おりこうブログは、株式会社ディーエスブランド(本社・長崎県長崎市)が自社開発して全国販売している、企業向けのWebサイト作成・運用ソフト(CMS)です。公式サイトでは「導入実績40,000ライセンス以上」と記載されており、レビューサイト ITreview では762件のレビューで満足度4.3/5.0(2026年9月時点)と、評判そのものは良好な部類に入ります。
ただし「評判が良い=自社に合う」ではありません。おりこうブログは料金を公式サイトで一切公開しておらず、価格は打ち合わせ後の見積もりです。つまり、他社サービスのように「月額◯◯円だから合う/合わない」と先に判断することができません。この記事では、公開情報から確かに読み取れることだけを使って、見積もりが出てくる前に自分で決めておくべき判断軸を5点に整理します。数字を並べる記事ではなく、商談に入る前に手元に置く記事のつもりで書きました。
おりこうブログの評判|762件のレビューで何が褒められているか
ITreview のおりこうブログのレビューページ(2026年9月時点)では、総レビュー762件・満足度4.3/5.0、評価の内訳は5.0点が245件、4.0〜4.5点が434件、3.0〜3.5点が80件、2.0〜2.5点が3件です。受賞歴として「2026 Summer Leader(ホームページ作成ソフト部門)」「The Best Software 2026」「The Best Software by Category 2026」が掲載されています。
数の多さと分布を見るかぎり、極端に評価が割れているサービスではありません。低評価(2点台)が3件しかないのは、CMS のレビューとしてはかなり穏やかな部類です。
褒められているのは「機能」より「人がついてくること」
レビューで繰り返し挙がっているのは、次の順に整理できます。
- サポート体制:電話・メール・リモート案内・定期フォローを含む「手厚い支援」
- 操作性:「見たまま編集」(WYSIWYG)とドラッグ&ドロップで、専門知識がなくても短時間でページの作成・更新ができる
- 内製化によるコスト削減:自社で更新できるので、外注費と修正までの待ち時間が減る
- テンプレートと素材:業種別テンプレートやブロック素材が豊富
- 実務機能:アクセス解析、メッセージ配信・フォーム、カタログ作成
ここは読み飛ばさないほうがいい部分です。おりこうブログの評価の中心は「ソフトの性能」ではなく「自社で更新できる状態まで人が連れていってくれること」にあります。公式サイトでも「応答率98.7%のサポート」を掲げており、サポート窓口は電話・FAX・メールで平日9:00〜17:00(土日祝を除く)、問い合わせ回数の制限はなしと案内されています。一方で、毎回の訪問指導は含まれず、訪問指導は有償で別途対応と明記されています。
裏を返すと、社内に「更新する人」がいない会社では、この最大の長所がそのまま無駄になります。ここが最初の分かれ目です。
不満として挙がっているもの
同じレビュー群で、改善要望として挙がっているのは主に次の3つです。
- 編集中に「画面が固まって編集したデータが消えてしまう」ことがある
- Instagram 連携まわりの機能制限
- 「料金が下がるといい」という価格面の要望
1つ目は運用でかなり吸収できます(長文は別のテキストエディタで書いてから貼る、こまめに保存する)。おりこうブログにはページの保存・履歴バックアップ機能があるので、確認しておくと安心です。
問題は3つ目です。価格の不満が上位に来るサービスは、たいてい「機能が高い」のではなく「総額が読みにくい」という構造を抱えています。おりこうブログの場合、その読みにくさには明確な理由があります。
料金が公開されていない理由と、見積もりの構造
公式の価格ページには、金額の記載が1つもありません。書かれているのは、価格の構造と、それが変動する理由だけです。
「システム本体&初期費用」と「運用保守費用」は両方必須
公式の記載を整理すると、おりこうブログの費用は次の2本立てです。
- システム本体&初期費用
- 運用保守費用(「運用サポートサービスパック」を定期的に購入する必要がある)
公式には「ご導入には、『システム本体&初期費用』と『運用保守費用』の両方のご購入が必須」と書かれています。また、合計金額は「お客さまのWebサイトへのご要望内容によって変動します」「有償オプションをどれだけ多く導入するか、どのデザインプランを選択するか、などで変わる」と説明されています。
つまり、見積書を受け取ったときに最初にすべきなのは、「この金額のうち、毎月(毎年)ずっと出ていくのはどれか」を線で分けることです。初期費用と継続費用が1枚の紙に混ざったまま総額だけを見ると、3年後の負担を見誤ります。
「オリジナルデザイン制作」は有償オプション
もう1つ、見落としやすい線引きがあります。公式の機能一覧では、機能が標準機能と有償オプションに分けて掲載されており、「オリジナルデザイン制作」は有償オプション側に入っています。
標準側にあるのは「見たまま編集機能」「業種別モデルページ」「スマホ閲覧最適化」「Webフォーム」「チャットボット」「SEO設定」「アクセス解析機能」「SSL」「WAF」「パンフレット作成機能」「デジタルカタログ機能」「おりこうAIページライター」など。一方、有償オプション側には「オリジナルデザイン制作」のほか「限定公開機能」「多言語変換」「求人連携機能」「メッセージ配信機能」「サイト管理者追加機能」「ステップフォーム機能」などが並びます。
これは「ケチだ」という話ではなく、見積もりの読み方の問題です。営業資料で見た事例サイトの見た目が気に入った場合、その見た目がデザインプランや有償オプションに依存していることがあります。「提案されたこの画面は、標準の範囲か、オプションか」を1行ずつ確認してください。
契約前に確認する5点
ここからが本題です。料金が非公開である以上、判断材料は「金額」ではなく「条件」になります。商談の場で、次の5点を口頭ではなく書面で確認してください。どれも、答えが返ってこないこと自体が重要な情報になります。
1. サーバーは「DSサーバー」固定。解約後にサイトを持ち出せるか
公式のよくある質問に、「おりこうブログは弊社ディーエスブランドで用意したサーバー(DSサーバー)での運用となります」と明記されています。自社で契約しているレンタルサーバーに載せる、という使い方はできません。
これは、おりこうブログに限らずサービス提供型のCMS全般に共通する性質ですが、意味するところは重いです。サーバーとソフトが一体で提供されるということは、契約が終わったときに「サイトそのもの」が手元に残らない可能性があるということです。何年もかけて書きためたページや事例、ブログ記事が、別の場所でそのまま動くとは限りません。
だから確認すべきは「解約できますか」ではなく、次の3つです。
- 解約時に、ページの本文・画像・PDFを一括で書き出せるか(形式も含めて)
- 書き出したものを他社のCMSにそのまま載せられる形か(HTMLか、独自形式か)
- 解約後、サイトが非公開になるまでの猶予はどれくらいか
この論点は、ホームページ制作をサブスク型で契約するとき全般に効きます。詳しくはビズサイの料金と評判|月額制HP制作は誰に向くかで、月額制サービスの「所有権と解約」の見方を整理しています。解約時の引き継ぎで具体的に何が詰まるかはWixを解約するとデータはどうなる?移行前の確認6点が実例として参考になります。
2. ドメインは誰の名義で、移管できるか
公式のよくある質問では、ドメインの移行について「基本的には可能です」としつつ、サブドメインなど対応できない場合があると案内されています。「基本的には」という言い方が入っている以上、自社のケースが例外でないかを個別に確認する必要があります。
確認すべきは、ドメインの登録者名義(Registrant)が自社になっているかです。制作会社やサービス提供会社の名義で取得されていると、解約の局面で話がこじれます。実際、名義が誰なのか分からないまま何年も運用している会社は珍しくありません。調べ方はホームページのドメイン・サーバーの契約者が分からないにまとめてあります。
3. 契約期間・最低利用期間・中途解約の条件
公式サイトには、契約期間や中途解約の条件についての記載がありません(価格が非公開なので、これも当然そうなります)。だからこそ、ここは必ず書面で取ってください。
- 最低利用期間は何か月/何年か
- 期間途中で解約する場合、残期間の費用はどう扱われるか
- 自動更新か。更新を止めるにはいつまでに何を出せばよいか
- 「運用サポートサービスパック」の購入サイクル(何か月分をいつ買うのか)
ホームページ関連の契約でいちばんもめるのは、品質ではなく「やめ方」です。導入時にやめ方の条件を紙で持っている会社は、数年後にとても楽をします。
4. 見積もりのうち「毎月かかる分」はどれか
前述のとおり、おりこうブログの費用は初期費用と運用保守費用の2本立てで、運用サポートサービスパックは定期的な購入が必要とされています。見積書を「初期(1回きり)」と「継続(毎月・毎年)」の2列に自分で書き写してください。
そのうえで、3年分の総額を出します。ホームページは3年は使うものなので、初期費用の大小より3年総額のほうが実態に近い数字になります。比較のときも、この3年総額で並べます。制作費の相場感そのものはホームページ制作費用の相場【2026】で、料金表の読み方ごと整理しています。
5. 更新する人が社内にいるか(これが最大の判断軸)
技術的な確認ではなく、社内の話です。おりこうブログの評価の中心は「自社で更新できるようになること」なので、更新を担当する人が決まっていない状態で導入すると、いちばん高い部分にお金を払って使わないことになります。
次の3つに答えられるかで判断してください。
- 誰が更新するか(役職ではなく個人名で言えるか)
- その人は月に何時間、この作業に使えるか
- その人が辞めたら、次は誰か
3つ目に詰まる会社は多いです。担当者が辞めた瞬間に更新が止まる現象は、CMSを変えても解決しません。起きたときの選択肢はブログ担当者の退職で更新が止まった|3つの選択肢と判断軸にまとめました。
向く会社・慎重に検討したほうがいい会社
ここまでの材料を、判断しやすい形に畳みます。
向いている会社
- 社内に更新担当を置ける(総務・広報・営業事務などで、月に数時間使える人がいる)
- 相談先が電話でほしい。メールやチャットだけのサポートでは動けない
- 採用ページ・お知らせ・事例など、更新が前提のコンテンツが中心
- パンフレットやデジタルカタログをWebと兼用したい(この機能を標準で持つCMSは多くありません)
- デザインは業種別モデルページで十分と割り切れる
慎重に検討したほうがいい会社
- 更新する人が決まっていない。作ったら基本そのまま、というつもりでいる
- デザインをブランドの一部として作り込みたい(オリジナルデザインは有償オプション側なので、結局そこに費用が寄る)
- 将来、自社サーバーや他社CMSへ移す前提がある
- 既存の業務システムや予約システムと深く連携させたい
- 先に金額の上限を決めてから選びたい(非公開の見積制はこの進め方と相性が悪い)
他のサービスと比べるときの並べ方
おりこうブログを検討している会社は、たいてい同時に「月額◯◯円」と公開している他社も見ています。ここで公開価格のサービスと非公開見積のサービスを同じ表に並べると、必ず前者が安く見えます。初期費用・オプション・サポートの厚みが同じ土俵に乗らないからです。
比べるなら、次の3つを揃えてから並べてください。
- 3年総額(初期+継続×36か月+想定オプション)
- サポートの中身(電話が使えるか/回数制限/訪問は有償か)
- 解約時に何が手元に残るか(ドメイン・本文データ・画像の権利)
公開価格のサービスについては、それぞれ実際の数字を検算した記事があります。ペライチの料金と評判|無料プランは終了、グーペの評判と料金|総額と解約条件、AI自動作成型の限界についてはWix・JimdoのAI自動作成のデメリットが対応します。自分で作るか外注するかで迷っている段階なら個人事業主のホームページは自作か外注かもあわせてどうぞ。
Mihataからの正直な見方
私たち(Mihata)はホームページ制作を請け負っている立場なので、その前提で読んでください。そのうえで言うと、おりこうブログは「合う会社には本当に合う」タイプのサービスだと考えています。更新担当がいて、電話で相談できる先を求めていて、カタログとWebを兼用したい——この条件が揃っているなら、有力な選択肢です。762件で4.3という評価は、そういう会社が付けている点数だと読むのが自然です。
一方で、「更新する人がいない」「デザインを作り込みたい」「いずれ移すかもしれない」のどれかに当てはまるなら、いったん立ち止まる価値があります。その場合に必要なのは、別のCMSではなく「誰が何を更新し続けるのか」の設計です。
Mihataでは、サーバーとドメインをお客様名義で持っていただく形でホームページを作っています。解約という言葉が出てきたときに、サイトがそのまま手元に残る形です。どちらが良いかは会社によりますが、「やめたときに何が残るか」を先に決めておくという点だけは、どのサービスを選ぶ場合でも共通しておすすめしています。
よくある質問
おりこうブログの料金はいくらですか?
公式サイトでは金額が公開されておらず、打ち合わせ後の見積もりになります。費用は「システム本体&初期費用」と「運用保守費用」の2本立てで、公式には両方の購入が必須と記載されています。合計額は有償オプションの数やデザインプランによって変動すると説明されているため、見積書を受け取ったら初期費用と継続費用を分けて3年総額で見るのが確実です。
おりこうブログの評判は実際どうですか?
ITreviewでは762件のレビューで満足度4.3/5.0(2026年9月時点)、2点台の低評価は3件と、評価が大きく割れているサービスではありません。高評価の中心は電話・メール・リモートを含むサポートの手厚さと、見たまま編集による更新のしやすさです。改善要望としては、編集中に画面が固まってデータが消えることがある点、Instagram連携の機能制限、価格面が挙がっています。
おりこうブログを解約したらサイトはどうなりますか?
公式のよくある質問では、おりこうブログはディーエスブランドが用意したサーバー(DSサーバー)での運用と明記されています。サーバーとソフトが一体で提供されるため、契約終了後にサイトがそのまま別の場所で動くとは限りません。契約前に、ページ本文・画像の書き出し可否とその形式、他社CMSへ載せられるか、解約後に非公開になるまでの猶予を書面で確認してください。
独自ドメインは他社へ移せますか?
公式のよくある質問では「基本的には可能です」とされていますが、サブドメインなど対応できない場合があると案内されています。あわせて、ドメインの登録者名義が自社になっているかを確認してください。名義が制作会社やサービス提供会社のままだと、解約の局面で手続きが進まなくなることがあります。
サポートはどこまでやってもらえますか?
公式のよくある質問によると、サポートは電話・FAX・メールで、営業時間は9:00〜17:00(土日祝祭日を除く)、連絡回数の制限はないと案内されています。一方で毎回の訪問指導は含まれず、訪問指導は有償で別途対応とされています。電話でその場で聞ける体制を求める会社には合いますが、訪問前提で考えている場合は費用の扱いを確認してください。
デザインは自由に作れますか?
公式の機能一覧では「オリジナルデザイン制作」は有償オプションに区分されており、標準機能側にあるのは業種別モデルページと見たまま編集です。提案を受けた画面が標準の範囲かオプションかは、見積もりの段階で1行ずつ確認しておくと、後から金額が動きにくくなります。