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AI活用2026.09.23

AIは「SI」に改称|トランプ国連演説の要点と日本への影響

2026年9月22日(米東部時間・火曜)、第81回国連総会の一般討論演説で、トランプ米大統領が「AI(Artificial Intelligence)」を今後「Super Intelligence(SI)」と呼ぶと表明しました。対象は米国政府の文書(all United States documents)で、民間企業・他国・学術用語への強制力はありません。理由は「artificial(人工の)という語は fake(偽物)に聞こえる」という言葉の印象の問題で、AI の規制強化ではなくむしろ規制に反対する文脈で語られました。2026年9月23日時点で、この改称を定めた大統領令や連邦官報の掲載は確認できていません。

つまり日本の企業・個人にとっては、いま表記や契約書を変える必要はありません。この記事では、発表の原文・対象範囲・「変わること/変わらないこと」を一枚の表で整理し、今後どこを見ておけばよいかまで通しでまとめます。

何が発表されたか|2026年9月22日・国連総会

発表の場は、ニューヨークの国連本部で開かれた第81回国連総会の一般討論演説です。演説全体は外交・安全保障が中心で、AI の話はその終盤に出てきました。ホワイトハウスが同日公開した公式リリースにも、該当箇所が引用として掲載されています(ホワイトハウス公式リリース「President Trump at the United Nations」、2026-09-22公開)。

要点は4つです。

  • いつ: 2026年9月22日(米東部時間)
  • 誰が: トランプ米大統領(国連総会の一般討論演説)
  • 何を: 「Artificial Intelligence」の呼称を「Super Intelligence(SI)」へ変更すると表明
  • 対象: 米国政府の文書。民間・他国・学術界に従う義務はない

同じ演説で、AI の危険性を訴える声は地球温暖化の警告になぞらえて退けられました(AFPBB News)。改称は「安全性を高めるための措置」ではなく、AI を国家の強みとして押し出すメッセージの一部として置かれている、と読むのが素直です。

演説とホワイトハウス公式リリースの原文

ホワイトハウスの公式リリースに掲載された一文が、いまのところ最も確実な一次ソースです。

“The United States totally rejects any attempt to construct a globalist scheme of control for the Artificial Intelligence being spoken of so much now — hereinafter officially called ‘Super Intelligence.’”

(訳: 米国は、いま盛んに語られている Artificial Intelligence ——以後は公式に「Super Intelligence」と呼ぶ—— に対してグローバリスト的な統制の枠組みを作ろうとするいかなる試みも、全面的に拒否する)

演説そのものからは、Axios と Gizmodo が次のくだりを転記しています。

“From this point forward, all of United States documents and hopefully the world’s will be changed to use the much more accurate term super as opposed to artificial. So it’s super intelligence.”

(訳: これ以降、米国のすべての文書は——願わくば世界の文書も——「artificial」ではなく、はるかに正確な「super」という語を使うように変わる。つまり super intelligence だ)

さらに “welcome to the new world of Super Intelligence – SI”(新しい SI の世界へようこそ)、規制については “I’m not going to stifle growth of something that will be bigger than the industrial revolution… we will only encourage super intelligence.”(産業革命より大きくなるものの成長を止めるつもりはない。我々は super intelligence を後押しするだけだ)という発言も伝えられています(AxiosGizmodo)。

他国が追随するかを問われた場面では “Let’s see if I have any power… We’re gonna find out pretty soon.”(自分にどれだけ力があるか見てみよう。すぐ分かる)と答えており、米国外への強制力がないことは発言者本人も前提にしています

なぜ「artificial」を嫌ったのか

理由として語られたのは、技術的な定義の問題ではなく語感です。「artificial は fake(偽物)に聞こえる。実際にはすごいものなのに」という趣旨の発言が各社に伝えられています。「人工の」という語が技術を過小評価している、という主張です。

名称は突然出てきたわけではなく、SNS 投票を挟んでいます。9月19日に Superior Intelligence / Extreme Intelligence / Supreme Intelligence の3案で投票が呼びかけられ、9月20日の決選で Superior が残り、9月21日の Superior 対 Super の投票で Super が65%対35%で勝ちました。そして9月22日の国連演説で「Super Intelligence(SI)」が採用されます。この経緯はAIの新名称が3案投票を経て「Super」に決まった経緯で日付順にまとめています。

ここで注意したいのは、superintelligence(超知能)は AI 研究で既に定義のある言葉だという点です。Nick Bostrom の『Superintelligence: Paths, Dangers, Strategies』(2014)では「実質的にすべての関心領域で人間の認知能力を大きく上回る知性」とされ、研究コミュニティでは ASI(Artificial Superintelligence)として「まだ存在しない仮説上のシステム」を指します。現在の ChatGPT や Claude はそこには含まれません。言葉の意味のズレはSI(スーパーインテリジェンス)の意味とAIとの違いと、AGI・ASI・SIの違いを1枚の表で整理した記事で詳しく扱っています。

対象範囲|米政府文書だけ・民間や他国への強制力はない

実務で一番効いてくるのがこの線引きです。演説で言われたのは “all of United States documents” であり、及ぶ範囲は米連邦政府が作る文書です。次のものは対象外と考えて差し支えありません。

  • 日本を含む他国の政府文書・法令(日本の AI 関連法や政府ガイドラインの用語は変わりません)
  • 民間企業の製品名・サービス名・社内規程・契約書
  • 学術論文・国際標準・業界団体の用語
  • 報道機関の表記(実際、日本語メディアは「AI」表記を維持したまま改称を報じています)

また、2026年9月23日時点で、この改称を定めた大統領令(Executive Order)や官報掲載は確認できていません。演説での表明にとどまっている段階です。米国の AI ルールの全体像は、州法の動きまで含めてアメリカのAI規制と州法の全体像にまとめてあります。米国・EU・日本の規制の向きの違いはトランプSI演説とAI規制の比較記事で整理しています。

変わること/変わらないこと(一覧表)

「結局うちは何かしないといけないのか」に答えるため、影響の有無で並べた表です(2026年9月23日時点)。

対象

いま変わるか

備考

米連邦政府が作る文書・公式発表

変わる(表明ベース)

実際の切り替え時期・徹底度は未発表

英語圏の報道・SNSでの言及

一部変わる

「SI」「super intelligence」の言及が急増

日本語メディアの表記

変わらない

「AI」のまま改称を報道

日本の法令・政府ガイドライン

変わらない

追随の予定は確認できていない

自社の契約書・社内規程・利用規約

変わらない

用語定義を置いていれば対応不要

製品名・サービス名・資料の「AI」表記

変わらない

顧客が検索する語は依然「AI」

学術用語(AI / AGI / ASI)

変わらない

ASI は従来どおり仮説上の超知能を指す

SEO・検索キーワード

一時的に変わる

「SI とは」等の指名検索が短期で増える

実務で多いのは、ニュースを見た経営層から「うちの資料も直すのか」と降ってくるパターンです。上の表の「変わらない」行をそのまま示して、いったん様子見で問題ないと説明するのが最短です。

日本の企業・個人への影響

正直に書くと、ほとんどの日本企業にとって今日やるべきことはありません。それでも見ておく価値があるのは次の3点です。

契約書・社内規程・IR

契約書で「人工知能(AI)」と定義している場合、呼び名が米国で変わっても定義条項がある限り解釈に影響しません。逆に定義を置かずに「AI」とだけ書いている契約は、今回とは無関係に元々あいまいです。表記を見直すなら改称に合わせるのではなく、AI→SI改称で契約書・社内規程・IRの表記をどうするかで扱う「定義条項を足す」方向が実利があります。

検索・SEO

短期的には「SI とは」「スーパーインテリジェンス 意味」といった検索が増えます。ただし日本語圏で「SI」はシステムインテグレーション(SIer)や国際単位系(SI単位)とぶつかるため、単独の「SI」を狙うと検索意図が混ざります。記事側でどう設計するかは「SI」キーワードのSEO対策にまとめました。

社内・社外のコミュニケーション

英語で米国政府関係者・米国企業とやりとりする場面では、相手が “SI” と書いてくる可能性があります。読み手が混乱しないよう、初出で「SI(Super Intelligence、従来の AI)」と併記するのが安全です。日本語では「AI」のままで構いません。

今後の見どころ

ここから先は未確定です。推測で埋めず、判断材料になる3点だけ挙げます。

  • 大統領令が出るか: 演説での表明と、文書での命令はまったく別物です。連邦機関が実際に表記を変えるなら、行政命令かガイダンスが出るはずで、そこで初めて「いつから・どの文書に」が分かります(2026年9月23日時点で未確認)。
  • 他国が追随するか: 本人が “hopefully the world’s” と述べただけで、合意も要請文書もありません。日本政府が追随する動きは確認できていません。
  • 「AI Force」と AI 担当官: 改称と同時期に、「AI Force」の創設と AI 担当官(AI czar)の指名が示唆されています(Axios, 2026-09-21)。中身は未定義で、こちらのほうが実務への影響は大きくなり得ます。

なお日本語での表記ゆれも押さえておくと検索・社内共有で迷いません。SI/Super Intelligence/スーパーインテリジェンス/スーパー・インテリジェンス/超知能/超知性は、いずれも今回の文脈では同じものを指しています。

私たちはAI導入支援やAIブログ運用といったサービスも行っております。記事の途中で恐縮ですが、こうした「結局うちは何をすべきか」を一緒に整理する仕事を日々しておりますので、よろしければ合わせてご覧いただけたら嬉しいです。

まとめ

2026年9月22日の国連演説で、トランプ大統領は AI を「Super Intelligence(SI)」と呼ぶと表明しました。対象は米政府文書で、民間・他国・学術用語に強制力はなく、日本の企業・個人が表記や契約書を今すぐ変える理由はありません。見るべきは名前ではなく、その裏にある「規制しない」という方針と、AI Force のような実体のある動きです。大統領令の有無を含め、確認でき次第この記事を更新します。

よくある質問

トランプ大統領はいつ、どこでAIの改称を表明しましたか?

2026年9月22日(米東部時間)、ニューヨークの国連本部で開かれた第81回国連総会の一般討論演説の中で表明しました。ホワイトハウスの公式リリースにも該当箇所が引用されています。

日本の企業も「AI」を「SI」に書き換える必要がありますか?

必要ありません。対象は米国政府が作る文書で、民間企業・他国の政府・学術用語への強制力はありません。契約書や社内規程、製品名の表記を今すぐ変える理由はありません。

改称を定めた大統領令は出ているのですか?

2026年9月23日時点では、改称を定めた大統領令や官報への掲載は確認できていません。演説での表明にとどまっている段階です。

なぜ「artificial」ではなく「super」なのですか?

「artificial(人工の)はfake(偽物)に聞こえるが、実際にはすごいものだ」という語感の理由が挙げられています。技術的な定義の変更ではありません。なお候補はSNS投票で絞られ、最終的にSuperが65%対35%で選ばれました。

AI研究でいう「超知能(superintelligence)」と同じ意味ですか?

同じではありません。研究コミュニティではASI(Artificial Superintelligence)として「人間の認知能力をあらゆる領域で大きく上回る、まだ存在しない仮説上のシステム」を指します。今回の改称は現在のAI全般の呼び名を指しており、意味の範囲が異なります。

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