Mihata
仕事効率化(DX)2026.10.11

カメラの日時がずれる|電池切れと撮影日時の直し方

先に結論です。日付も年も丸ごと初期値に戻っているなら、原因はほぼ内蔵の時計用電池切れです。ソニーは「充電しない期間が1か月程度続くと完全に消耗してしまい日時設定がリセットされる」と案内し、充電されたバッテリーを入れて電源を切った状態で24時間以上置くよう書いています。ニコンのZ30のマニュアルは時計用電池を「フル充電するには約2日間かかります」「充電すると、約1カ月の間時計を動かすことができます」と明記しています。一方、ずれが「ちょうど数時間」なら電池ではなくエリア(タイムゾーン)とサマータイムの設定で、キヤノンは「サマータイムを[サマータイム]にすると、手順3で設定した時刻が1時間進みます」と説明しています。

まず「全部ずれている」か「数時間だけずれている」かで切り分ける

見た目は似ていても原因は分かれます。症状から当たりをつければ、無駄な設定のやり直しをしなくて済みます。

症状

いちばん疑うところ

直し方の方向

年も日付も初期値(2020年1月1日など)に戻る。電池を抜くたびに設定画面が出る

内蔵の時計用電池(バックアップ電池)の消耗

充電されたバッテリーを入れて放置し、時計用電池を充電してから再設定する

日付は合っているのに、時刻だけ1時間・9時間などきれいにずれる

エリア(タイムゾーン)とサマータイムの設定

設定メニューのエリアを日本に、サマータイムをオフにする

カメラの表示は合っているのに、パソコンやアプリで見ると日時が違う

Exifの時差情報と、取り込みソフト側の解釈

撮影日時そのものではなく表示の問題として扱う

1日に数十秒〜数分、じわじわ進む・遅れる

内蔵時計そのものの精度

定期的に合わせ直す運用にする

4番目のじわじわ型はクオーツ時計を持つ機器すべてに起こります。正常の範囲は時計が1秒ずれる精度の話でまとめています。

日時が丸ごとリセットされるのは、時計用の電池が別にあるから

カメラの内蔵時計は、撮影に使うメインのバッテリーとは別の小さな電源で動いています。多くはメインバッテリーから充電される二次電池(キャパシタを含む)で、機種によってはボタン電池です。ここが空になると、電源を入れた瞬間に日時設定画面が出ます。メーカーごとに言い方も数字も違うので、公式の記述を並べます。

メーカー

公式に書かれていること

キヤノン(EOS R10 ほか)

「カメラからバッテリーを取り出して保管したときや、カメラのバッテリー残量がなくなったとき、カメラを氷点下に長時間放置したときは、日付/時刻/エリアの設定が解除されることがあります」。今回確認したマニュアルには、保持できる日数の記載は見つかりませんでした

ニコン(Z30 ほか)

時計用電池はバッテリーを入れると充電され「フル充電するには約2日間かかります」「充電すると、約1カ月の間時計を動かすことができます」。撮影画面で時計マークが点滅していれば内蔵時計が初期化された状態。公式FAQは充電方法・時間・動作時間が「カメラによって異なります」とし、充電後も頻繁にリセットされる場合は修理依頼を案内しています

ソニー(サイバーショット ほか)

内蔵充電式電池は「充電しない期間が1か月程度続くと完全に消耗してしまい日時設定がリセットされる」。充電は「充電されたバッテリーをカメラに入れ、カメラの電源を切った状態で24時間以上放置する」。日付を保持したいなら1か月に1回の充電をすすめています

富士フイルム

「電池を外したまま、長時間放置すると設定が保持できなくなり、初期設定に戻ってしまい」ます(故障ではない)。数秒抜いただけで戻る場合は、充電された電池かACアダプターで日時を設定し、30分後に数秒外して再接続し、保持されているか確かめる手順が案内されています

OM SYSTEM

「カメラの電池を抜いて長時間放置すると、リセット等の設定がクリアされます」「設定がクリアされるまでの時間については保証出来ません」。専用キャパシタ電池の機種では、最初に電池を入れてから全放電するまで(数時間から1日程度)の間に電池を抜くと設定がクリアされる可能性があるとしています

やることは共通です。充電されたバッテリーを入れたまま、電源オフで半日から2日ほど置いて時計用電池を充電し、そのうえで日時を設定し直す。この順番を守らないと、設定した直後にまた消えて「直らない」と感じます。長期保管でバッテリーを抜く運用なら、ずれるのは仕様に近いので撮影前に合わせる習慣にしたほうが早く、充電後も1日でリセットされるなら点検・修理の対象です。

「ちょうど1時間」「ちょうど9時間」ずれるならタイムゾーンとサマータイム

ずれが分単位でなくきれいな時間単位なら、時計そのものは動いています。疑うのは2つだけです。

  • サマータイム…キヤノンは「サマータイムを[サマータイム]にすると、手順3で設定した時刻が1時間進みます」「[サマータイムオフ]にするとサマータイムが解除され、1時間戻ります」と書いています。日本では現在サマータイムが運用されていないので、国内で使うならオフが正解です。海外旅行でオンにしたまま帰ってくるのが典型です。
  • エリア(タイムゾーン)…キヤノンは「[エリア/時差設定]の内容を変更したときは、日付/時刻が正しく設定されているか確認してください」と注意しています。9時間ずれているならエリアがUTCのままという線が濃厚です。

この「数時間だけずれる」はスマートフォンでも同じ構図で起きます。端末側の挙動はスマホの時計がずれるときの直し方に整理しました。

GPSやスマホ連携で自動補正できる機種もある

キヤノンのGPS内蔵・GPS対応機では、時刻設定に「自動更新」があり、「カメラの電源が入った状態で、GPS信号を受信したときに時刻が更新されます」。ただし条件があって、「GPS衛星を5基以上捕捉できないときは、時刻の自動更新は行われません」。精度は「誤差は約±0.02秒です」とされています。GPSが扱うのは協定世界時(UTC)で、時刻更新がエリア(タイムゾーン)設定まで自動で切り替えるかどうかは今回確認した公式マニュアルでは確認できていません。エリアは自分で合わせておくのが安全です。

ニコンはSnapBridgeで、「[スマートフォンと同期]を[する]に設定すると、スマートフォンの日時情報をカメラが取得します」。アプリ側で「[つながる]タブの[時刻の同期]をオンにする必要があります」と案内されています。スマホの時計はネットワーク経由で合っているので、いちばん手間のかからない合わせ方です。

基準の時計を1つ決めて合わせる考え方は電波時計と同じです。同期しないときの切り分けは電波時計が同期しないときの確認手順が参考になります。

私たちも秒まで見えるブラウザ時計を作って、同じように機器の時刻合わせの基準に使っています。記事の途中で恐縮ですが、記録や台帳まわりで困っていることがあれば相談だけでも歓迎です。

すでに撮ってしまった写真の撮影日時を直すには

大事なのは、写真の中の撮影日時(メタデータ)と、アプリが画面に出す日時は別物だという点です。

CIPAのExif規格では、撮影日時はDateTimeOriginal(タグ36867、0x9003)に「YYYY:MM:DD HH:MM:SS」の24時間表記で記録され、この文字列自体はタイムゾーンを持ちません。時差は別タグのOffsetTimeOriginal(タグ36881、0x9011)に「±HH:MM」で入り、規格は空欄なら不明として扱うとしています。この時差タグはExif 2.31(CIPA DC-X008-2016)で追加されたもので、書かない機種では空のままです。

だからカメラの表示は合っているのに、取り込むと数時間ずれることがあります。時差が不明な写真を、ソフトが自分の環境のタイムゾーンで解釈するためです。

直し方は3通りです。

  • アプリの表示を直す…Appleの「写真」(Mac)は「画像」>「日時を調整」で調整後の日時を入れ、地図上でタイムゾーンをクリックして最も近い都市を選びます。
  • クラウド側で直す…Googleフォトはヘルプで「写真の日時を変更すると、更新後の日時が Google フォトに反映されます。ただし、写真を他のアプリと共有したりダウンロードしたりした場合、カメラで保存されていた元の日時が写真に表示される場合があります」と明記しています。表示が直っても、ファイル自体が書き換わるとは限らないわけです。
  • ファイルのメタデータごと直す…ExifToolのような道具は、日時をまとめてずらす機能を持ちます。公式ドキュメントのシフト書式は「Y:M:D h:m:s」で、たとえば「2005:01:27 20:30:00」に「5」を加えると「2005:01:28 01:30:00」になります。タイムゾーンだけを「+h:m」でずらすこともできます。

まとめて直すなら、ずらす量を1枚で検算してから全体に適用し、元ファイルのコピーを先に取っておきます。

複数台で撮った写真が時系列に並ばないとき

2台以上を使うと、1台の時計が数分ずれているだけで写真の順番が崩れます。後から直すより、撮る前に合わせるほうが楽です。

  • 基準にする時計を1つ決める(スマホ、電波時計、ネットに同期したパソコンの時計など)。
  • 全機のエリアとサマータイムを同じ設定にする。これがずれていると分や秒を合わせても無意味です。
  • 秒まで合わせる。多くの機種は「00秒」で確定する操作になっているので、基準の時計が00秒になる瞬間に合わせます。
  • 保険として、最初に全機で同じ時計の画面を1枚撮っておく。後からずれ量を割り出せます。

取り込み先のパソコンの時計も見ておきます。パソコン側がずれていると、ファイルの更新日時だけが狂って混乱の種になります。直し方はパソコンの時計がずれるときの直し方にまとめています。

防犯カメラやドライブレコーダーのずれは別の話

同じ「時刻がずれる」でも、常時録画する機器は事情が違います。映像に焼き込まれたタイムスタンプが記録としての意味を持つため、ずれを放置するリスクが大きく、電源の切れ方やGPS受信の有無といった原因も別です。

防犯カメラの時刻がずれるときの対処とドライブレコーダーの時刻ずれの直し方をご覧ください。手順も注意点もこの記事とは変わります。

よくある質問

カメラの電池を抜くと毎回日時がリセットされます。故障ですか。

長期間抜いていた場合は仕様に近い動作です。富士フイルムは電池を外したまま長時間放置すると初期設定に戻ると案内しており、故障ではないとしています。ただし充電されたバッテリーを入れて時計用電池を充電した後も、数秒抜いただけでリセットされるなら点検・修理の対象です。ニコンも充電完了後に頻繁にリセットされる場合は修理依頼を案内しています。

時計用電池はどのくらいで充電でき、どのくらい持ちますか。

機種によって違います。ニコンZ30のマニュアルはフル充電に約2日間かかり、充電すると約1カ月間時計を動かせるとしています。ソニーは電源を切った状態で24時間以上放置して充電し、1か月に1回の充電をすすめています。ニコンの公式FAQも充電方法・時間・動作時間はカメラによって異なると明記しています。

時刻がちょうど1時間ずれています。何を見ればいいですか。

サマータイムの設定です。キヤノンはサマータイムをオンにすると設定した時刻が1時間進み、オフにすると1時間戻ると説明しています。日本国内で使うならオフにします。9時間ずれている場合はエリア(タイムゾーン)がUTCなどのままになっている可能性が高いです。

すでに撮った写真の撮影日時は後から直せますか。

直せます。ただしアプリの表示を直すのと、ファイルのメタデータを直すのは別です。Googleフォトは日時を変更しても、他のアプリへ共有・ダウンロードするとカメラで保存された元の日時が表示される場合があると明記しています。ファイルごと直すならExifToolのように日時をまとめてずらす道具を使い、1枚で検算してから適用します。

2台のカメラで撮った写真が時系列に並びません。

撮影前に全機の時計を1つの基準に合わせるのが確実です。エリアとサマータイムを同じにしてから、秒まで合わせます。すでに撮ってしまった分は、ずれ量を割り出して一方の撮影日時を一括でずらします。最初に全機で同じ時計の画面を1枚撮っておくと、ずれ量の確認が楽になります。

まとめ

やることは次の順番です。①年ごと初期値に戻るなら時計用電池切れなので、充電されたバッテリーを入れたまま電源オフで半日〜2日置いて充電してから日時を設定し直す(ソニーは24時間以上、ニコンZ30はフル充電約2日・保持約1カ月)。②ずれが「ちょうど数時間」ならエリアとサマータイムを確認し、国内利用ならサマータイムはオフにする。③手で合わせたくないならGPSの時刻自動更新(キヤノンは衛星5基以上が条件)やSnapBridgeの時刻の同期を使う。④撮った写真は、表示を直すのかExifのDateTimeOriginalごと直すのかを分け、一括でずらす前に1枚で検算する。⑤複数台なら撮影前にエリアとサマータイムを揃えて秒まで合わせる。⑥それでも1日でリセットされるならメーカーの点検に出す。

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