了できない

発行されるまで申請を完了できない

事務局等

株式会社日本経営データ・センター/日本商工会議所/各地商工会議所

株式会社ニューズベース/全国商工会連合会/各地商工会

自社がどちらの地区かは、日本商工会議所の商工会議所検索サイト、または全国商工会連合会の商工会検索サイトで所在地から調べられます(URLは記事末尾の出典に掲載しています)。商工会議所地区の問い合わせ先は03-6634-9307で、受付は9:00〜12:00と13:00〜17:00(土日祝日・年末年始を除く)です。

補助対象外になりやすいホームページ費用

見積もりに入れがちなのに対象外、というものが公募要領に列挙されています。ホームページ制作でとくに引っかかりやすいのは次の項目です。

  • ウェブサイトおよびシステムに関連するコンサルティング・アドバイス費用(制作は対象でも、助言だけの費用は対象外)
  • 既に導入しているソフトウェアの更新料
  • 補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ(作っただけで公開が間に合わないと対象外)
  • 販売を目的としたシステムやソフトウェア開発、家庭および一般事務用ソフトウェア
  • 有料配信する動画の制作費、有料の講座で使用する動画や電子教材の作成
  • ウェブサイトに使用する画像等における被写体や商品(紹介物等を含む)の購入に係る費用

逆に、商品販売のためのウェブサイト作成や更新、効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策、サイトに掲載する宣材写真や商品・サービスを販売するための画像・動画の作成費用は、対象となる経費例として挙げられています。「SEO対策」がまるごと対象外だと思われがちですが、効果と作業内容が明確であることが条件、という書き方になっています。

見積書の作り方そのものでつまずく場合は、ホームページ制作の費用相場と総額の見抜き方を先に読んでおくと、どこまでを補助対象の経費として切り出せるかの見当がつきます。

制作会社に任せられること・任せられないこと

ここは正直に書きます。公募要領は「社外の代理人のみで、地域の商工会・商工会議所へ相談や『事業支援計画書(様式4)』の発行依頼等を行うことはできません」と明記しています。本事業は小規模事業者自身が、計画の策定時にも採択後の実施時にも、商工会・商工会議所の支援を直接受けながら取り組む事業だからです。「制作会社に丸投げすれば申請まで通る」という進め方はできません。

第三者の支援を受けること自体は禁止されていませんが、申告義務があります。第三者の支援(支払いの有無を問わず)を受けているのに、確認事項入力(様式2)の「商工会・商工会議所を除く第三者からのアドバイスの有無」の項目に相手方と支援に係る金額(着手金・成功報酬その他名目を問わず)の記載がない場合、虚偽の報告として不採択・交付決定取消になります。公募要領は「提供するサービスの内容と乖離した高額なアドバイス料金を請求される業者等にご注意ください」とも注意喚起しています。

制作会社に任せられるのは、あくまで見積書の作成、経費区分に沿った内訳の整理、公開時期を補助事業期間に収めるスケジュール設計、公開後の運用といった制作側の実務です。経営計画の中身と窓口対応は事業者自身が担う、という線引きで考えてください。パートナー選びの観点は補助金が使えるホームページ制作会社の見極め方にまとめています。

商工会議所で扱わない助成金の探し方

市区町村や都道府県が独自にホームページ作成費の補助を出していることがあります。これらは商工会議所が交付元ではないため、窓口で必ず案内されるとは限りません。自分で探す場合は、中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21 支援情報ヘッドライン」が使いやすく、国・都道府県の補助金や助成金を地域やカテゴリで絞り込めます。制度全体の見取り図は中小企業庁の「ミラサポplus」で確認できます。

創業まもない場合は、同じ持続化補助金でも〈創業型〉という枠があります。第4回の申請受付締切は2026年12月15日で、記事作成時点では受付準備中です。ただし〈創業型〉と〈一般型〉の重複申請はできませんので、どちらで出すかは早めに決めておく必要があります。

ホームページ以外にAIツールやシステムの導入も一緒に考えているなら、デジタル化・AI導入補助金でホームページが対象になる条件もあわせて比べてみてください。制度によって、対象になる経費の切り口がかなり違います。

まとめ:窓口に行く前に決めておく3つ

商工会議所へ行く前に、貴社側で次の3点を決めておくと、面談が一度で進みます。第一に、ホームページで何の販路開拓をするのか(誰に何をどう売るのか)。第二に、ウェブサイト関連費のほかにどの経費区分を組み合わせるのか(単独申請ができないため必須)。第三に、公開をいつに置くのか(補助事業期間内に運用に至らないと対象外)。この3つが決まっていれば、様式4の発行依頼は驚くほどスムーズです。

制度は回次ごとに変わります。申請の直前には、必ず最新の公募要領を事務局サイトで確認してください。ホームページ側の見積もりや公開スケジュールで迷っている段階でしたら、お気軽にご相談いただければと思います。

よくある質問

商工会議所に行けばホームページの助成金がもらえますか?

商工会議所は助成金の交付元ではありません。国の小規模事業者持続化補助金を申請する際に必須となる事業支援計画書(様式4)を発行し、計画づくりに助言する窓口です。公募要領も、補助対象事業の要件として『商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること』を挙げています。

商工会議所の会員でないと申請できませんか?

公募要領が定める補助対象者の要件に『会員であること』は含まれていません。要件は業種ごとの従業員数などで判定されます。ただし窓口の受付体制や面談の進め方は地区ごとに異なるため、会員・非会員の扱いは最寄りの商工会議所または商工会に直接確認してください。

ホームページ制作費だけで申請できますか?

できません。ウェブサイト関連費のみによる申請は認められておらず、必ずほかの経費区分と組み合わせる必要があります。またウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。補助率2/3で逆算すると、45万円分の対象経費で上限に達する計算になります。

第20回の締切はいつですか?

申請受付締切は2026年12月15日(火)17:00です。ただし事業支援計画書(様式4)の発行受付締切は2026年12月4日(金)で先に閉まります。公募要領は受付締切以降の発行依頼はいかなる理由があってもできないと明記しているため、実質の締切は12月4日と考えてください。

申請を制作会社に全部任せられますか?

任せられません。公募要領は、社外の代理人のみで商工会・商工会議所へ相談や様式4の発行依頼を行うことはできないと明記しています。また第三者の支援を受けた場合は、様式2で相手方と支援に係る金額を申告する必要があり、記載がないと虚偽の報告として不採択・交付決定取消となります。

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