Google の動画生成モデル Veo 3.1 系のプレビュー3本と gemini-omni-flash-preview は、2026年10月22日に停止します。移行先は gemini-omni-1.1-flash の1つだけで、公式の提供終了一覧では4本すべてが同じ移行先を指しています。残り10日です。
ただし「移行すれば安くなる」とは言い切れません。課金の単位が秒課金からトークン課金へ変わるため、Veo 3.1 Standard(720p で1秒 $0.40)から移ると実効で約4分の1になりますが、Veo 3.1 Lite(720p で1秒 $0.05)から移ると約2倍に上がります。この記事では公式の料金ページと提供終了一覧の数字だけを使って、どの構成が得をしてどの構成が損をするかを試算します。
10月22日に止まる4つのモデルID
Google の Gemini API「Deprecations」の表には、停止日 2026年10月22日として次の4行が並んでいます。いずれも移行先の列は同じです。
停止するモデルID | 公開日 | 停止日 | 公式の移行先 |
|---|---|---|---|
| 2025年10月15日 | 2026年10月22日 |
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| 2025年10月15日 | 2026年10月22日 |
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| 2026年3月31日 | 2026年10月22日 |
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| 2026年6月30日 | 2026年10月22日 |
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見落としやすいのは4行目です。gemini-omni-flash-preview は名前が移行先とよく似ているのに、別物として同じ日に止まります。「もう Omni に移してあるから大丈夫」と考えていた場合でも、モデル名の末尾が -preview のままなら対象です。手元のコードを grep して確かめるのが確実です。
いずれも名前に preview が付いたプレビュー版で、正式版に一本化される流れの最終段階にあたります。Gemini の画像生成側でも同じことが起きていて、そちらの料金と停止日の扱いはNano Banana 2.1の料金と停止日の整理にまとめてあります。
移行先は gemini-omni-1.1-flash だけ
gemini-omni-1.1-flash は2026年8月27日公開で、公式の提供終了一覧では「停止日は未発表(No shutdown date announced)」です。料金ページでも「Gemini API の有料ティアの開発者に対して一般提供(generally available)」と書かれており、プレビューではありません。
注意点が1つあります。無料ティアでは利用できません。料金ページの Free Tier 欄は入力・出力ともに「Not available」です。これまで無料枠で検証していた場合、移行と同時に有料ティアの登録が必要になります。
正式版で何ができるようになったか、動画の続きを生成する使い方はOmni Flash正式版で動画の続きを作る手順で具体的に書いています。
料金は「秒課金」から「トークン課金」へ変わる
ここが移行のいちばんの変化です。Veo 3.1 は生成した動画の秒数で課金されていましたが、gemini-omni-1.1-flash はトークンで課金されます。
項目 | Veo 3.1(停止する側) | gemini-omni-1.1-flash(移行先) |
|---|---|---|
課金単位 | 生成1秒あたり | トークンあたり |
入力 | (秒課金に含む) | $1.50 / 100万トークン(テキスト・画像・動画・音声) |
出力(テキスト) | — | $9.00 / 100万トークン |
出力(動画) | — | $17.50 / 100万トークン |
無料ティア | 利用不可 | 利用不可 |
秒とトークンは直接くらべられませんが、公式の料金ページが換算レートを明記しています。「課金は出力トークンの総消費量にもとづき、720p 動画1秒あたり 5,792 トークンで計算される。標準料金では実効で約 $0.10/秒に相当する」という注記です。実際に計算すると 5,792 × $17.50 ÷ 1,000,000 = 約 $0.101 で、注記どおりになります。
これで、停止する側の秒単価と直接くらべられます。
停止する構成(720p) | 秒単価 | 移行後の実効秒単価 | 差 |
|---|---|---|---|
Veo 3.1 Standard(音声つき・既定) | $0.40 | 約 $0.10 | 約75%下がる |
Veo 3.1 Fast | $0.10 | 約 $0.10 | ほぼ同じ |
Veo 3.1 Lite | $0.05 | 約 $0.10 | 約2倍に上がる |
Veo 3.1 は解像度ごとに秒単価が分かれていて、Standard は 720p と 1080p が $0.40、4K が $0.60。Fast は 720p $0.10 / 1080p $0.12 / 4K $0.30。Lite は 720p $0.05 / 1080p $0.08 で、4K 出力には対応していません。
約 $0.10/秒は「720p の出力ぶんだけ」の数字
公式の換算レートは 720p について書かれたもので、それより高い解像度のレートは明記されていません。1080p や 4K で出したときのトークン消費は、公式の数字から計算できません。実測して確かめるのが正しい進め方で、推測で見積もりを作ると外れます。
もう1つ、約 $0.10/秒は出力動画ぶんの換算です。トークン課金では、プロンプトや参照画像などの入力($1.50 / 100万トークン)と、出力に含まれる思考トークンも別に乗ります。短い動画を大量に作る使い方では、入力の比重が相対的に大きくなります。
月100本・30秒で試算するとどうなるか
720p で30秒の動画を月100本(合計3,000秒)生成する場合を、上の秒単価で置いてみます。入力トークンぶんは含めていないので、下限の見積もりとして読んでください。
いま使っている構成 | 移行前の月額 | 移行後の月額 | 差額 |
|---|---|---|---|
Veo 3.1 Standard | $1,200 | 約 $300 | 約 $900 下がる |
Veo 3.1 Fast | $300 | 約 $300 | ほぼ変わらない |
Veo 3.1 Lite | $150 | 約 $300 | 約 $150 上がる |
実務でいちばん多いのは、検証は Lite、本番は Standard という使い分けです。この構成だと本番側は大きく下がり、検証側は上がります。合算では下がるケースが多いものの、「検証用に Lite で大量に回す」運用をしている場合は、移行後に検証コストが2倍になることを先に経営側へ伝えておくほうが安全です。
停止日が決まったモデルを社内で棚卸しする手順そのものは、AIモデル提供終了への企業の対応と移行6手順に一般形でまとめています。
私たちはこうした API の移行や社内への影響の切り分けを、AI導入支援のなかでお手伝いしています。記事の途中で恐縮ですが、自社で見積もりを組み直すのが重たいときの相談先として、よろしければご覧いただけたらうれしいです。
10月22日までにやること
- 対象のモデルIDを洗い出す。コードと設定ファイルを
veo-3.1とgemini-omni-flash-previewの2語で検索します。4行目の取りこぼしがいちばん多いところです。 - 有料ティアを確認する。移行先は無料ティアで使えません。無料枠で検証していた環境は、課金設定を先に通しておきます。
- 解像度ごとにトークン消費を実測する。720p 以外は公式に換算レートがないので、短い動画を1本ずつ作って請求ベースで確かめます。
- Lite を使っている箇所の予算を組み直す。ここだけは値上がり側です。本数を絞るか、解像度を落とすかを決めておきます。
- 10月22日を過ぎたら実際に呼び出して確かめる。公式の提供終了表は期日どおりに書き換わらないことがあるため、表の見た目ではなく自分のリクエストの結果で判断します。
つまずきやすい3点
1. 自動で移行はされません。 同じ Google でも、文章生成側の gemini-3.7-flash は非推奨になった際にリクエストが自動で gemini-3.8-flash へ回される扱いでした。今回の4本は「停止日」が設定された廃止で、自動ルーティングの記載はありません。モデル名を書き換えないと止まります。文章生成側の自動ルーティングの話はGemini 3.8 Flashの料金と3.7との違いにあります。
2. 公式の表は期日どおりに動きません。 Google の提供終了一覧では、停止日を過ぎた行がグレーにも削除にもならず残ったままになる例が実際にあります。表を見て「まだ生きている」と判断しないでください。
3. 失敗した生成の課金ルールは変わります。 Veo 3.1 の料金ページには「音声処理の問題で動画が生成されないことがあり、その場合は課金されない」という注記がありました。トークン課金の移行先で同じ扱いになるとは書かれていないため、エラー時の請求は移行後に一度確認しておくのが安全です。
まとめ
- 2026年10月22日に
veo-3.1-generate-preview/veo-3.1-fast-generate-preview/veo-3.1-lite-generate-preview/gemini-omni-flash-previewの4本が停止する。 - 移行先は
gemini-omni-1.1-flashの1つだけ。公開は2026年8月27日で、停止日は未発表。 - 課金が秒からトークンへ変わる。公式の換算は 720p 動画1秒あたり 5,792 トークン=実効で約 $0.10/秒。
- Standard からの移行は約75%下がり、Fast はほぼ同額、Lite は約2倍に上がる。
- 720p 以外の解像度は公式に換算レートが無いので、見積もりは実測で作る。
公開済みのモデルがいつ止まるかを一覧で追いたい場合は、次に出るAIモデルの発表予定と期日一覧を更新しながら使っています。
よくある質問
Veo 3.1 のプレビュー版はいつ止まりますか?
2026年10月22日です。veo-3.1-generate-preview、veo-3.1-fast-generate-preview、veo-3.1-lite-generate-preview の3本と、gemini-omni-flash-preview の合計4本が同じ日に停止します。
移行先はどのモデルですか?
gemini-omni-1.1-flash の1つだけです。公式の提供終了一覧では4本すべてがこのモデルを移行先として指しています。2026年8月27日公開で、停止日は未発表です。
移行すると料金は安くなりますか?
構成によって変わります。720p では Veo 3.1 Standard の $0.40/秒から実効 約$0.10/秒へ下がりますが、Veo 3.1 Lite は $0.05/秒だったため約2倍に上がります。Fast はほぼ同額です。
リクエストは自動で新しいモデルへ回されますか?
今回の4本には自動ルーティングの記載がありません。停止日が設定された廃止なので、モデル名を書き換えないとリクエストは通らなくなります。
無料ティアで使えますか?
使えません。移行先 gemini-omni-1.1-flash の料金ページでは Free Tier が入力・出力ともに「Not available」で、有料ティアの開発者向けに一般提供されています。